英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート
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第23話
~カレイジャス・ブリーフィングルーム~
「かつてクロスベルの”太陽の砦”にて肉体ごと消滅した”D∴G教団”司祭ヨアヒム・ギュンターが亡霊となって、今度はエレボニアに現れるなんて……!」
「それほどまでに彼の者は未練を残しているという事ですわね。」
「………………ふぅん。あの時この世から完全に抹消したと思ったけど、亡霊になってまでまだこの世に留まっているんだ。しかも”貴族連合”を手駒にするとか、やる事も全然進歩していないわね。」
事情を聞き終えたエリゼは驚きの表情で呟き、シグルーンと共に真剣な表情で呟いたレンは呆れた表情で溜息を吐き
「……我々にとっても他人事ではありませんね。」
「ええ…………ヴァイス様達の話によると”D∴G教団”の目的は…………」
「さすがに”D∴G教団”を放置する訳にもいかないから、ちょっと困ったわねぇ……ロイド君達にとっても嫌な情報になるでしょうね。」
リ・アネスの言葉に頷いたマルギレッタは不安そうな表情をし、ルイーネは疲れた表情で溜息を吐いた後真剣な表情で考え込んでいた。
「”グノーシス”で領邦軍の兵士達を強化されたら、洒落にならない事になるでしょうね。」
「ええ……それに被害が領邦軍だけならまだマシですが、最悪の場合市民達にも投与されて人質にされる可能性も考えられます。」
「それどころか、下手したら領邦軍や市民達で人体実験をする可能性だってあるぞ……」
「今回のメンフィルの襲撃によって様々なものを失って、劣勢になった事で追い詰められたカイエン公でしたら状況を覆す為に”グノーシス”に頼る可能性も十分に考えられますわ。」
「そうだよね~。今の”貴族連合”の状況も”特務支援課”によって”黒の競売会”を滅茶苦茶にされて、一気に追い詰められた”ルバーチェ”と似た状況だし。」
サラ教官とクレア大尉、トヴァルは厳しい表情で考え込み、シャロンの推測にミリアムは頷いて静かな表情で呟いた。
「クッ……カイエン公が早まらないとよいのだが……!」
「………………」
「じ、人体実験……」
「そ、そんな………」
「………”試練”の時という事かもしれんな……」
「あなた……」
レーグニッツ知事は唇を噛みしめ、アルゼイド子爵は重々しい様子を纏って黙り込み、セドリック皇太子は信じられない表情をし、アルフィン皇女は悲痛そうな表情をし、重々しい様子を纏って呟いたユーゲント三世をプリシラ皇妃は心配そうな表情で見つめた。
「……………レン姫、”D∴G教団”は国際的にも大問題になった凶悪な狂信者達の集団です。俺達が責任を持ってその亡霊と化した教団の司祭―――ヨアヒム・ギュンターを討伐しますので、”戦争回避条約”によって設けられた猶予期間を少しでも伸ばして頂く事はできないでしょうか?」
「に、兄様……?」
「ぼ、僕達であのヨアヒムとか言う亡霊を討ち取るのか!?しかもその”D∴G教団”って言う所は悪魔を従えているって話だろう!?」
「フン、相手はたかが一人の上、こっちには亡霊や悪魔に対して有効な武器もある。わざわざ軍に頼らなくても俺達でも可能なのに何故怖じ気つく必要がある。」
「ん。内戦を終結させる事と比べれば、達成できる確率は各段に上昇する。」
レンを見つめて問いかけるリィンをエリスは戸惑いの表情で見つめ、マキアスが驚いている中、ユーシスは鼻を鳴らして呟き、フィーは静かな表情で同意した。
「それもあるけど、そう言った事を解決する事こそが”第三の風”である俺達の役目なんじゃないか?」
「あ……………」
「………確かにリィン君の言う通りだね。」
「うん……!」
「オレ達だからこそ解決できる事という事だな。」
「はい……!今のわたくし達ならできますわ……!」
リィンの話を聞いたアリサは呆け、静かな笑みを浮かべるジョルジュの言葉にトワは嬉しそうな表情で頷き、ガイウスとセレーネは口元に笑みを浮かべ
「というか要求するなら猶予期間を伸ばす事じゃなくて、絶対にメンフィルとクロスベルがエレボニアに攻めて来ないように要求した方がいいんじゃないの?」
「セ、セリーヌ。」
セリーヌの指摘を聞いたエマは冷や汗をかいた。
「本音を言えばそうしたいけど、幾ら何でもそれだけの理由では戦争を止めるには不十分だ。レン姫、1日でも構いませんのでどうか戦争回避条約によって設けられる猶予期間を伸ばして頂けないでしょうか?お願いします……!」
「…………今パパに相談するから、少しの間だけ席を外させてもらうわ。」
リィンに嘆願されたレンは考え込んだ後通信機を取りだして部屋から退出した。レンを待っていたリィン達だったが、1時間経ってもレンは戻って来なかった。
~1時間後~
「遅いわよね、レン姫……出て行ってからもう1時間は経っているわよ?」
「さすがに”D∴G教団”となると、メンフィルにとっても他人事ではありませんから、話が長引いているかもしれませんわね。」
不安そうな表情をしているアリサにシャロンは自身の推測を口にし
「……しかしまさか外道の集団共の存在でエレボニアが存続できる可能性を高める事ができるかもしれない事になるとはな……」
「ちょっと複雑だよね……」
重々しい様子を纏って呟いたラウラに続くようにエリオットは複雑そうな表情で答えた。
「―――エリス、今の内に貴女も協力する件を教えたらどうかしら?」
「あ…………はい!」
エリゼに視線を向けられたエリスは頷き
「え…………」
「!?協力するって……まさか俺達にか!?」
エリスの言葉を聞いたアルフィン皇女は呆け、リィンは血相を変えた。
「はい。兄様と姉様の妹として……姫様の”友人”として、兄様達の御力になりたいのです。」
「エリス…………」
「……ユミルの時にも忠告したと思うけど、遊びじゃないのはわかっているわよね?」
エリスの意思を聞いたアルフィン皇女は呆け、セリーヌは真剣な表情で問いかけた。
「勿論わかっています。皆様と比べれば実戦不足ですが、決して皆様の足手纏いにならないように、日々精進し続ける所存であります。幸いにもシグルーン様が実戦不足な私をフォローし、更には稽古もつけて頂けるとの事です。」
「なっ!?シグルーン中将閣下、今の話は本当ですか!?」
エリスの答えを聞いて驚いたリィンは信じられない表情でシグルーンに尋ね
「ええ。エリスさんは私や夫のゼルギウスにとってリフィア殿下を支える大切な仲間であるエリゼの妹…………エリゼの仲間として、期間以内の彼女のフォロー等は私が受け持ちますわ。」
シグルーンは微笑みながら答えた。
「だ、だけどさんざん父さん達に心配もかけてしまった事だし……」
その時リィンが反論したが
「父様達には勿論私の意思を話して兄様達の助力をする許可を頂け、応援の言葉も承りました。それに父様からも『エリスがいればリィンも”パンダグリュエル”に一人で向かったような無茶はもうできないだろう』とのお言葉も承っています。」
「うぐっ……」
「フッ、確かにその通りだな。」
「フフッ、やはり親子だけあってお見通しですわね。」
「ま、確かに仲間の為だと暴走癖があるリィンのストッパー役がいるのはあたし達としても助かるわね。」
エリスの答えを聞いて唸り声を上げ、ユーシスは静かな笑みを浮かべ、セレーネは微笑み、サラ教官は口元に笑みを浮かべた。
「リィン、いい加減認めてあげなさいよ。」
「兄の為に力になろうとしている妹の決意を無下にするのは兄として失格だと思うぞ?」
「それに傍で護った方が安心できると思いますわよ♪」
「フッ、覚悟を決めたまえ、リィン君♪」
「勿論わたくしはエリスがリィンさん達の”協力者”として”カレイジャス”に乗船する事は大賛成ですわよ、リィンさん♪セドリックも賛成でしょう?」
「アハハ……うん。」
「危険な目にあっていながらも、そなたの力になろうとする彼女の決意を無下にするべきではないと思うぞ。」
「それにエリス君が危険な目にあったからこそ、今度は自分の手で守る為に傍に置いた方がいいと、私は思うよ?」
更にアリサやラウラにシャロン、オリヴァルト皇子やアルフィン皇女とセドリック皇太子、アルゼイド子爵とレーグニッツ知事もエリスに対する援護をし
「ううっ……わかりました!エリス、お前にも手を貸してもらう!ただし、ユミルの時にも言ったが絶対に無茶はしないこと!約束できるか!?」
「はいっ……!―――皆様、未熟者ですがエリス・シュバルツァー、これより”Ⅶ組”の”協力者”として助力致しますのでよろしくお願いします……!」
ようやく折れたリィンの言葉に頷いたエリスはⅦ組の面々を見回して頭を下げた。
「えへへ……こちらこそよろしくね。」
「フフッ、エリスさんと共闘するのは初めてですね。」
「オレ達と共に内戦終結に向けて頑張ろう。」
「エリスなら大歓迎。」
「よろしくねー!」
「ハハ……兄妹全員が戦うって、ある意味凄い兄妹だな、シュバルツァー家は。」
エリオットやエマ、ガイウスやフィー、ミリアムは仲間達と共にエリスの加入を歓迎し、マキアスは苦笑し
「確かによく考えたらそうだよな……?」
「しかも3人揃って剣を扱うというのも凄い偶然ですね……」
マキアスの言葉を聞いたトヴァルとクレア大尉は苦笑した。
「えへへ……賑やかになりそうだね♪」
「ハハ……そうだね。」
トワは無邪気な笑顔を浮かべ、ジョルジュは苦笑し
「フフ……今回の件でシュバルツァー家の方々には本当にお世話になってしまいましたね。」
「……うむ。あらゆる意味でテオ達には頭が上がらないな。」
リィン達の様子を微笑ましそうに見つめるプリシラ皇妃の言葉にユーゲント三世は苦笑しながら頷いた。
「――――待たせたわね。」
するとその時レンがパントとルイーズを伴って再び部屋に入って来た。
「あら?」
「パント卿!?それにルイーズ様もどうしてこちらに……!」
パントたちの登場にシグルーンは目を丸くし、エリゼは驚きの表情で声を上げた。
「やあエリゼ。大切な家族を無事救出できてよかったね。」
「オリヴァルト殿下達もユーゲント陛下達の救出が無事成功して何よりです。遅ればせながら祝福の言葉を送らせて頂きますわ。――――おめでとうございます。」
パントとルイーズはそれぞれ祝福の言葉をリィン達に送り
「レン姫………どうしてリグレ侯爵閣下ご夫妻もご一緒なのでしょうか?」
「もしかして今までずっと外に待機していたの?」
セレーネとフィーはそれぞれレンを見つめて尋ねた。
「違うわよ。一端転移魔術で”モルテニア”に戻って二人を連れてまた転移魔術でこっちに来たのよ。――――そんな事よりも先程ユーシスお兄さんとアルフィン皇女が持ち掛けた取引、後はリィンお兄さんが嘆願した戦争回避条約の猶予期間の変更についてパパ――――リウイ・マーシルン大使から回答を貰えたからまずは最初にそれを答えるわね。」
レンの話を聞いたリィン達はそれぞれ血相を変えてレンを見つめた。
「まずユーシスお兄さんとアルフィン皇女がそれぞれ今この場でその誓約書にサインをする事や”救済条約”の一部の放棄の件等でそれぞれが要求した対価についてだけど……両方とも受理するとの事よ。」
「!ありがとうございます……!メンフィル帝国の寛大な心に感謝致します……!」
「本当にありがとうございます……!」
「ちなみにどれ程の領地を返還して頂けるのでしょうか?」
レンの答えにユーシスとアルフィン皇女がそれぞれ明るい表情で感謝の言葉を述べている中、クレア大尉は真剣な表情で尋ねた。
「”戦争回避条約”で贈与されるはずであったサザーランドの領地全て並びに今まで”貴族連合”に加担しなかったクロイツェン州の中立貴族が納める領地を返還するとの事よ。なおレン達メンフィルの調べではクロイツェン州の中立貴族が納めている領地は全部で4箇所だけど……言っておくけど、どこも辺境の地よ。」
「”貴族連合”に加担しなかったクロイツェン州の中立貴族が納める領地って事は……!」
「……レグラムはエレボニアの領地であり続けられるとの事だな。」
レンの話を聞いて何かに気付いたアリサとガイウスはそれぞれ明るい表情をし
「アルフィン殿下、本当にありがとうございます。このご恩は一生忘れません。」
「ありがとうございます……!この恩は殿下達をお守りし、内戦を一日でも早く終結させる事で返させて頂きます……!」
「フフ、恩なら既に返し切れない程受け取っていますわ。ですが心強いお言葉、ありがたく受け取っておきますわ。」
アルゼイド子爵とラウラに感謝されたアルフィン皇女は微笑みながら答えた。
「それでリィン君が嘆願した件――――”戦争回避条約”によって設けられる猶予期間の引き伸ばしの件はどうなったんだい?」
「その件については私から説明をさせて頂きます、オリヴァルト殿下。」
「……わかりました。説明の方をよろしくお願いします、リグレ侯爵閣下。」
「フフ、私に対して畏まる必要はありませんので以後私の事は”パント”とお呼びください。爵位や当主の座は既に息子に譲っており、平時の私は気ままに趣味の魔術研究に没頭しているだけの世捨て人ですから。」
「うふふ、戦時になれば智将として頼られる上、メンフィル帝国政府の元”宰相”で今でも時折政治家としての教えを請いに訊ねる人が絶たない人が世捨て人だなんて謙遜しすぎよねぇ?」
「フフ、そうですわね。」
オリヴァルト皇子に指摘したパントの話を聞いたレンの指摘にシグルーンは苦笑しながら同意し
「ええっ!?メンフィル帝国政府の元”宰相”!?」
「政治的立場で言えばリウイ陛下達に次ぐとんでもない大物じゃないか!?」
レンの話を聞いたエリオットとマキアスは信じられない表情で声を上げた。
「エレボニアで言ったら”鉄血宰相”と同じ存在だね。」
「アハハ、オジサンとのギャップがありすぎて、とても元宰相には見えないよね~。」
「ミ、ミリアムちゃん!パント卿に失礼ですよ!?」
フィーは目を丸くしてパントを見つめ、無邪気な笑みを浮かべるミリアムの言葉を聞いたクレア大尉は慌て
「ちなみにパント卿は戦時になれば”総参謀”として、リウイ陛下達に様々な軍略を提案し、メンフィル軍を勝利に導き続けて来た事でメンフィル一の智将として称えられている方です。……兄様もパント卿の事を耳にした事はありませんか?」
「ああ。知略に長けているだけでなく、剣術も修め、更に魔術に関してはペテレーネ神官長に次ぐ実力を持っているとの話も聞いた事がある。」
説明を捕捉したエリゼに視線を向けられたリィンは静かな表情で答えた。
「ええっ!?感じる霊力からして相当な術者である事は察していましたが、剣術も修められているのですか!?」
「ハハ、そちらの”光の剣匠”と称えられている御仁程ではないよ。私の専門は魔術だからね。」
リィンの説明にエマが驚いている中パントは苦笑しながら答え
「そして私はパント様をお守りする為に、戦場では常にパント様の傍で弓矢でお守りしていますわ。」
「こ、侯爵夫人が夫を守る為に自ら戦場に立っているのですか……」
「ホント、色々な意味で”規格外”ね、メンフィルって。」
「侯爵夫人程の高貴な方もそうですが、侯爵が戦場に立つ事なんて、普通は考えられませんものね……」
ルイーズの説明を聞いたセドリック皇太子は信じられない表情をし、サラ教官は疲れた表情で呟き、アリサは苦笑しながら答えた。
「剣術と魔術、両方とも修めている上”総参謀”……色々な意味でルーファスさんと似ている人だな。」
「………………(兄上……)」
静かな表情で呟いたガイウスの言葉を聞いたユーシスは辛そうな表情をした。
「―――話を戻そう。”D∴G教団”の存在はメンフィル帝国にとっても他人事ではないからね。―――その為”戦争回避条約”の猶予期間を伸ばす事をリウイ陛下は先程決められた。」
「ほ、本当ですか!?」
「それでどのくらい伸ばして貰えるのでしょうか……?」
パントの話を聞いたトワは明るい表情をし、セレーネは期待が籠った表情でパントを見つめた。
「”本来の猶予期間”―――――”クロスベル帝国建国後、メンフィルがクロスベルと共にエレボニアに侵攻するまで”だったが……”クロスベル帝国建国から14日間”まで伸ばすとの事だ。」
「という事は猶予期間が2週間も伸びたのか……!」
「クロスベル帝国建国もすぐではないでしょうし、貴族連合がメンフィルの襲撃によって大損害を受けた今の状況ならば2週間も伸ばして貰えればほぼ確実に内戦を終結させられるでしょうね。」
「はい……!フフ、エレボニアはまたリィンさんに助けられましたね。」
パントの答えを聞いたトヴァルは驚き、シャロンの言葉にクレア大尉は明るい表情で頷いた後苦笑し
「……うむ。アルフィンが嫁ぐ男性がお主で本当によかった……猶予期間を伸ばすように進言してくれた事……心から感謝する。」
「本当にありがとうございます……」
「そ、そんな!?俺は大した事はしていないですよ!だから頭を上げてください!」
ユーゲント三世とプリシラ皇妃に頭を下げて感謝されたリィンは慌てた様子で答え
「フッ、さすがは私の未来の義理の弟だね♪」
「あ、兄上。」
「もう、お兄様ったら……」
からかいの表情でリィンを見つめるオリヴァルト皇子にセドリック皇太子は冷や汗をかき、アルフィン皇女は苦笑していた。
「更に私とパント様もシグルーン中将と共に”Ⅶ組”に協力し、ヨアヒム・ギュンターを討ち取れとの事です。」
「ええっ!?そ、それじゃあパント卿達も僕達に力を貸してくれるんですか!?」
「……そんなとんでもない人物まで僕達に協力させるようにしてくれるなんて、メンフィルはよっぽど”D∴G教団”を滅ぼしたいんだろうね。」
「……まあ、数年前に世界各地で起こったあの大事件を考えれば当然の反応よ。」
ルイーズの話を聞いたエリオットは驚き、重々しい様子を纏って答えたジョルジュにセリーヌは目を細めて答えた。
「―――そう言う訳だから、二人も”Ⅶ組”に協力する事になったからそっちの”戦力”として数えていいわよ。それと当然だけど二人もシグルーンお姉さん同様”監視役”も務めている事に加えて、協力する期間もシグルーンお姉さんと同じだからね。――――さてと。早速”妥協案”を実行してもらうからユーシスお兄さんとアルフィン皇女はそれぞれの誓約書に、ユーゲント皇帝は”戦争回避条約”と”救済条約”にサインをして。」
その後ユーゲント三世達はそれぞれの書類にサインをした。
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