昔の歌
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3部分:第三章
第三章
7.春眠
うとうととそのまま深く入ってしまう春の眠り
眠りの中で思うのは彼女のことばかり
彼女が僕に笑いかけて僕もそれに笑い返して
そんな淡い夢の中で夜を過ごす
目覚めて学校に行くとそこにはいつも
彼女がいる
僕は何か照れ臭くて声をかけられずにいると
彼女も何か恥ずかしそうだった
もしかしてと思っていると向こうもそうなのかも
お互い妙に気恥ずかしくて照れていて
頬を桜の色にしてしまった
春の眠りは深くなるにつれて夢に入る
夢の中でも彼女は現われて笑ってくれる
僕の想いがそのまま夢に出ているのかと思うと
それがどうにも気恥ずかしいもの
けれど話に聞くと彼女も同じで
僕を見るようで
その話を聞くと何か彼女を見るのが恥ずかしく
彼女も僕を見て恥ずかしそう
やっとお互い声をかけて手を握ってみると
それもまた夢のように思えてしまって
春眠の中に戻りたくなった
もしかしてと思っていると向こうもそうなのかも
お互い妙に気恥ずかしくて照れていて
頬を桜の色にしてしまった
8.昔の歌
昔よく聴いた曲が流れていた
かつての流行歌 よく聴いていた曲
今久し振りに聴くと あの時のことが蘇る
あの時二人で聴いていた いつも二人で
それがとても楽しかった
学校に帰る時に二人で街で
よく聴いていたのを思い出す それが懐かしい
懐かしさを噛み締めて家に帰ると
あの時の彼女が待っている
昔の歌をまた二人で聴きたい
楽しい思い出を二人で振り返りつつ
昔よく聴いた曲を今聴いては
あの時の思い出を 曲に合わせて想う
懐かしくもありそして 何処かノスタルジアな
そうした甘酸っぱいもの 今二人で感じる
それが何か気持ちいい
学生の時に二人で聴いていて
いつも聴き惚れていたものだ 今では思い出
懐かしい気持ちを心に漂わせて
今は妻と二人で聴いている
二人の思い出を懐かしみながら
懐かしさを噛み締めて家に帰ると
あの時の彼女が待っている
昔の歌をまた二人で聴きたい
9.猫と親
家にやって来た猫は最初は一人ぼっち
家の隅で震えているだけだった
今ではもう完全に家族になって
ふんぞり返って偉そうにしているけれど
そんな猫でも親は必要で
両親の前でいつも甘えてばかり
身体を摺り寄せて側で寝転がって
そうして本当の親に対するようにしている
つぶらな目を親に向けていて
のどかな顔でたたずんでいる
そんな目を見て親も親の顔になって
ずっと猫の側で笑っている
家にやって来た時は本当に小さくて
子猫の姿で家を彷徨っていた
今ではもう家の中を偉そうに歩き
まるで自分が家の支配者であるようだけれど
そんな猫でも家族は好きで
誰かがいつも側にいないと不機嫌になる
誰かがいないとすぐにやって来て
そこで寝転がって穏やかな顔を見せてくれる
整った顔を笑顔にさせて
そうして窓の向こうを見て座っている
そんな姿を見ていると僕達も穏やかになって
静かに猫を見てたたずんでいる
つぶらな目を親に向けていて
のどかな顔でたたずんでいる
そんな目を見て親も親の顔になって
ずっと猫の側で笑っている
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