真田十勇士
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巻ノ四十八 鯨その十一
「鎌之助と甚八」
「はい」
「それでは」
「肥前じゃ」
「では肥前にです」
「二人で参ります」
この二人も決まり。続いて。
「望月六郎と伊佐」
「それでは」
「行って参ります」
「肥後じゃ」
「おお、では」
「その国を調べてきます」
この二人の組み合わせになって、そうして。
「佐助と十蔵」
「はっ」
「では二人で」
「御主達は豊前じゃ」
「その国に行き」
「務めて参ります」
またしても組み合わせと行く国を決めて。最後は。
「才蔵と清海」
「さすれば」
「働いてきます」
「豊後を頼む」
「ではその国を」
「隅から隅まで」
「その様にな、では決まりじゃ」
全てがとだ、幸村は微笑んで言うのだった。
「して拙者はな」
「はい、殿はですな」
「この筑前を調べる」
「そうされるのですな」
「そうする、では皆行ってもらう」
「はい、では」
「これより」
「まずは六国を調べ」
そしてというのだ。
「よいな」
「薩摩、大隅、日向は」
「我等は集まって入り」
「そしてですな」
「念入りかつ慎重に調べるのですな」
「そうする」
まさにというのだ。
「わかったな」
「では期日は」
「何時まででしょうか」
「何時までに調べればよいですか」
「二十日じゃ」
これだけの時だというのだ。
「行きと帰りを含めて二十日でじゃ」
「それぞれの国を調べよ」
「そう言われますか」
「その様に」
「出来るな」
幸村は十勇士達に問うた。
「それは」
「はい、無論です」
「二十日もあれば充分です」
「充分にわかります」
「それぞれの国のことが」
「そして落ち合う場所はな」
そこはというと。
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