英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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1章~影の国~ 第4話
光の法陣に飛び込んだ3人はまた異なった異空間に出て、探索を開始し、途中に現れるケビン達の世界には存在せずリタの世界に存在する”魔物”を倒しながら進むと、途中でケビンが持つ”方石”とはまた別の金色の”方石”を見つけ、また聞こえてきた謎の声に従い、ケビンが持つ方石をかざして、転移をして一端”隠者の庭園”の石碑の前に戻った。
~隠者の庭園~
「あ………」
「よし、上手くいったな。これで危なくなったらいつでもここに戻って来られるわけや。」
「凄いですね………”飛翔の耳飾り”とは似ていますが、あれ以上の効果を持っていますね。」
転移したリースは呆け、ケビンは明るい表情で呟き、リタは驚いた様子でケビンが持つ”方石”を見つめた。
「うん………なかなか便利かも。正直、その”方石”はあんまり信用できないけど。」
「ま、これまでと同じく取扱いには注意しとくわ。さてと………お次はコイツか。」
リースの言葉にケビンは頷いた後、金色の”方石”を取り出した。
「”封印石”………あの石碑にかざすと解放されるみたいなことをあの声が言っていたけど………一体、何が解放されるの?」
「そればっかりは試してみないとわからへんな。オレがかざしてみるから念の為2人は警戒しといてくれ。」
リースに尋ねられたケビンは真剣な表情で2人を見て言った。
「………わかった。」
「はい。」
ケビンの言葉に頷いた2人は武器を構えた。そしてケビンが金色の”方石”―――”封印石”を石碑の前にかざすと、”封印石”は反応した後、宙に浮いて光の球になった!そして光の球はゆっくりと降りてきて、そこからある人物が現れようとした!
「なっ…………!」
「えっ…………!」
「………女の子………?」
現れようとした人物を見たケビンとリタは驚き、リースは戸惑った。すると光はなくなり、そこにはなんとティータが座り込んでいた!
「ふ、ふえ~っ………い、今の光って………」
「…………………」
「この子、写真の………」
「フフ………これはさすがに予想できませんでした。」
驚いて呟いているティータを見たケビンは口をパクパクさせ、武器を収めたリースはティータの顔を見てエリカが見せた写真の人物である事を思い出し、リタは微笑んだ。
「ふえっ……?ケ、ケビンさん?それにリタちゃんも?あれあれ?2人がどうしてここに………」
「あ~………はは、久しぶりやね。ティータちゃん。リウイ陛下の結婚式以来やから………2か月ぶりくらいか?少し背ぇ伸びたみたいやん。」
状況を理解していなく、不思議そうな表情で自分を見つめるティータにケビンは溜息を吐いた後、苦笑しながらティータを見た。
「あ………えへへ、ありがとーございます。あのあの、お久しぶりです。またリベールに遊びに来てくれたんですか?それにリタちゃんも大陸中を旅するって聞いていたけど、ケビンさんのように遊びに来てくれたの?あれ、そちらのおねーさんは………」
ケビンの言葉を聞いたティータは嬉しそうな様子で答えた後、リースに気付いた。
「あれ………?確かわたし、お父さんと一緒にお家でお留守番をしてて………アガットさんが来るから晩ゴハンの支度をしてたらあたりが真っ白になって………それで…………!はわわわっ!?こ、ここっていったい!?ゆ、夢!?これって夢なんですか!?そ、そうだっ!ホッペつねらなきゃっ!」
そして周りの様子を見て慌てた。
「はは………こりゃ間違いなく本物やな。」
「ええ。」
(…………可愛い…………)
ティータの様子をケビン達は微笑ましそうに見つめた。そしてケビン達はティータに現在の状況を説明した。
「そ、そうですか………お母さん達が引き上げたアーティファクトが原因で………」
「いや……正直、これが原因かどうかすらわからへんってのが現状や。それに、これが原因だとするとツァイスにいたティータちゃんが巻き込まれた理由がわからへん。」
「た、確かに………ツァイスとグランセルでは距離もかなり離れてますし………」
ケビンの説明を聞いたティータは頷いた。
「ただ、白い光に包まれた時刻はほぼ同じのようですね。何らかの関連性があるのは間違いではないかと。」
「は、はい。わたしもそう思います。あっ………ご、ごめんなさい!わたし挨拶もしないで………」
リースの意見に頷いたティータは自己紹介をしていない事に気付き、姿勢を正して自己紹介をした。
「あのあの、わたし、ツァイス中央工房見習いのティータ・ラッセルって言います!」
「七耀教会のシスター、リース・アルジェントです。あなたのことは、お母様やケビンから色々と伺っています。」
「あ、リースさんもお母さんに会ったんですか?」
「ええ………写真を見せて頂きました。こうしてお会いしてみるとお母様が自慢するのも納得です。」
「は、はう………お母さんったら………」
「フフ……恥ずかしがる事ないよ。ティータちゃん、とっても可愛いもの。」
リースの話を聞いて恥ずかしがっているティータにリタは微笑みながら言った。
「もう、リタちゃんったら………あのあの、お母さん、何かリースさんに失礼なことをしませんでした?リースさんみたいな可愛い人、お母さん大好きだと思うし………」
「え……………」
ティータに尋ねられたリースは呆けた声を出した。
「す、すみませんっ!お姉さんなのに可愛いなんて!でもでも、なんていうか物静かでキレイなんだけど独特な雰囲気っていうか………」
「なるほど………言われてみれば。」
「…………独特…………」
「はは、親子そろって鋭いやん。確かに独特っていったらリース以上はそうおらんやろ。」
ティータの説明を聞いたリタは納得した様子でリースを見つめ、ティータの話を聞いたリースは呆けた声を出し、ケビンは笑いながらリースを見た。
「む………」
ケビンに笑われたリースは顔を顰めた。
「えとえと、その………それでケビンさん達はこれからどーするんですか?やっぱりこのまま脱出方法を探すんですよね?」
「ああ、そのつもりや。といっても探索を始めたばかりやからぜんぜん進展してへんのやけど。」
ティータに尋ねられたケビンは頷いた後、疲れた表情で溜息を吐いた。
「そうですか…………あのあの!だったらわたしにもお手伝いさせてください!足手まといにならないよう頑張りますから!」
「え。」
「わあ、それは良い提案だね。」
「うーん、そやなぁ。正直、ティータちゃんにはここで待ってて欲しいんやけど。さっきも言ったようにどうもオレらの常識ってモンが通用しない場所みたいでな。」
ティータの申し出を聞いたリースは驚き、リタは明るい表情をし、ケビンは考え込んだ後苦笑しながら言った。
「でもでも、それを言うならここで待ってても同じですし………わたしに出来ることがあるならお手伝いさせて欲しいんです!」
「そっか。………はは、さすがはエステルちゃんの妹分や。」
「えへへ。」
ティータの決意の表情を見たケビンは頷いた後、苦笑した。
「ケビン………本気?」
一方ティータを探索に加えようとしたケビンに驚いたリースは真剣な表情で尋ねた。
「この子に関してはそんなに心配せんでもいい。こう見えても、例の事件では最後まで修羅場に付き合ったんや。見た目より遥かにしっかりしとる。」
「ええ。浮遊都市での最終決戦でもケビンさんや私を含めたみんなと一緒に足手まといにならず、戦ったんですよ。」
「そうは言っても………」
ケビンとリタの説明を聞いたリースだったが、幼いティータを危険な場所に連れて行くことに抵抗を感じていた。
「あのあの………どうかお願いします!みなさんに心配かけないよう安全には気を付けますから!」
「……………………わかりました。こちらこそよろしくお願いします。」
「ほ、ホントーですか!?」
あっさり認めたリースにティータは驚いた。
「どうやらあなたは他人に心配をかけるというのがどういう事なのかご存知の様子。ならばこれ以上、私が口出すまでもありません。………ただしどうか、くれぐれも気を付けてください。」
「は、はいっ!」
「それに関してはオレからもよろしく頼むわ。ティータちゃんに何かあったらオレ、間違いなくエリカ博士に絞め殺されてしまうからな。」
「フフ………その時は私がちゃんと、”冥き途”まで案内しますよ。」
「は、はい!キモに銘じますっ!」
その後ティータの装備を整え、ティータを仲間に加えたケビン達は先を進んだ。すると何かの扉があり、扉から謎の声が聞こえ、声に従ってティータが入り、そして戻って来たティータは過去の出来事を扉が見せてくれた事を説明し、さらにミラをいつの間にか手に入れた事を説明した。そしてケビン達はさらに進むとそこにはなんと”アルセイユ”があり、船内を探索するとティータが封じられていた”封印石”を見つけ、中にいる人物を解放する為に庭園に戻り、そして”封印石”を解放した。
「………軍服………?」
「あ、あれって………」
「やっぱりな………アルセイユにあった時点で予想はしてたけど………」
「フフ……これはまた懐かしい方の登場ですね。」
封印石が解放され、光の中から出て来ようとした人物にリースは首を傾げ、ティータは驚き、ケビンはどこか納得した様子で、リタは微笑みながら見つめた。そして光は消え、光の中にいた人物――ユリアが現れた。
「くっ………エコー!いったい何が起こった!?……………え。」
地面に手を付いていたユリアは顔を上げて叫んだが、目の前にいる人物達に気付き呆けた声を出した。
「そ、その………」
「とりあえあず………ユリアさん、お久しぶりですわ。」
「こんにちは。」
「………ケビン神父………それにティータ君にリタ君………」
ティータ達に話しかけられたユリアは驚いた後、周囲を見回してケビン達を見つめて静かに問いかけた。
「再開の挨拶をする前に一つ聞かせて欲しい。―――これは夢か?それとも幻なんだろうか?」
そしてケビン達はユリアに現状を説明した。
「なるほど………俄かには信じ難い話だが受け入れるしかないようだな………」
「話が早くて助かりますわ。それでユリアさんの方は何があったのか覚えてます?やっぱり昨日の夜、白い光に巻き込まれたんですか?」
「昨夜というか…………つい先程の出来事のように感じられるんだが………飛行演習が終わってちょうどレイストン要塞に帰還している最中でね。ブリッジの座席に座っていたらいきなり辺りが白くなって………どうやらそこで記憶は途切れているみたいだな。」
「なるほど………だいたい事情はわかりましたわ。」
「やはり我々の場合とほぼ同じ時間帯ですね………他のクルーがどうなったかご存知ではありませんか?」
ユリアの説明を聞いたケビンは重々しく頷き、リースも頷いた後真剣な表情で尋ねた。
「いや………正直、見当もつかない。巻き込まれたのが私だけならまだ安心できるんだが………」
「アルセイユがあるっていう事は他のクルーの人達もいる………そういう事なんでしょうか?」
ユリアの話を聞いたティータは心配そうな表情で呟いた。
「ふむ………現時点では何とも言えんな。」
「ええ。先ほど艦内を探索しましたがユリアさんの”封印石”以外誰もいませんでしたし。」
「…………………………ケビン神父、それからシスター・リース。君達は既にこの場所の探索を始めているそうだな?」
ケビンとリタの話を聞いたユリアは考え込んだ後、ケビンとリースに尋ねた。
「ええ、まあ。」
「………まだ探索を始めてあまり経ってはいませんが。」
「ならば………私も是非、協力させてほしい。部下達の安否も気になるしアルセイユが動かない理由も確かめる必要がある………そのためには君達に協力させてもらうのが一番の近道のようだ。」
2人の答えを聞いたユリアは決意の表情で申し出た。
「わあ………!」
「正直、願ってもない話ですわ。王国軍の若手随一の剣技、アテにさせてもらいまっせ。」
ユリアの申し出にティータは表情を明るくし、ケビンも表情を明るくして言った。
「はは………私の剣技などまだまださ。シスター・リース、リタ君、それからティータ君。若輩の身ではあるがどうかよろしく頼む。」
「………こちらこそ。」
「フフ、ユリアさんの剣技、期待していますね。」
「よ、よろしくお願いします!」
そしてユリアも加えたケビン達はさらに探索をし続け、そしてまた封印石を見つけ、また一端庭園に戻り、封印石を解放しようとしていた。
「フフ……今度は一体誰が出て来るんでしょうね?」
「ドキドキ………」
「はは……それは解放してからのお楽しみやな。」
微笑んでいるリタと期待している様子のティータを見たケビンは苦笑した後、封印石を解放した。すると今までのように光の球が降りてきて、そこからある人物が現れようとした。
「へ……?」
「にょ、女官の服装………?」
光の球の中から現れようとした人物の服装を見たケビンとユリアは戸惑い
「え………嘘………!」
リタは信じられない表情で呟いた。そして光は消え、ある人物―――メイド姿の青髪と青い瞳を持つ女性が現れた………!
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