英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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第132話
~オルキスタワー・屋上~
「………………………」
「こ、これは……」
「馬鹿な……」
「大樹……?」
「あれも”至宝”の力だというの……?」
大樹を見たロイドは呆け、ロカやダドリーは信じられない表情をし、エリゼは不安そうな表情をし、ルフィナは厳しい表情で呟いた。
「クク――――素晴らしい!まさに特異点の産物……かの”塩の杭”を遥かに超える”予定外の奇蹟”と言うべきか!」
その時ノバルティスは興味深そうな表情で叫び
「…………………………」
ディーター大統領は呆け
「なるほど。全ては”アレ”の為だったのか。」
「フン、やり方といい、考え方といい、ユン・ガソルを滅ぼしたあの野郎――――ジルタニアに似てやがるなあ?」
ヴァイスは厳しい表情で呟き、ギュランドロスは怒りの表情で呟いた。
「ま、待ってくれ!あの巨大な樹が”零の至宝”の完成形って……」
「キーアちゃん…………貴女はどこに!?」
「……………あの”大樹”が”キーア自身”だよ…………」
「!!」
「そ、そんな…………」
静かな表情で答えたキーアの言葉を聞いたロイドは目を見開き、エリィは信じられない表情をした。
「フフ、既に気付いているなんて一体どこのどなたかしら?キーアさんに非常に似ているようですが………おかしいですわねえ?”零の至宝”の”予備体”や”試験体”等を作った記録はありませんのに。」
「…………………」
妖しげな笑みを浮かべて言ったマリアベルの言葉を聞いたキーアは複雑そうな表情で黙り込み
「ベルッ!!」
「テメェ………それ以上言ってみろ!マジで殺すぞ!?」
エリィとランディは怒りの表情で叫んだ。
「まあ、殺すだなんて、さすがは私達を処刑すると宣言している野蛮な考えをしているヴァイスハイト局長の部下だけはありますねえ?一体どんな教育をしたのやら……」
ランディの言葉を聞いたマリアベルは目を丸くした後呆れた表情をしたが
「少なくとも下らん妄執に囚われた貴様らクロイス家の教育よりはずっとマシな教育である事はハッキリと言えるな。」
「何ですって……………!」
不敵な笑みを浮かべて言ったヴァイスの言葉を聞いて怒りの表情になった。
「………彼女の心と身体が失われたというわけではない。そのあたりは安心するがいい。」
その時アリオスはロイド達に助言し
「だが、これより彼女は全ての”調停者”となる―――彼女にとっても、君達にとっても悪い結果にはならないはずだ。できれば見守ってあげて欲しい。」
「”全ての調停者”ですって!?」
「そしてそんな彼女を貴方達が思い通りにして世界を好き放題にするという事ね……!ならば私は”軍神”の神官戦士として、マーズテリアの名のもとに貴方達を滅します!」
イアンはロイド達に説明し、説明を聞いたルフィナとロカは厳しい表情で声を上げ
(そんな事をしようとしてももう無駄だよ……キーアがそんな事、させないし……エイドスやフィーナ、ミントだっているからいくらやっても無駄だよ……)
イアンの話を聞いたキーアは目を伏せて黙り込んでいた。
「い、いったい何を…………」
「ワケ判らなさぎだろ……!」
一方ティオは戸惑い、ランディは目を細めて言った。
「ホントそうだよねー。でも楽しければそれでいいんじゃない?」
「クク、まあ邪魔するつもりなら遠慮なく相手をしてやろう。これも契約の内だからな。」
「……こいつらの企みは知ったこっちゃないが……来るんなら今度こそ徹底的に潰してやるぜ………」
「ウフフ……それでは皆さん、御機嫌よう。―――それとお父様。今までお世話になりましたわ。単純で、ロマンチストで愚かしくはありましたけれど…………わたくし、お父様のことが決して嫌いではありませんでした。」
そしてマリアベル達の画面は消えた!
「……………ベル…………」
画面が消えるとディーターは呆けた声で呟いて地面に膝をついて顔を伏せ
「娘にまで利用された挙句、捨てられたか…………」
「本当に愚かな親子だぜ……」
その様子を見たヴァイスとギュランドロスは不愉快そうな表情で呟いた。
「フフ、役目が無ければ私も最後まで付き合うんだが…………まあ、せいぜい遠くの地で続報を聞かせてもらうとしよう。」
その時ノバルティスは口元に笑みを浮かべて装置を操作して、アイオーンを動かし始めた。
「ウフフ、そんな事をさせる訳がないでしょう♪」
するとその時、聞き覚えのある少女の声が聞こえた後大鎌がノバルティスの真上から飛んできて装置を持っているノバルティスの腕を斬りおとし、戻って行った!
「え―――――――」
その事に気付いたノバルティスは呆け
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――――ッ!?わ、私の腕が……!?」
斬りおとされた部分から大量の血を噴出させて悲鳴を上げた!その時レンを片手に乗せた”パテル=マテル”がノバルティスの側に着地した!
「あ――――」
「レ、レンさん!?」
それを見たロイドは呆け、ティオは驚きの表情で叫んだ。
「クスクス。みんな、オルキスタワーの攻略、お疲れ様♪まあ、その前に……邪魔者は消しておかないとね♪」
”パテル=マテル”の片腕に乗っているレンは微笑みながらロイド達を見つめた後飛び降りてノバルティスを凶悪な笑みを浮かべて見つめ
「クッ……!”蒼の深淵”、悪いが”彼”の力を使わせてもらうよ!――――オルディーネ、今すぐ私を守れ!!」
「オルディーネですって!?」
ノバルティスが叫んだ言葉を聞いたエリゼが血相を変えたその時、何と壊れた腕の部分がまだ直っていない”蒼の騎神”オルディーネが空から現れ――――
「え―――――ガアアアアアアアア―――ッ!?……………」
何とディーター大統領を踏み殺して着地した!
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