英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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第96話
~狭間の宮殿・最奥~
「ヘッ。一番槍は俺達がもらおうぜ、カヤ。」
「フフ、そうね。だってあたし達がセリカにとって一番旧い仲間だものね。」
ダルノスとカヤ、それぞれが不敵な笑みを浮かべた後
「オォォォォォォォ………ッ!!」
「…………………」
ダルノスは双剣を構えて膨大な闘気を自らの身体に纏い続け、カヤは杖を構えて詠唱をした後
「バリハルトよ!御身の力をかの者に!」
ダルノスの双剣に膨大な魔力を纏わせ
「行くぜ………オォォォォォォォ―――――ッ!!」
ダルノスは飛燕剣の最高位の剣技――――枢孔飛燕剣に雷を纏わせて、放った!その飛燕剣は裁きの雷を宿した飛燕剣!その名は!
「「雷光!飛燕剣―――――――ッ!!」」
「ガアアアアアアアアアアッ!?」
ダルノスとカヤが放った協力技―――雷光飛燕剣をその身に受けた敵は悲鳴を上げた!
「……俺達はここまで………か。セリカ、達者に生きろよ。」
「セリカ………あたしは貴方の傍でずっと見守っているわ………」
一方技を放ち終わったダルノスとカヤはそれぞれセリカに笑みを見せた後光と共に消滅した。
「ペルル……最後に力を貸してくれるかい?罪滅ぼしにせめて最後はセリカさんの力になりたい。その為に君の力が必要だ。」
「お師範様………はい!」
2人が消えるとアビルースはペルルに話しかけ、話しかけられたペルルは一瞬驚いた後、微笑みを見せて力強く頷いた。
「我が魔道……今を生きる”闇夜の眷属”達の為に!」
「行っくよ―――――――――ッ!ボク達のとっておき!!」
アビルースは詠唱をした後、ペルルに膨大な魔力を纏わせ、ペルルは突進の構えをした後、巨大な弾丸となって敵に突進して行った!
「「ラストストライク――――――ッ!!」」
「ガアッ………!?
すると敵の巨体に大きな風穴ができ、敵を怯ませた!
「ペルル………僕が目指した”闇夜の眷属”達が安心して生きていける国造り………頼んだよ。今の主と幸せにね………」
「うん、任せて………!さようなら、お師範様………!」
そして(コンビクラフト)―――ラストストライクを放ち終えたアビルースはペルルに微笑みを見せて光と共に消滅し、ペルルは涙を流しながらアビルースに微笑みを見せた。
「今こそ災厄の種を刈り取る時!儂の全ての力で消し飛ばしてくれる!オォォォォォ―――――――ッ!!」
アビルースが消滅すると空の勇士は竜化し
「古より伝わりし神をも震撼せし浄化の炎よ………今こそ具現し、世界をも焼き尽くせ!」
「ルリエンよ………今こそ我が矢に力を!!」
リ・クティナは大魔術の詠唱を開始し、白銀公は巨大な光の矢を空へと放って、光の矢の雨を敵に降り注がせ
「グオオオオオオオオオオ――――ッ!!」
「メギドの炎!!」
「アスタニッシュグリッツ!!」
3人は同時にそれぞれが持つ最高の奥義を放ってさらに敵の傷を増やした!
「”神殺し”よ………後の事は頼みました………」
「我が子孫、リ・クアルーよ。この戦い、必ず後世に伝えるのだぞ………!」
「さらばじゃ………!」
ダルノス達のように全ての力を使い果たした3人は満足げな笑みを浮かべて光と共に消滅した。
「さってと。次はあたしの番ね。行くわよ………!」
「我が戦友、カファルーよ。”深凌の楔魔”の底力………世界に見せてやるぞ!」
「グオッ!!」
3人が消滅するとシャマーラは大技の構えをし、カファルーに騎乗したラーシェナは刀を構え、そしてシャマーラと共に敵に向かって突進した!
「ハァァァァァァ………!!」
シャマーラは稲妻が落ちるかのような速さで縦横無尽に駆けまわって敵を攻撃し、離れる事を何度も繰り返し
「オォォォォォ………!!」
「グオオオオオオオ――――ッ!!」
ラーシェナは縦横無尽に飛び回って敵のありとあらゆる所を炎を纏った足で攻撃するカファルーと共に十六夜”斬”、”突”を繰り返して何度も放った!
「秘技!稲妻奇襲!!」
そして縦横無尽に駆け回って敵を攻撃したシャマーラが敵の正面に着地すると無数の斬撃が敵に刻み込まれ
「十六夜………”滅”!!」
カファルーに騎乗したラーシェナが敵の真上から突進し、地面に当たる寸前まで敵を真っ二つにするかのように垂直な斬撃を放った!すると敵の身体は真っ二つに割れ、核らしき部分がむき出しになった!
「フフ………最後の最後で貴方の力になれてよかったわ…………貴方が幸せになる事を心から願っているわ、セリカ!」
大技を放ち終えたシャマーラは”神殺し”セリカに微笑みを向けて光と共に消滅し
「これほどの大きな戦いで貴様と共に戦えた事………我にとって最高の誇りだ!感謝するぞ!さらばだ、我が盟友セリカ!………それとカファルー。貴様が新たな戦友と共に誇りある未来を行く事、心から願っているぞ!」
「グオッ!!」
同じようにカファルーと共に大技を放ち終えたラーシェナはカファルーから降りた後”神殺し”セリカに不敵な笑みを見せた後、カファルーに振り向いて口元に笑みを浮かべながら光と共に消滅し、ラーシェナの言葉にカファルーは力強く頷いた。
「へへっ。次はあたい達の番だな!」
「さっさと終わらせて、帰って温泉に入らせてもらうわ!」
「シェスタ、行くよ!」
「うん!」
2人が光と共に消滅するとカウラ、ウェンディス、シェンナ、シェスタはそれぞれ大技の構えをし
「業火よ!かの剣に宿れ!」
「全て燃やし尽くしてやる!ウオォォォォォ―――――ッ」
ウェンディスが詠唱を開始すると敵に向かって突進していくカウラの大剣に業火が宿り
「森よ……邪を払う光を我等の矢に!」
「降り注げ、聖光!!」
シェンナが祈ると弓に矢を番えたシェスタに矢に強烈な光が宿り、光が宿った矢をシェスタは空に向かって放った!
「「白露の炎嵐!!」」
そして突進したカウラが大剣を空に向かって掲げると業火の嵐がカウラを中心に発生し、再生していく敵の肉体を焼き尽くし
「「アストラルレイン!!」」
シェスタが放った光の矢は無数の光の矢に分散し、敵の全身に全て刺さり、さらに全ての矢が光の大爆発を起こし、敵に大ダメージを与えた!
「あたい達はここまでだな。じゃあな、セリカ!たまにはミルヒの街に来いよ!」
「今回のは貸しにしておくから、忘れるんじゃないわよ!」
「私達も失礼します、セリカさん!絶対に負けないで下さい!」
「また遊びに来てね!待っているよ!」
それぞれ協力技を放ち終えた4人はそれぞれ”神殺し”セリカに微笑んだ後光と共に消滅した!
「さてと………次は私ね。レシェンテ、今の貴女を見て安心したわ。さすがは妹が惚れた男ね。」
「レア………」
「……………」
4人が光と共に消滅した後、レアが前に出てレシェンテとサティアに微笑み、微笑みを見せられた2人はそれぞれ静かな表情でレアを見つめていた。そしてレアは両手に膨大な魔力を集束し、詠唱をした。
「元始にて万物の生たる燐光。出でよ!創世の輝き!ビッグバン!!」
詠唱を終えたレアはかつてアイドスが放った究極魔術――――ビッグバンを放って、敵の肉体の全身を消滅させた!
「フフ………私はここまでね。じゃあね、レシェンテ………最後にきちんとしたお別れが言えてよかったわ………セリカ達と一緒に幸せに生きてね……それとアストライア………偽物の”私”がいう事じゃないけど、いい男に惚れたわね………」
「うむ………!さよならなのじゃ、レア………!」
「………まさか貴女は………」
そして全ての力を使い果たしたレアはレシェンテとサティアに微笑みを見せて光と共に消滅し、レシェンテは涙を流しながら消えて行くレアを見つめ、サティアは驚きの表情で見つめていた。
「オノレ―――――――ッ!邪魔バカリヲ!!」
一方次々と消えて行く仲間達の大技をその身に受け、ボロボロになった敵は叫んだ!すると焼き尽くされ、消滅したはずの肉体が再生し始めた!
「そうはさせん!………我が祖先にしてメルキアを全盛期へと成長させた偉大なる覇王ヴァイスハイトが目指した全てを守る力………その身に受けよ!出でよ!イラストリアス!!」
その時、マウアが前に出て大声で叫んだ!すると異空間から巨大な魔導戦艦が現れ
「全砲門……開門!!」
マウアの指示に応えるかのように魔導戦艦イラストリアスの砲門が全て開き
「全弾………撃て―――――――――ッ!!」
魔導戦艦イラストリアスは怒涛の砲撃の嵐を敵に放った!
「アアアアアアアアアアアア―――――ッ!?」
怒涛の砲撃の嵐をその身に受けた敵は再生して行く肉体が再び焼き尽くされる事に悲鳴を上げた!
「フフ………皆さんにもメルキアが誇るイラストリアスの真の力をお見せできて本望です。」
砲撃の嵐を撃ち終えたイラストリアスと共にマウアはセリカ達に微笑みを見せて光と共に消滅した。
「………残りは私達か。我が名は”不死騎兵隊団長”レクシュミ・パラベルム!この名を冥府への土産とするがいい!」
「巫女様!我等レウィニアの客将セリカの明日を切り開く力を我等に!」
「全ての運命は水の流れるままに………」
マウアが消滅するとレクシュミ、レヴィアが前に出て身構え、水の巫女は静かに呟いた後詠唱を開始し
「マーズテリアよ………今こそ御力を………!」
「我が力、信仰心の全ては争いがなく、共存していく世界への為に!」
クリアは祈った後詠唱を開始し、ロカは決意の表情で槍を構えた!
「「巫女様………我が剣に力を………!この一撃で全てを決める!水巫女の神剣!!」」
そしてレクシュミとレヴィアは同時に巨大な水の剣を放ち
「清らかなる水よ………全てを浄化し、新たなる命への道標となりなさい………清浄の津波………!!」
詠唱を終えた水の巫女は膨大な聖気と神気が籠った津波を放ち
「世界を照らす陽だまり達よ………闇に覆われし昏き大地をその光を持って、全てを照らせ!ティアラクーナ!!」
クリアは全てを浄化する超越した聖光を放ち
「この一撃にて全てを決する!マーズテリアよ、我が槍に御身の力を!軍神の神槍!!」
ロカは膨大な聖気を帯びた巨大な光の槍を放った!
「アアアアアアアアアアアア―――――ッ!?か、身体ガ崩レル………!」
5人が放った聖なる奥義や大魔術は敵の全身のありとあらゆる場所を浄化して消滅させ、全身消滅した敵は人型の姿になった後、2人に別れ、一人はかつて人間であったセリカの姿に、一人はサティアによく似た姿の女性―――アイドスとなり、それぞれ膨大な瘴気と結界を纏っていた。
「”神殺し”セリカとその仲間達よ!今こそ全ての決着をつけろ!」
「さっさと決着をつけて、レウィニアに戻って来るのだぞ、セリカ!」
「最後の最後に貴方の力になれてよかった………いつかまた出会う事を心から祈っているわ、セリカ………」
「フフ………いつか必ず会いに行くわ………頑張って、セリカ………!」
「道は切り開きました………神殺しよ………今こそ、全てを終わらせ、真なる始まりを始める時です………」
5人はそれぞれセリカに微笑んだ後、光と共に消滅した。
「みんな………ありがとう。ハイシェラ!用意はいいな!?」
「うむ!世界に我等の力をとくと見せてやろうぞ!我が好敵手よ!」
そして”バリハルト魔法剣士”セリカは静かな笑みを浮かべた後、”地の魔神”ハイシェラと共に敵達に向かい同時に究極剣技―――枢孔飛燕剣を放った!
「ハアァァァァァッ!!」
「オォォォォォォッ!!」
2人はそれぞれ膨大な魔力、闘気、神力を込めて飛燕剣を放ち続け
「「比翼!飛燕剣!!」」
協力剣技―――比翼飛燕剣を放って、敵達を守るかのように展開されている結界や瘴気を全て消滅させた!
「クク……御膳立てはしてやっただの。さあ………見せてみろ!お前達の真の力を!」
「………後は任せた。そして………これが君が知りたかったサティアとの”約束”だ………それと………ありがとう、エステル………俺達の”約束”を”誓って”くれて………」
協力剣技を放ち終えた”地の魔神”ハイシェラは不敵な笑みを浮かべながら光と共に消滅し、”バリハルト魔法剣士”セリカは”神殺し”セリカとサティア、エステルを順に視線を向けて微笑んだ後光の球体となって、”神殺し”セリカの身体と同化した!
「――――――!!………”一緒に生きて行こう”………ようやく思い出した………遥か昔……神殿の追手から逃げて到着した遺跡で………サティアと愛し合いながらした”約束”を!」
「!!ぁ………ああっ……………ようやく思い出したのね………セリカ………!」
そして”バリハルト魔法剣士”セリカが持つ記憶と同化した”神殺し”セリカは全ての記憶を思い出し、セリカの言葉を聞いたサティアは涙を流しながらセリカに微笑んだ。
「………ああ。待たせたな、サティア………」
「ううん………!私は信じていた………!貴方がいつか私達の”約束”を思い出すことを………!」
全てを思い出したセリカはサティアに微笑み、サティアは涙をぬぐって微笑みで返した。
「全ての決着をつけるぞ、サティア!」
「うん!行こう、セリカ………!」
セリカの言葉にサティアが力強く頷いたその時
「………セリカ!」
「!!」
エステルが鞘に収めた”絆の神剣”をセリカに向かって投げ、投げられた鞘をセリカは受け取り
「その神剣は2人の”約束”がつまった神剣!今だけ貸してあげるわ!だからその神剣でサティアさんと一緒に決着をつけなさい!」
「………ああ!ありがたく使わせてもらう………!」
エステルの言葉を聞いたセリカは力強く頷いた後、ラクスハイシェラを鞘に収め、”絆の神剣”を鞘から抜いて身構え
「今こそ全ての決着をつける!」
決意の表情で叫び
「みんな!後少しだけみんなの力を貸して!」
サティアは仲間達全員に号令をかけ
「おおっ!!」
仲間達は号令に力強く頷いた後、それぞれ敵達に向かって大技や大魔術を次々と放ち始めた………!
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