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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第十章 仮想世界
  第3話 閉じ込められた士道

 
前書き
また先週投稿出来なかった……

 

 

結論から言うと。


突然システムがシャットダウンした。


琴里「なに、どうしたの?」

令音「……システムが落ちた。原因は不明だ。セーフモードで呼び出しはかけているが反応はないな」

琴里「予想外のトラブルね……仕方ないわ。多少の危険はあるけど、士道は強制ログアウトさせて。このままの方がよっぽど危険だわ」

令音「……無理だ」

琴里「どうしてよ!?」

令音「それは既に試しているんだが、こちらからの動作には一切反応が無いんだ」

と、緊迫した状況に置かれている中、この二人が遅れて到着した。

一方「やっぱここだったか」

上条「お、みんな揃ってるな。何かやってるのか?」

一方通行と上条当麻だ。二人は作りかけのカレーライスのまま全員が出かけていることに疑問を覚えてここに来たのだ。

だが、少なくても楽しい雰囲気では無さそうだ。

上条「どうしたんだ?」

一方「また精霊でも出たのか?」

十香「当麻!あーくん!実は士道がゲームから出られなくなって大変なのだ!!」

……すまん、その言い方だと士道がネットに篭りっぱなしで部屋に引きこもってニート生活を送ってるみたいに聞こえるぞ。

上条「……上条さんにその言葉を理解させるのは難しいですよ?」

一方「心配すンな上条。俺もこればっかりはなに言ってるか分かンねェ」

佐天「……私が一から説明しますね」

と、佐天がこれまであったことを簡潔に説明し出した。

琴里「じゃあシミュレータの強制停止はどう?装置そのものの電源が落ちれば……」

令音「それも難しいだろう。外部からのコマンドは一切拒絶されているようだ」

その隣で、こちらは緊迫した状態が続いていた。

琴里「どういうことよ……おかしすぎる!」

令音「あぁ、ただのバグにしてはどうと症状が奇妙すぎる。今回のものは顕現装置も使用している以上、こういったことになるというのは考えつかない」

琴里「もしかして、外部からの干渉……!?」

謎のNPCのこともあるし、わけが分からないことだらけだ。

しかし〈フラクシナス〉が誰にも気づかれずハッキングされることはまずない。あの一方通行さえバレたのだから。



そして、こちらでは。



上条「……な、なんか……すごいな」

一方「……学園都市も、うだうだしてたら技術力で抜かれンじゃねェか?」

佐天「……今はそれどころじゃないんですけどね」



と言って三人は琴里と令音の方を向いた。まるで夫の余命を宣告した医師とそれを受けた妻のやりとりのようだ。

琴里「じゃあ物理的に離すしか……」

令音「危険すぎる。強引な物理切断では脳に多大な損傷を被る可能性がある」

琴里「じゃあどうすれば……!」

このままでは、士道が帰ってこない可能性も無きにあらずだ。

皆もこの異常な状態の危機を理解したのか、士道の周りに集まった。

十香「シドーはどうなってしまったのだ!?」

よしのん『十香ちゃん、今の話だと強く引っ張って無理矢理起こしちゃうと、士道くんが大変なことになっちゃうみたい』

令音「あぁ、そういうことだ」

四糸乃「そ、そんな……士道さん……」

十香「ではこのままなのか!?このまま、目が覚めないなんてことは……」

それに答えたのは一方通行だった。

一方「無い、とは言い切れないンだろ?」

令音「………あぁ」

四糸乃「そ、そんなの……だめです、いやです!」

耶倶矢「っ……夕弦。士道は、大丈夫……だよね?」

夕弦「……不安。夕弦も同じ気持ちです、耶倶矢」

美九「だーりん……!」

ここに来て、また別の問題が発生しつつあった。

令音「……まずいな。精霊達の状態が急激に悪化している」

琴里「そうね……自分の目の前でこんなことが起きたんだもの。無理もないわ。でも、士道が動けない状態で彼女達が暴走したら対処する方法がないわ。早く士道をなんとかしないと」

佐天「令音さん、何とかならないんですか?例えば……誰かが一緒に仮想世界に入るとか……」

令音「…………ん?まさか」

佐天「え?」

令音は佐天の言葉を聞いて何かに気づいたような素振りを見せたかと思うと急いでパソコンの前のキーボードを動かした。

少しして。

令音「……これか」

琴里「何か分かったの?」

令音「わかったとは言えないが、〈フラクシナス〉のメインコンピュータ内にイレギュラーな存在が確認できた」

美九「サーバー攻撃ってやつですかぁ?」

令音「……先ほども言ったように〈フラクシナス〉にハッキングをかけることは不可能だ……人間にはね」

夕弦「疑問。どういうことですか?」

よしのん『人間じゃなければ、できるかもしれないんでしょう?つまりそういうことじゃないのぉ?』

佐天「……精霊、ですか?」

令音「そうだ」

精霊……それも未確認の精霊に限る。確かに機械に強い精霊というのはどこか不思議な気もするが、実際に美九の能力もかなり特殊なものなので、機械に強い精霊がいても不思議ではない。

令音「しかし、どうやら精霊と呼ぶのも少し違うかもしれない」

琴里「どういうこと?」

令音「この精霊は現実世界で現界していない。データ自体に霊力があるような感じだ」

琴里「データ上のみで活動してるってこと!?……そんな特殊なことがーーいや、人工的な精霊ってことは……」

令音「……私も実はその可能性があると考えていた。精霊の霊力を悪用するDEMのような組織であればそういったものを生み出していても不思議ではない」

本当、学園都市の二歩先行ってそうな技術の発展だ。やることのレベルがまるで違う。

琴里「これが本当なら、〈フラクシナス〉のセキュリティを抜けられた理由もわかるわ」

勿論〈フラクシナス〉のコンピュータを操れる人間ーーつまり内部の人間がやった可能性もあるが、琴里を売るマネをするやつはここにはいないだろう。

琴里「これは戦争よ。ーーそいつと私の戦争(デート)だわ」




そして最も疑わしいのは、先ほど士道が出会った少女。




ここまで情報が集まれば何かしら突破口があるだろう。

令音はパソコンへ向かい、琴里はいろいろな可能性を考えていた。











佐天が言ったあのことが一番の解決方法だと気づくのはもう少し後のことだった。






 
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