| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

真田十勇士

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

巻ノ四十八 鯨その十

「そうする」
「ですか、殿お一人で」
「そうされますか」
「ではお気をつけて」
「その時は」
「わかっておる、ではな」
「何でしたら我等がです」
 十勇士達がここで言った。
「途中お守りしますが」
「交代して」
「そうしますが」
「ははは、それには呼ばぬ」 
 家臣達に申し出にだ、幸村は笑って返した。
「拙者も忍であることは知っていよう」
「そしてその武芸も」
「存じています」
「己の身は己で守れる」 
 だからこそというのだ。
「安心せよ」
「ですか、では」
「我等それぞれ行って参ります」
「そうします」
「是非な、ではこれから詳しい話をしようぞ」
 これからのことをというのだ。
「よいな」
「はい、では」
「これより」
「そうするぞ」
 一行は港にある宿屋に入った、そしてそこで話をはじめた。まずはだった。
 幸村は十勇士達にだ、それぞれ告げた。
「では分けるぞ」
「は、これより」
「そうしますな」
「まず九州のことを話す」
 それからというのだ。
「よいな」
「はい、それでは」
「これより」
「国は九つじゃ」
 九州の名の通りというのだ。
「肥前、肥後、豊前、豊後、筑前、筑後にじゃ」
「そして薩摩、大隅、日向」
「合わせて九国ですな」
「だから九州ですな」
「左様、この博多は筑前にある」
 幸村は博多の位置も話した。
「そして御主達はまずはじゃ」
「そのうちの六国をですな」
「殿と共に調べるのですな」
「二人ずつに別れてな」
 このことをあらためて言った幸村だった。
「そうしてもらう」
「してどの組み合わせがどの国を巡るか」
「それですな」
「そうじゃ、それぞれの国に行ってもらう」
 今よりというのだ。
「では決めるぞ」
「わかりました」
「これより」
 十勇士達も応えた、そしてだった。
 幸村は彼等にだ、こう告げた。
「小助と海野六郎」
「わかりました」
「では」
「筑後を頼む」
「行って参ります」
「その国に」
 まずはこの二人だった、二人も応えた。幸村はさらに言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧