英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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第30話
~グリムゼル小要塞・終点~
「頑張れ、みんな!!」
戦闘が開始されるとウィルは号令をかけて、全員の闘志を高め
「まだまだこれからだよっ!はぁい!!」
アネラスはクラフト――風花陣を使って、攻撃力を上げ
「…………………」
エリザスレインは目を閉じて、精神を統一し、自らの魔法能力を上げた!
「か、覚悟してください!ええいっ!!」
一方ティータはクラフト――スモークカノンを放って、敵達の目をくらまそうとしたが
「「「………………」」」
敵達は効いていないのか、アガットと共に襲い掛かって来た!
「ハアッ!!」
「セイッ!!」
獣人達にはウィルとヨシュアがそれぞれの武器で受け止め
「これでも喰らえやっ!!」
アガットにはケビンが邪気を乗せた矢を放つクラフト――ゴルゴンアローを放って、アガットを石化させた!
「双連撃!!」
「行くぞっ!玄武の鋼撃!!」
そしてヨシュアとウィルはクラフトを放って、獣人達にダメージを与え
「剣技―――剣風閃!!「はいっ!はいっ!はぁいっ!!」
さらにその後ろからアネラスがクラフトを放って、追撃をした!
「「……………」」
ダメージを受けた敵達だったが、気にせずヨシュア達に攻撃した!
「!!」
攻撃に気付いたヨシュアは回避し
「!光の力よ!!」
ウィルも回避した後、特殊な絵札―――聖霊の絵札を使って追撃し
「光よ!光燐衝撃!!」
「い、行きます!ダークバスター!!」
さらにエリザスレインとティータが魔術やクラフトを放って、追撃した!
「「――――――!!」」
一方敵達は雄たけびを上げた後ウィルとアネラスにすざましいスピードで突進した!
「ぐっ!?」
「あうっ!?」
敵達の攻撃があまりにも早かった為2人は回避できず、さらに吹っ飛ばされてダメージを受けた!
「「――――!!」」
さらに敵達は近くにいたケビン達に攻撃して来た!
「チッ!」
「絶影!!」
攻撃に気付いたケビンは舌打ちをした後回避し、ヨシュアはクラフトを放って攻撃すると同時に回避をした。
「はわわっ!!」
一方ティータは自分の目の前に迫る敵の武器に慌てて、回避行動が移れなかったが
「まったく、世話がやけるわね!!」
エリザスレインが愚痴を言いながらもティータの前に出て簡易結界を展開して防御し、さらに
「ラ・ティアラル!!」
アーツをウィル達に放って、ウィル達の傷を回復した。
「「………」」
一方敵達は再び突進の構えをしたが
「氷の力よ!!」
ウィルが使った特殊な絵札――氷乙女の絵札によって、ダメージを受けると共に身体のいくつかの場所が凍結し動きが鈍くなり
「そこやっ!はぁっ!そらっ!これでもくらえやっ!!」
「さぁ、行くよ!まだまだまだまだまだまだぁっ!とどめっ!!」
そしてケビンとアネラスがクラフトを放って止めを刺した!
「……………」
一方石化していたアガットは石化から回復して、なんとSクラフト―――ドラゴンダイブを放った!
「あいたぁっ!?」
「っ!?」
「ぐっ!?」
「あうっ!?」
アガットが放った攻撃によってケビン達はダメージを受けたが、ティータはアガットの行動に気付いて逸早く結界をドーム型に展開したエリザスレインによってダメージを受けなかった。
「が、頑張って!!」
そしてティータはクラフト――バイタルカノンを放って、ケビン達の傷を回復し
「浄化してあげる!光槍神撃!!」
エリザスレインはアガットに魔術を放って、ダメージを与えると共に怯ませた。
「三段攻撃!!」
「さぁ、行くよ!まだまだまだまだまだまだぁっ!とどめっ!!」
「双連撃!!」
「もう、しまいにしよか…………滅!!」
その隙を狙ってウィル達が次々とクラフトを放って、攻撃した!するとアガットはなんと”グリモア”に変化し
「か、覚悟してください!い、行きます!やあぁぁぁぁぁ!!」
止めにティータがSクラフト――カノンインパルスを放って止めを刺した!
「ドキドキしちゃった…………」
敵に止めを刺したティータは安堵の溜息を吐いた。そして敵が全滅した後、アガットがいた場所に封印石が現れ、武器を収めたケビンは封印石を手に入れた。
「ふう………これでオッケーや。それにしても………なんちゅう強さや、ホンマ。」
封印石を回収したケビンは安堵の溜息を吐いた。
「こ、これでアガットさんが………ケビンさん、早く庭園に戻りましょう!」
一方ティータは嬉しそうな表情で提案した。
「わかった、わかった。」
「はは、急いで戻りましょうか。」
その後ケビン達は庭園に戻り、封印石を解放した。
~隠者の庭園~
「あっ………!」
「ふふ、良かったね。」
「うんうん。相変わらず見事な赤毛やね。」
封印石が解放され、光の中から現れようとした人物を見たティータは嬉しそうな表情をし、ヨシュアはティータの様子を見て微笑み、ケビンは何度も頷きながら言った。そして光は消え、そこにはアガットが蹲っていた。
「クッ………いきなり何だってんだ………!―――おいダン!いったい何があったんだ!?………!へ………」
顔を上げて叫んだアガットだったが、目の前にいるティータに気付いて呆けた声を出した。
「ア、アガットさん………」
「なんだティータ、晩メシ作ってたんじゃ………って、あれ?たしか定期船から降りた所でお前の親父と出くわして………」
「………っ………」
直前の事を思い出して首を傾げているアガットにティータはいきなり抱きついた!
「お、おいおい………何だってんだ、いきなり………」
「よ、よかった………ホントーによかったです………アガットさんが無事でいてくれて………」
「無事って………この前会ったばかりだろうが。おい、ヨシュア。いったい何があったんだ―――!そういやお前………いつの間に戻ってきたんだ?それに不良神父………?なんでお前がいるんだよ!?」
「はは、その…………」
「これには色々と深い事情がありましてなぁ。」
状況に戸惑っているアガットにヨシュアとケビンは苦笑し
「言っておくけどあたし達もいるわよ。」
「よう、久しぶりだな。」
「ふふ、ご無沙汰してました。」
シェラザード、ジン、クローゼはそれぞれ声をかけ
「いいなあ、アガット先輩。相変わらずティータちゃんとラブラブで………」
「フッ、三国一の果報者とは君のことを指すに違いあるまい。」
「年齢差での結婚を余は否定するつもりはないが………さすがにそのような幼い時から付き合うのはどうかと思うぞ?」
アネラスは羨ましがり、オリビエはアガットを称え、リフィアは呆れて溜息を吐いた。
「ア、アホか!そんなんじゃねえっての!」
アネラス達の言葉を聞いたアガットは慌てて叫んだ。そしてティータはアガットから離れ、離れられたアガットは立ち上った。
「えへへ………ごめんなさい、つい嬉しくて。うん、でもこれで後はエステルお姉ちゃん達だけだよね!」
一方ティータは恥ずかしそうに笑って謝った後、ケビン達に振り返って嬉しそうな表情で言った。
「へ………エステルって………っていうかおい!こりゃ一体どういう事だ!?またエリカ・ラッセルあたりのトラップじゃねえだろうな!?」
ティータの言葉を聞いたアガットは驚いた表情で叫んだ。アガットの叫びを聞いた全員は脱力した。
「エリカ博士………そこまでアガットさんのことを目の仇にしてたんか………」
「一体どういう方なんでしょうね………」
「………なんだかお母さんたちが帰ってきてから色々とあったみたいだね。」
そしてケビンは疲れた様子で呟き、プリネとヨシュアは苦笑していた。
「あう………恥ずかしながら………」
ケビン達の言葉を聞いたティータは恥ずかしそうに笑った。そしてケビン達は状況をアガットに説明し、初対面の者達は自己紹介をした。
「フン………まあいいだろう。とても納得はできねえがグダグダ言っても始まらねぇ。俺も協力してやるからとっとと先に行くとしようぜ。」
「え………」
「はは、即断即決なんは相変わらずみたいですなぁ。何か疑問とかあるんならわかる範囲でお答えしますけど?」
アガットの判断にヨシュアは驚き、ケビンは感心しながら尋ねた。
「さっきの話で大体の事情はわかったからいい。あとはこの目で確かめるなり、他の連中から聞くなりしておくさ。それよりも………これだけのメンツが揃ってるのに肝心なヤツらがいないじゃねえか。まずはとっととそいつらを見つけなくちゃならねぇだろ。」
「アガットさん……」
「………ありがとうございます。」
優しそうな微笑みを浮かべて語るアガットをティータは見つめ、ヨシュアは軽く頭を下げてお礼を言った。
「あー、礼を言われる筋合いはねぇ。お前同様、あいつらは俺の後輩でもあるんだからな。それより、どうだヨシュア。外国に武者修行に出てまた腕を上げやがったのか?」
「ええ………それなりには。でも、僕よりエステルとミントの方が頼もしくなったと思いますよ。今では旅先のギルドでもずいぶん頼りにされていますから。」
「へっ………さすがオッサンの娘と、その娘が育てている娘といったところか………」
「………かもしれません。レーヴェに追いつくため、エステル達と一緒に頑張っています。」
「へっ、そうか。……………ん?…………!おい………聖女の娘さん………あんたに聞きたいことがあるんだが………」
ヨシュアの言葉を聞いたアガットは頷いた後、ある事に気付き、複雑そうな表情でプリネを見つめて尋ねた。
「?何でしょうか?」
「あの野郎………”剣帝”もこの”影の国”とやらに取り込まれているのか?」
「ええ。レーヴェと同じように私の傍にいたツーヤが取り込まれているのですから、ほぼ確実に取り込まれているでしょうね。」
「……………………」
「そうか………今までさんざんやり合ってきたあの野郎と共に戦うのは変な感じだが…………へっ、ちょうどいい。今までの分の借りを返す機会が巡ってきそうだな。」
プリネの説明を聞いたエヴリーヌは嫌そうな表情をし、アガットは複雑そうな表情をしていたが、やがて不敵な笑みを浮かべて言った。
「ア、アガットさん。もうレーヴェさんは敵じゃないんですから………」
アガットの言葉を聞いたティータは心配そうな表情をして溜息を吐いた。
「安心しろ。模擬戦をするだけだ。―――ただし、お互い本気の………だが。」
「ハハ、”剣帝”と手合せか。”剣帝”が解放されたら俺も挑むとするか。俺も一度手合わせをしたいと思っていたしな。」
「ふふ、なら私も頼もうかな。同じ剣士としてどれほどの腕か非常に気になりますし。」
アガットの言葉を聞いたジンとアネラスはそれぞれ口元に笑みを浮かべて頷いた。
「意外と人気やね、彼。」
一方ジン達の言葉を聞いたケビンは苦笑しながらヨシュアに言った。
「ハハ、そうですね。」
ケビンに尋ねられたヨシュアも苦笑しながら返事をした。
「ふふ、でもアガット………あんたよくこの状況をすぐに受けいれられるわね。」
「夢とか幻術じゃないかって疑ったりしなかったんですか?」
「そ、そりゃまあ………」
シェラザードとアネラスの疑問を聞いたアガットは戸惑いながら言葉を濁したが
「フッ、当ててみせようか。抱きついたティータ君の瑞々しい匂いと柔らかな感触………それが余りにもリアルだったから疑いようがなかったんだろう?」
「っ!?」
オリビエの推測を聞いて表情を引き攣らせた。
「え、え、え…………!?」
「ふむ………なるほどな。」
「フフ………納得の理由ですね。」
「?………わから…………ない………」
「そ、その………すごく自然だと思いますよ。」
一方ティータは顔を赤らめて戸惑い、ユリアは静かに頷き、リタは微笑んでいる一方ナベリウスは首を傾げ、クローゼは言いにくそうな表情で言い
「う~ん……親としてはアガットさんにセティ達を会わせたくないな………」
「………ハア。こんな時に心配する事はないでしょうが、この親馬鹿は。」
「フフ、大丈夫ですよ。ティータちゃん限定の話でしょうし。」
ウィルは溜息を吐いて考え込み、その様子を見たエリザスレインは呆れ、セラウィは微笑んでいた。
(………そういえばティアの初恋は陛下だとあの娘から聞いたけど………まさかあの娘、いまだに陛下に恋焦がれているのかしら…………?だとすると母親として、非常に心配ね…………陛下に恋焦がれる気持ちはわかるんだけど…………)
自分達の子どもたちの話をしているウィル達を見ていたティナは自分の娘であるティアのある事を思い出して、考え込んでいた。
「うわ~………そっちの趣味の人なんだ。」
「マ、マリーニャさん!そんなにハッキリ言っては失礼ですよ!」
「?どういう意味でしょう~?」
「サッパリわからん。わらわにも教えるのじゃ!」
さらにマリーニャはひいた様子でアガットを見つめて呟き、マリーニャの言葉を聞いたシュリは慌ててマリーニャに注意し、サリアとレシェンテは首を傾げ
「?ノイ、どういう意味かわかる?」
「ナ、ナユタは知らなくていいの!(う~………その理屈で言ったらナユタに恋しているクレハ様までこんな人と同類にされちゃうの………)」
ナユタは不思議そうな表情でノイに尋ね、尋ねられたノイは慌てて言った後、心の中で悩んでいた。
「ちょ、ちょっと待て!なんでいきなりそーなる!?」
仲間達の会話を聞いていたアガットは慌てて叫んだ。
「照れない、照れない♪」
「ま、いいんじゃない?年の差カップルっていうのも。」
「いやいや!むしろそれがいいんだってば!この絶妙な距離感が微笑ましくて仕方ないというかじれったくて身悶えするというか!」
アガットの様子を見たシェラザードは茶化し、ジョゼットは口元に笑みを浮かべて呟き、ジョゼットの言葉にはアネラスが何度も頷いた後微笑ましい表情でアガットを見つめた。
「なるほど………ロマンってやつだね。」
「むう。という事はいつか余に惚れる男はそういう男ばかりになるのか………?」
アネラスの言葉を聞いたジョゼットは頷き、リフィアは複雑そうな表情をし
(おお、リフィア、自分の事、ちゃんとわかっているね。)
(エ、エヴリーヌお姉様!)
リフィアの言葉を聞いたエヴリーヌは小声でプリネに話しかけ、話しかけられたプリネは慌てた。
「あ、あう………」
「て、てめえら……」
一方話の的にされたティータは恥ずかしそうな表情で溜息を吐き、アガットは仲間達を睨んだ。
(やれやれ………何とも緊張感に欠けるな。)
(はは、これも俺達ならではのノリってやつさ。)
そしてミュラーとジンはそれぞれ小声で会話をしていた。
「ったく………いい加減にしろっての。そういや………もう一人仲間がいるんだろ?教会のシスターみてぇだが………いったいどこにいるんだよ?」
「あ………」
「………スンマセン。向こうの書架にいるんですけどちょっと事情がありまして………」
アガットの言葉を聞いたティータは心配そうな表情でケビンを見つめ、ケビンは苦笑しながら答えた。
「リースさんですよね?ちょっとお話しましたけどすっごく可愛い人ですよねぇ。」
「あたしも話したけど………独特の雰囲気で面白い子よね。なんか元気がなかったからあんまり話は弾まなかったけど。」
「ただ、非常に努力家な方でそれに心から傷ついた人を癒したいという気持ちは伝わってきました。まだ少し教えただけですが、私の話を凄く熱心に聞いてくれますし………」
アネラス、シェラザード、ティナはそれぞれリースの自分での印象を言った。
「………ケビンさん。探索は僕たちに任せて一度リースさんと話し合った方がいいんじゃないですか?」
「………………………いや………どうやら”方石”の扱い方はオレが一番馴染んでいるみたいや。”悪魔”の危険もあるし………外れるわけにはいかんやろ。」
「ですが…………」
「ま、あいつも子供やないんやし、そのうち機嫌も治るやろ。今は時間が惜しい………さっさと出発するとしよう。」
「ケビンさん………」
「フッ、ならばボクが残って彼女の心の扉を開くとしよう…………」
ヨシュアの提案を苦笑しながら断ったケビンをクローゼは心配そうな表情で見つめ、オリビエは静かに呟いた後、リュートを取り出した。
「久々に解き放たれるこの超絶的なリュートテクでね!」
そしてオリビエの言葉を聞いた全員は脱力した。
「やめんか阿呆。」
「まったく……あんたも相変わらずねぇ。」
ミュラーは顔に青筋を立てて呟き、シェラザードは呆れて溜息を吐いた。その後ケビン達はメンバーを編成し、ケビン、ヨシュア、クローゼ、アガット、ツーヤ、ナベリウスのメンバーで探索を再開し、ロッジ内にある石碑に転位すると外は夕方になっていたので、外を出て探索を開始した。
~ル=ロックル訓練場~
「………見た所、外の風景が変わっただけで、特に何も起こっていないようですね……」
「ああ。だが、今までの事を考えると絶対何かが起こるはずや。」
ヨシュアとケビンが周囲を見て相談をしていたその時、訓練場の広い場所に妖しげな光陣が現れた!
「へっ、早速か。」
妖しげな光陣を見たアガットは仲間達と共に武器を構えて、鼻を鳴らした。すると妖しげな光陣から虚ろな目をしたミントが現れた!
「……………………」
「ミント………!」
「ミントちゃん!」
「今、解放するから待ってってね!」
ミントを見たヨシュアは叫び、クローゼは心配そうな表情で叫び、ツーヤは真剣な表情で叫んだ!するとミントは詠唱をした後
「グオオオオオオオ――――ッ!!」
なんと竜化し、竜になった後雄たけびを上げた!
「チッ…………ツーヤちゃんの予想が当たってしもうたか!」
「竜化しても魔法は使えるので、ブレスだけでなく魔法も使ってくるので気を付けて下さい!」
「………来る…………よ…………」
竜になったミントを見たケビンは舌打ちをし、ツーヤは全員に警告し、ナベリウスは静かに呟いた。
そしてケビン達は戦闘を開始した…………!
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