英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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第67話
~ステラリウム・揺籃区画~
「……………」
”紺碧の剛鬼”イシュタロスは自分に向かって来たカファルーとエステルに向かって突進した!
「グオッ!!」
しかしカファルーも突進して敵の攻撃を受け止め
「とりゃぁっ!聖炎棍!!」
カファルーが敵の攻撃を受け止めている間にエステルがクラフトを放って、ダメージを与えた!
「…………!」
対する敵はその場で大きく地面を踏んで、地震を起こした。すると巨大な氷柱が敵の周囲に生えた!
「わわっ!?」
「!?」
敵の攻撃をエステルは慌てながら回避し、敵の攻撃を受け止めていたカファルーはダメージを受け、敵から離れた後
「グオオオオオオッ!!」
身体中に怒気を纏った後ブレス―――獄熱ブレスを敵に放った!
「………………」
対する敵は口からなんとすざましい氷のエネルギーのブレスを放って敵のブレスを相殺した!
「ティアラル!!」
一方エステルはアーツでカファルーの傷を回復した後
「とりゃぁぁっ!紅燐撃!!」
クラフトを放った!クラフトを受けた敵だったが頑丈な身体をしていた為、あまりダメージを受けていなかった。
「グオオオッ!!」
そこにカファルーが飛び上がった後クラフト―――爆炎スマッシュで強襲した!
「!?」
カファルーの攻撃を受けた敵はダメージを受けて怯み
「燃えなさい!火球!!」
エステルが放った魔術も追撃に受けた!
「………………」
エステルの攻撃を受けた敵はなんとその場で回転した!
「グオッ!」
敵の攻撃に気付いたカファルーは飛び上がって回避して、一端後退して地面に着地した。
「聖槍!!スパイラルフレア!!」
カファルーが着地すると同時にエステルは魔術とアーツを同時に放って、敵にさらにダメージを与えた。
「――――――!!」
一方攻撃を受け続けた敵は叫び声を上げた後、なんと広範囲の足元を凍らせ突進して来た!
「わっ、わっ!滑る………!」
敵の行動を見て回避しようとしたエステルだったが、足元が凍っていた為、うまく動けず、敵の突進を受けてしまった!
「あうっ!?」
敵の攻撃を受けたエステルは吹っ飛ばされ、それを見た敵は再びすざましい氷のエネルギーのブレスを放った!
「グオオオオッ!!」
しかしカファルーも再び炎のブレスを放って、対抗して敵の攻撃を相殺した!
「っつ~!?よくもやってくれたわね…………!っと、その前に………闇の息吹!!」
一方吹っ飛ばされて壁に当たったエステルは痛みに呻きながら敵を睨んだ後、自分の傷を回復した。
「………………」
カファルーに目標を変えた敵は再び地面を強く叩き付けて、氷柱を発生させた!
「グオッ!」
しかし敵の行動を予想していたのかカファルーは一端下がって回避をした後
「グオオオオオオッ!!」
クラフト―――紅蓮の翼を放って反撃をした!
「………………」
対する敵は地面が凍りついているにも関わらず、滑らずに素早い動きで回避した!
「カファルー!あたしの目の前の地面の氷を溶かして!」
「グオッ!グオオオオオオッ!!」
一方エステルの指示を聞いて頷いたカファルーは炎のブレスを放って、エステルの目の前にある地面の氷を溶かした!
「ありがとう、カファルー!とっておきを見せてあげる!はあああ!たぁっ!」
それを見たエステルは自分自身にすざましい闘気を溜めた後、回転しながら跳躍し
「グオオオオオオオオオオオオオ―――――ッ!!」
カファルーは雄たけびを上げた後、全身にすざましい炎を纏った後
「いくわよ!奥義!鳳凰烈波!!」
「グオオオオオーッ!!」
エステルのSクラフトによる鳳凰と共に自分のSクラフト―――炎獣王の突炎撃を放った!そしてSクラフトによる鳳凰と炎の獣は同時に敵に命中した!
「―――――――!!」
すると敵は叫び声を上げながら身体全体を爆発させ、消滅して元の姿―――エリスレットに戻った!
「うふふ………死んじゃえ――!!」
パテル=マテルと共に”紅蓮の魔帝”アルマダリエスに向かったレンは先制攻撃替わりにクラフトを放って敵にダメージを与え
「パテル=マテル!機関銃用意!」
「…………」
レンの指示によってパテル=マテルは異空間からティータが持っているような大型の銃を召喚して両手にそれぞれ一丁ずつ持ち
「撃ちなさい(ファイアー)!!」
「――――!!」
レンの指示によって両手にある銃から導力のエネルギー弾と魔導のエネルギー弾を怒涛に連射して放った!
「!?」
異空間召喚システムを利用し、両手に導力、魔導銃を召喚して敵に怒涛の如く放つパテル=マテルのクラフト―――ダブル・ファイアドレイクが命中した敵は怯んだ!
「うふふ♪背中ががら空きよ♪」
それを見たレンは敵が怯んでいる隙を狙って、敵の背後に回り
「そ~れっ!!」
クラフト―――断命の大鎌を放とうとした!
「――――!!」
「きゃあっ!?」
しかしその時敵は後ろ両脚を蹴り上げて炎の衝撃波を発生させて、レンにダメージを与えた!
「―――――」
その様子を見たパテル=マテルはクラフト―――リバイバルビームを放ってレンの傷を回復した!
「うふふ………やってくれたわね♪」
一方レンは敵から距離を離れた後、殺気を纏わせ目は笑っていない状態で敵を睨ん後パテル=マテルに指示をした!
「パテル=マテル!ダブルクラッシャーパンチ!!」
「――――!!」
するとパテル=マテルの両腕が外れ、外れた両腕はなんと敵に向かって突進した後、元に戻った!
「!?」
両腕から同時にロケットパンチを放つクラフト―――ダブルクラッシャーパンチを受けた敵はまたもや怯み
「玄武の鎌撃!!轟雷!!ラストディザスター!!」
その隙を狙ったレンが次々とさまざまな遠距離攻撃を怒涛に放った!
「…………………」
そして敵は足元から小型の爆弾らしき物を転がし始めた後、両肩についている砲口にエネルギーを溜め始めた!
「パテル=マテル!パトリオットフィールド展開!!」
それを見たレンはパテル=マテルの肩に飛び乗った後指示をした。
「――――!!」
するとパテル=マテルに巨大な透明な壁が纏った!
「―――――!!」
そして敵は砲口からすざましい炎のエネルギーを放ち、爆弾らしき物は一斉に爆発を起こした!しかし敵の攻撃は物理攻撃を数回防ぎ、さらにアーツも跳ね返す防壁を貼るパテル=マテルのクラフト―――パトリオットフィールドによって全て防がれた!
「うふふ………パテル=マテル。連携モード発動!」
その様子を見ていたレンは再び指示をした。するとパテル=マテルの片手には大型の導力の機関銃が、もう片方の手には巨大な戦斧が握られ
「殲滅しなさい(ゴー)!!」
「―――――!!」
レンの指示によって片手の銃を連射して敵を怯ませた後、もう片方の手に握っていた戦斧を豪快に振り下ろして敵に大ダメージを与えた!
「―――――!!」
銃で敵の動きを封じ、戦斧の一撃で葬る流星の如きパテル=マテルの連携技にしてSクラフトの一つ―――αライアットスターを受けた敵は悲鳴を上げた後、自分の周囲にマグマを発生させ、衝撃波やレーザーを次々と放ち始めた!
「うふふ、最後の足掻きって所かしら。」
しかしパテル=マテルはレンを乗せて空中へと飛び上がったので敵の攻撃は届かず、その様子をレンは口元に笑みを浮かべて見つめていた。
「パテル=マテル!最終殲滅モード発動!」
「……………!!」
そしてパテル=マテルはレンの指示によって両肩に付いている巨大な砲口にすざましいエネルギーを溜め始め
「炎よ!氷よ!雷よ!大地よ!光よ!闇よ!そして無よ!今ここに全て具現せよ!」
レンは全身に魔力を纏って詠唱をした後、自分とパテル=マテルの背後に無数のさまざまな属性の武器達を召喚し
「ダブルオメガバスターキャノン発射!!………さあ!お茶会の始まりよ!虹の門!!」
「―――――!!」
導力と魔導のエネルギーを合わせた事によって超越した威力を叩きだすエネルギーを両肩の砲口から放つパテル=マテルのもう一つのSクラフト―――ダブルオメガバスターキャノンと共にSクラフト――”虹のお茶会”の強化Sクラフト―――”虹の門”を放ち
「うふふ………これで終わりよっ!!」
最後に指を鳴らして炎、冷却、雷、地、暗黒、神聖、純粋が全て混ざった大爆発を起こした!
「――――――!?」
1人と1体のSクラフトを受けた敵は叫び声を上げながら身体中爆発をさせて、消滅して元の姿―――ネメアスに戻った!
「………………」
”琥珀の暴翼”ライギヴァーンは自分に向かって来るドラギオンに乗ったレーヴェに突進した!
「せいっ!!」
しかしドラギオンは敵の側面を抜けて回避し、レーヴェは側面をすり抜ける際に剣を振るってダメージを与えた!
「………………」
攻撃を受けた敵は方向転換をして竜巻を放った!
「フッ。その程度でドラギオンを捉えられると思うな。………かかれ。」
それを見たレーヴェは不敵な笑みを浮かべてドラギオンに指示をした。
「……………」
するとドラギオンは竜巻を回避してクラフト―――エレクローで殴り掛かった!
「!!」
攻撃に気付いた敵は命中する瞬間に回避したが
「そこだっ!!」
「!?」
レーヴェが放ったクラフト―――零ストームが命中してしまい
「アセンション!!」
続けて放ったレーヴェのアーツが命中してさらにダメージを受けて怯んだ!
「…………」
その隙を狙ってかドラギオンはクラフト―――ブランスマッシュによる高速の突進で攻撃を仕掛けたが
「……………」
敵は回避をした後、口からエネルギーのレーザーを放った!
「―――!!」
対するドラギオンもクラフト―――ハイパーレーザーを放って相殺し
「…………」
その場で滞空してクラフト―――AAキャンセラーを放った!
「!?」
ドラギオンが放った降り注ぐエネルギーの槍に命中した敵は怯んだ後
「――――!!」
竜巻を放った後、猛スピードで突進して来た!
「………………」
しかしドラギオンは俊敏な動作で敵の連携攻撃を全て回避し
「むん!受けて見ろ、荒ぶる炎の渦を…………鬼炎斬!!」
ドラギオンに乗っているレーヴェはその場でSクラフトを放った!
「!?」
Sクラフトによるすざましい斬撃を受けた敵は大ダメージを受けて怯み
「―――――!!」
その隙を狙ったドラギオンが砲口にすざましい導力エネルギーを溜めた後解き放つSクラフト―――ハイパー波動砲を放った!
「――――――!?」
Sクラフトを受けた敵は叫び声を上げながら身体中爆発をさせて、消滅して元の姿―――ギオに戻った!
「………………」
”翡翠の剣王”グラドリオンは自分に向かったケビン達に複数の鋭い風の輪を放った!
「それっ!」
敵の攻撃を見たナユタは肩にノイを乗せてジャンプして回避し
「危なっ!?」
ケビンは地面にうつぶせて回避し
「クー!!」
強靱な竜の鱗を持つクーはダメージを受けず、反撃代わりに敵に近づいてクラフト―――薙ぎ払いを放った!
「……………」
対する敵も爪を振り回してクーの攻撃を相殺し、クーに突進した!
「クー!!」
突進されたクーは迎え撃つかのように巨大な身体で突進して来た敵を受け止めた!
「奥義―――散蓮華!!」
「そこやっ!はぁっ!そらっ!これでもくらえやっ!!」
そこにナユタとケビンがそれぞれの武器で敵に襲い掛かってダメージを与え
「やあっ!クリスタルランス!!フルールエッジ!!」
ノイが季節魔法を次々と放って追撃し
「クー!!」
クーがクラフト―――極突刺の氷牙で敵の身体に噛みついた!
「―――!?」
4人の攻撃を受けた敵は悲鳴を上げた後、一端下がって吼えた!するとケビン達の頭上から無数の雷が落ちて来た!
「あいたぁっ!?」
「クー!?」
敵が放った落雷によってケビンとクーはダメージを受けたが
「……………」
「私達には効かないの!」
ナユタとノイは雷を次々と回避して敵に近づき
「えい!それ!やあっ!!」
ナユタは剣で次々と攻撃を放ち
「ルナ・バタフライ!!ヘイルストーム!!ブリザード!!」
ノイがアーツを次々と放ってさらにダメージを与えて敵を怯ませた!
「今、助けたる!そらっ!!」
その間にケビンがクラフト――セイクリッドブレスで自分達の傷を回復した後
「ほれっ!ブルーアセンション!!」
クラフトを放つ前に駆動をさせていたオーブメントでアーツを放ってダメージを与えた!
「クー!!」
一方クーもクラフト―――アクアブレスを放って敵にダメージを与えると共に吹っ飛ばした!
「……………」
吹っ飛ばされた敵は怯んだ後、なんと空へと飛び上がり、さらに身体を変型させて宙に浮きながら雷を落とすと同時にケビン達の周囲に気流を発生させた!
「チッ!気流に阻まれている上、この落雷………狙いが定まらん上、攻撃が当たらへん………!」
空を飛んだ敵に次々と矢を放ったケビンは自分と共にブレスを放っているが気流に阻まれて攻撃が明後日の方向に受け流されたり、相殺され、さらに落雷を回避する為に狙いが定まらな事に舌打ちをした。
「ノイ!」
「わかっているの、ナユタ!」
一方ナユタはノイと共に気流に向かって行った。気流に向かって行くナユタ達に雷が落ちたが
「させないの!!」
雷に気付いたノイがクラフト―――ギアシールドで自分達の身を護った!そして2人は気流を利用して上昇し
「ギアホールドなの!」
なんとノイが敵の身体の背後に浮かんでいる光の歯車にぶら下がり
「えいっ!やあ!はあっ!!」
ノイに掴まったナユタが敵の背後を何度も斬りつけた!
「――――!?」
すると敵は悲鳴を上げた後、地面に落下し
「クー――――――――ッ!!」
その様子を見た後、放ったクーのSクラフト―――ユン=ステリナルブレスを受け、身体全体が凍りついた!
「はぁぁぁぁぁ…………滅!!」
それを見たケビンがクラフト―――デスパニッシャーで襲い掛かってダメージを与えた!
「ノイ!!」
「ナユタ!!」
一方落下して行く敵から離れて、地面に着地したナユタとノイはお互いを背中合わせにして声をかけた後
「やぁぁぁぁ………!!」
ナユタが敵に斬りかかって何度も敵を攻撃し
「後は任せて………!!」
ナユタが攻撃を終わるとノイは次々と様々なアーツを放って敵を怯ませ
「これで………!」
ノイは身体全体に魔力を纏った後、魔力を解放して魔力の竜巻によって巨大な敵の身体を宙へと打ち上げ
「終わりだっ!」
ナユタはその場で剣を振るって、巨大な闘気の刃を宙に打ち上げられた敵に放ち、さらにノイと共に敵よりさらに上に跳躍し、剣を振り降ろしながら落下し、ナユタの傍にいるノイはナユタの剣に自分の持つ特殊な属性の魔力―――”春”、”夏”、”秋”、”冬”を込め、ナユタはその剣で敵の身体に風穴を空けながら着地した!すると風穴が空いた場所に大爆発が起こった!その技は最高の相棒たちが放つ協力技!その技とは………!
「「アルス・ノヴァ!!」」
「―――――――!?」
二人が放った協力技―――アルス・ノヴァを受けた敵は叫び声を上げながら身体中爆発をさせて、消滅して元の姿―――アルゴールに戻った!
「カッカッカ!完膚なきにやられたわい!」
「やれやれ………そんな巨大魔獣や機械人形を連れて来るなんて、そっちの方が反則じゃない………」
「見事………」
「フフ………完敗ですね。」
戦闘が終了し、元の姿に戻ったギオは大声で笑い、エリスレットは溜息を吐き、アルゴールは静かに呟き、ネメアスは上品に笑っていた。
「あはは………皆さんの協力がなければ、さすがに勝てなかったと思いますよ。」
「さすがに私とナユタの二人きりで4人同時相手は無理なの。」
一方ナユタは苦笑し、ノイはナユタの言葉に頷いた。
「じゃが、安心したわい。お前達の以前と変わらぬその絆………強さ………」
「しかも今回の件で本来出会うはずのなかった人達との絆もでき、それらもさらに強くなった………」
「これなら例えもう一度”彼女”と戦う事になっても大丈夫ですね。」
「…………小さき勇者よ………お前はあの時と違い………一人ではない。それを決して忘れるな………」
「はい!」
(一体誰の事を言っているんだろう………?)
4人の管理者たちの言葉を聞いて力強く頷いたナユタをノイは不思議そうな表情をして見つめていた。そして管理者達は光と共に消えようとした。
「あ…………」
「今回で本当のお別れ………ですね………」
それを見たノイは声を上げ、ナユタはわずかな悲しみを見せた表情で呟いた。
「悲しむでない。本来ならわしらとお前達はもう2度と会う事はなかった。」
「”影の王”によって用意されたあたし達だけど………それでもあなた達と再び会えて嬉しかったわよ!」
「ええ………それに元に戻ったノイとも再び会えましたしね。」
「悔いはない………」
「みんな……………」
4人の言葉を聞いたノイは一筋の涙を流して4人を見回した。
「さてと………消える前に…………最後にするべき事があるわ。」
「あの時と同じように我等に残る全ての力を授けよう………」
「”クロノブレード”を掲げるのじゃ、ナユタ。」
「はい。」
エリスレット、アルゴール、ギオの言葉を聞いたナユタは自分の剣―――クロノブレードを掲げた。それを見た管理者達はそれぞれ両手に光を放ってかざした!するとクロノブレードは輝き始めた!
「私達の力を増やした事により、その剣をさらに強化しました。今ならその剣に秘められた真の力―――星の力を引き出す事も可能です。」
「どうやったら真の力を引き出せるの?」
ネメアスの説明を聞いたノイは首を傾げて尋ねた。
「お前達の異界の仲間―――”星”を司る女神なら、例え異界の力でもその剣の真の力を引き出せるだろう………」
「”星”を司る女神って………もしかしてサティアさん!?」
「そういえば、自己紹介の時に言ってたな…………”オリンポスの星女神”て。」
ネメアスの説明を続けたアルゴールの話を聞いたエステルは驚き、ケビンは考え込んでいた。
「わかりました。最後までありがとうございます。」
「こんな形でもみんなにまた会えて、本当に嬉しかったの!」
一方ナユタは真剣な表情で頷き、ノイは4人を見回して言った。
「フフ、それはお互い様よ。」
「ナユタよ………聡いお主なら気付いているだろうが、”彼女”の前に”彼”と再び戦う事になる。」
「一度勝利したとはいえ、油断はせぬ事だ………」
「これからもシグナ様とクレハ様の事………よろしくお願いします………そしてノイ……貴女も幸せに生きてね………」
4人はそれぞれナユタとノイに伝えた後
「「「「後はよろしく頼んだぞ………勇敢なる者達よ…………」」」」
同時に光と共に消滅した。
「……………皆さん、後は任せて下さい………!」
「………さようなら、みんな……………」
その様子をナユタは決意の表情で見つめ、ノイは涙を流しながらしばらくの間見つめていた。
「ナユタ君…………ノイちゃん…………」
「「……………………」」
「2人とも………このまま進んでもええか?」
一方2人の様子をエステル達は静かに見つめ、エステル達を代表してケビンが静かに尋ねた。
「………はい。僕達は大丈夫です。」
「終点までの道のりはまだまだあるの。張り切って行くの!」
その後ケビン達は再び探索を再開し、道や仕掛けを知っているナユタやノイを先頭に進み続け、神殿らしき場所に到着した。
~ステラリウム・星核神殿~
「――――来たな、ナユタ、ノイ。」
ケビン達が神殿らしき場所に到着すると中央に腰に刀を収めている鞘を付け、雪のような美しい白い髪の青年がいた。
「待たせたね…………!」
「シグナ…………!」
青年―――シグナに気付いたナユタは決意の表情で呟き、ノイはシグナの名を呟き、仲間達と共にシグナに近づいた。
「やれやれ………それにしてもお前達は本当に冒険が好きだな………こんな妙な事態にまで巻き込まれやがって………」
「あ、あはは………」
「別に望んで巻き込まれた訳じゃないの!」
シグナの言葉を聞いたナユタは苦笑し、ノイは指摘した。
「ここにいるって事は………やっぱりシグナもギオさん達のように阻むつもりかい?」
「ああ。こんなふざけた事をしやがった”影の王”には怒っているが…………同時に感謝している。こんな形でお前にあの時のリベンジができるからな。」
「…………………」
「も、もしかして………」
シグナの話を聞いたナユタは静かにシグナを見つめ、ノイはある事を思い出した。するとその時、シグナは詠唱らしき動作をした後ナユタと共に消えた!
「や、やっぱり………」
「ナユタ君!?」
「あら………あの人、転位魔術が使えたのね。」
それを見たノイは疲れた表情で溜息を吐き、ケビンは驚き、レンは意外そうな表情で呟いた。
「そ、それより2人がどこに行ったか、探さないと………!」
エステルが慌てた様子で提案したその時
「―――待て。あれを見ろ。」
何かに気付いたレーヴェが自分達の目の前の歪み始めた空間に視線をやった。すると歪みが終わった空間にはナユタとシグナ、お互い向き合っている画面が映し出された!
~亜空間~
一方謎の空間でシグナと向き合ったナユタは見覚えのある亜空間を見て、動じずに静かに問いかけた。
「やっぱりあの時と同じって事だね……………これも”ルール”かな?」
「ああ。唯一つ違うのは今回は”セラム・イル・オルディーン”としてではなく………”シグナ・アルハゼン”として参る………!」
ナユタの問いかけに頷いたシグナは刀を鞘から抜いて構えた!それを見たナユタも剣を構えた!
「――――異世界でどれだけ強くなったか………見せてもらうぜ、ナユタッ!!」
「うん!………行くよ………シグナ!!」
そしてナユタはシグナとの一騎打ちの戦闘を開始した………!
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