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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  なのはA's ~戦いの転機、狂気の叫びなの~


なのはとヴィータ、フェイトとシグナム、アルフとザフィーラがそれぞれ戦闘に入る。

それを見て、号令を飛ばす蒔風。


『まずは計画通りに引き離そう!!頼んだぞ三人とも!!』

『『『うん!!』』』


蒔風がどこかにいるかもしれない主、またはシャマルを探し出そうと走りながら念話を飛ばす。


「お前らか・・・こないだ落としてやったのにまた来たのか?」

「今度は負けない!それに、今回はお話をしにきたの!!」

そういうなのはにヴィータがハンマーを向けて言った。

「ベルカの諺にこう言うのがあんだよ。「和平の使者は槍を持たない」ってな!」

エッヘンどうだと胸を張って言ってやったヴィータに、なのはたちはきょとんとする。
そんな三人にヴィータが意味の説明をした。

「話し合いに武器持ってくるバカがいるかよ!!バーーーカ!!!」

「ば、バカって・・・いきなり攻撃してきた子がそんなこと言うかな!?」

『何やってんだ!!早くしろ!!こっちの準備は終わってんだ!!』


蒔風の怒号が飛び、そこで一斉になのはたちが動き出す。



「レイジングハート、カードリッジロード!!」

ガシャッコン!!!

なのはの言葉と共に、レイジングハートから薬莢が飛び出し、魔力が充填される。


「アクセル・・・シューーーート!!!!」

ドバァ!!

レイジングハートの先端から十個ほどの魔力スフィアが打ち出され、その数と勢いに誰よりなのはが驚いた。

(やっぱり凄い!!少しやっただけでこれだけの数!!)


そのスフィアがヴィータを取り巻き、檻のように閉じ込め動きを止める。
だがそんな状況でも、ヴィータは余裕そうだ。

「こんな数の球、制御できるわけねえだろ!!」

そう言いながらヴィータが小さな鉄球を四つ取り出し、グラーフアイゼンで撃ち放つ。
それらが赤い魔力を伴ってなのはに飛ぶ。

だがその言葉になのはのデバイスが答える。
この半年間、欠かすことなく彼女の成長を目の当たりにしてきたその相棒が、一切の迷いなく言い放った。

《できます。私のマスターなら》

直後に起こったことが、この一言の証明となった。

ひゅんひゅんと跳び回るなのはのスフィアのうち四つが、ヴィータの放った鉄球を、的確に打ち砕いたのだ!!

「なにぃ!?」

さらに残りのスフィアもギュオッ、と方向を転換し、一斉にヴィータに向かって行く。
ヴィータは瞬時にクリスタル状のバリアを張るが、幾度も幾度も衝突をしてくるスフィアが、そのバリアを削っていく。

ビキィ!!!

「な!?マジかよ!!」

ついにそのバリアにひびが入る。
もうもたないと判断したヴィータは、一瞬の隙間を見てバリアを解き、スフィアの檻から抜け出した。
大きく弧を描いて飛んでいくヴィータの後を、なのはのスフィアが高速で追尾していく。

だがヴィータも逃げてばかりではない
大きく回って、しっかりと背後にスフィアを連れて、なのはに向かって突っ込んできた。
なのはすれすれを通過していくヴィータ。

そこでヴィータがさらに飛びながら、なのはの方に振りかえる。

なのはに後続のスフィアが迫る。
あれだけの高速で、あの数。まず当たったとヴィータは思った。

だがそれがむなしくも外れた。
すべてのスフィアがなのはの身体から一センチにも満たない場所を通過していき、先ほどとなんら変わらずヴィータに向かって来たのだ。

「う、うわあああああああ!!!」

ドドドドドン!!

首を曲げて後ろを向いていたヴィータは逃げきれず、そのスフィアが数個命中する。
だがさすがに全弾命中とはいかず、いくつかはアイゼンで叩き落とされたようだ。

爆発が起き、その煙の中からヴィータが姿を現す。

「・・・・お前!!名前なんてんだよ!!」

ヴィータがパンパンとスカートのほこりを落としながら聞いてきた。
それはきっと、相手の実力を認めた騎士の心得なのだろう。

「高町、なのは!!」

なのはが元気よく答える。
だがヴィータにはいささか言いにくかったようで


「た・・高町、なんの・・・わっかりにきぃ!!おい、なんとか!!」

「なんとかって・・・ちゃんと覚えてよ~!!」

「うっさい!!もう手加減はしねえ。お前を対等の実力者として相手してやる!!!」

「・・・・望む・・・ところだよ!!!」

「行くぞ!!アイゼン!!!」

《アイサー!ラケーテンフォルム!!!》

ヴィータの掛け声とともに薬莢が排出され、ハンマーヘッドの片側に推進噴射口に、もう片方がスパイクに変形する。


「うをおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

ヴィータがその噴出口からのジェットで猛回転し、遠心力を加えてなのはに殴りかかる。
その攻撃をプロテクションで防ぐなのは。

そのまま取っ組みあって二人はその場から離れていく。


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一方、ザフィーラとアルフは地上まで降り、そこで格闘戦を繰り広げていた。

バッ!ガキィ!!!

アルフの渾身の突きをザフィーラが受け止める。
両者とも一歩も引かず、お互いを睨みつける。

「あんたも使い魔だろ!!主の事を思うなら、主の命にはときには逆らって、止めてみたらどうだい!!」

アルフがかつて言われた言葉を繰り返す。
それが使い魔のあり方だと叫ぶ。
ザフィーラはその言葉に反応する。

「ベルカでは主を守る獣を「使い魔」とは呼ばぬ!!」

ザフィーラがアルフを押しのけ、その身を表す誇り高き名を叫んだ。

「主の盾となり守護するもの、「守護獣」だ!!!!」

「同じようなもんじゃんかよ!!」

ドッキャァ!!!

アルフの攻撃が再びザフィーラに炸裂する。
その攻撃をクロスした腕で受け、その体が倒れることなく地面を滑る。

「俺はヴォルケンリッターが一人、蒼き狼・ザフィーラ!!!この身が粉塵にまで砕かれようとも、主には一歩も近づかせん!!!!」

「だったらこういうことになってんのが、主にさらに罪と着せるって考えてんのかい!!!」

ドがァ!!!

主に仕え、その身を守ることに使命を燃やす二人が、その身に怒りの炎をともして動いていく。


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ガキィ!!!

バルディッシュとシグナムのデバイス・レバンティンはぶつかり合い、お互いに距離をとる。

「強いですね、シグナム。それとレバンティン」

「ふ」

《それはどうも》

シグナムが強者を前に狂喜する戦士の笑みを浮かべ、賛辞を返す。

「お前もな。それと、そのデバイスも・・・名はなんという?」

「フェイト・テスタロッサと、バルディッシュ」

《ありがとう。以後お見知りおきを》

「あなたの目的を教えて!!手伝ってあげられるかもしれない!!話を聞きたいんだ!!」

フェイトのその叫びに、シグナムは諦めたような声を出す。


「無理だ。我らはもはや相容れぬ場所に立っている。そんなことは不可能だ」

その言葉にフェイトはムカッ、ときた。
そして、ああ、これがこの前に舜が思った怒りなんだ、と知った。

「ヤダは堕落者のセリフ、無理は無能のセリフ!!やろうとすれば出来るのに、これを言う人はそういう人!!!・・・なんだってさ!!!」

「な・・・んだと!?」

「どんな話でも聞くから!!あなたの主なら、酷い人ではないと思う!!!だから、お願い!!!」

その言葉にシグナムが黙り、そして聞いてきた。


「その言葉、誰の言葉だ」

「私の友達。私を・・・闇から連れ出してくれた人の言葉!!!」

シグナムは、そうか、と呟き、そしてそんな朋のいるフェイトを少し羨んで、それでもこう言った。


「こんな状況でなければ、お前とは最高の友になれただろう」

そう言いながら武器を構えるシグナム。
その眼には一切の迷いがない。

「だが、この身には為すべきことがある。心躍る戦いだが、それに没頭してもいられん。そこを退いてもらおうか・・・・殺さずに済ます自信がない」

シグナムから殺気が噴き出す。
一切の加減のない、相手の魂を切り裂く剣がぎらりと光る。
その眼光がフェイトを射抜き、双眸がギチリと引き上がる。

だが、フェイト・テスタロッサは退かない。
なぜなら、これよりも恐ろしい殺気を知っているからだ。
自分のために怒り、幾度も止めに来た少女と少年。

彼らの優しく、そして容赦のない少女の怒り、少年の殺気に比べれば、この程度などに恐れることなどあるだろうか。


「大丈夫です・・・私が、勝ちますから」


ヒョォォォォォオオオオオ・・・・・・


二人の騎士が構える。
そしてその場で再び打ち合い、動いていく。


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「よし・・・よし・・・・よし!!!これならいける!!!」

蒔風が各人の位置を確認し、叫んだ


『全武装局員に通達!!!陣は整った。術を発動させろ!!!!』

結界の周囲を取り巻く武装局員に念話で号令をかける。
そして彼女達の周囲に変化が起こった。


なのは、ヴィータの周辺が何処かの世界の上空に塗りつぶされていく。
どこまでも空が続き、雲が停滞している。

フェイト、シグナムの周囲は広大な砂漠に変化した。
照りつく太陽が、二人の身体をジリジリと焦がしていく。

アルフとザフィーラの周囲にいたっては何処かの森に変わった。
すがすがしい空気の漂う、美しい森が二人の周囲に展開された。



「なっ!?これは!!」

「どういうことだ!!転移魔法!?」

「『ヴィータ!シグナム!!』くっ、念話も通じんか!!」


急に世界が変わり、三人が各世界でうろたえる。

だが、それもすぐにやめた。
なぜなら、眼前の敵がこれの原因であることは明らかだし、彼らを倒す以外にこの世界から元の世界に戻ることはできないからだ。


各世界での戦闘が始まる。
それを眺める蒔風。

「さって・・・こっちも探すかね・・・」

そう言って蒔風が立ちあがり、そこでクロノから念話がきた。

『見つけた。結界の外だ』

『距離は?』

『三十メートルくらいだな』

『だったらオレも向かう』

そう言って結界から抜けだし、クロノの元へと向かう蒔風。
その姿はすぐに見つけた。

クロノがデバイスをヴォルケンズ最後の一人の後頭部に向け、投降を促している。

「これでいい♪あとは制圧するだけ・・・・!!!!」

そこで蒔風がクロノに向かって大声を上げる。

「クロノ!!!左だ!!!!!」

その声に反応しクロノが左を見る。
すると右側から突如として蹴りが飛んで来て、その体をビルのフェンスまで吹っ飛ばした。
だが衝突はせず、蒔風がキャッチして受け止めた。

「クロノ!!す、すまねぇ!!えっと・・・・右だ右!!!」

ビルの屋上に着地し、クロノを下ろす蒔風。

バッギキャ!!!!

「僕側から言わないとわからないだろ!!!なんであの状況で自分中心なんだバカ!!」

その蒔風の頭をデバイスで殴りつけるクロノ。
蒔風が殴られた頭をさすりながら謝っている。


「んで、あんた誰よ」

そう言って蒔風が睨みつけたのは仮面をかぶった男だ。
急に現れたその男は、まるで騎士の女性を助けるかのようにクロノを排除しにかかってきたのだ。

「お前たちはそこから動くな」

質問には答えず、それだけ言った男は女性の方に向いていった。

「闇の書の魔力を使え。そうすればあの結界を崩せるはずだ」

「え!?で、でも・・・」

「失ったページはまた蒐集すればいい。今仲間を失ってはその闇の書も・・・」

そう言って発破をかける男に、クロノと蒔風が止めに入る。

「そんなことさせると思ってか?」

「たとえ闇の書が復活しても、主以外は使えない!!闇の書を利用しようと思っているのなら、君のやっていることは無意味だ!!おとなしく投稿しろ!!」

その二人の言葉に、やっと耳を貸す気になったのか、仮面の男がこちらを向いた。

「やれやれ・・・いずれわかる。我々の行動が正しかったとな」

「何を言ってるんだ?こいつ」

「・・・・・さあ・・・」

そう言って顔をかしげる蒔風とクロノ。
その表情は余裕だ。

それもそうだろう。
相手は明らかに戦闘タイプではないバックアップ担当の騎士の女性に、戦闘力の高い男が一人。
対してこちらはAAA+ランクの執務官魔導師と、世界最強を自負する少年だ。

だが、それを相手にしても仮面の男の態度は崩れない。

「・・・・いいのか?こんなところで私ばかり見ていて」

「なに?」

「私の能力も知らないで、二人でノコノコ出てくるからこうなる・・・・」

シュパッ!!!

その音だけを残し、男が消える。
と、同時に、蒔風の表情が硬く険しくなった。

「!!!・・・フェイト!!!」

蒔風が跳躍し、一気に結界の中まで戻る。
彼が感じ取ったのはフェイトの魔力の乱れ。

その時彼女は・・・・・


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砂漠の世界

ここでフェイトとシグナムの高速戦が繰り広げられていた。
フェイトの方がスピードは速く、シグナムの方が技量は上だ。

だが、息が上がり、肩が上下している。
おそらく、ここまで来るまでに一切の手を抜かないスピードでの戦闘が繰り広げられていたのだろう。

両者とも身体から血を滴らせており、体力も限界に近い。



(ここにきて・・・なお速くなるか、テスタロッサ。目で追えない攻撃が出てきた・・・長引くのは・・・まずいな)

(強い・・・近接戦闘(クロスレンジ)も中距離戦闘(ミドルレンジ)も圧倒されっぱなし・・・スピードで引っ掻きまわせている今はいいけど・・・これ以上時間をかけるのは・・・舜、クロノ、まだなの?)


互いに互いを牽制し合い、構えたままビシリと動かなくなる。
どう動くかを目で追っていく。
さらに相手の目の動きを見て、自分の動きを上書きしていく。

砂が流れて、一瞬だけ静かになって、そして・・・・


「うあああああああ!!!」
「はあああああああ!!!」


両者共に飛び出し、剣を振るう。
その剣が火花を散らしてぶつかり合う!!!!

が、


「ガッ!?ハッ!!!」

それよりも早く、フェイトの身体を貫いた物があった。

それは左腕だ。
空間魔法で歪められたフェイトの体内を、先ほどまで蒔風の目の前にいた仮面の男の左腕が貫いていた。
そしてその腕の先にはフェイトの金色に輝くリンカーコアが握られている。

「貴様ぁ!!!!」

シグナムが激しく激昂する。
二人だけの勝負に、異物が乱入し、戦いを穢されたのだ。。
騎士として、そして武人として、シグナムの全細胞が怒りに震えていた。

だが仮面の男はそんなことは気にもしない。

「こうやって奪われる・・・世界最強もなんてことはないな」

そう言ってからシグナムに一瞥する男。
不意打ちとはいえ、自分と同等か、それ以上の実力であるフェイトを沈めた男に、シグナムが身構える。
だが仮面の男は遠くに何をするわけでもない。

空間が固まった。



そこに轟く獣の叫び。

「貴様ァァァァアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

ゴキャアッ!!!!

男の背後に瞬間移動でもしたのか、現れた蒔風がその後頭部に回し蹴りを食らわせる。
だが、男はすでにその場にはなく、少し離れたところに退避していた。

「遅かったな。だがもぶっ!!??」

退避した男の言葉はそれ以上続かなかった。
男が退避したその先がわかっていたかのように現れた蒔風が、男の頭を掴み、後ろの岩場に叩きつけたからだ。

後頭部を、この世のすべての衝撃をかき集めたのではないかという程の力で叩きつけられた仮面の男。
その仮面の下から血が噴き出して地面を赤く染め上げる。
蒔風が男を叩き付けた高さが百メートルはあろう岩場が、土砂崩れの後のように粉々に砕け散った。

さらに蒔風が首根っこを押さえつけ、地面に男を寝かせると、拳を振りかぶり、思いっきりそれで殴り潰す。
その拳は顔面ではなく、男の右腕を捉え、骨と肉を一つの塊にしてしまった。



「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!」


男の悲鳴が響き渡る。

そして蒔風が鮮血に彩られて、瓦礫の中から出てきた。
男はその場に置き去りにされている。

蒔風の顔はもはや狂気に満ちていた。
いや、これもまた彼の顔の一つだ。

すべてを理解する彼は、狂気ですらもその身に宿す。

最高の理性に、最凶の狂気。
その二つを持ってすべてを理解する彼の、黒い部分がまさにこれだ。
もし彼と「奴」の立場が逆なら、おそらくこの姿になっていただろう。



そしてその姿にシグナムは戦慄した。
恐怖が体を駆ける。
全身の肌がざわつく。
すべての髪の毛が逆立った。

これは本当に小学三年生の少年なのか?
これはあの時軽快に笑いながら私たちと戦った少年なのか?


そのとき、シグナムの脳裏にあるフレーズが響いた。

《救世主にして破滅の者》

すなわち



「翼・・・人・・・・」

今なら信じられる。
この少年は間違いなく伝説の通りの人間だ。

いかなる概念にもカテゴライズされない、たった一人の存在。
すべてを理解するものであり、誰にも理解はされない少年。


その少年の後ろで、男が死にかけの声で言った。

「私に・・・・ダメー・・・を与えても・・・駄だ・・・」

そう言って男の姿が消えた。

「ど、どこへいった!!!」

シグナムがその姿を探し始めるが、もはや影も形もない。
そんなシグナムに、少年が声をかける。


「なあ・・・・ちっとつき合ってくれねえか?」

「・・・・なに?」

「あのバカのせいでプッツリとキててね・・・・あんたいわゆる一つのバトルマニアってやつだろ?だからさ」

蒔風がギチギチと話す。
その眼には、必死になって狂気を抑え込み、一歩手前で止まっているのがうかがえた。

「ちょっと、憂さ晴らしの相手してもらうぞ!!!!」

「くっ!!!!あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


「あはははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!」


シグナムが蒔風に突っ込んでいく。
そこで蒔風が感情を抑え込むのをやめた。

戦闘狂(バトルマニア)と狂戦士(バーサーカー)
タイプの違う、戦いに狂うものが衝突した。


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蒔風とシグナムが衝突したとき、クロノは自分の目の前の事象に目を疑った。

砂埃でよく見えなかったが、確実に蒔風によって戦闘不能にされていた仮面の男が、無事な身体で目の前に現れたからだ。
それを証明するかのように、その手にはフェイトのリンカーコアがあった。

「これも使え。それで結界を破壊し、仲間を連れて逃げろ」

「ど、どうして・・・」

シャマルの疑問に、男は答えない。
だが、その顔は仮面に隠されていても、確固たる意志が存在した。

「させるか!!」

クロノがそれを止めようとするが、身体にバインドを掛けられ、その場に倒れてしまう。

「こちらもあれだけやられたのだ。やり返さねば気が済むまい?」


そう言う男を、クロノが睨みつけた。


一体この男は何者なのか。
蒔風に潰されても無事な身体、これだけの距離の瞬間移動、そしてクロノをしのぐ戦闘力。

ここから物語は加速する。


魔法少女の戦いは、ここからが転機。




to be continued
 
 

 
後書き

アリス
「次回、結界の破壊!?」

ではまた次回









強装型の捕獲結界・・・。ヴィータ達は閉じ込められたか。
W len sie Aktion(行動の選択を)
レヴァンティン、お前の主は、ここで引くような騎士だったか?
Nein(否)
そうだレヴァンティン。私は今までも、ずっとそうして来た 
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