【フェアリーテイル】星の導きのままに<私は…僕は、罪深き星霊だから…>
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出逢い編
Storia-雪ノ日-
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任務帰りだった。魔物を退治する至極簡単な仕事で、一人で出向いていた。
生憎依頼者の話が長すぎて終電を逃したが。ホテルも満杯。野宿しようにもこの地域は雪がよく降るらしく、地面は白い花弁で埋めつくされているのだ。チッ、どうすればいいか。
少しでも雪から逃れてぇ。その一心から、薄暗い路地裏に身を潜め、
倒れている女を見つけた。
声を掛けた。さすがに放っておけるねぇだろ。あの暑苦しい桜色を思い浮かべながら、女を揺さぶる。
「…っ、あぅ」
死んではいない。視点はゆらゆらしていて、まるで死人みてぇ。そう思うと同時に、
なんて綺麗なんだろうと感嘆した。
ハニーブラウン色の柔らかな髪。
黒曜石のように純黒な瞳。
薄汚れてはいるが白く、滑らかな肌。
細くしなやかな身体。正に完璧なルックス。
「っう…」
「、あっ…」
女の苦しそうな声にはっ、と我にかえる。
そうだ。見惚れてる場合じゃねぇ。どっかに運ばねぇと…って、どこにだ。
兎に角、屋根がある場所に運ばねぇと。
下手したら寒さで凍死する。コートを脱いで、女に被せると女にとっては不本意かもしれねぇが姫抱きをした。驚く程、かりぃ。何日食ってねーんだ。
とりあえず、来る途中で見かけた喫茶店に行こうと踵を返し、向かった。
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