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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1366話

 シャドウミラーと木連の交渉が始まってから数日。当然のように交渉は決して潤滑に進んでいるという訳ではなかった。
 当然だろう。木連としては資源や食料というのは是非欲しい。だからといって、カトンボ、ヤンマ、チューリップの生産プラントというのはそう容易に頷ける訳ではない。
 木連にとって、それらは文字通りの意味で命綱なのだから。
 まぁ、木連にそれぞれの生産プラントが幾つあるのか分からないが、出来ればこっちに入手したいと思う。

『ゲキガン・パーンチ!』

 そんな声が聞こえてきて、俺は思考から目の前の現実に意識を戻す。
 そこにあるのは、映像モニタ。そして映像モニタに映し出されているのは、何故かゲキガンガー。
 昨夜、木連から……というか白鳥から連絡があり、今日シャドウミラーと木連の交流をしたいのですがと言われ、それを容認したんだが……その結果が何故かゲキガンガーだった訳だ。
 周囲に視線を向けるとイザークは珍しくげんなりとした表情を浮かべて映像モニタへと視線を向けており、オウカは何とかゲキガンガーに集中しようと頑張っていた。
 それに比べると木連からやってきた二十人近い軍人は全員が熱心に、それこそ脇目も振らずに映像モニタへと視線を向けていた。
 何でここにゲキガンガーがあるんだ? と思ったが、そう言えばゲキガンガーは木連では聖典扱いになっているという話をアカツキから聞いた事を思い出す。
 それでもまさかこうまで熱心にゲキガンガーに嵌まっているというのは、完全に予想外だった。
 それもこうして見る限りでは何話がどうとか言ってるのを見ると、恐らくある程度の話数は揃っているのだろう。
 にしても、月から追い出され、火星では核を撃たれたのに、よくゲキガンガーを持ち出せたよな。
 普通ならゲキガンガーじゃなくて、食料とかそういうのを重要視してもおかしくないんだが……あ、地球へと送られた使者が持ってきた? いやいや、暗殺されたんだから持ってこられる筈がない。
 それとも使者が実は一人じゃなくて、生きて帰ってきた使者が……まぁ、それが無難か?
 そもそも、一人でも生きて帰すような事をしなければ、暗殺されたというのすら理解出来ないのだから。
 あ、何だかそう考えれば木連の軍人の多くがヤマダモドキなのも理解出来るかも。
 ヤマダもゲキガンガーが好きだったし。
 でも、テンカワもゲキガンガーを好きだったけど、ヤマダモドキにはなってなかったな。
 その辺の違いがよく分からん。

『ジョーッ!』

 そんな事を考えていると、映像モニタの中では海燕ジョーとかいう月臣に似た男が、コックピットの中で息を引き取るところだった。

「うううううっ、これだ、これだよなぁ! やっぱり男はこうじゃなくちゃ!」
「うんうん、分かるぞ元一朗。あれぞ男の生き様」

 月臣が泣きながら叫び、それを秋山とか呼ばれていた男が肩を叩きながらこちらもまた目から涙を流しながら叫ぶ。
 そうして上映が終わると、やがて部屋の明かりが点き……白鳥が頬を紅潮させて俺達の前にやってくる。
 その表情に浮かんでいるのは、感動を共に語らおうというような光。
 正直、この手の物語を好まない俺としては、エザリア達と一緒に交渉に向かうか、ナタルのようにシロガネで留守番をしていればよかったと思う。
 いや、実際にそんな真似が出来ないってのは理解してるんだけどな。

「どうでしたか、アクセル代表。これが……これこそが……木連の聖典、ゲキガンガー3です!」

 ああ、3なのか。……いや、待て。じゃあもしかして……

「これが3って事は、1と2もあるのか?」
「なっ!?」

 何故か俺の口から出た言葉に、白鳥は強い衝撃を受けたらしい。
 信じられないといった表情で俺の方へと視線を向け……

「落ち着け、九十九。シャドウミラーというのは異世界に存在する国家なのだろう。だとすれば、ゲキガンガー3を知らなくても仕方がない」
「源八朗……そうか、そうだな。アクセル代表がゲキガンガー3を知らないのは仕方がないことなんだろう。ならば、ここでゲキガンガー3を知ったのは正に天佑!」

 色々と言いたい事はあるんだが、取りあえず……

「ああいう特機系は特殊なシステムが必要だからな。イザーク、お前はどう思う?」
「なぁっ!?」

 いきなり話を振られたイザークは、それこそさっきの白鳥のように信じられないといった表情を俺の方へと向けていた。
 ただし、そこに浮かんでいるのは自分を売ったなという視線。
 いやまぁ、それは事実である以上仕方がないんだけど、お前だって俺を盾にしてただろ。

「そうだな。俺はPTという機体に乗ってるから特機の類は殆ど乗った事がないが、実働班で使っている奴の話を聞くと、機体ごとに操縦方法が違うという話は聞く。特にトリニティゲインという特機はパイロットの動きをトレースするシステムだけに、パイロットにも体術のセンスを要求する」
「ほう! パイロットの動きをそのまま追従してくれるのか! それは凄いな。是非とも俺もその機体を操縦してみたいものだ」

 秋山が感慨深そうに呟くが、正直、生半可な技量でトリニティゲインを扱っても、無駄に撃墜されるだけに思えるが。
 こうして見る限り、秋山もそれなりに鍛えているのは分かるが、それもこのナデシコ世界にしてはという注釈付きだし。
 一般的な軍人として考えれば十分ではあるんだろうが。

「白鳥、ちょっといいか?」

 秋山をイザークに押しつけると、ゲキガンガーを見た時から気になっていた事を近くにいた白鳥へと尋ねる。
 大体予想出来てはいたが、やはり疑問をきちんと解決するのであれば、木連の人間に直接尋ねた方がいいだろう。
 これが何か軍事機密であったりすれば……それこそ俺達が欲しているプラントについての情報であったりすれば当然口は硬くなるだろう。
 だが、こうして俺達に堂々とゲキガンガーを見せている以上、向こうに取ってもこの件を隠す必要はない訳で……

「はい、何ですかアクセル代表」
「このゲキガンガーってアニメは木連では聖典という扱いだって聞いてはいたんだが……具体的にどのくらいの知名度なんだ? 残念ながら俺はさっきも言ったように、ゲキガンガーという存在はともかく、3だとかなんだとかは全く知らないんだが」
「おおっ、アクセル代表もやっぱりゲキガンガーを知っていたんですが! 3だからどうこうと言われた時はどうしようかと思いましたが……」
「いや、そこまで詳しい訳じゃないんだけどな。ナデシコに乗ってる時、そのパイロットに強烈なファンがいたから記憶に残っていただけで」
「ナデシコ、ですか?」

 どうやらナデシコという戦艦は知らなかったらしい。
 ナデシコ世界ってのは草壁との会談の時に口にしたから、その辺は理解しているだろうが。
 いや、そもそもシャドウミラーの件も詳しく知らなかったのだから、やっぱりこの辺は情報規制をされていると考えるべきか。

「ああ。ネルガルの新造戦艦だ。その艦に少しの間乗っていた事があって、その時に知ったんだ」
「そうですか、地球にもゲキガン魂を理解する人がいたのですね。是非その人とは熱く語り合いたいものです」
「あー、うん。だろうな。木連の人間とは気が合いそうだ」

 ヤマダがここにいても全く違和感なく溶け込めそうであり、実際そうなるだろう。

「で、結局何でこのアニメが木連でこうして聖典として広く受け入れられてるんだ?」
「……よく聞いてくれました。我々の祖先は月を追い出され、火星でも核を撃たれとしましたが、着の身着のままといった状態で何とか生き延びる事に成功したのです。その際当然持ち出せた娯楽品の類も殆どなく、その中の稀少な存在がゲキガンガー3だったのです」
「……まぁ、だろうな」

 というか、よくもまぁ、そんな生きるか死ぬかの瀬戸際にゲキガンガーを持ち出せたものだ。
 寧ろ、その辺不思議に思う。

「そして火星を脱出した我々の祖先は、新天地を求めて宇宙を移動しました。そして、木星に到着するまでの間、ずっとゲキガンガー3を見続けていたのです。そして私達は知りました。ゲキガンガー3の中にある、正義、友情、勝利を。木連の皆にそれを広めたゲキガンガー3は、こうして木連において聖典になったのです」
「……本当に聖典なのか」

 まさか本当にゲキガンガーを聖典とまで呼ぶとは思わなかった。
 いや、それは知ってたんだが、こうして正面から言い切られると……
 しかも、それに染まってる奴もこうして見る限りかなり多い。
 だとすれば、木連全体で見ても恐らくヤマダモドキは多いんだろう。

「はい、聖典です。……ただ、中にはゲキガンガー3の良さを分からない者もいるのが残念ですが」

 困った表情で呟く白鳥だが、それは普通だよな。
 正直なところ、木連の全員がヤマダモドキではないと聞いて安堵した。
 ただ、この様子だとゲキガンガーを好きじゃないって奴はあまり数はいなさそうだ。
 少数派ってところか。

「いや、シャドウミラーというのは素晴らしいですな。特機でしたか? それではゲキガンガー3のような機体も作れると?」
「あー、その辺はよく分からないな。俺は技術班じゃないし」

 秋山とイザークの会話が聞こえてくる。
 最初はあまり木連に対していい感情を持ってなさそうだったイザークだったが、今では秋山と上手く会話をしているらしい。
 これは、イザークが丸くなったのか、それとも秋山の口が上手いのか。
 どちらかと言えば、後者な気がする。
 ……男のツンデレとか、誰得だって感じだが。

「アクセル代表。今の話は本当でしょうか?」

 ふと気が付けば、白鳥だけではなく月臣、それ以外の木連の軍人も全員が俺の方へと視線を向けていた。

「今の話ってのは、特機の件か?」
「ええ。本当にゲキガンガー3のような機体が作れるのだとすれば、非常に素晴らしいです」
「どうだろうな。似たような機体は見た事があるけど。俺達の機体じゃないがな」
「何と!?」

 複数の機体が合体するというのを聞いて最初に思い出したのは、スパロボOGs世界の機体でもあるSRXだ。
 3機の機体が合体して特機になり、武器になるR-GUNも入れれば4機合体となる機体。
 SRXが白鳥が言っているゲキガンガーに一番近いだろう。
 シャドウミラーの機体では、新型機でもあるファブニールも似てるか?
 いや、でもファブニールは合体じゃなくて、胴体にPTを内蔵するといった感じだ。
 白鳥が言っているゲキガンガーに似ている機体とは言えなくもないか?
 そんな風に考えながら部屋の中を見回すと、ふとオウカが1人でポツンとしているのが目に入る。

「……なぁ、白鳥」
「はい、何でしょう?」
「お前達って女嫌いだったりするのか?」
「いえ、まさか! 女性は慈しむべき存在であり、国の宝です」
「その割りには、オウカの周囲に誰もいないんだけどな」

 そう呟くと、白鳥の視線が俺の視線を追ってオウカの方へと向けられる。

「それは……やはり皆、照れくさいのではないかと。彼女は見て分かる程にお淑やかで、それでいて意思も強そうです。正直なところ、木連の軍人にとっては理想の女性に近いと言えるでしょう」
「……そういう割りには、お前はあまりオウカに対して憧れのような感情を持ってはいないんだな」
「そうですか? 私も彼女を素晴らしい女性だと思っていますけど」

 オウカに対して思っているのは他の者達と同じではあるのだろう。
 だが、それでも他の面子のようにオウカへ向けている視線とは違うように思えた。
 これは……やっぱりエザリアが関係してるのか?
 白鳥は最初にエザリアと話した時に、かなり惹かれているように思えた。
 勿論それはあくまでも俺の邪推でしかないが、だが、決して間違っている訳ではない……と思う。

「エザリアか」
「なっ!?」

 俺の口から出た言葉に、見て分かる程に焦る白鳥。
 この態度が全てを物語っていると思うんだが。

「い、い、いきなり何を!?」
「いや、そんなにいきなりって程でもないだろ。……ただ、一応言っておくけど、エザリアはシャドウミラーの中でも重要な人物だ。口説くというのはちょっと難しいと思うぞ? それに……エザリアを口説くには最大の難敵がいるしな」

 そう呟き、俺の視線が向けられたのは、秋山と話しているイザークの姿。

「別に彼女をく、く、口説きたいとは思っていませんが、何故彼が最大の難敵と?」
「イザーク・ジュール。それがイザークの名前だ。そしてエザリアの名前はエザリア・ジュール。この意味が分かるか?」
「……もしかして、姉弟といった関係なのでしょうか?」
「惜しい。正確には、母親と息子だ」
「……え?」

 一瞬の沈黙の後、白鳥の口から上がったのは唖然とした声。
 自分が何を聞いているのか分からないといった、そんな呟きだ。
 まぁ、エザリアの姿を見てイザークのような年齢の息子がいるとは、普通思わないだろうから仕方ないだろうが。

「冗談、ですよね?」
「いや、正真正銘真実だ」
「……息子?」
「ああ」

 正直、俺の方がそんな疑問を抱いていると言ってもいい。
 何故エザリアがあんなに若々しいのか。
 時の指輪の受信機がもっと前に出来ていれば納得出来たのだろうが、エザリアは元からあんな風に若々しかった。
 コーディネイターの不思議って奴だな。
 ただただ唖然とするしかない白鳥を見ながら、俺もエザリアの若さに思いを馳せるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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