転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1367話
映像モニタに映し出されたメギロートは、自分に向かってくるバッタへと向けてサークル・レーザーを放つ。
バッタはその攻撃に対応するように機体を傾かせ、何とか回避をしようとするが……間に合わず、足が数本持って行かれる。
それでもただではやられないと、背中に内蔵されているミサイルを発射するバッタ。
だが、メギロートは再度サークル・レーザーを放ち、自分の方へと向かってくるミサイルをその一撃で全て破壊する事に成功する。
次にメギロートはミサイルを放ったバッタへと向かって真っ直ぐに突っ込んで行き、角を使って下からバッタの身体を貫く。
いや、この場合は貫くという表現は相応しくないか。
どちらかと言えば角の一撃で下の部分から砕かれたと表現するのが正しい。
宇宙空間にバッタの部品が散らばり……そして映像モニタが消え、部屋の電気が点く。
「うーむ……さすがシャドウミラーの機体だけあって高性能だな」
部屋の中にいた秋山が、感心したように呟く。
元々俺達との面識は殆どなかった秋山だったが、数日前に行われたゲキガンガー上映会で俺達のことが気に入ったのか、それから数日、積極的にシャドウミラーと関わってきていた。
今終わったメギロートとバッタの戦いも、秋山のアイディアによるものだ。
模擬戦をシロガネが停泊している軍港にある部屋の一室で見ていたのだが……木連の人間の大多数がメギロートの実力を実際には知らないという事で今回の戦いを提案されたのだが、これは向こうにとっても予想外の結果だったのだろう。
まぁ、バッタは木連にとって主戦力だ。
それがこうもあっさりとやられてしまえば、向こうも色々と思うところはあってもおかしくはなかった。
バッタの攻撃手段はミサイルと体当たり、機銃のみ。
だが機銃は対人用な為にメギロートに対しては攻撃力不足で、とてもではないが使えない。
そうなるとバッタの攻撃手段はミサイルと体当たりしかなく、ミサイルはサークル・レーザーで一網打尽にされ、体当たりは自分よりも大きな相手にしても逆に弾かれるだけだろう。
バッタがもしメギロートに勝つのであれば、やはりメギロートのサークル・レーザーでも対処出来ない程のミサイルの飽和攻撃をするのがベストだ。
それこそ、火星でメギロートがバッタにやられたかのように。
「バッタも悪くはないんだけどな。小さいってのは、メギロートと戦うのであれば不利になるけど、物陰とかに隠れるといった真似をするのなら有利に働くし」
「ふーむ。……分かってはいたが、虫型戦闘機は相手にもよるのか」
秋山が俺の言葉に納得したように頷く。
外見はゴツいというか頑固そうなのに、その性格は柔軟だ。
それでもヤマダモドキな性格なのは変わらないのだが。
いや、月臣とかに比べればまだマシか?
「そうだな。もしバッタでメギロートと戦うのなら、バッタの方の数をもっと増やす必要があるだろうな」
ちなみに、木連ではバッタのことを虫型戦闘機と呼んでいるのだが、バッタでも普通に通じる。
中にはバッタと呼ぶと少し面白くなさそうな奴もいるが、大抵の人物はバッタ呼ばわりを許容している。
というか、だ。虫型戦闘機というのは呼びにくくないか?
木連でも普通にバッタでいいと思うんだけどな。
他にもグラビティブラストを重力波砲、ディストーションフィールドを次元歪曲場、転移を次元跳躍といった風に呼んでいる。
……ゲキガンガー3の件といい、この呼び方といい、何より白鳥、月臣、秋山、草壁といった名前の件も考えると、もしかして月から追放された独立派って全員が日本人だったんじゃないか?
何だか普通に有り得る気がするが、取りあえず考えるのは止めておこう。
この件で突っ込むと、色々と面倒な事になりそうな気がするし。
「ふーむ、なるほど。そうなると、今度は虫型戦闘機械とメギロートが上手く連携出来るかを試してみたいな。どうですかな、アクセル代表」
「それは……難しいんじゃないか?」
お互いがAIで動いているというのは事実だが、そのAIの性能や方向性といったものが違い過ぎる。
まず間違いなくお互いの存在に混乱し、下手をすれば同士討ちになる可能性すらあるだろう。
いやまぁ、試すだけなら特に被害の類もないんだし、試してみてもいいと思うけど。
じゃあ、ちょっとやってみるか。
そう言おうとした瞬間、部屋の中に非常警報と思しきものが鳴り響く。
ヴィー、ヴィー、というこの音は、俺にとっても聞き慣れた音だ。
「何が起こった?」
そう問い掛けると、秋山は真面目な表情を浮かべて部屋にある通信機へと向かって行き……それと殆ど同時に、この部屋へとやってくる気配に気が付く。
一瞬こっちに対する応援か何かかとも思ったんだが、どうやら違うというのはすぐに理解出来た。
何故なら、こっちに近づいてくる気配は殺気や敵意を身に纏っているのだから。
「待て、お客さんだ」
通信機に向かおうとしていた秋山だったが、すぐに俺の言っている意味が理解出来たのだろう。厳しい表情を浮かべ、部屋の扉の方へと視線を向ける。
この部屋には、他にもシャドウミラーに対して友好的な木連の軍人が何人かいたのだが、それぞれが非常警報に一瞬混乱した後ですぐに対応出来るように準備を整えていた。
シャドウミラーと友好的に付き合おうとする者が武器を持って俺達と会うという訳にもいかなかったのか、誰も武器を持ってはいないが。
「高杉!」
「了解!」
秋山の呼び掛けに、高杉と呼ばれた男が短く答える。
恐らく秋山の副官か何かなのだろう。秋山の言葉に、高杉は部屋の中にあった椅子を構えて扉の横へと移動する。
「イザーク」
「分かっている」
こちらも俺の言葉にイザークが短く答え、そのまま高杉とは反対方向の位置に構える。
「アクセル代表、彼は武器を持っていないようだが……」
「そっちの高杉も武器は椅子だけだろ。安心しろ。俺達シャドウミラーにとって、銃とかの武器にはどうとでも対処が出来る」
正直なところを言えば、銃火器は俺の空間倉庫の中に大量に入っている。
それこそ、その辺の軍隊をどうにか出来る程度の量は。
それを使わないのは、まだ木連に空間倉庫の能力を教えない方がいいだろうという判断と、実際に銃火器の類を出さなくてもどうとでもなるという自信からだ。
イザークの指には、指輪型の魔法発動体も存在してるし。
オウカも同じような指輪を身につけていたのを考えると、多分2人お揃いで指輪を買ったのだろう。
オウカもこの場所にいれば重要な戦力になったのだろうが、木連の軍人はオウカに対してどこか余所余所しい……いや、触れるのを恐れる? そんな感じだから、今日ここに来ているのは俺とイザークの2人だけなんだよな。
それでもイザークが木連に対して刺々しくならないのは、木連の人間がオウカに対して抱いているのは嫌悪とか悪意とかそういうのじゃないと分かるからか。
言ってみれば、純情そのものと表現してもいい。
だからこそ、木連の人間は基本的に女に対する扱いに慣れていないんだよな。
もしそれがなければ、イザークは木連に対してもっと嫌悪感を露わにしていただろう。
オウカも、この前のゲキガンガー上映会で微妙にショックを受けていたみたいだし。
そんな風に考えている間にも、こちらに向かってくる気配は段々近づいてきて……
「来る」
俺の口からそう呟かれてから数秒後、部屋の扉が開いて5人程の人間が入ってくる。
その手には当然のように拳銃が握られており、こちらを害する気持ちがあるというのは一目瞭然だった。
「動く……」
動くな、と叫ぼうと思ったのだろう。
実際こちらに武器が殆どない以上、自分達だけが武器を持っている状況であればその行為は正しい。
だが、決定的なまでに襲撃者が知らなかった事が1つ。
それは、シャドウミラーが生身でもこの世界の人間に比べれば桁外れの力を持っていた事だ。
拳銃を構えて叫ぼうとした男はいつの間にか自分のすぐ側に立っていたイザークの一撃で吹き飛ばされ、横にいた仲間にぶつかり、その仲間と共に床へと転がる。
椅子を構えていた高杉も、部屋の中に突入してきた男の一人の頭部へと振り下ろす。
物凄い音がして頭から血を流しながら地面に倒れる木連の兵士を見ると、イザークに攻撃された方が幸せだった……と思いきや、イザークに吹き飛ばされた男の方も部屋にいた他の木連の軍人達に寄ってたかって取り押さえられていた。
まぁ、こっちに銃口を向けたんだから、殺さなかっただけよしとするか。
高杉の一撃で倒せたのは1人だけだったが、その間にイザークは次から次に攻撃し、数秒と掛からずに部屋の中へと突入してきた兵士達は全員が意識を奪われて無力化されていた。
「いやはや、シャドウミラーのメンバーというのは凄いですな。まさか、あのような外見でこれ程の力を持っているとは」
驚きを浮かべたのも一瞬、豪快な笑い声と共に秋山が俺に告げてくる。
その気持ちは分からないでもない。
イザークの外見は、何も知らない者が見ればとてもではないが軍人には思えないだろう。
端整な顔立ちと、見た目には殆ど筋肉が付いているとは思えないような外見なのだから。
もっともイザークは着やせするので、軍服を脱げば鍛えられた鋼の如き筋肉がしっかりとついているのだが。
瞬発力を重視して鍛えられたその筋肉は、いわば猫科の肉食獣の如き筋肉と呼ぶべき代物だ。
SEED世界で俺とやり合っていた時は顔に傷痕がついたままになっていたが、シャドウミラーに合流した時に既にその顔の傷痕は消しているので、外見だけを見ればモデルだと言われて納得する者が多いのは間違いない。
「うちの実働班は精鋭揃いだからな。人数が少ない分、個人で色々と出来る必要があるんだよ」
「ほう、やはりシャドウミラーもそのようなところは木連と変わらないようで」
感心したように呟く秋山だったが、イザークがこっちに近づいてきながら愚痴るように口を開く。
「ふんっ、アクセルが俺の事を精鋭だ何だと言っても、説得力はないぞ」
「む? それはどいう意味かな?」
秋山がイザークの方へと視線を向けると、イザークは鼻を鳴らしてから口を開く。
「ふんっ、この男はパイロットとしてだけじゃなく、生身の人間としても驚異的な強さを持ってるって事だ。それこそ、シャドウミラーの中でもアクセルに勝てる奴がいるかどうかは微妙なくらいにな」
「ほう、それは素晴らしい。さすがシャドウミラーのような剛の者達を纏めるだけはある」
「いや、そこまで褒められてもな。エヴァとかフェイトとか……最近だと桜咲とかも俺に対しては有利に戦えるぞ?」
特に桜咲の使う神鳴流は、俺のような物理攻撃を無効化する魔法生物にとっては致命的なまでの強さを持つ。
だが、そんな俺に対してイザークはどこか呆れたように口を開く。
「お前が負けるところは全く想像出来ないけどな。正直、お前は色んな意味で異常だし」
そんなイザークの言葉に興味を持ったのだろう。秋山は俺の方へと興味深そうな視線を向けてくる。
「ほう、興味深いですな。我々木連も木連式柔術を始めとした各種武術が盛んでして。良ければ今度シャドウミラーと生身の戦闘技術の交流会でも行いませんかな?」
へぇ。いきなりそんな事を言ってくるとは思わなかったな。
いや、悪い事ではないのは分かる。
そもそも、向こうにシャドウミラーの実力を見せつけるという意味ではかなり有益だ。
「まぁ、その件は前向きに検討しよう。ただ、それよりも前に……こっちの件をまずは何とかしないとな」
視線を、部屋の中に突っ込んできた男達へと向ける。
同時に、まだこの軍港に鳴り響いている非常警報自体が収まった訳ではないというのを現していた。
「ふむ、それもそうですな。とにかく、誰が何を思ってこのような件を仕組んだのか……いや、仕組んでいるのか。それを確認しなければ、お互いにとって最悪の事態になりかねない」
「ああ。まぁ、大体どんな勢力が裏で糸を引いているのかってのは何となく想像出来るけど」
シャドウミラーは地球とも関係を持っている。
それが気にくわないのは、木連にも相当数いるんだろう。
それは草壁との会談で月臣が見せた反応からも明らかだった。
だからといって月臣が今回の件に関わっているとは思わないが、関わっていないとも言い切れない。
その辺に関しては、俺じゃなくて木連が判断するべき事だろうが……さて、これからどうなるんだろうな。
木連の兵士によって取り押さえられ、既に殆ど意識を失っている者達を見て、そう考える。
どうやら、木連との交渉もスムーズに終わりそうにはない。
ただ、今回の件はこっちにとって有利な条件にはなり得るのがせめてもの救いといったところか。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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