Ｔｈｒｅｅ　Ｒｏｓｅｓ

「次第にな」
「その政策はかなり時間がかかりますね」
「そうだ、しかしだ」
「それでもですね」
「そうしていくつもりだ」
「確実に、ですね」
「諸国を取り込みたい」
　大公は自身の考えを述べた。
「出来ればな」
「帝国と結び」
「そうする、ではマリアとセーラはそうしてだ」
　そのうえでとだ、今度は。
　大公はマリーに顔を向けてだ、彼女にも言った。
「マリー様はです」
「私は北の王国のですね」
「王子を養子に迎えて頂きます」
「そうしてですね」
「あの国ともですね」
「縁戚となります」
　こう述べた。
「二国と同じく」
「そのことも大きいですね」
「むしろ二国以上にです」
　北の王国との縁戚はというのだ。
「大きいかと」
「諸国の中で最も大きい故に」
「そうです、ですから」
「あの国との縁戚はですね」
「組みましょう」　
　こう言うのだった。
「是非」
「それでは」
「はい、そしてマリー様は養子を迎えられますが」
「私もですね」
「やがてはです」
「良き人を迎える」
「そうされて下さい」　
　是非にと言うのだった。
「私はその手配にも動きます」
「では」
「はい、そのこともお任せ下さい」
「お願いします」
　マリーはここまで聞いてだ、そしてだった。
　大公にこのことを任せることにした、大公は国の為にあらゆることを講じて実際に動いていた。その中でだった。　
　側近達にだ、こんな言葉を漏らした。
「近頃おかしい」
「おかしい？」
「おかしいといいますと」
「身体が疲れる」
　そうなってきているというのだ。
「どうにもな」
「そういえば近頃です」
「お顔の色が悪いです」
「働き過ぎでは」
「そうではないでしょうか」
　側近達はそう言う大公に口々に言った。
「朝早くから夜遅くまでです」
「毎日お勤めですから」
「それ故にでは」
「あまりにも働かれているので」
「休みは取っているつもりだが」
　大公はその青くなってきている顔で言った。
「これでもな」
「しかしです」
「毎日朝早くから夜遅くまでお働きです」
「暗いうちに起きられ真夜中まで床につかれない」
「そうした状況ですから」
「働き過ぎか」
　大公もここで側近達の言葉を受けて言った。
「だからか」
「はい、大公は摂政です」
「宰相であると共にです」
「まさに国家の柱です」
「ご自重も下さい」
「そうだな、疲れがあってはな」　
　大公も側近達の言葉を受けて言う。