ネフリティス・サガ
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第一話「創世記」
前書き
みずみずしい国があった。そこには全てがある。しかしそれは悲しい過去からの産物である。何事も過去をおいては語れはしない。始まりを書こう。
このあたりで翡翠の国といったら、広大な領地にものすごく自然の豊かな地平が続き、住む民は皆、その自然の中でもう草木と一体となって暮らして
いる。そのあまりの自然の豊かさにその奥のほうでは太古からの大樹がうっそうと茂り、森を行けば、どこまでも続き行けば行くほど木々も獣も鳥も大
きく草花は見たこともない美しさ。
そう、そしてこの国が翡翠の国といわれるゆえん。この国の最深部ドネの町では、国全体に脈々と流れる川アルネルネの川の源。民草の間では大いなる
山といわれる霊峰、「青碧峰」というミスリルというとても不思議な鉱物が取れる山から降りてくる流れに太古から自然が息吹を与えて、アルネルネの
川の石を翡翠に変えるのだ。
ずっと昔に大きな戦争があった。古代の人間が神の力に手に染め、その力で、この世界を真っ赤な血で染めた、そして恐ろしい光が、この世界を滅ぼし
た。光は浴びたものを全てあらゆるものを灰に戻した。光は太陽よりも明るく輝き続け、その間あらゆるものはこの光によって死んでいった。七日後そ
の光は北の空へ堕ちてそして恐ろしい爆風とともに大穴を世界にあけて消えた。そのあと空は、戦いの炎に赤く染まり争い合う人間の影が空に群がった。
《古き盟約》盟約はここ、翡翠の国の女王にして古から伝わる竜の一族の最も高貴なる女性、に託されたのだった。
翡翠の国はこの盟約と八人の古の王たちにそれぞれ託された八つの涙と心をこの地にしみこませて古のままの自然を復活させたとても正統なる国である。
八人の王の心はそのまま、この国の自然を豊かにし、世界中に草木を育んだ。七日間、世界を燃やし尽くした光は多くの灰を作りこの灰が養分となっ
て木を育て、草を生やし、花を咲かせた。火が燃やしたものは自然だけではないいろんな文化や精神や多くの国々そして人と生物それまでにあったいろ
んなものをこの火は燃やし尽くしたのだ。灰はそれらの悲しみや苦しみを内包しているそこから育つものもまたそれらを内包している。いろんな感情を
内包している。怒りや憎しみ、恐怖や狂気、八人の王は荒れ果てた世界を見て涙を流した。その涙が人の心を洗い流した。そして平和がやってきた。実
りと祝福と祈りに満ちた、喜びの中にこだまする世界である。
だから自分の心と涙でそれを癒すために彼らは翡翠の国の女王にして古の竜の一人であるエルメナルデに託されたのだ。
そのあと八人の王は体と精神だけで七つの方角へ散っていったそこで自分の体を横たえた。体は土になり精神は空に解けて、八人の王は今もこの世界
を見守っているという。人々は狂気に包まれ恐怖の中で逃げ惑い、そして古の王たちはこれ以上戦えば我らだけでなくこの世界まで滅びてしまうだろう
とある盟約を交わした、今では古き盟約、「翡翠の盟約」と称される。しかし八人の王たちには魔法使いがいた。彼は八人の王たちを導いていたが
《古き盟約》盟約はここ、翡翠の国の女王にして古から伝わる竜の一族の最も高貴なる女性、に託されたのだった。
翡翠の国はこの盟約と八人の古の王たちにそれぞれ託された七つの涙と心をこの地にしみこませて古のままの自然を復活させたとても正統なる国である。
そしてあとからいろんな国ができて今のこの世界ができたのだ。
そしてこの物語は始まる
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