先輩
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八章
だが銃を持っていた、一人は拳銃、そして。
残る一人はショットガンを持っていた、そのショットガンを持っている犯人を見てだ。
宗男はすぐにだ、潤に言った。
「あいつだ!」
「はい!」
「まずあいつを何とかしろ!」
「わかりました!」
言いつつだ、すぐにだった。
潤は前に突っ込んだ、犯人は二人共銀行の窓のところにいたが。
その方に突っ込みだ、まずは銀行のカウンターの物陰の方に突っ込むが。
その彼にだ、宗男は叫んだ。
「撃つ前にだ!」
「はい、こっちがですね」
「撃て!」
「はい!」
潤は宗男の言葉に頷き、そして。
ショットガンを持っている犯人の肩を撃った、物陰に向かって突き進みつつ。
犯人はショットガンを今まさにだった、潤に向かって放とうとしていたが。
その右肩を撃たれた、引き金を引く直前に。
それで銃を痛みで落としてだ、引き金からも指を離してしまった。
もう一人の犯人も拳銃を向けていた、しかしその犯人には。
宗男が扉のところからだ、犯人の左手の肘の近くをだ。
撃った、その銃撃は直撃して犯人を痛みで動けなくした、これで犯人達が動きを止めたが。
宗男はそれでもだった、潤に言った。
「まだだ!」
「はい、今度は」
「ホシから拳銃を引き離せ」
そのショットガン、それに拳銃をだ。
「いいな」
「撃ってもですね」
「それでもだ」
それこそというのだ。
「用心するんだ」
「そうですね、じゃあ」
順は宗男の言葉に頷いてだ、実際にだった。
ショットガンを取り上げた、そして。
宗男ももう一人の犯人の拳銃を確保した。するとすぐにだった。
潤は銀行の外に対してだ、こう叫んだ。
「犯人確保、全員です!」
「銃も確保しました!」
宗男も叫んだ。
「人質の人は全員無事です!」
「後はお願いします!」
二人で言った、その言葉を受けてだった。
署長は人質の保護と犯人達の連行を命じた、これで事件は終わった。そして後日だった。
二人は表彰され何かと貰った、だが。
潤は宗男にだ、ある日仕事帰りに一緒に居酒屋で飲んでいる時に言った。
「いや、銀行の時は」
「御前思ったより無鉄砲に動かなかったな」
「先輩がいたからですね」
そのせいでというのだ。
「だからだと思いますよ」
「俺がいたからか」
「はい、確かに俺無鉄砲です」
自分からだ、彼は言った。大ジョッキでビールを飲みつつ。
「けれど先輩がいたら」
「それでか」
「はい、いつもよりそれが抑えられてて」
それでというのだ。
「先輩もフォローしてくれるので」
「それでか」
「いつもよりもです」
「無鉄砲じゃないです」
「そうなんだな」
「はい、自分ではそう思いますけれど」
こう宗男に話すのだった。
「自分では」
「そうか、じゃあ俺がいないとか」
「俺あの時もあんなによく動けないで」
それでというのだ。
「下手したら死んでますね」
「というかとっくに死んでるかもな」
笑ってだ、宗男も言った。
ページ上へ戻る