英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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第50話
~バリハルト神殿・マクル~
エステル達が神殿の入口をくぐると、妖しげな光陣が現れた!
「早速来ましたね。」
「………場所を考えると出てくる連中はなんとなくわかるのよね………」
「へ?それってどういう事?」
「……………」
それを見たリタは警戒し、マリーニャが呟いた言葉にエステルは首を傾げ、サティアは悲しそうな表情をしていた。そして光陣からは神官服を着た男性や騎士達が現れた!
「なっ!?ひ、人!?」
「やっぱり………ね。」
「………嵐の神を信仰する神官や騎士達ですか。」
敵を見たエステルは驚き、マリーニャは静かに呟き、リタは敵達を睨んだ。
「………を殺せ。」
「え?しゃ、しゃべった!?」
「…………」
その時男性の神官の一人が呟き、それを聞いたエステルは驚き、サティアは黙り込んだ。
「邪神を殺せ!」
「神の名の元に邪神に裁きを!」
「忌まわしき邪神は去れ!」
「なっ!?まさかこいつら、サティアさんの事を言っているの!?」
「そうでしょうね………サティア様………いや、アストライア様は”古神”なんだから。」
神官たちが叫んだ言葉を聞いたエステルは驚き、マリーニャは神官たちを睨みながら呟いた。
「来ます!」
敵の行動を見たリタは警告した!そしてエステル達は戦闘を開始した!
「貴女達に祝福を!覚醒領域の付術!!」
戦闘が開始されるとサティアは魔術で味方全員の能力を上昇させた!
「「邪神に裁きを!」」
一方”バリハルト騎士”達はそれぞれサティアに攻撃を仕掛けた!
「とりゃっ!」
「よっと!」
しかしエステルは棒で、マリーニャは短剣で受け止めた!
「バリハルトよ!邪神に裁きを!贖罪の雷!!」
その時後方にいたバリハルト神官が魔術を放った!
「させません!玄武の地走り!!」
敵が放った魔術に対し、リタはクラフトを放って相殺した!
「はぁぁぁぁぁぁ!」
一方エステルはクラフト―――旋風輪を放って自分とマリーニャが受け止めた敵達を吹っ飛ばし
「バリハルトよ!我等にちか………」
「させないっての!」
「ガッ!?」
後方で魔術の詠唱を再び始めた神官にはマリーニャが懐から出した短剣を投擲して詠唱を妨害した!
「邪教徒に正しき道を!」
「我が神が正しい事の教えを邪教徒に!」
エステルに吹っ飛ばされた騎士達はそれぞれ盲目的に叫びながらエステルとマリーニャに襲い掛かった!
「お生憎様!あたしは”使徒”だから余計なお世話よ!乱れ斬り!!」
「さっきから、邪神、邪神って………いい加減にしなさいよね!あたしからすればあんた達の神の方が邪神で、あんた達は狂っているわ!!瞬散撃!!」
「グアッ!?」
「おのれ!我等だけでなく我が主神バリハルトを邪神だと………!」
しかしマリーニャとエステルはそれぞれ怒鳴りながらクラフトを放って敵達に攻撃し、攻撃を受けた敵は呻いたり、エステルを怒りの表情で睨んだ。
「戦意の祝福!!」
その時後方の敵が放った魔術が前衛の敵達にかかった!
「正しき神が理解できない哀れなる者に慈悲を!」
「慈悲を!」
身体能力が上がった敵達は同時にエステルに向かって行った!
「これでっ!消沈の竜巻!!」
「「グワッ!?」」
しかしサティアが放った魔術を受け、魔術による竜巻と特殊な効果により怯むと同時に上昇していた身体能力が元に戻った!
「魂をも凍らせてあげる………!氷垢螺の絶対凍結!!」
さらにリタが放った魔術によって敵達は凍結し
「ハァァァァァ………剛震撃!!」
エステルが放ったクラフトによって大ダメージを受け
「隙発見!瞬殺の極み!!」
「食らえ!剛震突き!!」
「「ガッ!?バリハルトよ…………」」
マリーニャとリタが止めを刺し、止めを刺された敵達は祈りの言葉を呟きながら消滅した!
「バリハルトよ、邪神に裁きを!轟雷!!」
その時後方にいた神官が魔術を放ち、魔術による雷がサティアを襲った!
「サティアさん!」
それを見たエステルは心配そうな表情で叫んだ。
「…………………」
一方サティアは静かな表情で自分の周りにドーム型の結界を展開して防御した!
「飛んで!死角の魔槍!!」
「ハァァァァァ………!乱れ突き!!」
「グアアアアッ!?」
そしてリタとマリーニャが放ったクラフトにより、敵は深手を負った!
「邪神に………裁きを…………」
「………わかってはいましたけど、不愉快です。さっさと消えなさい!」
「ガッ!?…………」
自分達の攻撃によって弱った最後の敵の呟きを聞いたリタは怒りの表情で魔槍を敵の喉元を貫き、消滅させた!
「……………」
一方サティアは悲しそうな表情で黙っていた。
「サティアさん………その、大丈夫?」
「………ええ、大丈夫よ………」
「………………………」
無理に笑顔を作っているサティアを見たエステルは静かな表情で黙り込んだ後、サティアの両手を強く握ってサティアを見つめた。
「エステル………?」
両手を握られ、見つめられたサティアは不思議そうな表情でエステルを見つめた。
「あたしには神様同士の事情は理解できないけど………これだけは言えるわ。サティアさんは絶対悪い人じゃないって!パズモから聞いたけど、サティアさん、争いのない世界を願っているんでしょう?そんな優しい人が”邪神”なんてありえないわ!だから、元気を出して!もうすぐセリカと会えるじゃない!!」
「エステル…………………ありがとう…………フフ………生前に貴女と出会っていれば、貴女に私の”使徒”になってくれるように頼んでいたかもしれないわ………」
複雑そうな表情で呟いた後、太陽のような笑顔を見せて語るエステルをサティアは呆けて見つめた後涙を流して笑顔になり、涙を拭った後微笑みながらエステルを見つめた。
「あ、あはは…………女神様のサティアさん自ら頼むなんて、あたしはそんな大した人間じゃないわよ~………」
(サティア…………)
「フフ………エステルだったら、主も”使徒”にしてくれると思うよ?」
「ま、この娘に恋人がいなかったらあたし達も頼んでいたかもしれないわね。」
サティアの言葉を聞いたエステルは苦笑し、エステルの身体の中にいたパズモは静かにサティアを見つめ、リタは微笑み、マリーニャは苦笑していた。そしてエステル達は時折現れるバリハルトの神官や騎士達を倒しながら先を進み、ある場所まで来ると妖しげな光陣が2つ、目の前に現れた!
「ま~た、来たわね。」
「いい加減にしてほしいね。」
「全くよ……………馬鹿の一つ覚えみたいにまず最初の言葉が”邪神”だし。」
「フフ……………………」
妖しげな光陣を見たエステル、リタ、マリーニャは溜息を吐き、その様子をサティアは苦笑しながら見つめていた。そして光陣からは女性の神官と双剣を構えた男性が現れた!
「あれ?あの2人、どっかで見覚えが…………」
(…………やっぱり、現れたわね………この場所や今まで現れた敵の事を考えたら、この2人が現れる事もうすうす感じてはいたけど………)
新たな敵達を見たエステルは首を傾げ、エステルの身体の中にいたパズモは敵達を睨み
「!!あの神官の方は………!」
「カヤ…………ダルノス…………!」
リタは女性の神官―――カヤを見て驚き、サティアはカヤと男性―――ダルノスを見て驚いた。
「……………?(何?この感じ………あの女性がまるで自分のように感じる気持ちは一体…………?)」
一方マリーニャはカヤを見て戸惑っていた。
「フン。あの時は邪魔が入ったが、今度はテメエを斬る!邪神!!」
「ええ。セリカをたぶらかした事………姉としても許さないわ!邪神!!」
「…………………………」
ダルノスとカヤの言葉を聞いたサティアは静かな表情で黙り込んだ後、やがて杖を構え
「…………再びセリカと会う為に例え貴女達が相手でも、私は進む。それが私の”運命”だから!」
静かに呟いた後決意の表情で叫んだ!
「御主人様を解放する為にどいてもらうわ!」
「………貴女と戦うのは本意ではありませんが、主の為、消えてもらいます!」
そしてマリーニャとリタも決意の表情で武器を構えて叫び
「みんな、行くわよ!―――来て!パズモ!クーちゃん!」
エステルは掛け声をした後、パズモとクーを召喚した!
「忌々しい邪教徒共が………全て斬る!!」
一方ダルノスは憎しみを持った表情でエステル達を睨んでエステル達に向かっていった!
そしてエステル達は戦闘を開始した………!
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