転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1391話
「……で、私の出番って訳か?」
ホワイトスターの交流区画にある喫茶店で、長谷川が俺の方へと視線を向けて尋ねてくる。
基本的に外に出る事は滅多にない長谷川だったが、それでもシャドウミラーからの呼び出しとなれば自分に仕事を依頼してくれているだけに断り切れなかったのだろう。
何しろ食料を始めとした生活必需品の類もネット通販で買ってるらしいし。
「そうなる。お前の電子精霊があれば、ミスマルやヨシサダを見つける事も出来るかもしれないからな。ルリだけに負担を掛けるのはあまり面白くない」
「……ルリ、か。この写真の子か? 何だってこんな子供にそんな真似をさせてるんだよ? ネギ先生じゃあるまいし」
「ネギとはちょっと事情が違う。オモイカネというナデシコのAIを使いこなせるのはルリだけなんだよ。……他に使いこなせる奴がいないってのは問題だな」
ルリのような能力を持っている人物が他にもいれば、ルリを休ませながらオモイカネでミスマルやヨシサダを探す事も出来るんだろうが……
アカツキ辺りにその辺を聞いてみるか?
いや、いるなら最初からナデシコに乗せているよな。
それにもしいたとしても、ネルガルを追われた今のアカツキにはちょっと手が出せないだろう。
こっちの方で何とかしてみるってのも……
そんな風に考えていると、長谷川が紅茶を飲んで溜息を吐く。
「まぁ、いい。分かった。アクセルの所から回ってくる仕事は金払いもいいし、受けてやるよ。それで、私はどうすればいい? このまま、その……ナデシコ世界って言ったか? そこに行けばいいのか?」
どうやら引き受けて貰えると知り、安堵の息を吐く。
「いや、案内するのが……」
「お・ま・た・せ」
俺に最後まで言わせず、そう言いながらこっちに近づいてきたのは、少し離れたテーブルに座っていたミナトだ。
相変わらず胸元が大きく空いた露出の大きい格好をしている。
それが面白くなかったのだろう。長谷川は少し不機嫌そうな表情を浮かべる。
……いや、面白くなかったのはミナトの服装ではなく、その胸元に存在する深い谷間か。
長谷川も美人と言ってもいいが、胸の大きさに関しては並か、並より少し上といった程度だ。ミナトのように豊かな双丘を持っている相手には、やはり女として色々思うところがあるのだろう。
「……あんたは?」
「私? 今アクセルが言ってたでしょ? 貴方の案内役よ。ルリルリと会わせるんだし、私がピッタリだったのよ」
物は言いようだな。
正確には、俺と長谷川の間に何か有るのではないかと疑っていた一面もあるんだろう。
……俺の異性関係を考えれば、無理もないけど。
「……ふーん。あんたがねぇ。随分と派手な格好をしてるけど、それは制服か何かか?」
うん? 珍しいな。長谷川は基本的に初対面の相手には猫を被る事が多いんだが、こうして見る限りでは素の表情を出している。
その理由は、やはりミナトの服装か?
同じような年齢のミナトが派手な格好をしているというのは、長谷川にとっても色々と我慢出来ないものがあったのだろう。
何だか年々長谷川の被っている猫が薄くなっているような気がするけど……うん、きっと俺の気のせいだろ。
長谷川が何を考えているのかは想像するしかないが、それでもルリの手伝いを承知してくれたんだからありがたいと思った方がいい。
「ルリルリは結構疲れてるし、早いところ見つけて休ませてあげたいのよ。協力してくれて感謝するわ。ありがとう」
「……ふっ、ふん。別に仕事なんだから、そんな風にありがたがる必要はないよ」
ミナトが頭を下げてきたのに一瞬驚いた表情を浮かべた長谷川だったが、それでもすぐに憎まれ口を言えるってのは相変わらずだよな。
「じゃあ話が決まったところで、早速ナデシコに連れて行ってくれ」
「別に私は構わないけど……アクセルはどうするの?」
「俺もこう見えて色々とやるべき事はあるんだよ」
「具体的には?」
「ちょっとマクロス世界で会う約束をしている奴がいてな。元戦友としては話を聞くくらいはしてやろうかと思って」
そう告げると、ミナトどころか長谷川からもどこか呆れたような視線を向けられる。
「アクセルって、シャドウミラーの代表なのよね? 何だか自信がなくなってきたわ」
「まぁ、アクセルの場合はいつもこんな感じだからな。自分がお偉いさんだって意識がないのさ。だからこそ、一人で未知の世界に飛び込むような真似が出来るんだろうけど」
「あら、随分とアクセルの事に詳しいのね」
「……別に私とアクセルはお前が思ってるような関係じゃねーよ。ただ、何だかんだと付き合いは長いからな。私がアクセルと知り合ってから……もうすぐ10年か?」
「8年……9年か? そう考えれば、何だかんだと俺と元3-A組との付き合いも長いんだな」
長谷川が中学3年……15歳の時に俺がネギま世界に転移して、それからもう8年か。こう考えてみればかなり長い付き合いなんだが、でも俺の場合は途中で他の世界に行ったりして一緒の時間を過ごしたのは驚く程に少ない。
特に長谷川とは何だかんだと学生時代の付き合いも含めて殆どなかったし。
時差の関係で3年くらい顔を合わせる事がなかった時もあったし、付き合いそのものは古いけど、実際に付き合った時間はそれ程長くないのは事実だ。……付き合った時間とか言うと、色々と誤解を招きそうな表現だが。
「ふーん。随分と長い付き合いなのね、その割りにはこんな美人に手を出していないなんて、アクセルらしくはないけど」
「ばっ! ……ふん」
美人と呼ばれたのが恥ずかしかったのか、長谷川の頬は薄らと赤く染まる。
煽てに弱いというか、褒め殺しに弱いというか……いや、この場合は実際に長谷川は美人なんだし、煽てとは言わないか?
ともあれ、最初に会った時の感じとは裏腹にミナトと長谷川の相性は決して悪くないと判断すると、そのまま座っていた椅子から立ち上がる。
「じゃあ、長谷川に関しては任せていいよな? ああ、それと長谷川には一応護衛として量産型Wを1人つけておいてくれ」
ホワイトスターで行動するのであれば、もし何かがあったとしてもどうにでもなる。
だが今回はシャドウミラーの実力が十分に及ぶ範囲とはいえないナデシコでの活動になるのだ。
その上、長谷川はシャドウミラーの正式なメンバー……国民ではない以上、生身の実力に関してはその辺の大人よりも余程に弱い。
ネット世界では圧倒的な力を持っている長谷川だが、現実世界においてその実力を発揮するという事は出来ないのは当然だろう。
……もしかして長谷川がシャドウミラーに所属しないのは、戦闘訓練を受けたくないからか?
決して運動が得意という訳ではない長谷川の性格や能力を考えれば、それは十分に有り得る事だった。
身体を動かすのが苦手なのにそんなに太った様子がないのは、その分食べ物を少なくしているといったところか。
「護衛かよ……それって体のいい監視とかじゃないのか?」
「長谷川の場合は監視の必要はないだろ。半分はシャドウミラーに所属しているようなもんだし」
「……私は別にそんなつもりはないんだけどな」
「そうか?」
収入の多くをシャドウミラーからの報酬という形で貰っている以上、決して言い過ぎって訳じゃないと思うけど。
いやまぁ、それは単純にシャドウミラーの報酬が高額だという面もあるが。
一応ブログとかの広告とかで相応の報酬とかは得ているらしいけど。
「どうしても量産型Wがいやなようなら、桜咲を派遣するか?」
個人的には出来れば桜咲はナデシコに派遣したくはない。
こちらもまた、他の3-Aの生徒同様に大人っぽく、凜々しい美人になっている為だ。……胸はともかく。
しかも大太刀を手にしている以上、ウリバタケや……ヒカル辺りがそれを目にすれば、間違いなくテンションが上がった状態になる。
……いや、実は趣味が違うか?
ウリバタケはともかく、ヒカルはどちらかと言えば生身の戦いとかには興味を示してなかっただろうし。
その分、ウリバタケ以外の整備班が桜咲に対して強い興味を抱きそうだが。
しかも桜咲がいるという事は、基本的にそこには近衛もいるという事になる。
今の近衛は正に大和撫子と表現するのが相応しく、こちらもまたウリバタケ達が大きく反応する事になるだろう。
まぁ、それを言えば長谷川も似たようなものか。
とにかく俺と同じ考えにいたったのか、それとも単純に桜咲に迷惑を掛けたくない思ったのか、長谷川は俺の問い掛けに首を横に振る。
「いや、止めておくよ。それより行くならさっさと連れて行ってくれ。こっちも色々と忙しいんでな」
「ブログとか、ネットアイドルとかか?」
「っ!? なっ、何でアクセルがそれを知ってるんだよ!」
「うん? ちうの事なら以前ネギから聞いたぞ?」
麻帆良とやり取りをしている以上、当然ネギと会う事もある。
その際にちょっとした世間話で聞いたのだ。
「ちうちゃんはネットだと有名人だしな」
「アクセル!」
ちうちゃんと口にした瞬間、長谷川の眦が釣り上がる。
いやまぁ、人に知られたくない趣味なのだろうから、人の前で言って欲しくはなかったんだろうけど。
元3-A組にはかなり知られていたりするんだが……それはまぁ、そういう事なんだろう。
「じゃあ、ミナト。ちうちゃんの事は頼むな」
そう告げ、テーブルに3人分の料金を置いて影のゲートを作り、そこに沈み込んでいく。
「はいはい。ちうちゃん、こっちよ」
「ちょっ、誰が……おいこら、アクセル!」
ちうちゃんの……もとい、長谷川の怒鳴り声が聞こえてきたが、取りあえずそれは聞こえない振りをして俺の姿は影のゲートへと完全に沈み込むのだった。
「……で、お前達もナデシコ世界の件に絡みたいってのか?」
「ええ! いえ、何も僕達の世界だけじゃなくてもいいです。出来れば僕だけでも!」
そう言ってくるのは、マクロス世界で俺と一緒にスカル小隊に所属していたルカだ。
目に宿っている光は、理知的ではあるが科学者としての熱に染まっている。
まぁ、分からないでもない。フォールドクォーツという宝の山を生み出すバジュラは既にマクロス世界には存在しない……いや、いるけど手の届かない場所に行ったというのが正しいか。
ともあれ、そのフォールドクォーツがない以上、新しい素材を探しているんだろう。
勿論フォールドクォーツの研究は今もまだ続いている。
それこそ人工のフォールドクォーツを作り出す事には成功しているのだが、その純度はとてもではないがバジュラから得られるフォールドクォーツとは比べものにならないらしい。名前もフォールドクォーツじゃなくて、フォールドカーボンだし。
例えるなら、ダイヤモンドと炭といったところか。
勿論いつまでも炭のままって訳じゃない。人間だって人工のダイヤモンドを作り出す事が出来るようになったんだから、いずれ人工のフォールドクォーツもバジュラから得られるのと同じくらいの品質になる事は出来るだろう。
実際、シャドウミラーとしてもその研究には協力してるのだから。
……ただ、シャドウミラーの場合はバジュラの死骸が大量に存在している。
だからこそ今のところフォールドクォーツには全く困ってはいなかった。
勿論有限である以上はいずれ消滅するだろう。だが……そもそも、フォールドクォーツの使い道があまりないから、消費も少ないんだよな。
けど、ナデシコ世界におけるチューリップの装甲がその常識を覆した。
チューリップの装甲を利用して行われる新素材の合金。
ちなみにチューリップの装甲に関しては、チューリップクリスタルと呼称されるようになったらしい。
例えば、シャドウミラーの技術班が発明した新素材は、時の指輪の効果をゲート越しに向かわせるという特別な性質を持っている。
そう考えれば、ナデシコ世界のチューリップクリスタルはどの世界にとっても魅力的だろう。
色々な素材を生み出す触媒になるという事は、シャドウミラーが持っている数々の稀少素材だけではなく、それ以外の平凡な素材でも新たな性質をもつ新素材を作り出す事すら可能になる……かもしれない。
技術者でもあるルカが目の色を変える理由も分からないではない。
実際、レモンですら最初にチューリップクリスタルの性質を知った時には、出来るだけ多くチューリップを鹵獲して欲しいと言ってたしな。
「……分かった。確実にとは約束出来ないが、エザリア辺りに相談してみる」
「本当ですか!」
喜色満面に叫ぶルカ。
実際問題、チューリップクリスタルの可能性を考えると、手は多い方がいい。
多種多様な素材の合成を行うのだから。
そう考えれば、エザリアからも許可が出る可能性は十分にある。
「今も言ったが、確実にとは言えないぞ? 多分大丈夫だとは思うが……」
念の為にそう告げるも、ルカは全く気にした様子も見せずに嬉しそうに笑う。
……にしても、俺がマクロス世界に行ってからそれなりに時間が経つけど、未だにルカは小さいままだよなぁ。
ナナセとかいう恋人がいるらしいけど、そのナナセもルカとは仲良くやっているらしい。
そんな風にどうでもいいような事を考えながら、エザリアに連絡するべく通信機のスイッチを入れるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1200
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