転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1394話
ミスマル達を遺跡から連れ出した翌日。ニヴルヘイムの中には、今回の関係者でもあるアカツキやミスマル、ヨシサダ、それ以外にも何人ものナデシコ世界の住人の姿があった。
勿論この場にいるのはナデシコ世界の住人以外に俺達シャドウミラーの面子も揃っている。
シャドウミラー側からは、代表の俺、政治班のエザリア、技術班のレモン、実働班のコーネリア、ニヴルヘイムの司令官マリュー、シャドウミラーの旗艦シロガネの艦長ナタルの6人。
これからのナデシコ世界の行く末を決めるには、あまりに少ない。少ないが……それでもこれだけの面子が集まれば十分でもあった。
「それでグリューノの件はどうするんだ?」
最初に口火を切ったのは俺。
その問い掛けに、ミスマルは微かに眉を顰めながらアカツキへと視線を向ける。
「木連の使者を殺した罪を償うために命を散らせた。この件はすぐに発表するんじゃなくて、もっと効果的な時期を見計らって発表した方がいいと思うんだ」
なるほど、ミスマルとしてはグリューノの件はすぐにでも発表したかったのだろうが、アカツキがそれを止めている訳か。
どっちの気持ちも分からないではない。
義理と利益のどちらを重視するのかといった問題なのだろう。
それでアカツキは利益を、ミスマルは義理を選んだ訳だ。
「効果的な時期ってのは、具体的には?」
「そうだね。アクセルも知ってると思うけど、今回の件は恐らく木連が裏で糸を引いている。……正直、どこでどうやってクリムゾングループと繋がりを保ったのかは分からないけど」
「クリムゾングループ、か」
今回の件、地球側での主役とでも呼ぶべき存在がクリムゾングループだというのは、俺にも当然報告が入っている。
そもそもネルガルの社長派を率いるサワガサキは、あくまでも派閥の1つ……それも、ネルガルの中では会長派に押され気味だった派閥だ。
ネルガル全てを支配しているのならともかく、社長派だけの勢力では社内だけのクーデターならまだしも、連合軍の反乱を引き起こす事は不可能だろう。
かといって、連合軍の方はと言われれば……グリューノの腹心と呼ぶべき人物が裏切ったようだが、それでもミスマルやヨシサダから聞いた話によると、とてもではないがこんな大規模な騒動を引き起こす事が出来るような能力は持っていないとか。
そもそも、連合軍の軍人って時点で木連にとっては不倶戴天の敵だろう。
その木連が裏で糸を引いている以上、まず連合軍に直接接触するとは思えない。……以前に送ってきた使者が殺されてもいるし。
だとすれば、残っているのはクリムゾングループしかない訳で……そして、クリムゾングループの人間がベースとなってこの反乱を巻き起こした訳だ。
しかも木連を引っ張り込んだ動きを考えると……
「クリムゾングループ、前々から木連と繋がっていた節があるな」
そう、呟く。
それについては他の者達も理解していたのか、特に驚く様子はない。
アカツキも、さっきはどこで繋がりを保ったのか分からないとか言っておきながら、今は特に驚いた様子を見せないのは、大体予想していたからか。
「で、結局効果的な時ってのはクリムゾングループと何か関係があるのか?」
「ああ。反乱軍に対して明確にこちらが対抗すると発表をした時が最善だと僕は思うよ。この声明は当然関心度が高い。つまり、木連でもどんな手段を使ってかは分からないけど、見ている可能性がある。そして、僕達が知っている木連の連中なら……」
最後まで言わなくても、大体理解出来た。
自分の過ちを自分の命を以て解決する。それは、木連にとって美徳と取れるだろう。
そしてヤマダモドキが多く存在する木連であれば、当然グリューノの行動に感銘を覚える者も多く出てくる。
上手くいけば、木連の中に親地球派とでも呼ぶべき者達が出来上がるかもしれない。
「……なるほど。確かにそう考えれば、アカツキの言う事は分かるな」
利益に関しては随分と大きい。特に俺が知ってる限りだと白鳥や秋山といった、木連の中でも穏健派的な存在はグリューノの行為に感銘を受けるだろう。
月臣辺りはどんな行動するのかはちょっと分からないが……それでも嫌悪感を持つという事はないと思う。
「ですが、出来れば早いところグリューノ総司令の死については公表すべきでは? ここでそれを隠してしまえば、民衆からどう思われるのかは分からない訳ではないでしょう?」
「うーん、そうかな。一般の民衆はグリューノ総司令の生死とかって殆ど興味がないと思うんだけどね。多分興味がある人って物凄く少ないよ? 寧ろ木連の方が興味があると思うくらいに」
「……まぁ、一般民衆はその辺に興味を持たない人がいるってのは、間違いのない事実だよな」
完全に他人事だと思う。いわゆる、TVの中で起きている戦争とか、そんな感じだな。
いや、それは別に間違っている表現って訳じゃないのか。
確かに反乱軍は色々な場所で戦闘を巻き起こしてはいるが、それでも戦闘が起きてない地域の方が多いのも事実なのだから。
そもそも世界の全てで戦いを引き起こせるだけの力があるのであれば、今頃は既に反乱という訳ではなく戦いそのものが終わって向こうがこのナデシコ世界を占拠しているだろう。
それが出来ていない時点で、向こうはこの世界の少数派だということになる。
「では、こうしたらどう? こちらの勢力結成の発表を早める。そうすれば、二人の希望を満たせると思うのだけど」
そう告げるエザリアだったが、それを聞いたアカツキとミスマル、ヨシサダ……他の面々も難しい表情を浮かべたままだ。
「そう出来ればベストなのは分かるけど、そこまで準備が整っていないからこそ、こうしてどちらを先にするのかという話になってる訳で……僕の方も口説いている勢力がこちらに協力すると明確な態度を露わにしたのは2割……頑張って3割ってところだしね」
溜息を吐きながら告げるアカツキの言葉に、ミスマルが頷いて言葉を続ける。
「こちらの戦力も未だに整っているとは言えない状況だ。逃げ延びるのに精一杯で、その時に使ったシャトルの類も既に破棄されている。こちらの世界で使える戦力は、ナデシコくらいしかない」
「ナデシコ、一応ネルガルの所属なんだけど……」
少し不満そうに呟くアカツキの言葉に、ミスマルはむっつりと言葉を続ける。
「今の我々は反乱軍を鎮圧する1つの勢力。であれば、ナデシコは我々の貴重な戦力と考えてもいいのでは?」
「だよねぇ……ま、今の僕にはそんなに力がないし、その辺はそちらに任せる事になると思うよ。……それで話を戻すけど、現在のままだとあまり他の勢力が協力をしない状態のままで戦うって事なんだよね」
どうするの? と視線を向けてきたアカツキに対し、エザリアは特に動揺した様子もないままに口を開く。
「今現在集められるだけの勢力を集めて鎮圧軍を結成すればいいわ。勿論戦力的に不安だろうけど、シャドウミラーからも戦力を提供するわ。それなら戦力的な不安はないでしょう?」
「いや、いいのかい? こちらとしては助かるけど……」
戸惑ったようなアカツキだったが、俺はそれに対して溜息を吐く。
「何を言ってるんだよ。そもそもお前を助ける為に反乱軍と敵対しただろ。今頃は向こうでもこっちを立派な敵と判断してるよ」
グリューノ達はシャドウミラーの戦力がどれだけのものか、十分に分かっていた。
だが、今回反乱を起こした奴はそれを知っているのかどうか……
勿論グリューノの腹心が裏切ったという話だから、ある程度こっちの戦力については理解しているだろうが、それでも全員が全員という訳にはいかない筈だ。
サワガサキ辺りは老練な性格をしているように思えたし、こっちの戦力について色々と調べているように思えたが……本当の意味でこっちの事をどこまで理解してるのかは疑問だ。
「……どうします?」
アカツキがミスマルを伺う様に尋ねるが、そのミスマルは難しい表情をしたままだ。
ヨシサダや他の連中も同様に迷っている。
「決断しろ、ミスマル。この勢力の代表はお前になる。だとすれば、これからはお前の決断が全てを決める」
「……私が、ですか。出来れば連合政府の方を代表にした方がいいと思うのですが。軍人が勢力の代表になるというのは、あまりいい事に思えませんし」
意外に良識があるな。……いや、元々ユリカが絡まなければ優秀な能力を持ってるんだから、これは普通なのか?
軍人が勢力の……延いては将来的に国の代表となる。
それはつまり、軍事国家となる事を意味していた。
そして常識があり、有能であれば、その危険性は十分に理解出来るだろう。
……シャドウミラーも 軍事国家だが、ぶっちゃけ代表の俺は国を動かすなんて真似は殆どしてないしな。
形だけシャドウミラーの代表となっている俺は、好き放題に動かせて貰っている。
戦いになっても軍の先陣を切って突っ込んで行く国家の代表とか、普通に考えれば怖過ぎるだろ。
俺だって自分の国の代表だったり大統領だったり首相だったりが先頭を切って敵陣に突っ込んでいくような国に所属したくはない。
そういうのは、それこそ門世界のようなファンタジー世界でならありかもしれないが、高度に機械化された世界では自殺行為以外のなにものでもない。
っと、考えが逸れたな。
とにかくミスマルが軍事国家云々を忌避する理由は分かるが……
「他に人がいないというのが大きな理由だな。正確には、シャドウミラーが信用出来る相手がとなるが」
シャドウミラーが信用出来るだけの人物で、それでいながら最も階級が高く、威厳のある人物。それがミスマルだ。
ヨシサダも候補に上がったんだが、ミスマルの方がより上の階級にあるというのがネックになり、また上に立つ者の威厳という意味でもミスマルの方が上だったので、結果としてミスマルが選ばれた。
「……しかし……」
納得のいかない表情で俺の方へと視線を向けてくるミスマルだったが、今回の場合は味方がいない。
「ミスマル提督。僕が言うのもなんですが、ミスマル提督が国のトップに立つのがベストだと思いますよ。特に今回の場合はシャドウミラーの後ろ盾があるというのは非常に強いです。それだけで何を排してでも国の代表になる意味はあると思いますよ」
「そうですな。私としても上層部には有能な人がいて欲しいと思います。それに……ミスマル提督ならわざわざ歴史上で何人も現れたような独裁者にはならないでしょう? そもそも独裁者になろうものなら……」
ヨシサダの視線が俺の方へと向けられる。
何を言って欲しいのかを理解し、頷いてから口を開く。
「そうだな。独裁者になってシャドウミラーに……延いては他の世界に迷惑を掛けるような事になった場合、俺達が黙っている事はないな。恐らく……いや、間違いなく俺達の方で手を打つ筈だ」
「ふむ、そうだな。その時はシャドウミラーの実働班がこのナデシコ世界でその実力を思う存分発揮するだろう」
今まで黙って話の成り行きを見守っていたコーネリアが喋ると、こちらも同じく話の成り行きを見守っていたレモンが口を開く。
「そうね。その場合は技術班の作りだした戦力が思う存分暴れてくれる筈よ」
「後ろ盾になってくれるシャドウミラーの方々もこう言っています。どうです? ここは観念して討伐軍の代表になってみては」
「ヨシサダ少将……」
苦り切った表情というのは、多分こういうのの事なんだろう。
そんな風に思える表情で迷ったミスマルだったが……
「分かりました。引き受けましょう」
不承不承ながらそう呟く。
「ですが、可能な限り連合政府の政治家達を救助し、こちらの勢力に取り込んでいきたいと思います。そうしなければ、こちらの方が反乱を起こしたという風に言われかねませんし……何より、連合政府、連合軍の政治を行うのに絶対に必要な人材ですから」
「でしょうね」
エザリアがしみじみといった様子で頷く。
シャドウミラーという国の政治を少人数で……それこそ、あやかや千鶴が来るまでは実質的にレオンと2人だけで行ってきただけに、その言葉に深い納得の色があった。
2人だけでシャドウミラーを運営していけたのは、量産型Wが書類整理とかには優秀な能力を発揮し、シャドウミラー自体が少人数の国家で、魔法球という時間の流れを無視出来るだけのマジックアイテムがあったからこそ出来た事なのだろう。
「ああ、それと……」
ふと思いつき、口を開く。
「奴等には反乱軍じゃなく、賊軍と呼称する事にしよう。向こうにとっては最悪の呼び名だろう?」
賊軍……つまり反乱軍ではなく、盗賊山賊海賊……その類の奴等だという事だ。
反乱軍にとっては頭に血を上らせるのは間違いがなかった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1200
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