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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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第65話

探索の最中に襲い掛かって来る魔獣達を撃退し、仕掛けを解いたリィン達が先に進んで行くと何かの紋章が描かれた壁の前に来た。



~ジュライロッジ~



「この紋章は一体……?」

「”眼”のようにも見えますが……」

紋章を見たルイーズは眉を顰め、エリスは不安そうな表情で呟いた。

「――――”D∴G教団”の紋章です。」

「ええっ!?こ、この紋章が……!?」

「……6年前の事件の資料にあったのと同じね。」

エリゼの答えを聞いたエリオットは驚き、サラ教官は真剣な表情で呟いた。



「ど、道理で不気味な訳だ……それにしてもあんな不気味な紋章だと周りが不気味なせいもあって”何か”が出て来そうで気味が悪いな……」

「ちょっ、マキアス~!それって”フラグ”になるから言わないでよ~!」

そしてマキアスの言葉を聞いたミリアムが文句を言ったその時、紋章は妖しい紅色の光を放った!

「へ。」

「まさか罠か……!?」

「!この霊圧は……!」

「”魔”に属する霊圧……!」

「―――召喚陣!?構えなさい!”魔”に属する連中が召喚されるわよ!」

それを見たマキアスは呆け、リィンは厳しい表情で身構え、何かに気付いたパントとルイーズは気を引き締め、地面に現れた魔法陣らしきものを見たセリーヌはリィン達に警告をした。すると悪魔らしき魔物が3体現れた!



「「「――――――!!」」」

「あ、あわわわわっ!?で、出た……!」

「こ、これは……!」

「あ、悪魔……!?」

「やはりこの一帯が異界と化しているわね……!」

「おい……」

「マキアスが余計な事を言ったせいで、出て来たじゃないか~!」

「ま、まあまあ……出て来るタイミングがたまたま一致しただけだと思いますわよ?」

咆哮をあげた悪魔達を見たエリオットは慌て、ガイウスは目を見開き、エリスは不安そうな表情をし、セリーヌは厳しい表情で呟き、それぞれ攻めるような視線でマキアスを見つめるユーシスとミリアムをセレーネは苦笑しながら諌めようとし

「ぐ、偶然だ!偶然!僕のせいじゃないぞ!?クソッ!誰がこんな紛らわしくなるような仕業をしたんだ!?」

「十中八九ヨアヒムの仕業でしょうけど、幾ら何でもお約束過ぎるでしょう……」

視線を向けられたマキアスは疲れた表情で答え、サラ教官は呆れた表情で呟いた。

「――――来るぞ!迎撃開始!」

そしてリィンの号令を合図に戦闘を開始し、協力して悪魔達を撃破した。



「何とか勝てましたね……」

「お、終わった~。」

戦闘を終えたエリスとエリオットはそれぞれ安堵の表情で呟いた。するとその時紋章があった部分の壁が動き、奥へと進めるようになった。

「これは……」

「……どうやらこの先が真の意味での拠点(ロッジ)みたいね。」

「ええ、先に進みましょう。」

それを見たガイウスは真剣な表情をし、サラ教官の言葉にリィンは頷き、仲間達と共に先に進んだ。すると遥か下まで続く巨大な穴がある広い場所に出た。



「こ、ここは……!?」

「凄い……」

「地の底に続く縦穴………なんて大きさなのでしょう。」

「……穴から凄まじい”風”が感じるな……」

巨大な大穴を見たマキアスやエリゼは驚き、ルイーズは信じられない表情をし、何かに気付いたガイウスは真剣な表情をし

「一番下まで一体どれだけあるのでしょう……?」

「目測でも深さ800アージュって所ね。やれやれ…………これは相当骨が折れそうね。」

「えー!それじゃあ、行きも帰りも徒歩って事~!?エレベーターやエスカレーターとかないの~!?」

「そんな都合のいいものが遺跡にある訳がないだろう、阿呆。」

「大体君はいざとなったらアガートラムに乗って、飛行できるだろうが……」

「ハハ、心配しなくても私達の転移魔術があるから、少なくても帰りはすぐに地上に到着できるよ。」

「……ま、ヨアヒムを倒しても人質やカイエン公達を探して、地上に連れて行く必要があるでしょうから、どの道このロッジをくまなく探索しなければならないけどね。」

不安そうな表情をしているセレーネの疑問に答えたサラ教官は溜息を吐き、不満げな表情をしているミリアムにユーシスとマキアスは呆れた表情で、パントは苦笑しながらそれぞれ指摘し、セリーヌは疲れた表情で呟いた。

「……………………」

一方リィンは目を伏せて黙り込み

「――――行こう。それぞれの”明日を掴む”為に!」

「おおっ!!」

やがて目を見開き、決意の表情で号令をかけ、リィンの号令に仲間達は力強く頷いた!その後に向かって階段を降り、時折襲い掛かって来る魔獣や魔物達を撃退していたリィン達は近代的な設備がある区画に入った。



「このあたりは近代的な設備が入っていますね………」

「……しかも周囲の施設を見る限り、恐らくここでかつて”儀式”を行い、大陸各地で攫われた多くの子供達を犠牲にしたのだろうな……」

周囲を見回したルイーズは静かな表情で呟き、現在いる区画が研究施設である事に気付いたパントは重々しい様子を纏って呟いた。

「下衆共が……!」

女神(エイドス)よ……」

パントの推測を聞いたユーシスは怒りの表情をし、エリスはその場で祈りを捧げた。

「……ッ……!」

「前から誰か来ます……!」

一方人の気配を感じたリィンは太刀を構え、エリゼは仲間達に警告をした。するとその時何と”帝国解放戦線”のテロリスト達が数人、奥から現れてリィン達の前に立ちふさがった。



「ええっ!?あ、あの人達ってまさか……!」

「”帝国解放戦線”!カイエン公達同様行方不明だったからまさかとは思っていたけど、やっぱり連中も貴族連合の残党と一緒にいたのね!」

「クッ……内戦は既に終結したんだぞ!それに君達の悲願だったオズボーン宰相の暗殺を先輩が叶えたのに、何でまだ―――――」

見覚えのあるテロリスト達を見たエリオットは驚き、サラ教官は厳しい表情で声をあげ、マキアスはテロリスト達に警告しようとしたが

「ま、待って下さい……!様子が………何か変です………!」

「!この”風”は……!?」

テロリスト達から”何か”を感じたセレーネが制止し、ガイウスは驚きの表情で声を上げた。するとその時!



「………ァアアアア………」

「…………ギギギギギ………」

「………グギギギギ………」

テロリスト達は頭を抱えて唸り、さらに全身から瘴気をさらけ出した。

「な、なにが起こるの~!?」

「リィンが”力”を解放した時に感じる気配とどことなく似ているが……」

「まさか…………」

テロリスト達の様子を見たミリアムは戸惑い、ユーシスに視線を向けられたリィンはある事を察し、信じられない表情をした。



「「オオオオオオオッ!!」」

「ガアアアアアアアッ!!」

するとその時テロリスト達は異形の怪物に変化した!

「なああぁぁぁぁっ!?」

「うわあぁぁぁぁっ!?」

「ひ、人が魔物に……!」

「変態した~!?」

「変身だ、阿呆!」

肉体変異(メタモルフォーゼ)………!?」

「これが”グノーシス”による”魔人化(デモナイズ)”か!」

「感じる霊圧からして中級悪魔クラスと言った所ですね……!」

人が異形の怪物に変化するというありえない出来事にマキアスとエリオットは声をあげ、エリスの後に声をあげたミリアムにユーシスは疲れた表情で指摘し、セリーヌは信じられない表情をし、パントとルイーズはそれぞれ厳しい表情をした。

「迷ってる暇はない………!」

「とにかくまずは無力化するわよ!」

そしてリィンとサラ教官の言葉を合図に異形の怪物と化したテロリスト達は一斉に襲い掛かり、リィン達は散開して回避し、それぞれ戦闘を開始した!


「オオオオ……ッ!」

最初の獲物にエリスを選んだ敵はエリスを睨んでとびかかり

「……ッ……!」

対するエリスは息を呑んだ後レイピアを構えて迎撃の構えをした。

「――――させるかぁっ!」

するとその時戦術リンクが発動し、エリスとリンクを結んでいたリィンがエリスを庇うかのように太刀で敵の攻撃を受け止めた。



「ガアアアアアアアッ!」

「クッ……!?なんて力だ……!」

「兄様……!」

敵の攻撃を受け止めて表情を歪めているリィンを見たエリスは心配そうな表情で声をあげ

「――――兄様から離れなさい!光鬼斬!!」

「ガアッ!?」

エリゼは背後から強烈な抜刀の一撃を敵に叩きつけて敵を怯ませ、その間にリィンとエリスは敵から離れた。



「落ちよ、聖なる雷!――――ライトニングプラズマ!!」

「ガアアアアアアアッ!?」

するとその時セレーネの魔術によって発生した雷光が敵に命中し、弱点属性の攻撃を喰らった事で敵は悲鳴を上げた。

「やっぱり”魔”に属している連中だから、聖なる攻撃に弱いようね……―――空属性アーツや光の魔術で攻めなさい!」

「はい!アークス駆動…………」

セリーヌの助言を聞いたエリスはオーブメントを駆動させ始め

「………………」

セレーネも続くように魔術の詠唱を開始した。



「エリゼ!俺達で時間を稼ぐぞ!」

「はい、兄様!」

一方二人の行動を見たリィンとエリゼは敵の注意を逸らす事にし、まずはリィンが攻撃を仕掛けた。

「二の型―――疾風!!」

「ガッ!?オォォォッ!!」

リィンの電光石火の攻撃でダメージを受けた敵は目標をリィンにとびかかったが

「させません!二の型―――大雪斬!!」

「ガアッ!?」

跳躍したエリゼの強烈な一撃によって地面に叩き落とされた!



「燐の型――――弧武紅燐剣!!」

「ヤァァァァ……秘技――――桜花爛漫!!」

「オオオオオッ!?」

そしてリィンとエリゼはそれぞれ敵を挟み込む形で遠距離攻撃のクラフトを放って追撃をした。

「出でよ、空の十字架――――エクスクルセイド!!」

「炸裂せよ、聖なる光――――ホーリーバースト!!」

するとその時駆動や詠唱を終えた二人の高火力のアーツと魔術が敵に炸裂した!

「ガアアアアア―――――ッ!?」

二つの高火力の弱点属性の攻撃を喰らった事で敵は悲鳴を上げると共に大きく仰け反り

「これで終わりだ!燃え盛れ―――龍炎撃!!」

「秘技―――斬界剣!!」

「アアアアアアア―――――ッ!?」

そしてその隙を逃さず追撃したリィンとエリゼの強烈な一撃を同時に受けた敵は断末魔を上げ、そして人間の姿に戻った後地面に倒れた!



「機を逃すな、一斉にかかれ!!」

「みんな、頑張って!!敵ユニットの解析を開始…………!」

敵との戦闘を開始したユーシスは号令をかけ、エリオットはクラフト―――エコーズビートで仲間達の防御能力を高めた後魔導杖で敵の情報の解析を開始し

「ガアアアアアアアッ!!」

「わわっ!ガーちゃん、防いで!」

「―――――」

自分が狙われた事に慌ててつつもミリアムはアガートラムに指示をし、自分に襲い掛かって来た敵の攻撃をアガートラムに受け止めさせた。

「オオオオオ……ッ!」

「――――!?」

「嘘!?ガーちゃんが圧されるなんて……!?誰か、早く援護をして~!」

敵の攻撃を受け止めたアガートラムだったが、すぐに圧され始め、それを見たミリアムは仲間達に救援を求めた。

「任せろ!リミットブレイク――――メイルブレイカー!!」

その時マキアスがクラフトを敵に命中させた。

「逃がさん!!」

「ガアッ!?」

マキアスと戦術リンクを結んでいるユーシスがすかさず追撃をし

「そこだっ!!」

そしてガイウスがクラフト―――ゲイルストームを至近距離で命中させ、至近距離で槍から発生した竜巻を受けた敵は吹き飛ばされ

「ガーちゃん、ぶっ放せ~!」

「――――!」

敵が吹き飛ばされるとアガートラムがクラフト―――ヴァリアントビームを放って追撃した。



「―――――!」

「なっ!?」

「傷が回復している……!?」

「ちょっ!?自己再生能力があるなんて、話が違うよ~!クロスベル襲撃事件の情報には自己再生能力があるなんて、なかったよ~!?」

「チッ、面倒な……!」

しかし咆哮をあげた後負った傷を回復している様子の敵を見たマキアスとガイウス、ミリアムは驚き、ユーシスは舌打ちをした。

「―――解析完了!弱点属性は空属性!他の属性も一通り効くよ!アークス駆動………」

するとその時仲間達が戦っている間にクラフト―――ディフェクターで敵の能力を探っていたエリオットが仲間達に助言をし、オーブメントを駆動させ始めた。



「やはりそうか……という事は――――」

「フン、”匠王”特製の俺の愛剣の出番という事だ!―――ソードダンス!!」

エリオットの助言を聞いたガイウスがユーシスに視線を向けたその時、ユーシスは敵に突撃して舞うような動作で次々と攻撃を繰り出した。

「ガアアアアッ!?」

退魔の効果が秘められる聖剣の連続攻撃を受けた敵は悲鳴を上げながら仰け反り

「ボク達だって、負けないよ~!ガーちゃん!」

「――――!」

「オオオオッ!?」

そこにアガートラムがクラフト―――バスターアームを叩きつけ、ユーシスの聖剣同様退魔の効果が秘められたアガートラムの一撃を受けた敵は大きく仰け反った。



「これでも喰らえ―――レイジレーザー!!」

「ガアアアアアアアッ!?」

そして追撃とばかりに放ったマキアスのショットガンから放たれた雷光のエネルギーを受けた敵は悲鳴を上げ

「行くよ―――アルテアカノン!!」

「アアアアアアア―――――ッ!?」

エリオットが発動した空属性の最高位アーツによって大ダメージを受けた!

「ガイウス、止めを!」

「任せろ!ハァァァァァァ……!」

そこにエリオットと戦術リンクを結んでいたガイウスが敵に詰め寄り、両手に持った2本の十字槍を次々と繰り出し

「セイッ!!」

最後に二本の十字槍による同時攻撃を敵に叩き込んだ!

「オオオオオオオォォォォ―――――ッ!?」

ガイウスの連続攻撃―――ダブルトラセクトスラストを受けた敵は断末魔をあげ、そして人間の姿に戻った後地面に倒れた!



「ヤァァァァ……!!」

パント達と共に敵との戦闘を開始したサラ教官はクラフト―――鳴神で敵を牽制し

「戦士達に加護を――――覚醒領域の付術!!アークス駆動…………」

「行きます―――五連射撃!!」

パントは魔術で自分達の身体能力を強化させた後戦術オーブメントを駆動させると共に魔術の詠唱を開始し、ルイーズはサラ教官の銃撃によって敵が気を取られている隙に敵の背後に回り、次々と矢を放った。

「ガアッ!?」

退魔の効果を秘めた矢を受けた敵は悲鳴を上げ

「セイッ!これはオマケよ!」

その隙を逃さないサラ教官はクラフト―――電光石火で追撃をした。



「そこだ!ダークマター!!――――雷よ、唸れ!旋風爆雷閃!!」

「オオオオオオオッ!?」

そしてパントはアーツで敵の動きを制限した後、魔術による強烈な雷を命中させた。

「ガアアアアアアアッ!!」

3人の攻撃によってダメージを受けた敵だったが、すぐに反撃を開始した。

「っと!やはり耐久もそうだがスタミナも相当強化されているのか……!フルブラッシュ!!」

敵の反撃を後ろに跳躍して回避すると共に距離を取ったパントは剣を振るって衝撃波を発生させて敵に命中させ

「切り刻め―――紫電一閃!!今よ!」

サラ教官は動きを制限させる攻撃クラフトを放ち、詠唱をしているルイーズに視線を向けた。

「悪しき者達に光の洗礼を――――斎戒の洗礼!!」

「ガアアアアアアア―――――ッ!?」

魔術の詠唱を終えたルイーズは直線状の光柱を放ち、弱点属性である神聖属性の魔術を受けた敵は悲鳴を上げると共に怯んだ。

「いでよ、烈輝の陣――――レイ=ルーン!!―――サラ殿、止めを!」

「グガッ!?」

そこに僅かな詠唱時間で魔術を発動したパントが純粋属性のエネルギーを命中させて追撃した後サラ教官に視線を向け

「ええ!鳴神!崩雷殺!」

サラ教官はクラフトを連携させて、次々と敵に怒涛の攻撃を叩き込んだ!

「これで終わりよ!襲爪雷斬!!」

「オオオオォォォォォ―――――ッ!?」

そしてダメージに耐えきれなかった敵は断末魔をあげ、人間の姿に戻った後地面に倒れた!



「何とか退けられたな……」

「うん……でも、まさか本当に人が悪魔みたいな姿の魔物に変身するなんて……」

「まるで悪夢を見ているみたいでした……」

戦闘を終えたガイウスは安堵の表情で呟き、エリオットとエリスはそれぞれ不安そうな表情で呟き

「”グノーシス”による魔人化(デモナイズ)は話には聞いていたけど、まさかあれ程の肉体変異(メタモルフォーゼ)を起こさせた上、中級悪魔クラスの力を持っているなんて正直今この目で見ても信じられない思いよ……」

「しかも自己再生能力なんて、前のクロスベル襲撃事件の時には無かったはずなのに、何で今回はあるんだよ~……」

「……恐らくは”新型のグノーシス”によるものかもしれないな。」

「ええ……そしてその薬物を完成させる為に目の前の方達もそうですが、領邦軍や”C”、そして人体実験をされたという女子生徒に投与をした結果のデータを元に完成させたのでしょうね……」

「……ッ……!」

「エーデル部長…………」

セリーヌは驚きの表情で呟き、疲れた表情で呟いたミリアムの疑問にパントとルイーズはそれぞれ答え、ルイーズの推測を聞いたサラ教官は怒りの表情で唇を噛みしめ、セレーネは辛そうな表情をした。するとその時リィンは倒れたテロリスト達の状態を確かめた。



「よかった……気絶しているだけだ。かなり衰弱してるけど命に別状はなさそうだ。」

「ほっ………良かった。」

「例え相手がテロリストとは言えトリスタ奪還の時のように命を奪わずに済んで、本当によかったです……」

「フン、悪運の強い奴等だ。」

リィンの答えを聞いたエリオットとセレーネは安堵の表情で呟き、ユーシスは鼻を鳴らして呟いた。

「しかし”帝国解放戦線”のメンバーがこの場に現れた事で、唯一行方がわからない”帝国解放戦線”の残りの幹部がいる可能性も高くなりましたね。」

「”V(ヴァルカン)”か……ただでさえとんでもなく強いのに、さっきみたいな化物に変身したら手がつけられなくなるんじゃないか……?」

「―――もし奴が現れて魔人化(デモナイズ)したら、それこそ本気で奴を殺す気でやり合わないといけないわ。でないとやられるのはあたし達の方よ。」

エリゼの推測を聞いたマキアスは不安そうな表情で呟き、サラ教官は重々しい様子を纏って呟いた。

「…………―――先に進もう。わざわざ待ち伏せをしていたという事はもしかしたらこの辺に何かあるかもしれない。」

そしてリィンは仲間達を促し、仲間達は探索を再開した。 
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