転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1382話
木連の新型試験艦みなづきを送り、地球と木連の間で行われた会談が終わって数日。
現在も地球では散発的にバッタやチューリップといった戦力が暴れてはいるが、それは非常に希な話だ。
今は全体的に見て落ち着いた日々が流れているといった感じだ。
そんな中、俺の姿は地球にあるニヴルヘイム……ではなく、火星にあった。
木連との会談は行われたが、だからといって火星をシャドウミラーが実効支配するという事を止めるつもりはない。
既に7割……いや、8割を超えるだけの火星は既にシャドウミラーの支配下に入っている。
勿論俺が火星にいるのは、火星を完全にシャドウミラーの支配下に置く為……ではない。
いや、それが重要なのは分かっているので、それをやっている実働班の行動を止めるつもりはないが。
それでも俺が火星に立っている最大の理由は、口を滑らせた草壁が原因だ。
恐らく火星にまだ何かがある。……もしくは、あると思わせて俺の動きを火星に釘付けにしたいのか、はたまたその見つかっていない何かを俺達に見つけて欲しいのか。
そのどれが草壁の狙いなのかは分からないが、こっちはこっちでやるべきだ。
向こうにとってはこっちを思い通りに動かそうとしているのかもしれないが、シャドウミラーをそう簡単に手の中で転がす事が出来るというのは間違いだということを教えてやる必要があるだろう。
まぁ、実際には単純に口を滑らせただけという可能性も否定出来ないのだが。
ともあれ、現在俺はシャドウとメギロートを引き連れて火星の空を飛んでいた。
勿論コーネリア達も火星で木連の兵器を探して飛び回っているのだが、さすがに8割以上をこちらの制圧下に置いてしまえば、新しいバッタを見つけるのも難しくなる。
敵の数が少なく、それでいて逃げ回れる範囲が広いのだから当然だろう。
シャドウミラーが火星の8割以上を制圧したと言っても、別に全ての場所にメギロートやシャドウがいる訳ではない。
つまり、制圧下に置いた場所にバッタが侵入する事は可能な訳だ。
下手に人がいないだけに、そんな空白地帯にバッタが入ってくれば、見つけるのには苦労する。
……もっとメギロートを投入した方がいいか?
元々メギロートはシャドウミラーの量における主力だ。
生産性に関しても、キブツのおかげもあって材料に困る事はなく、シャドウミラーの機体の中では群を抜いている。
それだけに当然まだまだ余裕はあるのだから、このナデシコ世界の火星に投入してもいいかもしれない。
ただ、この火星にまだ何かが存在しているというのは、あくまでも俺の勘に過ぎない。
念動力でも何でもない、純粋な俺の勘。
そうである以上、まさかメギロートを必要以上に使う訳にもいかないだろう。
そんな訳で、現在俺が使っているメギロートの数はそれ程多くはない。
量産型Wのシャドウにいたっては、言うに及ばずだ。
一応シャドウも主力ではあるのだが、こっちは質も十分に備わっているからな。
量産型Wも色々と多彩である以上、色々な場所で引っ張りだこだったりする。
にしても……
「ないな」
周辺を見ながら呟く。
ニーズヘッグの映像モニタに映っているのは、どこまでも広がる赤茶けた火星の大地だ。
とてもではないが、草壁が口を滑らせた物を見つけるのは難しい。
そもそも探している物すら実際にはどんな代物なのか分からないのだから、どうしたって見つけるのには時間が掛かる。
「……何だか面倒臭くなってきたな。そもそも、火星を丸々調べるってのに無理があるし」
地球よりも小さくても、火星は惑星だ。
それも、地球はその7割が海だ。
そう考えれば、ぶっちゃけ地球の半分の大きさしかない火星であっても、探す範囲という意味で考えればこっちの方が広いということになる……のか?
まぁ、地球の場合は海に何か……恐らく火星古代文明に関する物が沈んでいるという可能性を考えると、まだ海がない火星の方が探しやすいのかもしれないが。
そう考えると、寧ろ探すのは火星で良かったと言うべきだな。
自分を慰めるように下らない事を考えていると、不意にニーズヘッグのレーダーに反応があった。
一瞬コーネリア達かとも思ったが、それが違うというのはレーダーを見ればすぐに理解出来る。
そこに表示されているのは、紛れもなく虫型戦闘兵器のメギロート……ではなく、バッタ。
そう、本来であれば実働班が必死にまだ火星に残っているのを探しているバッタだった。
それは間違いない。間違いないのだが……
「何でわざわざ俺のいる場所に出てくる? 実は草壁が俺の邪魔をする為にそう命令してるんじゃないだろうな?」
草壁が自分の漏らした内容が不味い代物なのだと判断しているのであれば、俺に火星を探索させるような真似はして欲しくはないし、可能であれば妨害したいだろう。
だとすれば、このバッタの反応はおかしくないのか?
いや、でももし本当にバッタを使ってこっちの邪魔をするのなら、もっと数を大量に使わないか? しかも俺だけじゃなくて、他の実働班の機体にも邪魔をするような……
うん? それ以前に俺は木連でニーズヘッグを使ってはいない。
だとすれば、草壁がニーズヘッグの邪魔をするようには……だとすれば、これは偶然?
いや、バッタの得た情報が木星にも渡っていた以上、当然木連側でだってニーズヘッグの存在を知らない筈はない。
そうなるとやっぱりこれは草壁……というか、木連の妨害工作だと考えた方がいいだろう。
「まぁ、今更バッタ程度で俺達の妨害が出来ると思われているのは面白くないけどな」
こっちに向かってくるバッタの数は、約30機。
実働班によってかなりの被害を受けたにしては、随分と奮発した機数だと言えるだろう。
まぁ、それだけこっちに火星の探索を本格化されると困ると思っているのかもしれないが。
それは理解出来ないでもないが、それでもこの程度の戦力でこっちをどうにか出来ると思われては心外だな。
こちらの姿を発見したのだろう。バッタが一斉に背中の装甲を展開して、ミサイルを放つ。
バッタの最大の攻撃方法がミサイルである以上、出会い頭に最大級の攻撃を仕掛けるというのは分からないでもない。分からないでもないんだが……
「ニーズヘッグがいる時点でミサイル攻撃は無意味だと学習すればいいものを。ジャマー展開」
T-LINKシステムを使ってニーズヘッグのジャマーを起動。
すると当然のようにこちらに向かって一斉に飛んできたバッタのミサイルは、その全てがあらぬ方へと逸れて飛んでいく。
まさに酔っ払いの千鳥足と表現するのが相応しいような、そんな軌道を描いて飛んでいったミサイルは、何もない荒涼とした火星の大地へと突き刺さって爆発する。
周囲に土を巻き上げるその爆発は、いっそ畑を作る為に耕すという行為を……駄目だな。
地面に幾つも穴が開いているのを見てすぐに却下する。
バッタの放つミサイルの威力は、シャドウミラーとして考えればそう大したものではない。
それこそ、ジャマーを使わなくてもシャドウであればバリアで防げる程度だ。……いや、当然か。シャドウのバリアはヤンマのグラビティブラストですら防ぎきるのだから。
ただ、メギロートの場合は話が違うんだよな。
バリアの類を持ってない事もあって、どんな攻撃だろうがメギロートに命中させることは可能だ。
勿論人間の放つ拳銃とかの銃弾程度ではメギロートの装甲を貫く事は出来ないのだが。……その代わり、装甲の隙間から内部に入って損傷を与える事が出来るかもしれないと考えると、攻撃した者の運が良ければ意外と拳銃でもメギロートを破壊出来たりするのか?
まぁ、それでも余程の事がなければメギロートに生身で挑もうと考える奴はいないのだろうが。
そんな風に考えつつ、ヒュドラ先端のビーム砲を一斉発射する。
放たれた6条のビームは、真っ直ぐにバッタを貫き、爆散させてく。
「全機攻撃開始」
6つの爆発の花火が咲いたのと同時にメギロートとシャドウへと命じると、すぐに攻撃は開始された。
放たれるサークル・レーザーが数機のバッタを纏めて爆散させ、ビームガトリング砲のビーム弾は掠っただけでバッタを破壊し尽くす。
まさに文字通りの蹂躙と表現すべき戦いだったが、無人機のバッタは逃げるといった真似をする事はなく、ただひたすらにこちらへと向かって攻撃を仕掛けてくる。
放たれたミサイルはジャマーによって命中が見込めない以上、向こうに残された手段は体当たりか至近距離からの機銃による攻撃といったところか。
その中で唯一バッタがメギロートに勝てる可能性があるとすれば、やはりそれは機銃しかないだろう。
先程考えたように、メギロートの装甲の隙間から内部にダメージを与えるといった手段。……だが、そんな行為がそう簡単に成功する筈もなく、放たれた機銃の銃弾の殆どはメギロートの装甲によって弾かれていた。
そうして機銃の射程まで近づけば、メギロートのサークル・レーザーを回避する事も出来ず、それどころか角であっさりと胴体を貫かれ、頭部を噛み千切られ、次々に爆散していく。
戦闘開始から数分。たったそれだけの時間でこちらに攻撃を仕掛けてきたバッタは全てが破壊され、火星の地面へと残骸を撒き散らかしていた。
「さて……こっちに近づいてきた俺達に攻撃を仕掛けてきたって事は、もしかして向こう側に行かせたくなかったのか?」
もしくは、意図的に何もない場所で攻撃して、この先に何かがあると俺に思い込ませるという可能性もあるか。
どちらにしろ確認はする必要があるんだし、行くしかないか。
散らばったバッタの残骸に関しては、取りあえず気にせずそのままここに残して行くことにする。
回収してもいいんだが、その手間を考えると労力に見合わないしな。
連合軍であれば、バッタの残骸というのはお宝なのかもしれないが……いや、ないか。
今までの連合軍でも、チューリップやカトンボ、ヤンマといった戦艦級の存在はともかくとして、バッタ程度であれば倒すのは難しくなかった筈だ。
バリアの類もなく、武器の搭載量も決して多くはない。
だとすれば、武器を使い果たさせれば撃破する……いや、鹵獲するのも難しくない。
まぁ、バッタは木連の中でも雑魚に等しい存在だ。だとすれば、木連の方でも連合軍に鹵獲されるようなことは計算済だろう。
一応シャドウミラーの場合は、キブツに放り込むという有効活用の方法がないでもないが、わざわざ散らばった部品を全部集めていくよりは、それこそ宇宙に浮いているデブリ辺りを空間倉庫に収納してキブツに放り込んだ方が圧倒的に効率的だ。
「何があるのか……楽しみにさせて貰おうか」
呟き、メギロートとシャドウを引き連れながら空中を飛んでいく。
バッタがフェイクの可能性もあるが、それでも一応注意して周辺を見回っていたのだが、数分、十数分、数十分と時間が過ぎても何かを見つけることは出来ずにいた。
「やっぱり囮か何かだったと判断した方がいいのか? このまま真っ直ぐに進み続ければ、火星の極冠に到着するぞ?」
極冠というのは、いわゆる地球だと北極とか南極とか言われている場所だ。
火星にも当然その極冠があるのだが、当然普通では動きようがない場所だ。
さすがにそこまで行っても意味はないだろうし……どうしたもんだろうな。
このまま進むか、一旦戻るか。
そもそも、俺がここまで来るまでの間に何か見落としがあったという可能性も十分にある。
そう考えれば、やはりこのまま真っ直ぐに極冠まで向かうのはどうだろうな。
どうするべきか悩みながらも飛んでいると、不意に通信が入ってくる。
うん? 誰からの通信だ?
どこからではなく誰からなのかというのは、ニーズヘッグに通信を送る事が出来るのは当然シャドウミラーだけだから。
これで何気に通信がネルガルからだったりしたら、結構面白そうな感じなんだが。
そんな風に考えながら映像モニタへと視線を向けると、そこには切羽詰まった様子のレオンの姿があった。
『アクセル代表、大変です!』
「……何だ? お前がそこまで焦っているってのは、かなり珍しいな」
基本的にレオンは沈着冷静と表現するのが相応しい性格をしている。
追い詰められればパニクるんだが、そこまで追い詰められるまではかなり冷静に判断出来る筈だった。
……まぁ、俺がマクロス世界に転移してレオンと敵対した時は、これ以上ない程に追い詰められたせいか、顔芸とでも呼ぶべき表情を浮かべた時があったが。
『クーデターです! いえ、これは木連による攻撃? 内乱? 何と言えばいいのか……とにかく、あらゆる事態が一遍に起きています!』
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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