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クバ王国の衣装

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第五章

「そこまでやっていくからね」
「わかりました」
「じゃあやっていくよ」
「はい、お願いします」
 そこまで教えてくれとだ、琴乃も応えてだった。
 二人で一緒に作っていった、その服はというと。 
 全体的に服の色は黄色く赤もある、ひだのあるスカートで手首と足首には銀色のアクセサリーを付け首には金色のネックレスをかける。
 灰色の帯だがその帯も含めて服全体にだった。
「何か」
「いい感じね」
 亜美はその服を着てアクセサリーも付けた琴乃を見て言った。
「色々な模様が入っていて」
「ええ、幾何学のね」
 釘を折った様な模様もあればルーン文字を思わせるものもある。アラベスクもあればアルファベットに似たものもある。
 その様々な、配色も多彩な模様を見て琴乃は言った。
「不思議ね」
「実はね」
「実は?」
「この服欧州では結構有名なのよ」
「あれっ、そうなの」
「アンリ=マティスやパウル=クレーにも影響を与えたのよ」
「その人達の名前は知ってるわ」
 琴乃は二人の名前を聞いて言った。
「デザインのことも勉強してるし」
「ただ着るだけじゃなくてね」
「大学もそっち出たし」
「そうそう、琴ちゃんは本格派であれでしょ」
「そうよ、だからね」
 それでと言うのだった。
「私もその人達の名前は知ってるわ」
「その人達に影響を与えたのよ」
「この服は」
「そう、クバ王国の服はね」
「この模様ね」
 模様を見ての言葉だ。
「これが影響を与えたのね」
「そうなの」
「成程ね」
「それでだけれど」
 亜美はコバ王国の服を着ている琴乃にこうも言った。
「今回の番組はね」
「私がザイールまで行ってこの服を作って着る」
「自分でそうするってことで」
「上手くいったわね」
「ううん、はじめて作ったけれど」
 自分が作って着ているその服を見て言うのだった。
「いい感じよ」
「ええ、私もそう思うわ」
「じゃあこの服は」
「どうしたの?」
「私が作って着てるけれど」
 亜美の目を見て問うた。
「どうなるの?」
「どうなるのって貴女が作って着てるでしょ」
「それならなの」
「そう、琴ちゃんのものよ」
 そうなるというのだ。
「安心してね」
「それじゃあ」
「お金は貰ったからね」
 おばさんもまた通訳を介して笑って言った。 
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