英雄伝説～光と闇の軌跡～（3rd篇）

～異界プレイア・終点～



「戦意よ！我等に真の祝福を！アルテミスの祝福！！」

ファーミシルス達と共にラーシェナに向かったペテレーネは魔術で味方全体の身体能力を上げた。

「……………」

「危ないっ！」

「わわっ！」

「！！」

対して敵はクラフト―――十六夜”突”をナユタ達に放ち、敵の攻撃に気付いたナユタ、ノイ、リースは散開して回避し

「フッ！！」

「……………」

そしてファーミシルスは飛行して強襲したが、敵も飛行して回避をしクラフト―――十六夜”斬”を放った！

「！！」

敵の攻撃に気付いたファーミシルスは回避し

「クリスタルランス！キーファーボム！！」

「光弾！ゲイルランサー！！」

「死愛の魔槍！ハイドロカノン！！」

ノイ、リース、ペテレーネはアーツや魔術を駆使して、次々と放った！

「……………」

しかし敵は全て回避するか、自分の得物である太刀を振るって相殺し

「奥義―――流星撃！！」

「…………」

「うわっ………ぐっ！？」

いつの間にか敵の真上に跳躍し、強襲して来たナユタを太刀を振るって地面に叩き落とした！



「……………」

「うわっ！？」

「いたいなのっ！？」

「うっ！？」

「耐えます………！」

「チッ！？」

さらに魔術―――ケルト＝ルーンを放ち、ナユタを含めた味方全員にダメージを与え、さらに追撃するかの如く強襲して来た！

「させないわっ！」

しかしファーミシルスが連接剣を振るって牽制し

「ヤアッ！！」

ナユタが再び攻撃を仕掛け、ナユタの攻撃を回避する為に敵は再び飛び上がった！

「闇の息吹！！………ハァァァァァッ！！」

それを見たファーミシルスは魔術で自分の傷を回復した後空中戦を仕掛け、対する敵も対抗し、ナユタ達の上空ではファーミシルスとラーシェナによる激しい攻防が繰り広げられていた！

「聖なる風の癒しを！ホーリーブレス！！」

ファーミシルスが一人で戦っている間にペテレーネはアーツで効果範囲外のファーミシルス以外の味方全員の傷を回復し

「クロックアップ改！！」

リースはアーツでファーミシルスの身体能力をさらに上昇させた！するとアーツの効果の為か、ファーミシルスは段々と敵を圧し始めた！

「……………」

ファーミシルスと戦っていた敵は狙いをペテレーネに変え、クラフト―――十六夜”突”を放った！

「ヘイルストーム！！」

しかしノイが放ったアーツによって威力が弱まり

「奥義―――神風！！」

続くように放ったナユタのクラフトによって相殺された！



「行け！…………インフィニティスパロー！！」

「………………」

さらにリースが放ったクラフトによって敵は飛び回る刃を次々と弾いていた。

「………混沌を司る我が主神よ………今こそ、ここに其の姿を現せたまえっ………！」

その時ペテレーネはなんと混沌の女神―――アーライナを召喚した！

「アーライナ様…………裁きをっ！！」

ペテレーネが叫ぶと、ペテレーネの願いに答えるかのようにアーライナによる無数の暗黒の槍が雨のように敵に降り注ぎ、その攻撃によって敵の両翼はもがれ、さらにボロボロの状態になった！

「これで終わりよっ！」

その様子を見たファーミシルスは連接剣に魔の雷を宿らせ

「飛天魔(ラウマカール)の奥義を受ける事を！光栄に！思いながら、散りなさい！」

敵の周りを飛び回って、激しい剣舞を放った！

「奥義！暗礁電撃剣舞！！」

魔の雷を宿らせた連接剣で剣舞を放ち、全てを塵と化させるファーミシルスのSクラフト―――暗礁電撃剣舞を受けた敵は消滅した！

「ハア…………ハア…………」

敵の撃破を確認したペテレーネは息を切らせて地面に跪いた。

「大丈夫ですか！？」

「はい………さすがに異界にアーライナ様を召喚するとなると普段以上の魔力を必要としますので………」

その様子に気付いたナユタは駆け寄ってペテレーネに尋ね、尋ねられたペテレーネは息を切らせながら答えた。

「なっ！？今のが混沌の女神(アーライナ)ですか………！まさか、”神”自身を召喚する力があるなんて………」

「フフ、さすがはメンフィルでも一、二を争う大魔術師でもあるペテレーネね。ただの人間の娘と侮っていたあの頃の私をこの連接剣の錆にしてやりたいぐらいよ。」

ペテレーネの説明を聞いたリースは驚き、ファーミシルスは不敵な笑みを浮かべた。

「お褒めに預かり、光栄です…………それより他の皆さまは………」

ファーミシルスの賛辞に頷いたペテレーネは自分達以外の仲間達の戦いを見つめた。



「…………」

ディアーネはカーリアン達に複数の魔槍を放った！

「それぇっ！」

「ハッ！」

「セイッ！」

しかしカーリアン、ラピス、リンはそれぞれ武器を振るって撃ち落とし

「戦意よ！我等に真の祝福を！アルテミスの祝福！！」

ティナは魔術で全員の身体能力を上げた！

「―――三段突き！！」

「……………」

そして上昇した身体能力を利用してラピスはクラフトを放ったが敵は同じ技を放って相殺し

「当れっ！」

リンが放った魔術――連続光弾に対しては魔術―――連続闇弾を放って、相殺し

「それぇっ！」

カーリアンの攻撃には空へと上昇して回避した！

「甘いっての！ハイドロカノン！！」

しかしいつの間にかオーブメントの駆動を終えていたカーリアンがアーツを放ち、敵を天井まで吹っ飛ばし

「これでも喰らえ！槌の光霞！！」

「吹雪よ！氷垢螺の吹雪！！」

リンとラピスが魔術で追撃し

「イーリュンよ！我等に守りの加護を！防護の聖域！！」

カーリアン達が攻撃している間にティナは魔術で防御能力を上げた！



「……………」

「うっ！？」

「か、身体が………！」

一方敵はクラフト―――邪眼を放ってラピスとリンの動きを止めて、クラフト―――玄武の地走りを放った！

「させないっての！」

しかしカーリアンが武器を振るって衝撃波を発生させて、相殺し

「イーリュンよ、かの者等に浄化のお力を……大いなる浄化の風！」

ティナが魔術でラピスとリンを動けるようにした！

「…………」

「ちょっ！？」

「くっ！？」

「うあっ！？」

「ああっ！？」

しかしその時敵は魔術―――ティルワンの闇界を放ってカーリアン達に攻撃した後、追撃するかのようにクラフト―――宵闇の一撃をティナに放った！

「させないっての！」

しかしカーリアンが武器で受け止め

「イーリュンよ、御力を！癒しの風！！」

ティナが魔術で味方全員の傷を回復し

「決める！剛進突破槍！！」

「そこだ！剛震突き！！」

ラピスとリンが敵を挟み撃ちにしてクラフトを放った！

「…………」

しかし敵はカーリアンから一端下がった後クラフト―――薙ぎ払いを放って相殺し、さらに上空へと転位し無数の魔槍を召喚し始めた！



「！！どうやら一気に決めるつもりね………」

「ここは私にお任せ下さい、ラピスお姉様！剣に眠りし命の炎よ……我が前へ！！」

敵の行動を警戒して呟いたラピスに答えたリンは武器に聖炎を宿らせ

「この炎、逃れられはしまい！炎覇！鳳翼翔！！」

武器から聖炎による不死鳥を放った！リンが放ったSクラフト―――炎覇鳳翼翔は敵が放ったSクラフト――キル・ディアーネによる無数の魔槍を全て焼き尽くし、さらに敵に命中させた！

「我が奥義、受けてみなさい！奥義！桜花乱舞！！」

そしてラピスがSクラフトを放って敵にダメージを与えると共に撃ち落とした！

「カーリアン！」

「止めを！」

「フフ、任せときなさいっての！行くわよっ！」

リンとラピスの呼びかけに頷いたカーリアンは身体を回転させながら敵に突進して攻撃して敵の背後を駆け抜けた後

「バラバラになっちゃえ！祓砕斬！十臥！！」

双剣から闘気による十字の衝撃波を放った！カーリアンのSクラフト――祓砕斬・十臥を受けた敵は消滅した！

「楽しめたわ♪さ～て、他の連中はどうかしら？」

敵が消えた場所に投げキスを送ったカーリアンは自分達以外の仲間達の戦いを見つめた。



「「光よ！我等を守りたまえ！防護の光陣！！」」

「フェミリンスの力よ！戦女神の付術！！」

「速さの加護を！スピードアップ！！」

「シールド！！」

”熾天魔”リウイに向かったイリーナ、シルフィア、エクリア、フィーナ、アドルはそれぞれ魔術でさまざまな上昇能力を付与させ

「覚悟はできたか！？玄武の地走り！！」

エクリアの魔術によって大幅に攻撃能力が上がったティファーナがクラフトを放った！

「下らん！」

しかし敵はクラフト―――玄武の滅鎌撃を放って相殺し

「受けるがいい！」

片手から閃光を放った！するとイリーナ達が付与させた魔術による加護が消えた！

「闇に呑まれるがいい！ティルワンの死磔！！」

全ての付与能力を打ち消す閃光―――破術の閃光を放った後、魔術を放ってイリーナ達全員を攻撃した！

「このくらいで………！癒しの風！！」

イリーナは傷に呻きながらも魔術で味方全員の傷を回復し

「守りの加護を！プロテクション！！」

フィーナが魔法で再び味方全員の防御能力を上昇させ

「そこっ！レイ＝ルーン！！」

エクリアが敵に魔術を放った！

「ハアッ！！」

しかし敵は武器で魔術による純粋エネルギーを一刀両断し

「ソニックスライド！！」

「甘い！」

「グッ！？」

斬りかかって来たアドルにレイピアで吹っ飛ばすと同時に片手に闘気と魔力による刃を形成して、攻撃し

「せいっ！双連撃！！」

「受けてみよ！神極聖光剣！！」

「十六夜………”円舞”！！」

「ああっ！？」

「くっ！？」

同時に攻撃して来たティファーナとシルフィアに自分の周囲を攻撃するクラフトを放って、反撃し

「ウィンディング！！」

さらにクラフトを放ってティファーナ達を吹っ飛ばした！そして敵は走り出してアドル達に追撃しようとしたが



「させない！絶対氷剣！！」

「行きます！連続光弾！ストーンスパイク！！」

「チッ！」

エクリアとイリーナが放った魔術とアーツによる牽制に舌打ちをして、一端下がった。

「皆さん、大丈夫ですか！？ヒール！！」

その間にフィーナは治癒魔法でアドル達の傷を回復し

「今度は波状攻撃を仕掛けるぞ！」

「ああ！」

「わかりました！」

ティファーナの呼びかけに頷いたアドルとシルフィアは3人同時にリウイに向かって行き

「行くぞっ！四段攻撃！！」

ティファーナが最初に攻撃を仕掛けた！

「その程度！」

しかし敵はティファーナの攻撃を全てさばき

「ビートダウン！！」

「オォォォォォッ！！」

アドルの激しい連続攻撃に対して自分も目にも止まらぬ速さの突きで相殺し

「くらえ！！」

「フェヒテンケニヒ！！」

シルフィアの渾身の一撃すらも相殺した！

「闇の鼓動に呑まれよっ！オォォォォ………！」

さらに自分自身にすざましい闇を纏い

「黒の咆哮！！」

それらを衝撃波として解放した！



「ぐぅっ！？まだ、倒れる訳にはいかないのに………！」

「グアッ！？すまない…………」

敵が放った自身を中心に強烈な闇の衝撃波を放つSクラフト―――黒の咆哮が命中したティファーナとアドルは

「今こそ、この手で冥府に送ってやる、エクリア！」

そして敵はエクリアに向かって行った！

「させない！」

しかし大ダメージを受けた状態のシルフィアが立ちはだかって行く手を阻んだ！

「どけっ！十六夜”円舞”！！」

「”メンフィルの守護神”の名に懸けてこの命、果てるまで通しません！聖光円舞！！」

そして敵が放った技を相殺して鍔迫り合いの状態になった！

「シルフィア様、耐えて下さい！癒しの息吹！！」

それを見たイリーナは治癒魔術をシルフィアに放って、シルフィアの傷を回復した後オーブメントを駆動させ始めた！

「小賢しい！十六夜”突”！！」

一方敵は一端下がってクラフトをイリーナに放った！

「させぬ！ハァァァァ………滅！！」

しかしシルフィアがクラフト―――アルティウムセイバーを放って相殺した！

「魔力放出！小隕石召喚！！」

その時エクリアが魔術を放った！魔術による無数の隕石が敵を襲った！

「チィッ！！」

自分に襲い掛かる隕石に気付いた敵は回避行動に専念した。

「アドルさん、今助けます………！！」

「水の慈悲を！アセラス！！」

その間にフィーナとイリーナはクラフトやアーツでアドルとティファーナの戦闘不能を回復した！



「チッ、鬱陶しい！ならば全て塵と化してやろう！我が魔に呑まれよっ！オォォォォ………！」

魔術を全て回避し、復活したアドル達を見た敵は舌打ちをした後Sクラフトの構えをした！

「償いの道よ！今こそ顕れたまえ！」

「決める！ハァァァァァ………！」

それを見たシルフィアとティファーナは同時にSクラフトの構えをし

「魔血の目覚め！！」

「マーズテリアよ、今こそ御力を！エクスピアシオン！！」

「ルクセンベール流奥義！双竜烈破！！」

敵がSクラフトを放つと同時に2人もSクラフトを放った！敵が放った技と2人が放った技がぶつかり、なんと2人の技が敵の技を貫き、光の道と竜を形どった衝撃波が敵を襲った！

「馬鹿な！？ガアッ！！」

自分の技が破られるのを目を見開いて驚いた敵は2人の技に命中し、大ダメージを受けた！

「フィーナ、行くよ！」

「はい、アドルさん！」

一方アドルはフィーナに呼びかけ、呼びかけられたフィーナは全身にすざましい神気と魔力を纏って強く祈った！

「今こそ全てを浄化する力をかの者に！」

「瞬け！イースの光！！」

するとアドルの足元に巨大な魔法陣が形成され、アドルが剣を天へと掲げると剣は天をも斬り裂くような巨大な光の剣となった！そしてアドルは巨大な光の剣を敵に向かって振り下ろした！



「「天翔！光翼剣！！」」



アドルとフィーナが放った協力技(コンビクラフト)―――天翔光翼剣は敵を襲った！

「オオオォォォォ―――――ッ！！」

自分に襲い掛かる巨大な光の剣を見た敵は雄たけびを上げながら剣にすざましい闇の闘気や魔力を纏わせて受け止めた！

「クッ………！俺はこんな所で倒れん！倒れる訳にはいかない！イリーナと誓った理想を叶えるまでは………！」

「理想を叶えるにも”あなた”のやり方は間違っています！………神聖なる光よ集え！我が仇なす敵に裁きを！」

「貴方をそんな風にしてしまった私を恨むのは存分に構いません！ですが、セリカ様に仇名すのなら例え貴方といえども、許しません！フェミリンスの名の元に星の力を今此処に！」

アドルとフィーナが放った巨大な光の剣を受け止めながら叫んだ敵にイリーナとエクリアは叫んだ後、Sクラフトを放った！

「これで終わりです！ハァァァァァッ！本物の陛下を返してもらいますよ、”魔王”リウイ！」

さらにシルフィアは闘気と聖気による竜巻を放った！

「ウオオオオォォォォ―――ッ！イリーナ―――――――ッ！！」

シルフィアが放った竜巻に呑み込まれた敵は雄たけびを上げた！

「神域の光柱！！」

「原罪の覚醒！！」

「聖技！グランドクロス！！」

そしてイリーナ、エクリア、シルフィアのSクラフト、そしてアドルとフィーナの巨大な光の剣が同時に命中し、そして消滅した！



「「…………………」」

「「陛下…………」」

「なんとか終わったな………」

敵の消滅を確認したイリーナとシルフィアは静かに目を閉じ、ラピスとティナは悲しそうな表情をし、リンは暗そうな表情で呟いた。すると敵が消滅した場所に封印石が現れ、さらにその先に転位陣が現れた！

「封印石………！……………」

「へ～………この中に私達が入っていたんだ………」

「そんな事はどうでもいいでしょう？それより今までの話や先ほど戦った敵の事から解放される方は誰かわかるでしょう？」

「ええ………！また貴方にお会いできるとは思いませんでした、陛下………！」

封印石の登場にエクリアは呟いた後決意の表情で封印石を見つめ、カーリアンは興味ありげな視線で見つめ、ファーミシルスは静かに呟き、ティファーナは口元に笑みを浮かべて封印石を見つめた。そしてイリーナは封印石を回収した。

「…………これでここの試練は終えましたね。後はエステルさん達だけですね………」

「ああ。向こうはこちらと違って人数も少ないし、心配だな………」

「………今はエステルさん達を信じて先に進み、合流地点でエステルさん達を待ちましょう。」

そしてリースとアドルの呟いた言葉にイリーナは静かに呟いた後提案した。



その後イリーナ達は転位陣に乗って、どこかに転位した…………