英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
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第15話(序章終了)
~夜・旧市街~
「お願いします。………戦闘領域の符術!!………」
戦闘を開始するとティオは魔術で自分達の物理攻撃や防御力を上昇させ、次の魔術の詠唱を開始した!
「喰らえっ!!」
一方銃を持ったマフィアは装甲も貫く銃弾を放つクラフト―――徹甲弾をティオに放った!銃弾はティオの脇腹に当たったが
「……………」
”影の国”でウィル達が創った戦衣の一つであり、神の加護の一部を受けている事により戦車の装甲をも上回る防御能力を持つ戦衣を着ているティオには傷一つ付けられず、銃弾は弾き飛ばされ、ティオは気にせず魔術の詠唱を続けていた!
「な、何!?」
一方それを見たマフィアは驚き
「チッ!なら!」
鉈を持ったマフィアは舌打ちをした後一瞬で敵の横を駆け抜けて攻撃するクラフト――――『一閃』を放った!
「させるか!」
しかしそこにロイドがティオの前に出てトンファーで防御し
「うぉおお………はぁっ!!」
「グッ!?」
側面からワジが足を斧のように振り下ろすクラフト―――ブロードアックスを鉈を持ったマフィアに放って蹴り飛ばした!
「凍って下さい!吹雪!!」
「グアアアアアッ!?」
「な、なんだこの寒さは………!?」
そして魔術の詠唱を終えたティオが魔術を発動してマフィア達の周囲に吹雪を発生させ、マフィア達を苦しめると共に動きを鈍くさせた。
「はぁああっ…………たぁあっ!!」
「行くぞ………せいっ、はっ、たぁっ!!」
「「ガッ!?」」
そこにワジとロイドが一気に詰め寄り、ワジは銃を持ったマフィアに高速の連打を放ち敵を足止めすると同時に攻撃をするクラフト―――ファントムラッシュで怒涛の拳を浴びせ、ロイドは鉈を持ったマフィアにクラフト―――アクセルラッシュを放ち
「はぁああっ!!」
「そこだっ!はぁあああああ!!」
「「グハッ!?グウ………」」
止めに跳躍と共にアッパーを放つ事で気絶させるクラフト―――スカイアッパーでマフィアの顎を下から殴りつけ、ロイドは暗黒の魔力を纏ったトンファーで同時攻撃し、暗黒の爆発を起こして敵の行動を妨害すると共に目を眩ませるクラフト―――ダークブレイクでマフィアの腹に命中させた!ワジとロイド、それぞれの連携攻撃によってマフィア達は戦闘不能になり、地面に膝をついた!
「グッ………」
「……ガキどもが………」
そして戦闘不能になったマフィア達は悔しそうな表情で呻いた後、地面に倒れて気絶した!
「ふう………さすがに手強かったな。」
「……使っていた銃は帝国製の軍用拳銃ですね。しかも最新のモデルかと。」
「密貿易で扱っている武器の一部って所かな?」
戦闘が終了するとロイドは安堵の溜息を吐き、ティオは静かに呟き、ワジは口元に笑みを浮かべて呟いた後、ロイドに視線を向けた。
「フフ、それにしても君の演技もなかなかだったね。あの倒れ方………堂に入っていたじゃない?」
「………あんな作戦を伝えられたら協力しないわけにいかないだろ。囮なんて役目、他の誰かにやらせる訳にもいかないしな。」
「でも、それで危険な囮役を買って出るのはどうかと………ちょっとお人好し過ぎです。」
(フフ、ロイドらしいわね。)
(かかかっ!それがロイドの面白い所よ!)
ワジの言葉を聞いて答えたロイドをティオはジト目で見つめ、ルファディエルとギレゼルは笑っていた。
「そ、そうか………?」
「フフ、そんなお人好しじゃこの先大変だと思うけどねぇ。ま、そういうタイプは個人的に嫌いじゃないかな。」
「え”。」
「フフ………ともかくこれで、落とし前を付けることが出来そうだ。君達の協力を感謝するよ。」
その後ロイド達は気絶したマフィア達をヴァルド達の包囲網へと連れて行った。
「ガキどもが………調子に乗りやがって…………」
「クク………やっちまったなぁ、ガキども。」
「俺達”ルバーチェ”を本気で怒らせちまうとはな………」
「警察のガキ共も同じだ………こっちには偉い議員先生もいる。タダで済むと思うなよ………?」
「………こいつら………」
ヴァルドやロイド達によってボロボロにされたマフィア達はそれぞれ怒りの表情で負け惜しみの言葉を呟き、それを聞いたロイドはマフィア達を睨み
(エリィ。お前の義兄に頼めばこのような人間共………いや、この人間共の組織に裁きを与えられるのではないか?)
メヒーシャは念話でエリィに伝え
(それは……………)
メヒーシャの念話にエリィは複雑そうな表情で答えを言うのを躊躇った。
「ククク………」
「ぐっ………?」
一方ヴァルドは凶悪な笑みを浮かべた後、マフィアの一人の首筋を掴んで宙に上げた。
「どうやらお仕置きが足りなかったみてぇだなァ………?全員サンドバックみたいに吊るして血ダルマにしてもいいんだぜ………?」
(クク………なんだったらあたいが奴等の存在を塵も残さず消し飛ばしてやってもいいよ?)
(お前の場合だと冗談に聞こえないから、笑えないんだよ………)
「くっ………」
凶悪な笑みを浮かべて呟いたヴァルドの言葉を聞いたエルンストは凶悪な笑みを浮かべ、エルンストの念話を聞いたランディは溜息を吐き、ヴァルドに掴みあげられているマフィアは呻いた。
「待ってくれ!さすがにそれは………」
そしてロイドは真剣な表情でヴァルドを制しようとしたその時
「まあまあ。ここは僕達に任せてよ。」
ワジがロイドに言った後ヴァルドに視線を向けた。
「―――ヴァルド。あまりやり過ぎは良くない。このお兄さんたちだってプロだ。あまりメンツを潰しちゃったらなりふり構わなくなるんじゃない?」
「ケッ………」
「ゴホッ、ゴホッ………」
そしてワジの話を聞いたヴァルドは不愉快そうな表情をした後、掴みあげていたマフィアは地面に落とした。
「フフ、お兄さんたちだって表沙汰にはしたくないだろう?僕達ガキ共相手にプロがちょっかいかけた挙句に返り討ちに遭ったなんて………みっともなくて上には報告できないよねぇ?」
一方ワジは不敵な笑みを浮かべて言った後、笑顔でマフィア達に尋ねた。
「ぐっ………」
「………ふざけろ………その気になればいくらでも………」
ワジの言葉にマフィア達が反論しようとしたその時
「いや~、さすがにここが退き時じゃないかしら?」
女性の声が聞こえて来た後、フラッシュがマフィアやロイド達を照らした。するとグレイスが近づいて来て、マフィア達の写真を何枚か撮った。
「グレイスさん………!?」
「どうしてここに………」
グレイスを見たロイドとエリィは驚いた。
「うふふん、実はこの数日、君達の動きに注目してたのよ。そしたら予想通り、色々やらかしてくれるじゃない!いや~、なかなか面白い記事が書けそうだわ♪」
「て、てめえ………!」
「雑誌社ごときが”ルバーチェ”相手に………!」
グレイスの話を聞いたマフィアは怒りの表情でグレイスを睨んだ。
「ま、ウチも色々あるから名前は出せないと思うけどね。でもこれ以上、みっともない真似をしたらどうなるか判らないわよ?」
「くっ………」
「………いいだろう。この場は退いてやる………だが、もし約束を破ったら………」
「はいはい、わかったわ。あなた達こそこれで手打ちっていう約束はちゃんと守りなさいよね。これ以上、一線を越えたら遊撃士が出張ってくるかもよ?」
「なっ………!?」
「えっ………!?」
グレイスの忠告を聞いたマフィア達とロイドは驚いた。
「実はこの件、アリオスさんが介入するつもりだったらしいの。でも、多忙だったらしいし、あなたたちが先に介入してたから今回は譲ってあげたんですって。」
「そ、そんな………」
(まあ、そうだと思ったわ。)
(お?だったら何でロイド達に教えなかったんだ?)
グレイスの説明を聞いたロイドは信じられない表情をし、ルファディエルは落ち着いた様子で呟き、ルファディエルの言葉を聞いたギレゼルは首を傾げて尋ね
(………今は少しでもロイド達自身の手で確かな実績を作って行く事が重要………例えそれが与えられたものでもね。)
(かかかっ!なるほど………ロイド達の為に向こうの考えを利用したって事だな!)
ルファディエルの答えを知るとギレゼルは可笑しそうに笑っていた。
「また掌の上、ってか?」
(フン………ルファディエルのヤツがこの事に気付いていないわけがない。それをあえて教えなかったのは……また何か考えていやがるね?)
ランディは疲れた表情で溜息を吐き、エルンストは鼻を鳴らした後眉を顰め
「………みたいですね。」
(さて………今度は何を考えている?ルファディエル。)
ティオはジト目で呟き、ラグタスは考え込んでいた。
「ば、馬鹿馬鹿しい………!アリオス・マクレイン相手にこんなケチな事をやってられるか!」
「………これ以上、この薄汚い場所には用はねぇ……引き上げるぞ!」
一方マフィア達は怒りの表情で吐き捨てた後、身体の痛みを耐えながら去って行った。
「やれやれ………”風の剣聖”アリオスか。噂だけは聞いてるけどあそこまで効果覿面とはねぇ。」
マフィア達が去った後ワジは溜息を吐き
「ケッ………気に喰わねぇな。まあいい………今回の件はこれで終わりだ!お前ら、引き上げるぞ!」
「オッス!」
ヴァルドは舌打ちをした後、口元に笑みを浮かべてサーベルバイパーの青年達を引き攣れて去って行った。
「フフ、君達もお疲れ様。これにて任務、無事完了かい?」
「あ、ああ、そうだな………元々は、君達の喧嘩を止めるのが任務だったけど………まあ、今後はもう、お互い争わなくて済むだろう?」
ヴァルドが去った後尋ねられたワジの言葉に頷いたロイドはワジに尋ねたが
「え、なに言ってるの?」
ワジは意外そうな表情で尋ね
「へ………」
ワジの言葉を聞いたロイドは呆けた。
「………マフィアが絡んでいようがいまいがバイパーとの関係は変わらん。お互い目障りというのは変わるわけではないからな。」
「全員揃っての潰し合いはさすがにやらないだろうけど………ま、普通の喧嘩や小競り合いはこれからも続けて行くだろうね。」
「ちょ、待ってくれ………!」」
そしてアッバスとワジの話を聞いたロイドは慌てたが
「フフ、大事にしたくなければまた介入してきたらどうだい?なんだったらそのまま喧嘩に参加してくれてもいい。君達なら大歓迎さ。」
ワジは気にせず言った。
「あ、あのな………」
「あんまり冗談には聞こえないんだけど………」
ワジの話を聞いたロイドとエリィは呆れた。
「フフ………それでは良い夢を。――――行くよ。」
「聖戦終了―――撤収する。」
「了解!」
そしてワジとアッバスもテスタメンツの青年達を引き攣れて去って行った。
「………懲りない人達ですね。」
「ま、血の気の多い連中だし、喧嘩くらいは仕方ないかもな。」
「ふう……そういみたね。まあ、今回の件に関しては解決でいいんじゃないかしら?ね、ロイド?」
ワジ達が去っていくとティオは呆れ、ランディは苦笑し、エリィは溜息を吐いた後ロイドに視線を向けた。
「あ、ああ………そうだな。ちょっとばかり………スッキリしない気分だけど。」
視線を向けられたロイドは頷いた後、複雑そうな表情をした。
「ふふ、自分達の力だけで解決できた気になれない……そんな気分ってところかしら?」
「え………?」
そしてグレイスが呟いた言葉を聞いたロイドは呆けた様子でグレイスに視線を向けた。
「小さい、小さいわねぇ。必要とあらば、ためらわずに他人の力も借りてより大きな真実を掴み取る………それが出来てこそ、一人前の捜査官じゃないの?―――あなたのお兄さんみたいな。」
「なっ………!?」
「ふふ、さてと………お姉さんも撤退しようかな。そろそろお肌の年齢が気になる年頃なのよね~。それじゃ、おやすみなさ~い!」
ロイドに意味ありげな事を伝えたグレイスはロイド達から去って行った。
「お前の兄貴……結構、知られてるみたいだな。」
「何だかとっても優秀な人だったみたいね?それこそルファディエルさんに負けないぐらいの。」
グレイスが去った後ランディとエリィはそれぞれ微笑みながらロイドを見つめ
(………捜査官の点においてはガイの方が私より優秀。だからこそガイの死の真相がわからないのよね………状況を考えれば、恐らくガイの知り合いの犯行………それもガイと親しい相手たと思うけど………そこから考えれば………アリオスやあのイアンという弁護士も容疑者には上がるのよね。………最もあの時は動機がないから容疑者から外したけど………ただ、巧妙に隠しているなら話は別ね。)
ルファディエルは真剣な表情で考え込んでいた。
「……はは。押しの強さと行動力だけはピカイチだったみたいだけどね。」
「……………………………」
一方2人に微笑まれたロイドは苦笑し、ティオは黙ってロイドを見つめていた。
「―――任務完了だ。支援課に戻ってセルゲイ課長に報告しよう。」
その後ロイド達は支援課に戻り、セルゲイに報告した。
~特務支援課~
「―――ふむ、話は分かった。まあ、ルファディエルの助言があったとは言え、新人にしたらこんなもんだろ。次、似たような事件がありゃあ、奴の助言無しでももう少し上手く捌けるはずだ。」
「は、はい。(けっこう厳しいな………)」
セルゲイの言葉を聞いたロイドは意外そうな表情をしながら頷いた。
「しかし、今回の一件でお前らにも見えてきただろ。このクロスベルって場所のやっかいな側面が。」
「………それは………………」
「まあ、確かにちょいと面倒くさい場所みたいだな。」
「様々な暗部やしがらみ………大人の事情の温床って感じです。」
「………そうね。」
そしてセルゲイに促されたロイドは複雑そうな表情をし、ランディは溜息を吐き、ティオはジト目で呟き、エリィは複雑そうな表情で頷いた。
「警察本部の連中だって決して無能ってわけじゃない。賄賂を受け取っているようなバカ野郎もいるみたいだが………多くの捜査官は、そこそこ優秀で自分なりの正義感を持ってる連中だ。だが………有形無形の”壁”がある。マフィアの利権と繋がっている議員や役人どもとかな。」
「……………………………」
「どうだ、ロイド?警察辞めて遊撃士にでも転職したくなってきたか?」
「……いえ。そんな事情があっての『特務支援課』でしょう?」
「ほう………」
ロイドの答えを聞いたセルゲイは驚いた表情でロイドを見つめた。
「『人を守る』――――遊撃士の理念は確かに素晴らしいけどそれだけじゃ解決できない問題もある。密貿易に違法な武器取引。盗品売買にミラ・ロンダリング。そしてマフィアと政治家の癒着………どれも遊撃士が直接的には介入できない問題です。」
「確かに………」
「『支える籠手』の力にも限界はあるという事ですか……………(エステルさんとミントさんはメンフィルの私兵達がいて、身分もありますけど………彼女達でも無理なのでしょうか?)」
ロイドの話を聞いたランディは頷き、ティオは心の中で”影の国”で出会ったある人物達の事を思いだしながら目を伏せて呟いた。
「―――でも、警察なら本来それが可能なはずです。現実として、様々な”壁”が立ち塞がっていたとしても………そうした壁を突破できる可能性はゼロじゃないはずだ。」
「………なるほど。支援課ならその可能性を見出せるかもしれない………つまり、そういうことね?」
「ああ………ちょっと楽天的すぎるかな?」
「………現実はそこまで甘くないと思いますけど。ただ、どんな可能性もゼロではないのは確かです。」
「やれやれ………危険な囮役を買ったり………真面目で大人しそうなツラして大した熱血野郎だぜ。」
(クク………あたいは嫌いじゃないよ、そういう奴は。)
ロイドの疑問を聞いたティオは静かに答え、ランディは溜息を吐いた後口元に笑みを浮かべてロイドを見つめ、エルンストは口元に笑みを浮かべていた。
「別に熱血ってわけじゃないと思うけど………―――でも今回、みんなと一緒に仕事をしてて改めて思った。お互い、まだまだ未熟なところはあるだろうけど………このメンバーだったらどんな壁も、力を合わせて乗り越えて行けそうだってね。」
そしてロイドは意外そうな表情をした後エリィ達に微笑んだ。
(おおっ!ここですかさず全員の好感度を上げるとは……さっすがはロイド♪やっぱりお前は面白い!)
(フウ………この子の将来が楽しみであると同時に心配も出て来たわ………)
ロイドの言葉を聞いたギレゼルは陽気に笑い、ルファディエルは溜息を吐き
(………どことなく仙崎秀哉に似た男だな………)
(フッ………)
(あっははは!こいつは面白い!龍司、秀哉、ランディに続いてここでもこんな面白い男が現れるとはね!)
メヒーシャは静かな様子でロイドを見つめ、ラグタスは静かな笑みを浮かべ、エルンストは大声で笑った後口元に笑みを浮かべた。
「ロ、ロイド………」
「はは………なんつーか。」
「………クサすぎです………」
一方エリィは驚きの表情で苦笑しているランディと共にロイドを見つめ、ティオは呆れた。
「ククク………ハーッハッハッハ!」
そしてセルゲイは大声で笑った。
「そ、そんな笑わなくても。えっと………さすがに夢見すぎですか?」
「クク………まあ、いいんじゃねえか?『特務支援課』が設立されたのは色々なしがらみによるもんだが………その場所をどう利用するかはお前達の自由っちゃ自由だ。」
「あ………」
「俺は直接、お前達に力を貸すことはないだろうが………やりすぎちまってもお偉いさんに睨まれないよう、ケムに巻くくらいはしてやるよ。ま、お前達にはいざとなれば、あのルファディエルがいるんだ。奴がいるだけで十分だろ?」
「課長………」
(ハア………全く………)
セルゲイの話を聞いたロイドは口元に笑みを浮かべ、ルファディエルは溜息を吐いた後苦笑し
「ふふ………要するに放任主義ですか。」
「ったく、話がわかるんだか、いい加減なだけなんだか。」
「と言うよりただ面倒なだけでは………?」
エリィは苦笑し、ランディは溜息を吐き、ティオはジト目でセルゲイを見つめた。
「ま、ズルイ大人だからな。『特務支援課』が単なる遊撃士のパクリで終わるか………それとも新たな可能性を見出すことが出来るのか………俺は煙草でもふかしながらせいぜい眺めさせてもらうぜ。」
こうしてロイド達は改めて『特務支援課』として働き続ける事を決意し、翌日からさまざまな支援要請を片付け始めた。なお、ルファディエルはクロスベルタイムズの記事によって、特務支援課の中で唯一の実績がある人物であり、天使である事に加えて男性達を惹きつける整った容姿である為、クロスベル市で有名になり始め、警察の狙い通り広告塔のような存在になりつつあったが、マスコミ達の取材の際にルファディエルはロイド達やメヒーシャ達も前に出して、自分だけではなく特務支援課全体の人気も上げて行き、遊撃士協会に並んでもおかしくないほどの実績を次々と築き上げて行った。その結果アリオスに続き、クロスベルの新たな”真の守護神”が増えるかもしれないと市民達の間で囁かれ始めていた。そしてその数週間後、ロイド達は後に自分達の心強い味方となる者とリベールの”英雄”達と出会う切っ掛けになるある事件を担当する事になる……………
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