転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1329話
サツキミドリ2号から……正確には、サツキミドリ2号でネルガルに連絡を取っていたプロスペクターからサツキミドリ2号に来て欲しいという連絡を受け、大きめの残骸の殆どの回収し終わった俺達はその要請に従ってニヴルヘイムとシロガネをサツキミドリ2号へと動かしていた。
ただし、サツキミドリ2号に入る事が出来るのは当然ながらシロガネだけだ。
横幅はともかく、高さはニヴルヘイムの方がサツキミドリ2号よりも高いので当然だろうが。
無理矢理ニヴルヘイムをサツキミドリ2号に入れるような事をすれば、間違いなくサツキミドリ2号が壊れる。
また、ニヴルヘイムは今回の交渉において俺達の本拠地という扱いであるのと同時に、機動要塞でもある。
俺と関係の深いナデシコ……そしてネルガルと比べると連合軍がどう出るか全く分かったものではない。
個人的には妙な真似をするよりは一気に攻めてきて欲しいのだが、向こうも当然ネルガル経由でナデシコから俺達の実力については情報収集をしているだろう。
ニヴルヘイムのような巨大な艦……ではなく建造物が転移してきたのだから、当然連合軍も異変には気が付いていると考えて間違いない。
それでもすぐに行動を起こさなかったのは、やはりニヴルヘイムの大きさもあったのだろうが、俺達が木星蜥蜴と戦っていたというのも大きいと思う。
まぁ、考えてみれば分かるだろうが、大きさは違えど同じ虫型の機体同士が戦っているのだから、もしかしたら連合軍側にとっては何らかの理由で木星蜥蜴が内紛をしていると思っても不思議はない。
……無人機が内紛とかするのかというのもあるが、無人機だからこそAIの方で何らかの齟齬が起きて修正出来なくなった――ようはバグった――とか。
「ま、どのみち連合軍や連合政府に出来るのは、そう多くないんだけどな」
「……アクセル、今回の交渉先はネルガルだけど、連合軍の方もこっちの動きを見てるだろうから、迂闊な発言はしないでちょうだい」
俺の隣を歩くエザリアが溜息を吐いてそう告げてくる。
ちなみに、現在ここに……サツキミドリ2号にいるのは、俺とエザリア、あやか、千鶴。そして護衛としてイザークと量産型Wが4人。
ムウとオウカ、スレイにはいざという時の為にシロガネの方に残って貰っている。
もし連合軍が何か手を出してこようとしても、ムウとオウカがいればメギロートとかの指揮を執って十分に戦えるだろう。
それにシロガネにはナタルが、ニヴルヘイムにはマリューがいるのを思えば、それだけで十分な戦力になると言ってもいい。
「迂闊な発言と言ってもな。正直なところネルガルにとっては俺達との関係を切りたいとは思わないんじゃないか?」
「どうかしらね。確かにシャドウミラーという存在はネルガルに取って魅力的でしょうけど、ネルガルはどれだけ大きくても所詮は一企業に過ぎないのよ。国と……それも連合政府のような巨大な組織に狙われれば、抗いようがないわ。それこそ、シャドウミラーと本格的に手を組んで対抗するのなら出来るかもしれないけど、まだシャドウミラーという存在をよく知らない状況で連合政府や連合軍と、シャドウミラー。どちらを選ぶかしら」
……何だか、俺よりもエザリアの方が余程凄い事を言っているような気がするんだが。
そんなエザリアの言葉に、俺の後ろを歩いているあやかが納得したように頷きを返す。
「そうですわね。ネルガルにとっては未知の存在である私達と手を組むかと言われれば、躊躇ってもおかしくはないかと。ですが、その未知というのは逆に得体の知れない迫力と見る事も出来ますわ。少し時間を置けば、そう遠くない内に私達と関係を結ぶというのがどれ程の利益になるのか理解するのでは?」
「あやかの言う通りでしょうね。実際、プロスペクターさんとかエリナさんも随分と乗り気だったようですし」
千鶴の言葉は間違いなく事実でもあった。
ネルガルにとって、シャドウミラーとの異世界間貿易というのは桁外れの利益を持たらす。
だからこそ、俺としては今回の連合軍や連合政府との仲介役を上手くこなすよう必死になるんじゃないかと思ってるんだが。
「ま、それもすぐに分かるだろ。いざとなったらネルガル以外の組織を探すという手段もあるんだし、本当に最後の手段としては木星蜥蜴の調査を俺達で行って、欲しい技術は独り占めって選択肢だってあるんだから。……そろそろだ」
視線の先にあるのは、一つの家。
ただし、この辺がネルガルが借りている区画であると考えれば、今までしていた会話をオモイカネ辺りを使って盗み聞きしている可能性は高い。
いや、それを知った上で今のような会話をしてたんだけどな。
俺達が手を組む相手は絶対にネルガルでなくてもいいというアピール。
第2候補としては、クリムゾングループ辺りが有力か。
あるいは、それこそ今俺が口にしたようにどことも手を組まないで地球側の技術は切り捨て、木星蜥蜴の生産プラントを探し出すか。
ただ、それだと片手落ちなんだよな。
出来ればやっぱり地球側の技術も入手しておきたい。
そんな風に考えながら、その家に到着してベルを押す。
ピーンポーン、ピーンポーン、という聞き慣れた音が響き、やがて中からはパタパタと誰かが走ってくる音が聞こえてくる。
そうして扉が開くと……
「何でプロスペクターなんだよ」
「おや、誰の事を想像していたのですかな?」
扉が開いた先にいたのは、眼鏡とチョビヒゲが特徴的なプロスペクターだった。
普通こういう時に姿を現すのって、エリナとかじゃないのか?
いやまぁ、単純に俺の予想というか、そうだったらいいなって感じだったんだが。
「アクセルの事だから、恐らくエリナさんでも予想していたんでしょうね。……さて、それはともかく、私達を呼んだという事は、交渉についての話よね?」
エザリアの言葉に、プロスペクターは頷きを返す。
「ええ。本来であれば会長が直接お目に掛かってお話をしたいという事だったのですが、残念ながら会長は現在地球におりまして。こちらにくるのは時間が掛かるという事で……」
「もし何なら、システムXNを使って俺が直接日本に向かっても構わないけど?」
「いやいや、そんな事をすれば大きな騒ぎになってしまいますよ。壁に耳あり障子に目ありという言葉もありましてね」
「俺達だけでの転移なら、そんなに目立たないと思うが? ニーズヘッグだけであれば、そこまで大きい訳じゃないんだし」
それでもエステバリスよりは大きいんだけどな。
やっぱり目立つのか?
「それこそ、誰とも知らない相手とネルガルが交渉をしている場面というのは、色々と問題がある訳でして……」
「今の状況もそういう意味では危ない訳ですわね」
ポツリとあやかが呟くと、プロスペクターが我が意を得たりと言わんばかりに大仰に頷く。
「そうです、そうです。その通りです。ですが、こうして会長が直接皆さんと通信越しでも交渉の席に出るというのは、色々とリスクを背負っていると、シャドウミラーの皆さんに対する誠意であると、そう思って貰えれば……」
そう言っても、俺がナデシコに乗っていた時点で色々と怪しまれる事は間違いないけどな。
それに火星では思い切りシャドウミラーとナデシコは協力態勢を取っていたんだし。
まぁ、そうでなければナデシコは生き残れなかった以上当然だろうけど。
……本当に、原作だとどうやって生き残ったんだろうな。
あの絶体絶命の状況で、ナデシコが木星蜥蜴をどうにかして倒したり、火星から脱出するといった行為は予想出来ない。
「そうね。その辺については考慮させて貰うわ。それで、すぐにネルガルの会長と話は出来るのかしら?」
「はい。会長も皆さんと会話をするのを楽しみにしていますよ。さ、どうぞ上がって下さい」
プロスペクターに案内され、家の中に通される。
恐らくこの家はこうして秘密の話をする為に用意された場所なのだろう。
それとも今回の件が終わればすぐにでも消される運命にあるのか?
どのみち、向こうにとっても今回の件を重視しているというのは間違いない。
家そのものはそれ程広くはなく、1分も歩かない内にリビングへと到着する。
……いや、別に普通に考えれば、この家は狭いって訳じゃないか。
ホワイトスターにある俺の家が広くて感覚が麻痺してるんだろうな。
部屋の中はソファやテーブルといった家具が置いてある、ごく普通のリビングだ。
ただし、TVはかなり大きいのが部屋のバランスを崩しているように感じられる。
部屋の中にいたのはエリナのみで、俺達と一緒にやってきたプロスペクターはいるが、ゴートの姿はない。
まぁ、今回の件は極秘の交渉……というか会談になるのだから、ネルガルにおけるゴートの地位ではここに加わる事は出来なかったのだろう。
何だかんだで結局は警備員な訳だし。
「どうぞ」
ソファに座った俺達――護衛のイザークと量産型Wはソファの後ろに立っているが――へと、エリナが紅茶を出す。
一瞬俺の方へと視線を向けるが、すぐに秘書としての顔に戻って下がっていく。
そうしてエリナとプロスペクターの2人は俺達の脇へと避けて、巨大な映像モニタが起動する。
そこに映し出されたのは、まだ若い……それこそ俺とそれ程変わらないだろう年齢の男。
その顔立ちは整っていると言ってもいいのだろうが、どこか皮肉げな二枚目といった感じだ。
前に調べた時に見たように、肩まで伸びている黒い長髪が特徴的と言ってもいいだろう。
そんな容姿な事も含めて、どこか軽い印象を受ける。
……いや、恋人が9人、凛と綾子を入れて11人? ハルカも入れて12人? エリナは入れない方がいいか? ともあれ、それだけの恋人がいる俺に軽いとかチャラいとか、そんな風に思われるのは向こうも面白くないだろうが。
『やぁやぁ。異世界のお客人の皆さん。ネルガルの会長を務めている、アカツキ・ナガレと言います。まさか、僕の代で異世界の人物と知り合う機会があるとは思ってもみなかったので、何と言ったらいいのか……物凄く驚いているというのが正直なところですね』
へぇ、見かけによらず軽い言葉遣いではないらしい。
いや、ネルガルの会長ともあろう人物が、自分達よりも圧倒的な戦力を持つ相手に対してそんな風な口調で話してくるとは思ってなかったけど。
多分……本当に多分だが、プライベートではそういう口調なんだろう。
ネルガルの会長だけあって、TPOを弁えているって訳だ。
エザリアの視線に促され、俺もまた口を開く。
……交渉はエザリアの役目なのだが、今回の場合はネルガルという会社との初めての接触だ。
いやまぁ、ネルガルというかナデシコとかに所属していた事を考えれば、こっちとしても今更なんだが。
「シャドウミラー代表の、アクセル・アルマーだ。ネルガルの会長という事は、俺がナデシコに世話になる時に色々と動いて貰ったのは感謝している」
『あははは。こちらとしても、全く見知らぬ人がナデシコに乗るという話を聞いて、最初は驚きましたよ。けど、それを感謝しているのであれば、こちらとしても色々と便宜を図って貰えれば嬉しいですね』
そう言い、笑みを浮かべるアカツキ。
もしこれが原作であれば、恐らく歯がキラリと光っていたりするんだろう。……多分。
「そうだな、その辺についてはこっちのエザリアと交渉してくれ。……エザリア・ジュール。政治を司っている人物で、シャドウミラーの3人の大幹部の中の1人だ」
視線を向けられたエザリアがソファに座ったまま小さく頭を下げる。
「エザリア・ジュールよ。これからは私が窓口になるわ。私の手が空いてない場合は、この二人が担当するから、そのつもりでいて頂戴」
視線を向けられたあやかと千鶴が頭を下げる。
ちなみにアカツキの言葉遣いが丁寧なのに対してエザリアが普段通りの口調なのは、やはり国家と企業という格の違いからだろう。
「雪広あやかといいます」
「那波千鶴です」
『ほう! エザリアさんもそうですが、そちらのお二方も美しいですな。もしかしてシャドウミラーにはそちらの3人のように魅力的な女性が多いのでしょうか?』
……うん、やっぱり言葉遣いはともかくとして、性格は予想通りらしい。
「そうだな。シャドウミラーに所属している人物は色々な意味で魅力的な人材が多いのは事実だ」
『それは羨ましい』
「そうか? ナデシコにも美人が揃っていたと思うが?」
『はっはっは。確かにそうでしょうね。私もエリナ君を派遣していましたし』
お互いが交渉とは関係のない話題で話し続ける。
向こうもこちらのメンタリティを手探りの状況で調べているのだろう。
こっちも、アカツキがどういう性格をしているのかというのを探りながらの会話となる。
そんな風に、ネルガルとの交渉は一見すると和やかな雰囲気で始まるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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