世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
なのはA's ~最終決戦、全力全開!~
「待たせたな!」
【Mahou Syoujo lyrical Nanoha A's】-WORLD LINK- ~WEPON~!!
蒔風の翼に皆の想いが集まっていく。
その想いはみんな同じだ。
-敵を倒してみんなで帰ろう-
そのためにこの力は発動する。
金色の粒子が蒔風の周りを包み、銀白の翼が羽根を舞わせて羽ばたいている。
それに触れると、皆の魔力、体力が戻っていくのを各自が感じた。
「俺があのデカブツを一手にひき付ける。あのマテリアル共はまかせた」
「一手にって・・・舜君!無茶だよ!!」
そう言いうなのはの口にシー、と人差し指を当てて笑う蒔風。
「勝てるよな?あんな偽もん、ぶちのめせるよな?」
蒔風の瞳には疑いなど一切なかった。
信じていた。
ここにいるのは一人たりとも負けはしないと。
それをなのはは知った。
だったらこう言うしかないではないか。
「任せて!!」
「よし・・・行くぞ!!!」
「行け!!!」
蒔風と「奴」の声が同時に響き、一斉に動き出す。
星光の魔王VSなのは&ヴィータ
星光の魔王が二人に向け、ディバインバスター級の砲撃を放つ。
二人は砲撃にまわりこむ形でそれをかわし、ヴィータが鉄球を撃つ。
それが超スピードで飛んで行き、星光の魔王に直撃するが、それはバリアで阻まれる。
しかし
「■■■■!?」
星光の魔王が一瞬だけ驚きの感情をあらわにする。
その鉄球はぶつかった瞬間に一つにまとまり、幾度も幾度もバリアに突撃を繰り返していった。
「な、なんだよこれ!!こんな制御いつもはできねえぞ!?」
「それが舜君のWORLD LINKだよ!!」
そしてついに鉄球がバリアを砕き、星光の魔王の上半身の左半分を吹き飛ばした。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
言葉にならないような咆哮を上げ、星光の魔王のデバイスの先端に魔力光が集まっていく。
「なのは!!」
「わかった!!行くよ!レイジングハート!!!!」
《OK、マスター!!!》
ガシュウガシュウガシュウ!!!
カートリッジを三発装填し、魔力を溜めこみ砲撃準備に!!
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!!」
ドゴオオオオオアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
星光の魔王が片手でデバイスを構え、SLB級の砲撃を撃つ。
集束もせずにこの威力。
しかし、なのはの目に焦りはない。
「一言いいかな・・・・・・・なんで私が魔王なのーーーーーーーーーーーーーー!?」
《スターライトブレイカー、WL!!!》
ドパウ!!!
なのはの砲撃も放たれる。
二つの砲撃がぶつかり合って、その接点から飛んでもない衝撃が生まれ大気が振動した。
しかし少し撃つのが遅かったためか、なのはの方が徐々に押されてきている。
「なのは!!」
「大丈夫!!!勝つよ!!レイジングハート!!!!」
《YES、マスター》
パアッ!!!
なのはの砲撃の先端に変化が起きる。
ぶつかり合っている本筋の砲撃から、触手のように魔力が枝分かれし、それが星光の魔王の星光の魔王の砲撃に突き刺さり、穴だらけにしていく!!!
そしてズバズバと糸で縫いとめるように浸食し、ついには星光の魔王自身にも到達する!!!
ドドドドドッドン!!!!
十ほどの枝分かれした砲弾が命中し、その体が揺れる。
さらに本番の砲撃が、穴だらけになった砲撃を引きちぎりながら迫ってくる!!!
「撃ち貫いて!!!」
《これで終わりです》
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!」
ドォォォォオオオオオオオオオオオン!!!!!!!
星光の魔王が爆散する。
そのなのはと爆煙の間に斜め上から、雷神の皇帝がレヴァンティンのシュランゲフォルムに押し込まれて落ちていく。
バチィ!!!
その連結刃を弾き、プラズマスマッシャーに酷似した射撃魔法を二、三十撃つ雷神の皇帝。
しかし
「ハァッ!!!」
ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!
バン!!バン!!バババババババババッッバンバン!!!!
弾幕ならぬ刃幕によってそれらすべて打ち消され、さらに追い詰められる雷神の皇帝。
「このように動きを制限さえしてしまえば!!!」
ゴォウ!!!
雷神の皇帝がこの刃幕から逃れようと先ほどの超スピードで姿を消す。
だが
「どれだけのスピードで動こうと、その動きを予測することはたやすい!!!テスタロッサ!!!!」
「はい!!!!」
ガキィ!!!
フェイトが雷神の皇帝の肩にバルディッシュザンバーフォームを押し当て、さらにデバイスを掴んで動きを封じる。
「バルディッシュ!!!斬り裂いて!!!」
《イエッサ!!プラズマザンバー!!!》
ジュカッ!!!!
雷神の皇帝の動きが止まる。
フェイトがバルディッシュを斜めに振り下ろし、振り返る。
そしてそのままゆっくりと離れていく。
《アサルトフォーム》
ガシュッ!ガチン!!!
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
ドォオオオン!!!!!
バルディッシュがアサルトに戻ると同時に、斬り裂かれた跡が金色に輝き、電撃を放ちながら爆発した。
それによって雷神の皇帝の肉体は消え去り、消滅する。
そこから上空
闇の暴君とはやて、シャマル、ザフィーラ、クロノが交戦している。
「攻撃範囲が広すぎや!!!」
「だったら撃たせないようにするだけだよ!!」
「行くわよ、ザフィーラ!!」
「心得た!!!」
シャマルのクラールヴィントが十五個ほどの丸い空間ゲートを作り、そこに向かってザフィーラの「鋼の軛」が突き刺さる。
次の瞬間、攻撃が終わって次の魔法へと移行する闇の暴君の周囲に、転送先のゲートが開く。
するとどうなるかなどは明白である。
そのゲートから突き出してきた鋼の槍が闇の暴君に突き刺さり、その動きを縫い止める!!!
「もう一回、いけるか?デュランダル!!!」
《オフコース、ボス》
「エターナルコフィン!!!!!」
クロノによるエターナルコフィンでさらに氷の柱に閉じ込められる闇の暴君。
その柱は天に向かってどこまでも伸びていた。
「いくで!!リィンフォース!!!」
『はい、我が主!!!』
「『デアボリック・エミッション!!!!!』」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
その氷柱ごと空間魔法に取り込み、極小にまで圧縮する。
小さなビー玉にまで小さくなったそれを、はやてがそっと手に持つと、パキン、と砕けて消えてしまった。。
「はやてちゃん!!!」
「なのはちゃん!!そっちは?」
「終わったよ!!フェイトちゃんも!!」
「舜は!?」
皆が蒔風の方を見る。
蒔風はと言うと・・・・・
「ひゃっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうううううう!!!!」
バン!!ビガッ!!ドン!!バチンバチンバチン!!!!
ドドドドドドッン!!!ビーーーービーーーー!!!!!ドォン!!!
ヒュン!ヒュンヒュンヒュン!!!!ヒィィィィイイイイイイイイイイイ・・・・・・・・イイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!
ザシュザシュザシュ!!!!!キィイイイイイイイイイイイ・・・・・・・・・
蒔風は「奴」のビームや光線、触手などを超高速の旋回飛行などで華麗にかわし、すれ違いざまに何本かぶった切り、そしてまた回避行動を繰り返している。
その翼の先からは飛行機雲ができており、さらに頭の先からは空気の壁のようなものが時折見え、それをたまに撃ち破っていった。
「奴」は玉座に座ったまま動かず、蒔風の動きを目で追っていくだけだ。
しかし、その行動だけで触手の先から攻撃が放たれていく。
故に蒔風は回避や防御はできても、攻撃に転じられない。
「おい!!あいつら終わった見てえだぜ?こんなんでいいのか!?」
「ふ・・・甘く・・・・見るなぁ!!!!」
ドバァ!!!!!
巨大な肉体が全身から光を発する。
その光は辺り一帯を白に染め、全員の視界を埋め尽くす。
「ッ!?これ・・・・は・・・・うわあ!!!」
「ヴィータッ!?グおっ!!」
「きゃああああ!!!!」
「シグナム!!シャマル!?ぐっ、ぬお!!!」
「フェイトちゃ、きゃあ!!」
「なのは!!はやて、こっちに・・・きゃ!!」
「フェイト!!うわっ!!ぐあああああ!!!!!」
「みんな!!どこに・・・きゃあああ!!!」
『くっ!主はやて!!!』
その閃光の中で、離れた場所にいるなのは達が次々と触手に叩きつけたれ隆起した地面へと落ちていく。
立ちあがろうとするが、腕や足ががくがくと震え、うまく立ち上がれない。
「なにを・・・・ぬぐっ!?」
その中で蒔風も触手に捕まり、振り回される。
爪を両足と両手でつっかえさせて挟まれるのを防ぐが、捕まってしまっていることに変わりはない。
そのまま触手は真っ直ぐに地面に向かい、蒔風を叩き付けた。
ボゴオ!!ボゴッ!!ドゴゴゴゴゴン!!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッン!!!!!
さらにいくつもの触手が蒔風の落ちた場所に叩き付けられ、まるで料理の際、肉を慣らすかの様に蒔風を潰す。
「舜・・・・・君っ!!」
「蒔風・・・・・」
ズルリ、と地面から蒔風が触手に締め上げられながら、再び「奴」の眼前に持ちあげられた。
「これで決まりだ・・・・お前が異質だというならば、俺もまた異質なのだよ」
そう行って「奴」が触手を遠ざけさせ、砲撃の準備に入る。
最初になのは達に撃たれたあの砲撃だ。
喰らえば蒔風でも助からない。
「逃げてえええええええええ!!!!」
「舜!!!そこから!!!・・・・・」
「お願い!!目を覚まして!!!」
「蒔風!!!おい!!!」
なのは達の叫びが聞こえるが、そんなものは意に介さない。
「さらば銀白の翼人、ファイナルカウントダウンだ」
ギイイイイイイイイイイイイイイイイ・・・・・・・・・・・
ッ、ドン!!!!!
「・・・-る・・・り・・・・く」
蒔風が何かをつぶやく。
ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
そして砲撃が蒔風を触手の先端ごと吹き飛ばした。
だが、この場に残る闘気は消えない。
皆が願った思いは消えてない。
銀白の羽根が降り、天に輝きがともる!!!!
「な・・・・なぜ生還する・・・・なぜだ!!!」
上空高くに蒔風がいた。
雲が丸く消え、そこから何かの光が降り注ぐ。
今は夜だ。
ならばこの光はなんなのか。
「願いが人の生きる力。今ここにいるのは未来に向かって希望を持った者ばかり・・・・・」
【Mahou Syoujo lyrical Nanoha A's】-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~!!
蒔風の翼が開かれ、それが七色に輝きだす!!!!
「だったら、今のオレの力はそれに呼応し、どこまでも強くなるッ!!!!」
天からの光はみんなの願いを力にし、蒔風の周囲に漂う粒子からのだ。
それはあまりにも強く、陽の光とも思えるほどの!!!
さらに蒔風の身体も虹に輝き、全身に力がいきわたる!!
「があああああああああああああああああああ!!!!!」
「奴」が大きく反り返って咆哮する。
それと同時に玉座の怪獣にある全部のとげがミサイルのように飛んで行き、蒔風を爆散させようと迫る。
それを十分に引き付け、蒔風に着弾し、爆発したその瞬間!!!
蒔風が超高速スピードで真っ直ぐに「奴」に向かって飛び出す!!!
先に爆発したミサイルの爆風で加速し、後続のミサイル群を旋回してかわし、ついにすべてを振りきって、蒔風が怪獣に突っ込んでいく!!!!!!
ドンッ!!!メキッ!!グチャバキバキバキ!!!ドゴゴゴゴゴゴ、ドォン!!!!
その体内に飛び込み、縦横無尽に引っ掻き廻し、その体を崩壊させる。
そして核を掴み取り、後ろの方から飛び出して、その核を握って潰した。
核を失った玉座は砂状になって崩れ去り、そこに叩きこまれたエネルギーの逆流で「奴」の全身から小爆発を起こす。
「ぐ・・・・ああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
「なのは!!!フェイト!!!はやて!!!」
「「「うん!!!!」」」
三人が蒔風の方へと何とか飛び、そしてデバイスを構える。
三人の魔法陣が重なり、一つの砲撃となってその場に集束されていく!!!!
「準備はいいか!?」
「行くよ!!」
「みんな一緒に!!」
「せーのでな!!」
「「「「せーーーーーーのッッ!!!!」」」」
ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!
信じられないほどの、通常ならば使用者の身体も粉々になってしまうような反動を持つ砲撃が、「奴」に向かって叩き込まれた。
しかしこれはWORLD LINK
その願いのあるままに、敵を葬る最後の技!!!
「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
そしてその砲撃の光が収まった頃には、「奴」の姿はもうすでにそこにはなかった。
「よし!!」
「やった!!」
「いえーーーい!!」
「やったんか!?」
四人がガッツポーズをとり、勝利を喜ぶ。
こうして、大きな戦いは終わった。
どんよりとした雲は晴れ、朝日が昇ってきた。
新たな日、新たなる未来。
その光を、みんなしてゆっくりと眺めていた。
to be continued
後書き
アリス
「まんまじゃないですか!!??」
な、なにが?
アリス
「最後の蒔風の体当たり的なあれ、メビウスの映画の最後の技まんま!!」
だってあれかっこいいんだもん
アリス
「次回、そして別れのとき」
ではまた次回
セーーット、アーーップ!!!(最終回より)
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