オズのボタン=ブライト
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三幕その五
「別にびっくり箱を出すだけじゃないかしら」
「いいんですね」
「これ位のサプライズはね」
何かといいますと。
「王様の言う通り掴みでサプライズよ」
「いい驚かせですね」
「そう思うからね」
だからこそというのです。
「今から行きたい人だけ行きましょう」
「さて、あの子達がどんな顔をするのか」
つぎはぎ娘は今から楽しそうです。
「そのお顔を早く観たいわね」
「それじゃあね」
「今からその顔を観に行くわよ」
エリカとガラスの猫も応えてでした。有志で門まで行きました。
そしてカルロス達がです、兵隊さんに門を開いてもらおうとすると。
門の方から開いてきました、兵隊さんはそれを観て言いました。
「おや、これは」
「中からですね」
「開いたよ」
こうカルロスにも応えます。
「これは誰か出るのかな」
「そうしたお話聞いてました?」
「いや、全然」
カルロスにこうも答えます。
「今はじめてだよ」
「これから門が開くことはですか」
「見たよ」
聞いてもいないというのです。
「本当に」
「じゃあ何でしょうか」
「さて」
そこにいる皆がこの状況に目を瞬かせていますと。
開かれた門の向こうからです、声がしてきました。
「待っていたわ」
「待っていたって」
「まさか」
「そう、いらっしゃい」
オズマが皆の真ん中にいて笑顔で言ってきました。
「貴方達が来ることがわかっていたから」
「ああ、鏡で観て」
「王宮のね」
「それで、ですか」
「前以てこの宮殿に来てね」
「僕達を待っていてくれてたんですか」
「そうだったのよ」
こうカルロス達にお話するのでした。
「今までね」
「そうでしたか」
「驚いた?」
つぎはぎ娘は明るく聞いてきました。
「あたし達がいきなり出て来て」
「いや、そう言われると」
「特になのね」
「いきなり顔を出してきたことには驚いたけれど」
皆もそうです、カルロスだけでなく。
「お話を聞いたらね」
「納得したのね」
「うん、それでね」
「あら、それじゃあね」
エリカはカルロスの言葉を聞いて言いました。
「掴みは失敗したかしら」
「ふむ、そうかのう」
リンキティンク王は顎に手を当てて考えるお顔になっています。
「それは残念じゃのう」
「いえ、驚いたことは驚きましたよ」
「はい、僕達皆」
「まさか門が開くなんて思ってませんでしたし」
「オズマ姫がおられるなんて」
「他の皆も」
「僕もだよ」
最後にボタンが言いました。
ページ上へ戻る