英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
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第14話
~特務支援課~
「――――発端は5日前の真夜中。「サーベルバイパー』と『テスタメンツ』のメンバーがそれぞれ何者かに襲われた。場所は、旧市街の別の2箇所。ここと、ここになる。」
ミーティングを始めたロイドはホワイトボードに簡単な地図を書き、そして印を付けた。
「西の裏通りが『テスタメンツ』のメンバーが襲われた場所………」
「で、東のライブハウス前が『サーベルバイパー』のヤツが襲われた場所ってことか。」
「……こうして見ると旧市街の反対側同士ですね。」
ロイドが記した場所を見たエリィとランディはそれぞれ確認し、ティオはあることに気付いた。
「ああ、同じ夜に起きてもすぐにはわからなかったはずだ。それぞれの溜まり場に運び込んで手当てをしてから、翌朝病院へ………」
「たしか、襲われた2人は同じ救急車で運ばれたのよね?」
「ああ、救急車の人もさぞかし面食らっただろう。そしてようやく闇討ちがお互いの仕業だと確信して現在に至る――――という所かな。」
エリィに確認されたロイドは頷いた後、現状を確認した。
「うーん………やっぱり、第三者がいたとしか思えねえぜ。どちらかのメンバー全員が口裏を合わせない限り、どっちの犯行も不可能だろう。」
「ああ………この段階で、2つの犯行を第三者の仕業だと仮定してしまっても構わないと思う。」
そして考え込んだランディの言葉にロイドは頷き
「そうね………少しずつ可能性を絞らないと前に進めないし。―――で、その第三者として上がってきた名前があるわけね。」
エリィも頷いた後ロイドに視線を向けた。
「ああ。『ルバーチェ商会』。クロスベルの裏社会を支配しているというマフィアだ。グレイスさんの情報によれば半月ほど前、その構成員が旧市街で目撃されている。この情報自体の真偽を確かめている時間はないけど………まずは『ルバーチェ』が2件の傷害事件を起こしたという仮定で話を進めてみよう。」
「………そうなると………やはり問題は”動機”ですか。」
「ああ、それが問題だ。………逆に言えば、それが明らかにならない限り推理は振り出しに戻りかねない。」
「うーん、動機ねぇ。利害の絡みそうにない、マフィアと2組の不良集団………」
「それら3つの”点”を結ぶ”線”があるはず………―――ねえ、ロイド。見当が付いているのでしょう?」
ロイドの説明を聞いたティオとランディは考え込み、エリィは頷いた後ロイドに尋ねた。
「はは、まだ確信があるわけじゃないけど………3つの”点”を結ぶ”線”。考えられるとしたら――――可能性があるとすれば………現実的なのは『黒月』と『ラギール商会』だろう。」
「ああ、あのヒゲ先生が教えてくれた情報か。」
「確かに、可能性としては一番ありそうな気がするけど………でも、そうだとしたらどんな線になるのかしら……?」
「点同士が線で結ばれるのは何らかの『必然性』………となると、『黒月』と『ラギール商会』絡みでマフィアが2組の不良集団を襲う『必然性』があるわけですか。」
ロイドの推理を聞いたランディは頷き、エリィは考え込み、ティオは静かに呟いた。
「………―――そうか。これなら説明が付くぞ。」
一方考え込んでいたロイドはある事に気付いた。
「え………」
「なんか閃いたか?」
「『必然性』の話だよ。『黒月』と『ラギール商会』のクロスベル進出を受けてルバーチェ側がする事といえば何だ?」
エリィとランディに見つめられたロイドは真剣な表情で尋ね
「そりゃあ………単純に考えれば戦力増強だろ。兵隊の増強と武装の強化。どちらも欲しいところだよな。」
ランディが答えた。
「マフィアなら、武装の強化は密貿易で確保できるだろう。だが、戦闘員の方はどうだ?」
「そいつは………」
「普通に考えたら猟兵団を雇うところでしょうけど………ううん、駄目ね。クロスベルは色々な意味で周辺諸国から注目されすぎている。”不戦条約”の手前もあるし、猟兵団を勝手に動かしたりしたら両帝国と共和国が黙っていないわ。それは3国の内のエレボニア、カルバードの2国の意を受ける政治家や議員たちにも同じ事………」
ロイドに尋ねられたランディが答えようとした所をエリィが続きを答えた後すぐに否定して説明をした。するとエリィを含めた仲間達はある事に気付いた。
「――――あ。」
「ロイドさん、もしかして………」
「その兵隊候補として不良どもをってことかよ!?」
「ああ………血の気が多くしかも統率されている若者たち。この街で運用できる戦力としてはまさに打ってつけだろう。しかし、どちらのグループにも目障りな存在がいるとしたら………?」
「なるほど………あのワジ君は、間違ってもマフィアに協力しそうにないし………」
「あのヴァルドさんもお山の大将でいたいタイプ……とてもマフィアの下で働きそうにはありませんね。」
「そこで、お互いを潰し合わせて弱体化したあたりを見計らって一気に取り込みにかかる………なるほど、そういう筋書きかよ!」
ロイドに確認されたエリィとティオは考え込み、ランディは答えを言った。
(なんでぇ~………つまんない奴等だな~)
(………下種共が………!)
(武人の風上にも置けぬ卑怯者共が………!)
(ハッ!ふざけた連中だね!あたいはそういう影からコソコソ漁夫の利を狙う連中が一番大嫌いさ!)
ランディの答えを聞いたギレゼルはつまらなさそうな表情をし、メヒーシャは不愉快そうな表情をし、ラグタスとエルンストは怒りの表情になった。
(フフ………それでいいのよ、ロイド………貴方なら辿り着けると思っていたわ。)
「あくまで可能性の一つさ。現時点である情報を一つずつ組み立てた場合のね。」
「またまた~!謙遜するなってーの!」
「うん、私もかなり的を得ていると思うわ。推理にも無理が無いし、状況的な説得力もあるもの。」
「………伊達に捜査官の資格を持ってはいませんね。」
苦笑するロイドにランディは笑いながら見つめ、エリィとティオは感心した様子でロイドを見つめた。
「はは………ありがとう。―――それで、さ。この推理………あの2人にも伝えた方がいいと思わないか?」
「あの2人って………」
「おいおい、まさか………」
「そう………ヴァルド・ヴァレスにワジ・ヘミスフィア―――『サーベルバイパー』と『テスタメンツ』のヘッド達さ。」
自分の提案に驚いているエリィとランディにロイドは頷いて答えた。そしてその夜。
~夜・駅前通り~
ロイド達がそれぞれの集団に事情を聞きに行った日の夜、ヴァルドは駅前通りに来た。
「駅前通りの外れにある資材置き場だったか………しかし、通信で呼び出したかと思えばこんな夜中に一人で来いとはな………警察のガキども………いったい何様のつもりだ………!?」
独り言を呟いたヴァルドはジオフロントA区画の近くにある資材置き場に到着した。すると鉄道がどこかに走り去って行った。
「今のは………」
走り去った鉄道を見送ったヴァルドが呟いたその時
「多分、共和国方面の最終列車ってところじゃない?」
聞き覚えのある少年の声が聞こえて来た。そしてヴァルドが声が聞こえた方向を見つめるとそこには―――
「ワジ………!?」
「こんばんは、ヴァルド。なかなか良い夜だね。月が濡れたように輝いているよ。」
ワジが静かに立っていた。
「てめえ………クク、そうか。そういう事だったのか……警察のガキどもを騙って俺を嵌めたってことかよ………」
ワジを睨んだヴァルドは好戦的な笑みを浮かべた後ワジに近づき
「そういう事なら話は早え!タイマンなら望むところだ!ここでケリを付けてやらぁ!」
武器を片手に担いでワジを睨んだ。
「フフ、僕としてはそれでも異存はないけれど………あいにく僕も、君と同じくこの場に招待されたゲストでね。」
「なに………?」
「ほら、来たみたいだよ。」
自分の言葉に眉を顰めたヴァルドにワジがある方向を見るように促した。するとヴァルドの背後からロイド達が近づいてきた。
「てめえら………」
ロイド達に気付いたヴァルドはロイド達を睨んだ。
「済まない、2人とも。待たせてしまったみたいだな。」
「お招きにあずかり光栄至極――――約束通り、さぞ面白い話を聞かせてくれるんだろうね?」
「面白いかどうかはともかく、興味深い話ではあると思う。さっそく聞いてくれるか?」
「ちょ、ちょっと待ちやがれ。面白い話だぁ………!?いったい何を言ってやがる!?」
ロイドとワジの会話を聞いていたヴァルドは戸惑った様子でロイド達を睨んだ。
「馬鹿だなぁ、君は。」
するとその時ワジは呆れた様子で溜息を吐き
「なっ………!」
ワジの言葉を聞いたヴァルドは驚いてワジを見た。
「5日前の夜、旧市街で起こった2件の傷害事件………その真犯人の目星が付いたって話に決まってるじゃないか。」
「な、なにぃ………!?」
そしてワジの説明を聞いたヴァルドは驚き
「驚いた………」
「………あなたの方も疑っていたようですね?」
ティオはエリィと共に驚いた後ワジに尋ねた。
「まあ、僕も最初はメンバーの勝手な暴走かと思ってたんだけど………よくよく状況を整理してみるとどう考えても不自然じゃないか。バイパー側にしてもそれは同じ………まあ、僕の推理はそこで止まっちゃってるけどね。」
尋ねられたワジは頷いて説明をした後溜息を吐いた。
「そうか………だったら話は早そうだ。――ヴァルド・ヴァレス。色々と不審なことはあるかもしれないけど………まずは一旦、こちらの話を最後まで聞いてくれないか?」
「………チッ………」
ロイドの話を聞いたヴァルドは舌打ちをした後武器を仕舞ってロイド達に視線を向けた。
「――――手短に話せ。もし、下らねぇ話だったらその頭をカチ割ってやるからな。」
そしてロイド達は旧市街で起こった2つの傷害事件の真犯人についての推理を説明した。
「「………………………」」
ロイド達の推理を聞いていたワジとヴァルド、それぞれ黙り込んでいた。
「――――これが現時点での情報を組み立ててみた推理だ。素直な感想を聞かせて欲しい。」
説明を終えたロイドは2人にそれぞれ尋ね
「………………………」
尋ねられたヴァルドは呆けて黙り込み
「………やれやれ、参ったね。まさかマフィアなんかにそこまでコケにされてたとは。」
ワジは疲れた表情で溜息を吐いた。
「それじゃあ………」
「今の話……納得してくれたのかしら?」
ワジの言葉を聞いたエリィはロイドと共にワジに視線を向けて尋ね
「フフ、納得もなにも………前にルバーチェの遣いが僕達の所に来てるからね。良い目を見させてやるからウチの下で働かないかッてね。もちろん鼻で笑って追い返してやったけどさ。」
尋ねられたワジは不敵な笑みを浮かべて答えた。
「そうだったのか………」
「……決まりだな。」
ワジの話を聞いたロイドは意外そうな表情をし、ランディは頷いた。そしてワジはヴァルドに視線を向けて尋ねた。
「ヴァルド。君の所はどうだい?やっぱりマフィアの勧誘があったんじゃないの?」
「………ああ、一月くらい前にな………あまりに舐めた話だったから脅しつけて叩き出してやったが………まさかここまで舐めた真似をしてくれるとはなァ………」
尋ねられたヴァルドは少しの間考え込んで答えた後、好戦的な笑みを浮かべ
「ククク…………ワジ!てめえとの決着は延期だ!マフィアだろうと関係ねえ!まとめて叩き潰してやらあッ!!」
怒りの表情で武器を肩に担いでワジを睨んで言った。
「ちょ、ちょっと!?」
(無謀としかいいようがないな………)
「沸点低すぎです………」
(ククク………傷ついた舎弟の為に無謀な事に挑む事は悪くないさ。あたいは報復する事は大賛成だね。)
「お、落ち着いてくれ!下手にそんな事したら――――」
ヴァルドの様子を見たエリィは慌て、メヒーシャとティオは呆れ、エルンストは不敵な笑みを浮かべ、ロイドは慌てた様子でヴァルドを落ち着かせようとした所を
「本当、馬鹿だなぁ。」
呆れた表情のワジが溜息を吐いた。
「なにぃ………!?」
一方ワジの言葉を聞いたヴァルドはワジを睨んだ。
「マフィア相手に喧嘩して勝ち目があるわけないだろう?下手に乗り込んだところで蜂の巣にされるのがオチだろうね。」
「るせえ!やってみなきゃわからねえだろうが!」
そしてワジの話を聞いたヴァルドは怒りの表情でワジを睨んだが
「あのね………君はいいとしても。君の可愛い舎弟たちまでそれに巻き込むつもりかい?」
「……………ぐ……………」
呆れた後真剣な表情のワジの言葉を聞いて唸って少しの間黙り込んだが、再びワジを睨んで言った。
「なら、てめえはどうなんだ!?ここまでコケにされて………仲間をやられたままでおめおめと引き下がれんのか!?」
「フッ………そんなワケないだろ。」
ヴァルドの言葉を聞いたワジは笑顔で答え、ワジの言葉を聞いたヴァルドやロイド達は驚いた。
「今回の件、関わってるのはマフィアでもごく一部のはずだ。なら、そいつらにのみ落とし前を付けさせればいい。報復もできないくらいきっちりとスジを通した上でね。―――ヴァルド。君にも協力してもらうよ。」
そしてワジは説明をした後、不敵な笑みを浮かべてヴァルドを見つめ
「………お前………」
ワジに見つめられたヴァルドは驚き
「ちょ、ちょっと待ってくれ。何をするつもりだ?あんまり不穏なことは――――」
ロイドは慌てた様子でワジに話を聞こうとしたその時
「ああ、心配しなくても君達にも手伝ってもらうから。」
「なっ………」
笑顔のワジの言葉を聞き、驚いた。そしてワジはロイドに近づいて片手をロイドの肩に置き
「――――君達の任務は旧市街での事件を解決すること。だったらマフィアが今後、僕達に余計な手出しをしないよう『言い含めてやる』必要がある………どう―――違うかい?」
静かな表情で語った後、口元に笑みを浮かべてロイドを見つめた。
「そ、それは………」
ワジの話を聞いたロイドは戸惑い
(どういう事………?)
(………よくわかりませんが………)
(なんかロイドのやつ、取って喰われそうだな………)
エリィ達はそれぞれロイドとワジを見つめていた。
「フフ、あんな面白い推理をわざわざ披露してくれたんだ。責任をとって………最後まで付き合ってもらうよ?」
一方ワジはロイド達を見回して笑顔で言った。
―――3日が過ぎた。一触即発だった不良たちの争いはそれから一度も起こる事はなく……旧市街は不自然なほど平穏な雰囲気を取り戻していた。そしてその夜………旧市街に黒スーツとサングラスを身に着けた怪しい男達が4人現れた。
~夜・旧市街~
「チッ………静かなもんだな。あそこまで仕込んだのにどうして潰し合いが始まらない?」
旧市街に来たサングラスの男の一人は舌打ちをし
「クク………最後の一押しが足りんだけさ。導火線に火が点けば、勝手に潰し合いが始まるだろう。」
「バイパーとテスタメンツ、どっちのガキでもいい………目に付いたヤツをやるぞ。」
男と一緒にいる同じスーツやサングラスを身に着けた男達は醜悪な笑みを浮かべたり、ある事を提案した。
「くれぐれも姿を見られるなよ?バイパーならスリングショット、テスタメンツなら背後から一撃だ。」
「ああ………」
「クク………狩りの始まりだ。」
そして男達は二手に分かれて行動を開始した。その後トリニティからテスタメンツの青年が一人で出てきて、歩き続けていると物陰から黒いスーツとサングラスを身に着けた男が現れ、背後から釘が付いた棒で青年の頭を殴った!
「がっ……………」
頭を殴られた青年は呻き声を出した後、地面に倒れた。
「クク………青ウサギを一匹と。」
男が口元に笑みを浮かべて呟くと他のサングラスの男達が物陰から現れ、倒れている青年を囲んだ。
「ハハ………あっさりかかってくれたな。」
「時間はない。とっとと痛めつけるぞ。ただし、殺さない程度にな。」
「クク………悪く思うなよ。」
そして釘が付いた棒を持った男が倒れている青年に向かって棒を振り下ろしたその時!
「――――させるか!」
倒れていた青年が立ち上がって、トンファーで男の攻撃を防ぎ、そして防いだ棒を弾き飛ばした!
「なっ………」
「なにぃ………!?」
攻撃を防がれた事に男達は驚き
「………まったく。まさかここまで見事に引っかかってくれるとはね。」
テスタメンツの青年は口元に笑みを浮かべて呟いた。
「こ、こいつ………」
青年の言葉に男の一人が驚いたその時、青年は青装束を脱いだ。すると青年はなんとロイドだった!
「現行犯逮捕と行きたいところだけど………微妙に囮捜査くさいし、今回は勘弁するしかないか。」
「こいつ、まさか………」
「警察の人間か………!?」
ロイドの言葉を聞いた男達が信じられない表情でロイドを見つめたその時
「フフ………彼はあくまで助っ人さ。」
男達の頭上から少年の声が聞こえた来た。声に気付いた男達が見上げると建物の屋根にワジ、エリィ、ティオ、ランディが男達を見下ろしていた。
「おーおー。本当に引っかかるとはなぁ。」
「………なかなかの読みですね。」
ランディは口元に笑みを浮かべながら男達を見下ろし、ティオは感心した様子でワジを見つめ
「ロイド、大丈夫!?」
エリィはロイドに声をかけた。
「ああ………無傷だよ。念のため防護クッションを頭巾に仕込んでおいて助かった。」
「クッ………」
「まさか俺達の存在を嗅ぎ付けられていたとは………」
「さてと………どうする、お兄さんたち?この場で投降するなら大目に見てもいいけど………――――それとも今度は、アンタたちが狩られてみる?」
悔しそうな表情をしている男達―――ルバーチェの構成員であるマフィア達をワジは不敵な笑みを浮かべて見つめて尋ね
「チッ………」
「2手に分かれるぞ!」
尋ねられたマフィアは舌打ちをした後、2手に分かれて逃亡を始めた!
「ま、待て……!」
それを見たロイドが慌てたその時、ワジが跳躍してロイドの目の前に降りて来た。
「―――2人、付いて来て。」
「え………お、おい―――くっ!」
そしてワジはロイドの返事も聞かずに片方のマフィア達を追い始め
「ロイド、どうするの!?」
それを見たエリィはロイドに尋ねた。
「(………俺とワジは前衛……だったら。)ティオ、来てくれ!エリィとランディはもう一組の方を頼む!」
「了解です………!」
「わかったわ!」
そしてロイド達も行動を開始した!その後逃亡しているマフィアの1組は旧市街の出口に到着した。
「クソ、まさか腰抜けの警察が出張ってきてるとは………こうなったら一旦戻って応援を―――」
出口に到着したマフィアの一人は悔しそうな表情をした後提案したが
「ま、待て!こんな失態、若頭にでも知られちまったら………!」
「くっ……まあいい、とにかく俺達だけでも先に―――」
もう一人のマフィアの言葉を聞いて唇を噛んで、旧市街から逃亡しようとしたが
「ククク………どこに行くんだぁ?」
旧市街の出口から獰猛そうな声が聞こえて来た!すると出口からはヴァルドが、さらにマフィア達の背後からはテスタメンツ、サーベルバイパー達全員が現れ、マフィア達を包囲した!
「なっ………!?」
「いつのまに………!?」
包囲をされた事にマフィア達は驚いた。そこにランディとエリィが駆け付けた。
「こっちは詰み、だな。」
「ええ………後はロイド達の方ね。」
2人が駆け付けたその時、別方向からもう一組のマフィア達が現れた。
(チッ………マヌケが。)
(仕方ない………抜け道を使うぞ………!)
包囲されている仲間達を見て舌打ちをしたもう一組のマフィア達は素早い動きで建物の屋根に跳躍して逃亡を始めたが、道を塞ぐかのようにワジがいた!
「フフ、ご苦労様。」
「い、いつの間に………!」
「クソ……下だ!」
ワジに気付いたマフィア達は驚いた後屋根から飛び降りた。するとそこにロイドとティオが駆け付けた!
「………ここまでだ。」
「飛んで火に入る夏の虫………ですね。」
「くっ………!」
ロイドとティオの言葉を聞いたマフィアは唇を噛んだ。そこにワジが飛び降りて来た。
「フフ………鬼ごっこは終わりだよ。そろそろ観念したかい?」
「ククク……」
「ははは………」
不敵な笑みを浮かべたワジの言葉を聞いたマフィア達は不敵な笑みを浮かべた後銃や鉈を構えた!
「ガキどもが………いい気になりやがって。」
「俺達プロを本気にさせたこと………せいぜい後悔させてやる。」
「くっ………」
マフィア達の言葉を聞いたロイドはティオと共に武器を構えた。
「フフ、どうやら一戦、交える必要がありそうだね。君達の援護………期待してもいいのかな?」
一方ワジは不敵な笑みを浮かべた後ロイド達に視線を向け
「………そっちこそ足手纏いになるなよ?」
視線を向けられたロイドは口元に笑みを浮かべて答え
「………来ます!」
マフィア達の行動を見たティオは警告した。
そしてロイド達はマフィア達との戦闘を開始した……………!
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