英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク
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第129話
~ル=ロックル訓練場~
「くじけない心を―――レジストヴィレ!!」
戦闘が開始されるとカリンは譜術で自分や味方の魔法防御能力を上昇させ
「………………」
アスタルテは広範囲のアーツを放つために霊力を溜め込み始めた。
「そこだぁっ!!」
「おぉぉぉぉ……!」
しかしそれを見たアガットがクラフト―――ドラグナーエッジを放ってアスタルテの集中を切らせてアーツの発動を食い止め、ヨシュアが魔眼でアスタルテの動きを封じ込めた。
「うふふ、魔法を早くお願い♪」
その時レンがクラフト―――マジックドライブをそれぞれ詠唱しているケビンとティアに放って二人の詠唱時間を早めさせた。
「千の棘をもってその身に絶望を刻み、塵となって無明の闇に消えるがいい…………砕け、時の魔槍!!」
「魔を灰燼と為す激しき調べ…………ヴァ ネゥ ヴァ レィ ヴァ ネゥ ヴァ ズェ レィ………」
レンのクラフトによって詠唱を早められたケビンは背後に無数の魔槍を顕させると共にボウガンに魔槍をセットさせた後それらを一斉に解き放つSクラフト――魔槍ロアを放ち、ティアは上空から光の裁きを降り注がせる譜歌―――ジャッジメントを発動した。二人が放った強力な攻撃によってアスタルテとアスタルテが呼び出した配下達に逃げ場のない魔槍と光の雨が襲い掛かり、それらを受けたアスタルテは大ダメージを受けて怯み、ダメージに耐えきれなくなった配下達は消滅した。
「ふおらあぁぁぁっ!フレイムスマッシュ!フンッ!!」
「朧!双針乱舞!!」
「レイトラスト!グランシャリオ!!」
「鳳凰天駆!燃え尽きちゃいなさい………龍炎撃!!」
怯んだアスタルテの隙を見逃さないかのようにアガット達は次々とクラフトを叩き込んでアスタルテのダメージを重ね
「もう、しまいにしよか……滅!!」
「魔を討つ力となれ、フェイタルサーキュラー!!」
大技や譜歌を終えたケビンとティアもアガット達に続くようにそれぞれ即座に発動できる物理攻撃のクラフトを放って追撃した。
「………………」
次々と攻撃を受けたアスタルテは反撃はせず、何かを溜める動作をし始めた!
「そこだぁっ!!」
「ヴァリアブルトリガー!!」
それを見たアガットとレンは敵の行動を妨害するクラフトを放ったが敵は行動を中断せず、何かを溜め込み続けていた。
「結界を貼るわ!私の傍から離れないで!堅固たる守り手の調べ クロア リュォ ズェ トゥエ リュォ レィ ネゥ リュォ ズェ………」
そしてティアは仲間達に忠告をした後”フォースフィールド”を放つために譜歌を歌い始め、ティアの忠告を聞いたケビン達は一旦ティアの傍まで後退してアスタルテから距離を取った。
「――――――!!」
するとその瞬間溜めこみの動作を終えたアスタルテは空へと舞い上がり、巨大な戦斧をケビン達の目の前に投擲して大爆発を起こさせた!アスタルテが放った禁呪の魔導の一種である魔槍アシュターはケビン達に大ダメージを与えると思われたが、ティアが展開した結界によってケビン達は守られた為ケビン達はダメージを受けなかった。
「絶影!!」
「喰らいやがれっ!スパイラルエッジ!!」
「二の型・改―――裏疾風!双牙!!」
ティアがアスタルテの大技を防ぎきるとヨシュアとアガット、レンは次々と反撃にクラフトを叩き込み
「降り注げ、光よ―――レイ!!」
「そらっ!ホワイトゲヘナ!!」
「炎の刻印よ、敵を薙ぎ払え、フラムルージュ!!」
それぞれ術の詠唱やオーブメントの駆動を終えたカリンとケビン、ティアが次々と術やアーツを放って追撃した。
「……………」
ダメージを受け続けたアスタルテは”第一星層”の悪魔―――ベヌウが放ったクラフト―――冥界波をケビン達に放ってダメージを与え
「今助けたる―――そらっ!!」
ダメージを受けたケビンはすぐに立て直す為にクラフト―――セイクリッドブレスを放って自分達が受けた傷を回復した。
「虎牙!破斬!!」
「そこだぁっ!!」
傷が回復したヨシュアとアガットはすぐに反撃し
「やあっ!ダークマター!!」
「えいっ!ダークマター!!」
カリンとレンはそれぞれ敵の動きを封じ込めるアーツを放ってアスタルテの動きを封じ込めると共にダメージを与えた。
「―――行くわよ!煌めけ、夜天の極光!落ちよ、スターライト!!」
そこにティアが空から無数の流星を呼び寄せる大譜術――――スターライトを発動し、次々と降り注ぐ流星をその身に受けたアスタルテが怯んだその時!
「千の棘をもってその身に絶望を刻み、塵となって無明の闇に消えるがいい…………砕け、時の魔槍!!」
ケビンが止めとばかりに再び無数の魔槍をアスタルテに叩き込み、それを受けた事によってダメージに耐えきれなくなったアスタルテは咆哮を上げながら消滅した!
「………………………」
「ケ、ケビン………」
「ケビンさん………」
アスタルテの消滅を確認して自分達と共に武器を収めて黙り込んでいるケビンをリースは戸惑いの表情で見つめ、ヨシュアは真剣な表情で見つめていた。するとケビンの目の前に二つの封印石が現れ、ケビンはそれらを回収した。
「あ………」
「フン………今のヤツが持ってたんか。」
「フフ……上出来だ、ケビン・グラハム。」
ケビンが封印石を回収し終えると何と転位陣の前に影の王が現れた!
「貴様………」
「うふふ、なるほどね。―――貴方が”影の王”とやらね。」
ケビンは影の王を油断なく睨みつけ、レンは仲間達から聞いた影の王の特徴を思い出して不敵な笑みを浮かべて呟いた。
「『―――次なるは獣の道。新たな供物を喰らい、汝が印を発現させるがいい。さすれば煉獄の炎はさらに猛り、我が王国は真の完成に近づく―――』クク、中途半端ではあったがまさに伝えた通りであろう?」
「…………………お前………何者や………?その悪趣味な仮面……いいかげん外したらどうなんや?」
不気味に笑っている影の王にケビンは静かな口調で問いかけた。
「フフ、お望みとあらば。しかしケビン・グラハム………本当にそなたはそれを望んでいるのかな………?」
「え…………」
「そなたが望むのなら私はいつでも仮面を取ろう。どうかな、ケビン・グラハム。そなたは本当に………私の素顔を知りたいのかな?」
「……………………オレ…………は…………」
「ケビン…………」
影の王の問いかけに考え込んでいるケビンをリースは心配そうな表情で見つめたがすぐに起きあげって、ケビンをかばうように法剣を構えて、影の王を睨んだ。
「影の王………!戯言はそれぐらいにして………!何があるのか知らないけどケビンを惑わすのは許さない………!」
「フフ………私が惑わせているのではない。彼自身が惑うことを選び続けているだけのことさ。」
「…………っ……………」
「クク………これで”太陽の娘”と、”聖なる焔の光”が解き放たれる。そちらの駒もある程度揃い、ようやく本格的な遊戯盤が用意できるというものだ。」
ケビンとリースの様子を不気味に笑いながら見つめていた影の王は詠唱を開始した。
「あ………」
「くっ………!」
「待ちなさい!さっき、”聖なる焔の光”が解放されると言ったけど、”どちらのルーク”が解放されるの!?」
「アッシュさんじゃなくて、ご主人様が入っているんですの!?」
影の王の行動を見たリースは驚き、ヨシュアは唇を噛み、ティアは真剣な表情で叫び、ミュウは懇願するかのような表情で訊ねた。
「フフ、”代用品”の方と言えばその者の事をよく知るそなた達にとってはわかるだろう?」
「……ッ!その言葉、取り消しなさい……!ルークとアッシュは全く異なる人物よ……!」
「ご主人様は誰かの代わりじゃありませんの!」
影の王の答えを聞いたティアは唇を噛みしめてミュウと共に影の王を睨んだ。
「――――次なるは夢魔の道………光と影の狭間を渡りながら白と黒の駒を揃えるがいい。さすれば異界の英傑達も揃い、新たな盤上へと進めるであろう。」
そして影の王はティアとミュウの睨みに気にする事無くケビン達に宣言をし、転移をしてその場から消えた。
「…………………」
「ケビン、あの………」
黙り続けているケビンをリースは心配そうな表情で見つめて話しかけたが
「ま、色々あると思うけど………とりあえず話は後にしとこう。」
「………え…………」
ケビンの言葉を聞いて驚いて呆けた。そしてケビン達は仲間達に振り向いて封印石を取り出した。
「あ………」
「『太陽の娘』と『聖なる焔の光』………オレ達とティアさん達、双方にとってお待ちかねの大本命や。まずは2人を解放して………細かい話はそれからにしようや。」
「ケビンさん………」
「へっ……そうだな……」
「フフ、よかったわね、ヨシュア。それにティアさんとミュウさんも………」
「はいですの!やっとご主人様に会えますの!」
「ルーク………」
「うふふ、解放された時のルークお兄様の反応が今から楽しみね♪」
その後ケビン達は封印石を解放する為に庭園に戻った―――――
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