| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  なのはA's ~決戦前に元通り~



「主失いし者よ・・・いいだろう・・・ついてこい」


そこ言葉に呼応して、コアがドクン!!と脈動を起こす。
そして「奴」がその胸元にコアをうずませると、一瞬辺りが静かになった。


「な・・・何が始まるというんだ・・・・」

「気をつけろぉ・・・・とんでもないのが来るぞ・・・・」




「Wooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!」



ゴォウ!!!!!


周囲に風が吹き荒れ、海の波が暴れる。

そして海中から新たな巨大な身体が現れてきた。
いや、それはもはや怪獣と言っていいスケールだ。
それの出現と共に、海底が隆起し、海だった場所が陸地にまで盛り上がってしまった。


「「「「「ッッ!!!!!!」」」」」

その巨体に絶句する一同。
蒔風ですら唖然とするほかなかった。

怪獣の巨体は二段構造になっている。

一段目
その巨体を支える脚は六本あり、昆虫の足のような形をしている。
さらに正面にはクワガタの様なハサミまであり、そこに禍々しい表情があった。
その一段目だけなら蜘蛛のように平たくなっており、さらにそこから二段目になっている。

二段目
一段目の身体の真ん中から上に向かってだんだんと細くなるように鎧のような肉体がそびえ立ち、そしてその頂上にはまるで王座のような椅子が取り付けられていた。
そしてそこに「奴」が座る。
足を組み、頬杖をついて、下方の蒔風たちを見下ろしている。
それはまるで王者のようであった。

一段目の上の面と、二段目の中腹までは無数のとげでおおわれており、巨大な物は十メートル、小さくても二メートルはある。
そして所々から触手が伸びており、その先端はUFOキャッチャーの爪の様になっていた。


「さて・・・・・どうする?・・・・面白いデータが残ってるな・・・・」

「奴」が思案し、それを実行に移そうとする。




「な、なぜだ!?あれも暴走していたとは言え、我らと同じプログラム!!」

「なんで主でもないあいつが使えんだよ!!!」

シグナムとヴィータが蒔風に叫ぶ。
その蒔風は冷や汗を一筋流し、そして納得した。


「なるほどな・・・・「奴」がなんで記憶操れたり、世界取りこめたのか分かったぜ・・・・」

「どういうこと?」

なのはの問いに、蒔風が答えた。

「「奴」には大きな能力がある・・・いや、特性と言っていいかもな・・・その特性は・・・・「君臨特権」!!!」



君臨特権

あらゆる物を従わせる一種のカリスマ性

「奴」のそれは主や、よりどころの失ったものを従わせると言ったことに特化した「君臨」だ。
故に、主なき「記憶」や、主人公の失った「世界」をその身に取り込むことができるのだ。

ちなみに主人公を「世界」の事を知り、そういった意図を持って殺すだけでは世界が崩壊するだけで取り組むことはできない。
それを成し遂げたのがこの特性だ。
「取り込む」は「手に入れる」とは違う。

強いて言うならば、銃を手に入れることと、銃を肉体に埋め込むことの違い。

それを為す「奴」は、間違いなく「王」の力を持つものだった。
「影役の王」「陽の当らないモノの扇動者」。

「奴」は世界にも類を見ない「王の特性を持つ脇役」!!!!



だから主を失った「闇の書の暴走プログラム」さえも手中に収める。
力は八神はやて以上。
ならばその力は最大限に引き出される。



「見ろよ・・・新しくまた作り上げてんぜ・・・・」

蒔風が指差した先にみんなの視線が向けられる。

そこにはうねうねと立つ三本の触手があった。
そのそれぞれの先端には光の球があり、その中で「何か」が構築されているようだ。


「くるぞ・・・・気を引き締めろ!!!」

「何が来るんだ!?」

「闇の書の中にある、最も強力な魔力を持つ者を元にしたマテリアル・・・・俺や「奴」は再現不可だろうからおそらく・・・」


そして三つの光が割れ、中から出てきた姿になのは、フェイト、はやてが驚愕した。

「あれ・・・」
「もしかして・・・・」
「うちらやないか!?」


そこにいたのはなのは、フェイト、はやてをベースにしたマテリアルの少女たちだった。
しかしその眼に光はなく、ただの「奴」の操り人形だった。


「星光の魔王、雷神の皇帝、闇の暴君・・・・行け」

「奴」が玉座動かず顎をクイッ、と突き出しす。
それと同時に三体のマテリアルがオリジナルに突撃していく!!!


「くっ、あぁッ!!」

「テスタロッサ!!うおっ!?こいつ・・・速・・・(ガキィ!!)ぐあ!!」


フェイトが弾き飛ばされ、シグナムも押しのけられる。



キュオッ・・・・ドォン!!!

「あああ!!!」

「高町・・なのは!!!」


ドドドドドドンッ!!!

「うわっ!!!」


なのはが砲撃を撃ちこまれてクルクルと舞い、助けに入ろうとしたヴィータに多くのスフィアが突っ込み、助太刀を許さない。




『主はやて!!!来ます!!』

「え、うん!!わかって・・・」

「危ない!!!」

ドゴン!!!

広範囲魔法の攻撃が逃げ場はなく、戦闘の経験もほとんどないはやてに打ちこまれる。

その攻撃をクロノとザフィーラが防ぐが、弾きだされ、その衝撃にはやても吹き飛ばされてしまう。
その衝撃にリィンフォースとの融合も解けてしまい、はやての髪が元に戻る。


なのは、フェイト、はやての三人が一カ所に集められ、そこに化け物本体からの攻撃が迫る。
触手の先端からレーザー光線や電撃のようなビームが放たれ、それがひとまとまりになって三人に迫る。


「あっぶね!!!!!」


バッッッチィイイ!!!!!!


蒔風が両腕に雷旺をまとい、その反発で光線を弾く。
しかし、そのあまりの威力に蒔風の身体は遠くに吹き飛ばされてしまった。


そして間髪いれずに再度放たれる光線。
しかもそれに上乗せして。


「あの反応・・・まさか撃てるのか!?」

「スターライト、ブラズマザンバー、ラグナロク、ブレイカー、発射」


ドギュゴア!!!!!!!


化け物からさらなる攻撃が放たれ、三人に一気に迫る。

避けることはできない。
かといって受け止められるわけもないその威力。

シグナムやクロノ達はマテリアル三人娘に邪魔され手が及ばない。


「ッ~~~~~~~!!!!!開翼!!!!!!」


ドッパン!!!!

蒔風が開翼し、三人の元へと高速で飛んでいく。
しかし間に合わない。

蒔風の脳味噌が、経験と感覚と計算が、いくらなんでも三人には間に合わないことを弾きだしてしまった。
それでも止まるわけにはいかない。


「できないからって、ハイそうですかと諦めきれるか!!!」


翼がビリビリと唸り、その両端からは飛行機雲のような線が生まれていた。


「うあああああああああああああああああああああ!!!!!!」


三人に手を伸ばす蒔風。
三人も手を伸ばすが、あの戦いの後で魔力も少なく、さらには病み上がりのはやてだ。

あと僅か、そのほんのちょっとが届かない。


「このやろおおおおおおおおおお・・・・・・・届け・・・・」


蒔風が必死に手を伸ばす。


「届けええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!」




そして蒔風と三人の周囲は光に包まれ、視界が真っ白になる。





その光の中で、伸ばされた手が・・・・・





届いた






ギュゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!


四人を閃光が飲み込み、その影すらも消す。
その光景に残った者は皆愕然とした。

「あ・・・主はやて・・・・」

「フェイ・・・・ト?」

「蒔風・・・・・が・・・・」

「はやてーーーーー!!!!なのはーーーーーー!!!!!」

「また・・・守れなかったというのか!オレは!!」

「はやてちゃん・・・・」

「蒔風・・・・」


マテリアルたちは離れて行き、「奴」のそばへと飛んでいく。
だが、その「奴」の表情はスッキリしていない。

「・・・・・・・世界の崩壊が始まらない・・・・・ッ!?なんだ・・・・この感覚は・・・・まさか!!!!」




カァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!



「奴」の反応と共に、上空に光の球が生まれる。
銀白に輝くその光は、あまりにも美しく輝き、辺りを照らしだしていた。


「まったく・・・・これじゃ管理局に「翼」が知られちまうじゃねえか・・・・」


その球が翼のようにグググッ、と開かれ、最後には一気に開かれた。


パァァァアアアン!!!!


「でもま、別にいいよな!!!」


「蒔風!!!」

「舜!!!」


「蒔風ぇ・・・・・」


そこにいたのは、蒔風舜。
外見は十九歳。
小さくされていたその体が、ついに本来の姿へと戻る!!!


「ふえええ!?しゅ、舜君!?」

「なんでおっきくなってるの!?」

「え?え?どうなってるんや!?」


三人も驚く。
その三人はと言うと、なのはは肩に担がれ、フェイトは脇に抱えられ、はやては背中にしがみつかせている状態だ。

「お前二人は知らないか?これが俺の本来の年齢だっての。ってかなのは!!お前最初の時に説明してたの、忘れてたのかよ!!」

「にゃ、にゃはは・・・・でも・・・」

「大きい・・・」

「凄いなぁ・・・この翼とか・・・・」



「蒔風・・・・戻ったか!!!」


なのは達とみんなのところに戻り、集合する蒔風たちに、「奴」が期待していたと言わんばかりに言った。

「こうでなくては・・・・ガキの姿の貴様などつまらんからな。お兄さんが思う存分潰してやるからな!!!」


その言葉に蒔風が、ニヤリと笑ってこう答えた。


「へっ!!な~~にいってんだ!!これが本当の姿なんだからよぉ!!これからが本番だ!!!」

バッ!!と翼と共に両腕を広げて蒔風が宣告した。



「こっからがクライマックスだぜぇ!!!みんな!!行くぞ!!!」


「「「「「おおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」



翼人・蒔風の真の姿が現れる
ここからが本番

しかして相手も尋常ならざる者達


この決着は、ここで決まる






to be continued

 
 

 
後書き

アリス
「今回のあの怪獣、モデルは?」

メビウスの映画のUキラーザウルスネオ(最終形態)
わからない方はレッツ検索!!






アリス
「次回、最終決戦」

ではまた次回






一つ覚えの砲撃、通ると思ってか

通す!!レイジングハートが力をくれてる!
命と心を賭けて、答えてくれてる!
泣いてる子を、救ってあげてって!!

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧