英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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外伝~星の守護者達との邂逅~
~金の道~
門の中へと入ったケビン達は分かれ道を見つけ、一端足を止めた。するとケビン達の目の前に妖しげな光陣が現れた!
「チッ………」
「はわわっ………」
それを見たケビンは舌打ちをし、ティータは慌て
「早速ですか………」
「フッフッフ………わらわの力、存分に見るがよいぞ!」
プリネは警戒した表情で武器を構え、レシェンテは不敵に笑った後、詠唱を開始した。すると光陣から今まで見た事のない魔獣が現れ、ケビン達に自らが持っている槌で襲い掛かった!
「純粋なる魔の陣よ、出でよ!ケルト=ルーン!!」
「ごろごろどっかーん。………審判の轟雷………」
しかしその時、レシェンテとナベリウスが高火力の魔術を放ち、敵達に大ダメージを与えると共に吹っ飛ばした!
「魂をも凍らせてあげる………!氷垢螺の絶対凍結!!」
「こ、凍って下さい!アイスカノン!!」
リタとティータはそれぞれ魔術やクラフトを放って、吹っ飛ばされた敵達を凍結させ
「そこやっ!!」
「ふん、せいやっ!」
「ハアッ!!」
「そこですっ!!」
ケビン、ミュラー、ツーヤ、プリネがそれぞれの武器で止めを刺した!
「はあ………何とか追っ払ったか。しかし………なんや今のケッタイなんは。」
戦闘が終了し、武器を収めたケビンは溜息を吐いた後、先ほど戦った敵の事について考え込んだ。
「……ただの魔獣ではありませんでしたね。そちらの世界では民話に出てくるような存在として語られ、私達の世界にはいる小鬼………そういった類の魔族かもしれません。」
「なるほど………言い得て妙ですな。骸骨、甲冑、亡霊ときておとぎ話の小鬼ときたか………段々そちらの世界になって来ましたな………」
プリネの推測を聞いたケビンは頷いた後、疲れた表情で溜息を吐き
「フン………一筋縄では行かないようだな。」
「ええ。慎重に進みましょう。」
ミュラーの言葉にはツーヤが頷いて全員を促した。そしてケビン達は先を進み、しばらく進むと封印石を2つ見つけ、手に入れた。
「それが私達が封じられていたという封印石ですか?」
「ええ……できればすぐにでも解放してやりたいねんけど………」
プリネの疑問に頷いたケビンが考え込んだその時、2つの封印石が光を放った!するとそれぞれは光の球になって、そこからある人物達が現れようとした。
「手に入れてすぐに解放されるなんて初めてのケースですね。」
「ああ………けど見た感じオレらの知り合いやないみたいやけど、そっちはどうですか?」
リタの言葉に頷いたケビンはプリネとレシェンテを見て尋ねた。
「わらわは知らぬぞ。」
「私もです。」
尋ねられた2人はそれぞれ首を横に振って答えた。そして光が消えるとそこには海のような澄んだ水色の髪を持つ少年と濃い桃色の髪を2房に分け、2房に分けた髪に歯車のような髪飾りをつけ、そして小さな黒い帽子をかぶり、妖精のような小さな少女が現れた。
「一体今の光は………?ノイ、大丈夫?」
「まだちょっと目がチカチカするの………それよりナユタ、念のためにクレハ様達の無事を確認しないと………!」
「うん、そうだね。姉さんやクレハの無事を確認しに行こう!………ってあれ?あなた達は誰ですか?」
少女――ノイの言葉に頷いた少年――ナユタは立ち上がり、ケビン達に気付いて首を傾げたその時
「ナ、ナユタ………!周りを見て………!」
「え?………なっ!?一体ここは………さっきまで家の屋上にいたのに………!」
慌てている様子のノイの言葉を聞いたナユタは周囲を見て驚いた。
「こ、こんな景色”ロストヘブン”にもなかったよね!?」
「あ、当たり前なの!何がどうなっているの~!?」
「え~と………気持ちはわかるけどまずは自己紹介をせえへんか?」
混乱している様子の2人を見たケビンは苦笑しながら尋ねた。
「あ、はい。僕の名はナユタ。ナユタ・ハーシェルです。”残され島”に住んでいます。」
「………私はノイ。ノイ・ステラディアなの。以前は違う所に住んでいたけど、事情があって今は私が仕えている方と一緒にナユタの家に住んでいるの。」
「”残され島”?なんや聞いたことのない地名やな………(気のせいか?この子達もな~んかとんでもない存在のような気がしてきたな………)まあ、ええわ。オレの名は………」
ナユタとノイの自己紹介を聞いたケビンは冷や汗をかいた後、気を取り直して仲間達と共に自己紹介をした。すると驚くべき事実が判明した。それはナユタとノイが住む世界は両世界とは異なる世界だった。
「…………」
「まさか他にも異世界が存在するとは………」
「ええ、正直今でも信じられないです………」
「で、でもでも実際に前例があるんですから、他の異世界があってもおかしくないと思います。それにノイちゃんがさっき見せてくれた”アーツ”はわたし達が使う”アーツ”とは完全に異なりますし………」
ナユタ達の世界の事を聞いたケビンは口を大きく開けたまま黙り込み、ミュラーとツーヤが呟いた言葉にティータが反応して、説明した。
「凄い………!世界は一つじゃなかったんだ………!」
「世界同士をつなげる転移門なんて”ロストヘブン”の技術でも無理なのに一体どうやって………!」
一方ナユタは異世界の存在に興奮し、ノイは異世界の技術力を知り、信じられない思いでいた。
「え~と……盛り上がっている所悪いねんけど、2人はこれからどうするん?」
「「…………………」」
そしてケビンに尋ねられた2人は黙り込んだ後、考え込み、そしてお互いの顔を見て頷いた後、ケビン達に振り向いて言った。
「できれば、皆さんと共に行動させてくれませんか?僕達も自分達の世界に帰る為にできる限り協力します。ノイもいいよね?」
「う、うん。それが一番の近道だと私も思うのね。ナユタと一緒に頑張るの!」
「よっしゃ!勿論、歓迎するで!よろしくな。」
「はい!ノイ、頑張ろうね!」
「うん!頑張ろう、ナユタ!」
ケビンの言葉にナユタとノイはそれぞれ力強く頷いた。
「ハハ………大変な事に巻き込まれたのを自覚していながら不謹慎だと思うんだけど、またノイと一緒に冒険できるなんて嬉しいよ。」
「私もなの、ナユタ!」
そしてナユタとノイは独特の近寄りがたい雰囲気を作った。
「え~と………何やろ、この入ってはいけないと思う空気は………」
「む~………なんかズルいのじゃ~。」
「フフ、まるで私とナベリウスみたいだね?」
「リタと………わたし………とっても仲良し…………」
嬉しそうな様子でお互いを見つめ合って会話をしているナユタとノイを見たケビンは一歩下がって苦笑し、レシェンテは頬を膨らませ、リタとナベリウスは微笑みながら見つめていた。
「……あたしはアレよりもっと凄い空気をいつも見ていますから、大丈夫ですけどね。」
「ふえ?それってどういう事なの、ツーヤちゃん?」
そして疲れた表情で呟いたツーヤの言葉を聞いて首を傾げたティータは尋ねた。
「………リウイ陛下とイリーナさん。後はマスターとレーヴェさん………この2組が作る空気を見続けているんだから、今更だよ………」
「あ、あはは…………」
(全くですわ。少しはわたくし達がいる事も考えて欲しいですわ。)
(うむ。愛し合うのは結構だが、せめて我等を召喚してからしてほしいものだ。)
(ま、まあまあ。それはしょうがないよ………)
「う…………」
ツーヤの答えを聞いたティータは苦笑し、プリネの身体の中にいたフィニリィとアムドシアスは頷き、ペルルは2人を諌め、そして心当たりがあるプリネは冷や汗をかいて小さな声で唸った。
「さて………それじゃあ早速冒険を始めましょうか!」
「レッツゴー、なの!」
そしてナユタとノイはケビン達に向き直って、それぞれ明るい表情で先を促した。その後そのままナユタ達を仲間に加えたケビン達は探索を再開した。探索の最中、さまざまな見た事のない魔獣らしき敵達がケビン達を襲い掛かって来たが
「も、燃えちゃえ~!フレイムカノン!!」
「そこやっ!!」
ティータとケビンが遠距離攻撃をして、先制攻撃をし
「おお?おお!」
「わらわの力、知るがよい!メルカーナの轟炎!!
ナベリウスとレシェンテがそれぞれ高火力の魔術を放って、大量の敵達を薙ぎ払い
「十六夜………”斬”!!」
「はぁっ!」
「ヤアッ!!」
「セイッ!!」
ツーヤ、ミュラー、リタ、プリネは生き残った敵達にクラフトを放って次々と止めを刺して行った。一方実力が未知数で、戦力として不安だと思われたナユタとノイだったが
「剣技―――燕返し!!」
自分とノイに襲い掛かった敵達にナユタは目の前にいる敵達を一瞬で切り刻むクラフト――燕返しを放って、ダメージを与えると共にのけ反らせ
「止めなの!クリスタルランス!!」
ナユタの傍にいたノイはケビン達が使う”アーツ”とは異なり、”冬”の季節の力を借りる”魔法”の内の一つ――クリスタルランスを放って、次々と止めを刺した!しかし、ノイのアーツに逃れた敵もいて、その敵がナユタを襲い掛かった!
「させないの!」
しかしその時、ノイがナユタの前に出て、自分がいる世界のある人物から授けられた力であり一時的にナユタと自分の周りに絶対防壁をはるクラフト――ギアシールドを展開して、防御し
「ありがとう、ノイ!ヤアッ!!」
敵の攻撃をノイが防いでいる間にナユタが剣を振るって、止めを刺した!
「よっしゃ、終わったか。それにしてもナユタ君とノイちゃん、思った以上に強いな。オレらとそう大して変わらんように見えるで?」
「それに2人の動きが息ピッタリですね。フフ………私達も見習わないとね、ナベリウス。」
「うん………」
戦闘が終了した後、ケビンとリタ、ナベリウスはナユタとノイの予想以上の強さに感心した。
「ハハ、僕達はずっと2人で冒険して来ましたから………」
「私とナユタは最高のコンビなの!」
ケビン達に感心されたナユタは苦笑し、ノイは自慢げに胸を張った。
「えへへ、まるでエステルお姉ちゃんとヨシュアお兄ちゃんみたい………あれ?」
「?どうしたの、ティータちゃん。」
何かに気付いた様子のティータにツーヤが尋ねると
「うん、あそこ………」
「おっ、宝箱やんか。何かいいのが入っているといいねんけどな。」
ティータが指をさした方向に宝箱があり、それを見たケビンは宝箱に近づいて空けた。宝箱の中には使いこなされたように見えるボウガンが入っていた。
「………な………!?(………こ、これは………ルフィナ姉さんが使っていたボウガン―――”魔弓アイオーン”!!なんでこれがここに……)」
宝箱の中に入っていたボウガンを手に入れたケビンは信じられない様子でボウガンを見つめて考え込んだ。
「ケビンさん、どうかしましたか?」
その様子に気付いたプリネは不思議そうな表情で尋ねたが
「いや………えらい立派なボウガンやなって見とれてしまっただけや。せっかくやし………有効活用させてもらおかな。」
ケビンは言い訳をして誤魔化した。そしてケビン達はどんどん先へと進み、ついに終点らしき場所に到着した。
「あれは………!」
「ふむ……出口ということか。」
先にある大きな扉を見たケビンは驚き、ミュラーは扉の先を推測した。
「ええ………その可能性は高そうですな。ふう、リース達の方も順調に行ってるといいんやけど………」
ミュラーの言葉にケビンが頷いたその時、妖しげな光陣が現れた!
「チッ………」
「か、簡単には通してくれなさそうですね………」
「どんな敵が来ようと、やっつけるの!」
それを見たケビンは舌打ちをした後仲間達と共に武器を構え、ティータは真剣な表情をし、ノイは意気込んだ。すると光陣からなんと法剣を構えたリースが現れた!
「………なっ………!?」
「え!?お、女の人……!?」
リースの登場にケビンとナユタは驚き
「リ、リースさん!?」
「一体どうしたのじゃ!?」
プリネとレシェンテは戸惑った。
「…………………」
一方リースは何も語らず、虚ろな目でケビン達を見つめた後、妖しげな動く鏡達を召喚した!
「くっ………操られたんか!?」
「話しは後です!来ます!………力を貸して、ペルル、フィニリィ!!」
「了解!」
「わかりましたわ!」
信じられない表情で叫んだケビンにプリネは忠告をした後、ペルルとフィニリィを召喚した!
そしてケビン達は戦闘を開始した………!
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