転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1383話
クーデター? 木連の攻撃? 内乱?
レオンの口から出た言葉に、一瞬俺の動きは止まる。
何を言っているのか分からないが、ともかく何か大変な事が起きたのは事実らしい。
そもそもレオンがいるのはニヴルヘイムで、ニヴルヘイムがいるのは地球だ。
「落ち着け。そんなに焦って叫んでもこっちには意味が伝わらないぞ。もっと正確に状況を報告しろ」
その言葉に、映像モニタに映し出されているレオンの表情はようやく少しではあるが落ち着きを取り戻す。
そうして小さく深呼吸をしてから、改めてレオンは口を開く。
『すいません、取り乱しました。取りあえず現在地球ではかなり激しい戦闘が起きています。その発端となったのが、ネルガルの一部とクリムゾングループ、そして連合軍の一部がそれぞれ手を組み、木連を迎え入れると発表した事です』
「……何だ、その有象無象は」
ネルガルとクリムゾングループ、連合軍……そして木連。まさに野合とでも呼ぶべき集団だ。
いやまぁ、確かにそんな集団が協力して木連を迎え入れるといった展開になれば、レオンがここまで動揺するのも分からないではない。
けど……その集団には色々と無理がないか? そもそも、木連は地球に対する恨み辛みを心の拠り所にしてきた。
その木連が地球の勢力と手を組む?
「しかもネルガルとか?」
『はい』
何に驚いたのかと言えば、そこが一番驚いたとも言える。
いや、木連が連合軍の一部と手を組んだという話を聞いた時も驚いたが。
ネルガル……特にその会長であるアカツキは、十分過ぎる程に俺達シャドウミラーの力を知っている筈だ。
で、シャドウミラーとしては地球と木連の戦争を終わらせるべく動いていた訳で……そんな状況で俺達と敵対するような真似をするか?
アカツキは色々と軽いところのある男だが、あの年齢でネルガルの会長をやってるくらいだ。間違いなく頭は切れる。
そんなアカツキが、俺達に敵対するような真似をするとは……どう考えても有り得ないと思うんだが。
そんな風に疑問を抱いていると、再び通信が入る。
誰だ、こんな忙しい時に。
「別の通信が入った。そっちはもう暫く情報収集を続けてくれ。護衛の方は問題ないな?」
『ええ。部下がいますし、量産型Wも連れてきてますので』
そう告げるレオンは、実はシャドウミラーの中でも壊滅的に実力がなかったりする。
……確か元々マクロス世界で統合軍の軍人だった筈なんだから、最低限の強さは持っててもいい筈なんだが。
以前聞いた話だと、奨学金を貰って進学してきたって話だし、その辺を考えると当然生身での戦闘力はある程度あってもいい筈だ。
いや、シャドウミラーを基準にしているからなのか?
それに俺がマクロス世界に転移した時も、統合軍は弱兵の集まりだった。
バジュラとの戦いで技量が磨かれたと言っても、それはあくまでもVFに乗ってのものだしな。
それにレオンは実戦に出ていた訳でもない。
ともあれ純粋なレオンの実力は、一般人よりも強いがシャドウミラーの中では明らかに下位に位置する。
それだけにレオンと一緒にマクロス世界からやって来た部下や、量産型Wというのは必要不可欠なのだろう。
「言うまでもないが、無理をするなよ」
『ええ、勿論。シャドウミラーの仕事はやり甲斐がありますしね。それに不老なんて人類の夢を達成したのですから、こんなところで死ぬ訳にはいきません』
笑みを浮かべてそう告げると、通信が切れる。
……ちなみに、無理をするなというのは別にレオンを気遣っている訳ではない。
純粋に心からの思いを口にした形だ。
そもそもレオンは現在政治班のNo.2という立場にいる男だ。
そしてシャドウミラーでは、ただでさえ政治や交渉が出来る人物というのは少ない。
元々が軍事組織から発展した国なんだし、その辺は無理もないだろうが。
ともあれ、シャドウミラーにおいてレオンの存在は何気に貴重な。いや、稀少と言っても正しかったりするのか?
そんな訳で、レオンには怪我はともかく死んでしまったら非常に困るというのが正直なところだったりする。
「……さて。レオンの方はともかく、通信を送ってきたのは誰だ?」
やっぱり地球での騒動が関係しているのか?
そんな疑問と共に通信を入れると……
『あ、やっと映ったね。や、元気かいアクセル』
どこか軽い調子でそう言ってきたのは、つい先程までレオンとの会話で話題になっていたアカツキだった。
「……アカツキ? お前、シャドウミラーと敵対する選択をしたってのに、よく連絡をしてきたな」
『いやいや、いやいや。待った待った。僕は別にアクセルと敵対しようなんて思ってないよ。だから落ち着いてくれ』
「へぇ? こっちに入っている情報だと、ネルガルがクリムゾングループや連合軍の一部と手を組んで木連についた……ってあるんだが?」
『情報が早いね。けど、正確じゃない。その情報の正確なところは、ネルガルの社長派が実力行使でクーデターを起こして、ネルガルを力ずくで支配下に置いた後で……というのが正しいよ』
「社長派?」
その言葉に、俺の脳裏を以前ネルガルで遭遇したサワガサキ・シュンとかいう男の顔をが過ぎる。
会長のアカツキと敵対しており、社長派という派閥を率いている人物。
女にキャーキャー言われるアカツキとは違い、太っている中年……初老か? ともあれ、そんな風に一癖も二癖もある人物。
聞いた話によると、前会長……アカツキの父親の部下であり、色々と後ろ暗いところがあるとか何とか。
そんな風に考えれば、アカツキに対してクーデターを起こすのも分からなくはないか?
「なるほど、大体話は分かった。アカツキの言ってる事が本当なら、だけどな」
『酷いな。僕の言葉が信じられないのかい?』
「アカツキ・ナガレとしてならともかく、ネルガル会長のアカツキとなればな。……まぁ、その言葉が真実かどうかってのはこの先はっきりするだろうが。それで、クーデターを起こされたお前は今どうしてるんだ?」
『あはは。その、実は何とか側近と逃げ出すのが精一杯でね。今はナデシコにいるんだ』
「……ナデシコ?」
アカツキの言葉に、思わずそう返す。
まさかナデシコに逃げ込んでいるとは思ってもいなかった。
だが、考えてみればそれ程おかしな話ではない。……いや、寧ろ最善の選択だろう。
ナデシコは乗員の破天荒ぶりから考えて、社長派に協力するような事は基本的にない筈だ。
勿論ナデシコの中には100人を超える乗員がいるのだから、中には社長派だったり、そもそもサワガサキが潜り込ませたような奴がいてもおかしくはない。
だが、それでも大多数が会長派……という訳ではないだろうが、それでも自分達がどっちに着くのが正しいのかというのは理解出来る筈だ。
何よりナデシコは今の地球では最大級の戦力なのだから、社長派が力ずくでどうにかしようとしてもまず不可能だろう。
そう考えると、アカツキの選択は決して間違っている訳じゃない、か。
「なるほど、ナデシコに逃げ込んだのはいい選択だったな。……それで、事態をどこまで理解している? こっちで得たのは、連合軍の一部、クリムゾングループと一緒にネルガルが……アカツキの言葉を信じるのなら、ネルガルの社長派が木連を迎え入れようとしているといったところだが」
『そうだね、その辺で概ね間違ってないと思うよ。……ただ、グリューノ総司令は反乱を起こした連中に殺されてしまったらしいよ』
「グリューノが?」
意外と言えば意外な話だった。
基本的にタカ派とでも呼ぶべきグリューノだけに、どちらかと言えばクーデター側に回るかと思ってたんだが……いや、タカ派はタカ派でも、木連に対するタカ派という意味でなら、アカツキの言ってる事も分からないではないが。
それでも何だかんだとここまで連合軍を引っ張ってきたグリューノが行方不明というのは、少し面白くない出来事だ。
可能であればグリューノを旗印にしてクーデターを起こした奴等……反乱軍を倒していきたいところなんだが。
『こっちも可能であればグリューノ総司令に連絡を取って、連携して動きたかったんだけど……それが結局この有様ってのは、少し恥ずかしいな』
頭を掻きながら告げるアカツキだったが、今回の件に関して言えばどうしようもなかったというのが俺の純粋な感想だ。
どうやってここまで手を回したのかは分からないが、クリムゾングループ、ネルガル、連合軍という地球でも勢力の大きな企業や軍隊に手を回したのだから。
寧ろ、これだけの事を行った奴を褒めてやりたいという思いすらある。
勿論このままで済ませるつもりはないんだが。
今回の件を企んだのが、どこを着地点にしているのかというのは分からない。だが、シャドウミラーとしてはそれを許す訳にも当然いかない。
「今ナデシコにいるって話だったな? ニヴルヘイムと合流出来るか?」
『どうだろうね。僕を追い払った連中は当然僕と君達の関係について知っている。現状で彼等が勝つ為には、絶対にシャドウミラーを今回の件に関わらせない事が必要になる。その為、何らかの手を打ってくるのは間違いないと思うよ。それこそ、ナデシコがニヴルヘイムに接触しようとするのを絶対に阻止する為、とか』
なるほど。今回の件を起こした奴等としては、絶対に俺達を接触させたくはない。それを避ける為にはアカツキと……いや、ナデシコと俺達を接触させないのが最善か。
……まぁ、実際にはこうしてゲートシステムを使った通信機を持っているアカツキから連絡があった訳だから、完全に予想外だったのだろうが。
だが……そうだな。俺達がこの内乱に参加する為の大義名分ってのは出来れば必要だ。
だとすれば、転移能力を持つ俺の機体で接触する方が早いか。
「分かった、ナデシコの座標を送ってくれ。今から俺がそっちに転移して迎えに行く。そうすればナデシコ諸共転移でニヴルヘイムに入れば大丈夫だろ」
『一応それも内政干渉に当たると思うんだけどね』
「いや、俺はまだ地球でそんな大規模な内乱が起こっているなんて事は知らない。ナデシコに縁のある俺が久しぶりに遊びに行くだけだ。それに、ここ暫くはシャドウミラーの件で忙しくて、ミナトやエリナとも通信で話しているだけだったしな」
それは間違いのない事実だ。
地球と木連の間に会談を行ったりとかしていた為に色々と忙しく、ミナトやエリナとは通信で話す程度しか出来ていなかった。
……まぁ、それも結局無駄になってしまったが。
なんだって草壁もこんな愚かな行動に走ったんだ?
シャドウミラーと敵対した時点でどうしようもないというのは、分かっていた筈だ。
だからこそ草壁もこっちとは戦わないようにしようとしている……そう思ってたんだがな。
うん? 待て。もしかしてさっき襲ってきたバッタってのは、俺の目を火星に引き寄せる為だけのものか? それと俺にうっかり漏らしたように見えた火星に何かまだあるという言葉も……それを狙ってのもの?
だとすれば、相当に用心深いというか、色々と細かい事に手を打ってるな。
『ははっ、そうだったね。確かに彼女達はアクセルと関係が深い。何も知らないアクセルがナデシコに遊びに来てもおかしくはないか』
「そうなる。……それともう1つ聞きたいんだが、ミスマルやヨシサダはどうなったか分かるか?」
その2人は連合軍の中でも穏健派で、シャドウミラーとも関係が深い。
……典型的なタカ派と言えるシャドウミラーと穏健派が仲がいいというのは、色々と矛盾してるというか、面白いものがあるけどな。
ともあれ、グリューノですら反乱軍に攻撃されたというのを考えれば、シャドウミラーと仲がよく、それでいて穏健派のミスマルとヨシサダも危険だろう。
唯一の救いとしては、恐らく反乱軍の第一目標は連合軍の総司令だったグリューノだっただろうという事か。
であれば、グリューノよりも攻撃は厳しくなかった筈。
『残念ながら……』
だが、アカツキは首を横に振る。
『僕も自分が逃げ延びるのが精一杯だったからね。それでも多くの人が僕を守る為にその身を盾にしてくれたんだ。他の人に気を配る余裕は……』
「そうか」
ここまで何も知られずに反乱を起こしたという事は、必勝を期していたのだろう。
である以上、向こうにとっても確実にアカツキをここで仕留めるなり捕らえるなりしたかった筈であり……そう考えると、ここで逃げのびたというのが寧ろ賞賛されるべきなのだろう。
それこそ、アカツキがネルガルの社員に好かれているからこそ逃げ延びる事が出来た……といったところか。
「分かった。取りあえずそっちはナデシコで反乱軍に見つからないようにしていてくれ。こっちもすぐに対応を協議してから、ナデシコに向かう」
『頼むよ』
最後に短く言葉を交わすと、通信が切れる。
……最後の言葉、アカツキにしては随分と力のない言葉だった。
恐らく今回の件はかなり響いているのだろう。
こっちも出来るだけ早く行動方針を決める必要があるな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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