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東方緑兵物語

作者:修羅さん
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彷徨う末に行くつくは運命の場所

 
前書き
はい、今回も僕のキモイ妄想を垂れ流させていただきます、
今回は幻想郷シリーズ一番名前が知れているであろう紅魔郷の前フリです
では、本編へどうぞ
 

 
何処かの森の中

どれくらい歩いたのだろう、あの氷の女の子を退けてから半日経った、辺りは既に暗くなり手持ちのライトのみで行く先を照らしているだけの状況、食料は偶然見つけた食べれる果物があったので何とかなったが、毎回何が見つかるとは限らない、早く人がいる場所にたどり着きたいのだが、周りを照らしても人工物らしき物は見当たらない、だいぶ歩き回って疲れたのでここで一夜を明かしたいのだが、さっきの女の子みたいな前例があるから迂闊に休むことが出来ない、廃墟みたいな所でもあればいいのだがそう言った建造物には中々巡り会えていない、もう一時間程歩いたら腹をくくって木の上とかで眠る事も視野に入れないといけなくなりそうだ
ふと遠くの方を見ると一瞬だけ光が見えた気がした、よく目を凝らして見ると確かに灯りが灯っているのが見えた

「…やっと人が居そうな場所を見つけれた、とりあえずあそこに行って一晩泊めて貰えないか聞いてみるか、ダメなら泊まれそうな場所聞けばいいしな」

緋色の館

「…凄い真っ赤な家…いや、屋敷か?こんなにデカイと掃除とか大変そうだな…」

俺は灯りが見えた場所に来ていた、そこには不気味な程に真っ赤な屋敷が建っていた、それはまるでこの屋敷に訪れた者を飲み込むような赤だった

「まあ、人の趣味にケチ付けるのはよくないか、個人の自由って奴だな」

俺は門をくぐり抜け扉の前に来る、門もそうだったがこの扉も装飾がとても凝っている、この屋敷に住んでいる人はとても位の高い貴族か何かなのだろう
門番の人寝てたけどいいのだろうか?

「夜分遅くにすみません、誰かいませんか?」

扉をノックしても反応が無い、しかしながら屋敷の窓からは光が漏れている、この大きさの館だ、使用人が起きていてもおかしくないと思うのだが、

「うーん、仕方ない他を当たるとするか、やっと見つけたけど人がいないなら勝手に入る訳には行かないしな」

そう思い屋敷を立ち去ろうとする、するとドアが開く音がした、振り向くとドアは開いていた、だがそこにはドアを開けたと思われる人物が誰もいなかったのだ、

「…何?、どうなっている?自動ドア…な訳ないか、これは入れって事か?」
「えぇ、自動ドアではありませんわ私が開けたのです、緑の服を着た旅人さん」

俺が考えにふけっていると突然背後から声をかけられた、驚いて振り向くとそこには世間一般で言うメイド服を着た銀髪の女性が立っていた、いつの間に背後に回ったのだろうか、それとも元々外にいたのだろうか…

「ッ!、びっくりした、心臓が止まるかと思った」
「失礼しました、驚かせるつもりでは無かったのですが…して、こんな夜中にこの紅魔館にどのような要件で参ったのでしょうか?」
「あぁ、そうだった…えっと、ちょっと道に迷ってしまいまして、ここが何処だかわからずに歩いていたらここにたどり着いたんです、よければ1日だけでいいので泊めてはもらえないですか?」

いきなり訪ねて来た奴を泊めてはくれないと思うが玉砕覚悟で頼んでみる、断られたとしてもこの辺りに宿泊施設がないか聞けばいいわけだしな、少なくとも人が集まっている所に出れれば山の中で野宿するよりもはるかに安全だ

「…私の一存では決めかねますのでこの館の主、レミリアお嬢様に聞いてまいります、しばしの間お待ちを…」
「はい、お願いしま……あれ?」

普通人の前で間抜け面を晒すのはどうかと思うが仕方が無かったのだ、なんせ今俺と話していた女性が突如として俺の眼の前から姿を消したのだ、高速で動いたとかそんなものでは無かったのだ、残像すら見えないようなスピードだった、まるで時を止めていたかのような…
俺が目覚めてから全てがおかしい、俺の知っている一般常識では考えられないような事ばかりが起こる、例の氷の女の子や今の目の前にいた
一瞬で消えるメイドさん、一体俺の身に、いや、世界に何が起こっているのだろうか

「お待たせいたしました、お嬢様からの許可が下りました、一晩ならよろしいと」
「そうですか、ありがとうございます、これで野宿をしなくて済みそうです」
「それと、お嬢様が貴方様にお会いしたいと、申し訳ありませんが、一度お嬢様に会っていただきます」

お嬢様が俺に会いたい、か、まあ、館の主人なら一度顔を見ておきたいと思うのは当然だろうな、ここで断って主人の機嫌を損ねるのは良くないし断る理由も無いので、俺は黙ってメイドについて行く、
館の外観もそうだったが中も外側と同じく赤一色で出来ているようだ、流石に調度品とかまでは赤一色ではないようで廊下に置いてある花瓶とかは普通の色だった、しばらくメイドについて歩いて行くと他の扉とは明らかに雰囲気の違う扉の前に来た、扉のレリーフには蝙蝠が沢山描かれていた、ここの館の主人は蝙蝠が好きなのだろうか?

「お待たせしました、こちらの奥にお嬢様がいらっしゃいます、くれぐれも粗相の無いように」

そう言ってメイドは扉を開けた、中は灯りが僅かにしかついておらずよく見え無い、少し進むと最奥部に大きな椅子に座る人物がいた、あの人がこの館の主人なのだろう、薄紅色のドレスに身を包み、古い貴族が被るような帽子をしていて、目が血の様に赤かった
カラコンだろうか?

「旅人よ、ようこそ我が紅魔館へ、私はレミリア・スカーレットよ、」
「自分は渥美 純です、ちょっと迷子になってしまいまして、偶然ここを見つけたので尋ねさせてもらいました」
「…そう…ふーん、貴方、面白い物を持っているわね、」

特に俺は彼女が興味を引くような物を持っている訳では無いと思うが、何が彼女の興味を引いたのだろうか

「ふふっ、貴方、見れば見るほど面白いわね、気に入ったわ、貴方さえよければ数日間ここに居てもいいわよ」
「そうですか、ありがとうございます、何かお礼がしたいのですがあいにく今手元には何も無いのが心苦しいくらいです」
「礼なんて必要無いわ、いい物を見せてもらったしね、困った事があったなら館のメイドを呼んで頂戴」
「何から何までありがとうございます」
「お嬢様、部屋の用意が出来ました、それと例の物も」
「ありがとう咲夜、客人を部屋に通しなさい」

俺はレミリアに一礼して咲夜と呼ばれたメイドについて行く、俺が通されたのは一人の人間が使うのには少々広い部屋だった、

「御用があれば何なりとお申し付け下さいませ、私はこれで失礼します、では」

そう言うと咲夜はまた一瞬で姿を消した、一体どんなトリックを使っているのだろうか

「時間を止めてたり…まさか、そんな事はないか、また今度聞いてみようかな、今はとりあえず寝たい、色々あり過ぎて眠い…」

俺はベットに寝転がるとそのまま意識を闇に手放した…

「お嬢様、あの人間の事ですが…よろしいのですか?この館にいさせても」
「えぇ、構わないわ、彼は私達にとって有利に動いてくれる、その運命が私には見えたわ」
「運命…ですか…」
「ふふっ、今日から退屈しないで済みそうね、咲夜、一週間後に例の事をするわ、それまでに彼をこちら側に引き込んで頂戴」
「かしこまりました、お嬢様」

咲夜は一礼すると一瞬の内に消えた、残されたレミリアは薄く頰笑みながら月を見上げた

「一週間後、月は赤く染まる、その時こそこの幻想郷を我が手に収めてやるわ」
 
 

 
後書き
はい、ここまで見てくださってありがとうございます
次回からは純君が紅魔側に入ってくまでのお話を何本か書こうと思います
紅魔郷本編はちょっと先になりそうです
では、この辺で失礼します
 
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