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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1392話

「……は? 何だって?」

 今一瞬、聞いた事の内容が聞き間違えだったのではないかと尋ねる。
 だが映像モニタに映し出されているちうちゃん……もとい、長谷川は不機嫌そうに頷く。

『だから、アクセルが言っていたミスマルとヨシサダとかいう2人を見つけたっつったんだよ』
「こんなに早くにか?」

 ルリとオモイカネという、ナデシコ世界の中でも有数のハッキング能力を持つコンビでも、数日を掛けて全く見つける事が出来なかった。
 だというのに、長谷川は頼んだ翌日にはあっという間に見つけたんだと言われても、ちょっと信じる事が出来ない。
 ……いや、勿論長谷川がそれだけの能力を持っているのは知っているし、だからこそルリの応援を頼んだんだが……それでも、幾ら何でも早過ぎだろう。

『アクセル、おいアクセル。それでこれからどうすればいいんだ?』

 長谷川の言葉で我に返り、まず真っ先に尋ねるべき事を口に出す。

「それで、2人はどこにいたんだ?」
『ネットとかそういうのが全く存在しない場所だよ。どこかの遺跡に隠れていた。他に何人も兵士がいたぞ』
「……なるほど。元々ネットがない場所なら、それは見つからないか。……うん? じゃあ、お前はどうやって見つけたんだ?」

 ネットのない場所にいたのなら、当然長谷川の電子精霊だって見つける事は難しい筈だ。
 だが……逆に不思議に思う事もある。
 つまりそれは、長谷川もまたミスマル達を見つける事は出来ないのではないのか? という事だ。
 長谷川が使う電子精霊は、あくまでも電脳空間……いわゆるネットとかそっち関係の中でしか力を発揮しない。
 だとすれば、そもそもネットがない場所に潜んでいたミスマルやヨシサダを、どうやって見つける事が出来たんだ?
 そんな俺の疑問を、表情から読み取ったのだろう。長谷川は映像モニタの向こう側で笑みを浮かべて口を開く。

『いいか? いい女というのは、秘密が多いんだ』
「……お前、ミナトに影響されてないか?」

 今の台詞は、とてもではないが長谷川が普段から言うようなものではない。
 寧ろ、長谷川の案内として動き回っていたミナト辺りが言いそうな事だ。
 本人もその自覚はあったのか、俺の言葉に薄らと頬を赤く染める。
 そして照れ隠しに何かを叫びそうになったところで、その機先を制するように俺は口を開く。

「それで、戦力を集めてるって話だったけど、具体的にはどのくらい集めてたんだ?」
『いや、それを私に聞くのかよ。そもそも、こっちの世界の軍事力とか、そういうのは殆ど分からないんだぞ?』
「……本当に、か?」

 電子精霊を操る長谷川だ。だとすれば、当然この世界の情報とかも集めているだろう。
 そんな俺の視線に、長谷川はそっと目を逸らす。

「今なら特別に、報酬に関して色を付けるが?」

 長谷川がこの世界の情報を集めたのは、特に何か理由があった訳ではないだろう。
 強いて言えば、ネット中毒者の本能に近いものがある。
 その本能に寄って得られた情報は、報酬に色を付けると告げた事によりあっさりと俺へと売る事を決意したらしい。
 まあ、この情報に関しては俺達に提供した方が結果的に見て人道的でもあるしな。

『戦力らしい戦力は、銃とかその辺だけだったな。戦車や戦闘機、戦艦、それと……エステバリスっつったっけ? そういうのはなかった』
「……戦力としては随分と貧弱だな。いや、待て。その場所は遺跡だったよな? なら、もしかして他の場所に兵器の類を隠してるとかか?」
『いや、それはないな。そもそもナデシコ世界の兵器は、大抵がネット接続出来るようになってるだろ? なら、もしそんな武器があるのなら、私と一緒に作業してた……ルリだったな? そのルリも見つけるのに苦労はしなかった筈だ』

 そのルリが見つけられなかったのを見つけた辺り、ネットの世界では長谷川の方がルリよりも上だという事なのだろう。
 ネギま世界、恐るべしって感じだな。

「そうか。……他に何か気が付いた事は?」
『うーん、ああ、怪我人が随分と多かったな』
「怪我人? ……ああ」

 一瞬疑問を覚えたが、すぐに納得する。
 そもそもミスマル達は反乱軍に襲われてその遺跡に逃げ込んだのだ。
 だとすれば、当然その前に反乱軍からの攻撃を受けているのは当然であり、その際に怪我をした兵士達がいたとしてもおかしくはない。

「分かった。その遺跡の詳しい座標を教えてくれ。早速救出してくる」
『ああ。……気をつけろよ』

 まさか長谷川の口からこっちを気遣う言葉が出てくるとは思わず、少しだけ驚く。

「ついに長谷川もデレたか」
『誰がデレるか! ったく、ちょっと心配したかと思えばこれだ。そういうのは神楽坂にでも言ってやれ。あいつは何だかんだと男っ気がないしな』
「そう言われてもな。俺の場合神楽坂のタイプじゃないだろ」

 オジコンである神楽坂だ。もしシャドウミラーで可能性があるとすれば、それこそムラタくらいじゃないか?
 年齢的には間違いなく神楽坂のストライクゾーンだし、渋さという面でも文句なし。
 それでいて、最初に俺と出会った時のようなギラギラとした野獣のような雰囲気も収まってきており、落ち着いたと表現しても間違ってはいない。
 そんな風に長谷川とやり取りをしながら、これからの事を考え……やがてこれからどうするべきかを決める。

「とにかく、今回の件は助かった。これでナデシコ世界の事はどうにかなりそうだな。今回の件の報酬については期待しててくれ」
『……ふん』

 唐突に話が変わったのが面白くなかったのか、長谷川は小さく鼻を鳴らすとそのまま通信が切れる。
 それを見送り、次に俺がやるべき事……エザリアへと通信を入れる。
 俺からの通信だというのもあるのだろうが、エザリアは即座に通信に出た。

『アクセル、何かあったの?』
「ああ。長谷川がミスマル達を見つけた」
『本当に!? 場所は?』

 一瞬驚きの表情を浮かべるエザリアだったが、すぐ我に返る辺りは長年シャドウミラーで政治班を率いてきただけの事はある。
 俺が長谷川から教えて貰った座標を口にすると、エザリアは少し考え……不審そうに眉を顰める。

『その座標には何かの遺跡があったと思うけど……』
「まさにその遺跡だ。そこにミスマルやヨシサダを始めとして何人もが潜伏しているらしい。……ただ、武器とかに関しては戦闘機とか戦艦とか戦車とか、そういうのは一切ないらしいな。有るのは個人で使える銃火器程度らしい」
『なるほど。だからナデシコ世界の方で見つける事が出来なかったのね。……けど、それなら千雨はどうやって見つけたの? 彼女の持っている能力もネットを使ったものでしょう?』
「さあな。その辺に関しては誤魔化されたから何とも言えない。ただまぁ、見つけたというのは事実だし、こっちとしてはそれで十分だけどな。それで、だ。これから早速ミスマル達を保護しに行きたいと思うんだが……構わないか?」
『そうね。それは是非お願いしたいわね。ただ、シャドウミラーだけで向かえば色々と不味い事になりそうだし、誰かネルガルの人を連れて行った方がいいわ』
「ネルガルの面子か……」

 脳裏を過ぎったのはアカツキの顔だが、今のアカツキは殺人的なスケジュールをこなしている最中であり、とてもではないがこっちに手を貸すような余裕はないだろう。
 ナデシコ世界で未だに反乱軍に対抗している勢力を一つに纏める為の下準備として秒刻みの日々を過ごしているのだから。
 だとすれば、ユリカか?
 娘のユリカを連れて行けば、ミスマルもこっちを怪しんだりはしないだろうし、もし怪しんだとしても最低限話を聞くくらいはするだろう。
 最大の難点としてはユリカが俺の言う事を素直に聞くかどうか……いや、普通なら聞くんだろうが、俺の恋人関係を知っていれば自分に粉を掛けられるかも? と思ってしまう可能性は否定出来ない。
 あ、でもきちんとミスマルを助けに行く為にと言っておけば大丈夫か?
 もしくは……いっそエリナを連れて行くというのはありか。
 アカツキの秘書として辣腕を振るっていたエリナだ。当然それなりに名前を知られて……いや、やっぱりミスマルを安心させるという意味では娘のユリカを連れて行った方がいいな。

「ユリカを連れて行くよ」
『本気? アカツキ会長が色々と忙しい以上、彼女がいないとナデシコは動けないわよ?』
「いや、マスターキーを抜かなければいいんだろ? それなら別に……いや、そうなると、もし反乱軍が攻めて来た時に混乱するか」
『でしょうね』

 何だかんだと言いつつ、ユリカは艦長として高い能力を持っている。
 テンカワが絡まなければ、という注釈付きだが。
 一応ジュンがいるのを考えれば、ある程度持ち堪える事は出来そうではあるが……どうもジュンは能力的に今一信頼出来ないんだよな。
 うーん……だとすればやっぱりナデシコにユリカは必要か。

「そうなると、エリナか」

 エザリアの方でも結局はその結論に達していたのか、あっさりと頷いてくる。
 ミスマルと顔を合わせていればいいんだが……
 ともあれ、決まったのであればさっさと行動に移すべきだろう。
 ルリや長谷川ですら居場所を掴むのに手こずったミスマル達を、反乱軍がそう簡単に見つけられるとは思わない。
 だが、もしかしたら……という可能性を考えると、さっさと行動した方がいいのは確実だった。

「じゃあ早速俺は行動に移るぞ」
『ええ、こっちでも手を打っておくわ』

 通信が切れ、俺は早速ナデシコ世界へと向かうべく影のゲートへと身を沈めるのだった。





「きゃあっ! え? あれ? アクセルさん? 一体どうしたんですか?」

 ナデシコのブリッジに突然姿を現した――それも影から出てきた――俺に、ユリカは驚きの声を上げる。
 それでも小さく悲鳴を上げただけで済んでいるのは、何だかんだとユリカの度胸が据わっているという証なのだろう。
 ナデシコが宇宙空間にいれば出来なかった転移方法だが、ニヴルヘイムに停留中だったので影のゲートで転移は可能だった。

「ルリから報告がなかったか? ミスマルやヨシサダの隠れている場所を見つけたって」
「え、ええ。それは聞いています。だから、今からどうするべきかを皆で話し合っていたんですが……」
「なるほど」

 良く見れば、周囲にはブリッジクルーだけではなくウリバタケやイネスといった面々の姿もある。
 ……フクベが置物と化しているのはいつもの事なので、特に何かを言うつもりはないが。

「どうやら丁度良かったらしいな。これから俺がミスマル達の隠れている場所に転移して連れてくる」
「え? その、嬉しいんですけど、いいんですか?」
「ああ。ミスマルの救出はこっちにとっても色々と利益があるからな。ただ、向こうがシャドウミラーの介入だなんだと騒ぐ可能性もある」

 ミスマルは当然俺の顔を知っているが、それでも立場としてあっさりと受け入れることが出来ない可能性もある。
 その為に、俺達がアカツキやナデシコを有しているという事を知らせる必要があった。
 その辺の事情を説明すると、プロスペクターが我が意を得たりと頷く。

「そうそう、出来ればナデシコからも誰か連れていって貰えれば助かります。今回の件でネルガルは大きな損害を被ってますからね。少しでもそれを取り返す機会が……」

 プロスペクターはいつものプロスペクターだったらしい。
 いや、逆に言えば今の状況でもサワガサキ率いる社長派に協力をしていないって事なんだから、賞賛されるべきか?

「ともあれ、そういう訳で……エリナ、頼めるか?」
「私?」

 当然のようにブリッジで今の話を聞いていたエリナが、少し驚いた様子でそう尋ねてくる。
 エリナがここにいるのは、ナデシコの実質的な最高権力者である以上は当然だろう。
 副操縦士という立場もあるが、こちらはミナトがいる限りはあまり役に立たないしな。

「ああ。ユリカは艦長としてナデシコから離れられないし、アカツキも色々と忙しいしな」
「……そうね。分かったわ。いつ行くの?」

 即断即決の部分はさすがエリナと言うべきか。

「準備が出来たら今すぐにでも」

 そう聞くと、すぐに何かを考えてプロスペクターを呼んで色々と細かい作業を指示していく。

「随分と急だな」

 そう言って声を掛けてきたのは、長谷川。
 どうやらまだナデシコに乗っていたらしい。

「色々と急いだ方がいいしな」
「ふーん。……ま、アクセルのやる事に心配をしても意味はないしな。精々頑張ってくれ」
「いや、それは冷たくないか?」
「……安全が確保されたアクセルに何を心配しろって? 私から見れば、アクセルと敵対した時点で詰みだよ」

 そう告げ、長谷川は肩を竦めるのだった。
 それから数分程話していると、やがてエリナが俺の方へと近寄ってくる。
 何故かその後ろにはリョーコの姿もあるんだが……

「リョーコ?」
「わ、私はエリナの護衛だよ。一応ナデシコからも人を出した方がいいって事になってな」
「……ふーん」

 少し離れた場所にいるミナトが含み笑いを浮かべているのが特徴的だった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1200 
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