サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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ヒカリ:「ほらねっ」
ヒロシ:「うーん、、、」
ヒカリ:「あのカラカラ、きっと
人間に慣れてないんだわっ。
孵化施設から急にこんな場所に
連れて来られたんだし、、、」
ヒロシ:「、、、」
ヒカリ:「ゆっくり時間をかけて
コミュニケーションをとるしかないわね」
ヒロシ:「、、、そうかな?」
ヒカリ:「えっ?」
ヒロシ:「もし、人間に慣れてないなら、
カラカラは朝の段階で攻撃的になってるか
又は逃げだしていると思うんだっ」
ヒカリ:「えっ、どうして?」
ヒロシ:「防衛本能が働くからさ」
ヒカリ:「防衛本能?」
ヒカリ:「うんっ、、、。今朝、
ヒカリちゃんを起こしに行った時、
俺の事思いっきりビンタしたよね?」
ヒカリ:「あっあれは夢の中で痴漢が
あたしに近寄ってきたから、、」
ヒロシ:「それが防衛本能さっ」
ヒカリ:「えっ?」
ヒロシ:「防衛本能は、自分が襲われそうに
なった時に働く”生物の本能”で、
見ず知らずの人や物に遭遇して危険を感じると
自分を守る為に何かしらの行動に出るんだ。
ヒカリちゃんがビンタしたみたいにねっ」
ヒカリ:「あー、、、そうなのかなー、、」
ヒロシ:「でも、あのカラカラは
今朝ここで初めて会った時、
俺たちを攻撃しなかったし逃げもしなかった。」
ヒカリ:「あっ、、、確かにそうねっ。
あたしたちの前でボーっと立ってる
だけだったしそれに、サトシが
モンスターボールから出しても自分から
モンスターボールの中に戻っていったわ!」
ヒロシ:「さっきヒカリちゃんが言った
”コミュニケーションをとる”っていうのも
間違いではないと思うけど、
カラカラには何か他の要因がある気がするんだ」
ヒカリ:「なるほど〜〜。
他の要因ねっ、、、例えばどんな?」
ヒロシ:「うーん、、、そうだな〜」
カツラ:「、、、哀しいのう、、」
ヒロシ:「?」
ヒカリ:「悲しいって、サトシがですか?」
カツラ:「サトシ君ではなく、カラカラじゃよ。
、、、まぁ、サトシ君もじゃがっ」
ヒカリ:「えっ?」
カツラは何かを察した様子だった。
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