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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1328話

 サツキミドリ2号を襲っていた木星蜥蜴は、予想以上にあっさりと片付けられた。
 いやまぁ、ネルガルの研究所を襲ってきた時にもシャドウミラーからは戦力を最大限に出していた訳ではなかったのに結局俺達が勝ったんだから、その時と同程度の戦力で更にこっちには前回の戦いでは出番のなかったシロガネとニヴルヘイムがいる。
 その上、あの時の戦闘では地上での戦いだった為に相転移エンジンの実力をフルに発揮出来なかったナデシコは、宇宙ではその実力を最大限に発揮出来る。
 そんな120%状態のシャドウミラー&ナデシコ連合軍に、木星蜥蜴がどうにか出来る筈もない。
 ……まぁ、それでもメギロートは20機近く撃破されてしまったし、中破や小破といった機体はそれなりに被害が出ているが。
 バッタによって集中攻撃されて撃破された機体もいるし、大型戦艦……いや、サツキミドリ2号からの情報によると、ヤンマ級と名付けられたらしいそのヤンマのグラビティブラストを食らって消滅してしまったのもいる。
 勿論撃破されたのは全てメギロートだけであり、シャドウのようにバリアを持っている機体は殆ど無傷に近い。
 やっぱりバリアってのは重要だよな。
 シャドウはG・テリトリー、Eフィールド、ブレイズ・ルミナスのように複数のバリアがあるからこそ無傷で済んだんだが。
 バリアが1枚だけだと、恐らく破られていた可能性が高い。
 何だかんだと言いつつ、グラビティブラストの攻撃力は高いんだし。
 で、木星蜥蜴との戦闘が終わった現在、ナデシコはサツキミドリ2号の中へと移動している。
 俺達シャドウミラーの事を説明する必要もあるし、何よりネルガルの方に交渉の件を説明する必要がある為だ。
 そもそもプロスペクターやエリナと幾ら交渉したところで、結局2人は高い地位の人物ではあっても決定権を持っている訳ではない。
 特に異世界からの存在という、俺達シャドウミラーとの関わり合いをどうするかってのは、幾ら高い地位にいても結局のところは一社員でしかないプロスペクターやエリナに決めようがないだろう。
 だからこそ、その件を真っ先に説明して連合軍や連合政府とシャドウミラーの橋渡し役を務めるように上司を……ネルガルの会長を説得しないといけない訳だ。
 まぁ、ネルガルが利益に関しての嗅覚が鋭ければ、この件を断るとは思えないが。
 それに前会長の悪評がまだ残っている現在、異世界と連合軍や連合政府との端渡した役をしたというのは格好の企業イメージ向上になる筈だし。
 ……ただ、俺が調べた限りでは現在のネルガルの会長ってかなり若いんだよな。
 それこそ俺と同い年くらい。
 顔立ちは整ってるけど、どこか皮肉げな様子が印象に残っている。
 まぁ、当然本人を直接見た訳じゃなくて、写真とかを見た第一印象だから実物は全く違う可能性もあるけど。
 ともあれ、現在ナデシコはサツキミドリ2号で色々と各部署に報告をしている訳だ。
 それと火星で俺達と一緒に戦って入手したカトンボとかのパーツを運ぶという仕事もあるらしい。
 ヤンマはこっちで全て確保させて貰ったが、カトンボに関しては結構な量をナデシコに……正確にはネルガルに譲渡している。
 勿論カトンボそのものを持ってくる訳にもいかないので、相転移エンジンを始めとした重要パーツだけ持ってきたんだろうが。
 俺達が色々と活動している中、ナデシコの近くでエステバリスがその辺の作業をしている光景を何度か目にしている。
 そんな中で俺達が何をやっているのかと言えば……

『アクセル、あの大型艦……いや、ヤンマは駄目だな。相転移エンジンや武器の類も殆ど壊れてて使い物にはならない。それでも一応回収するか?』

 ニーズヘッグのコックピットに聞こえてきたムウの言葉に頷く。

「ああ。ヤンマはでかいだけに、キブツの材料としてもありがたい代物だ。それに技術班が一応調べるだろうし。すぐに行くから、ムウは次の大物を探してくれ」
『あいよ』

 ムウのいる方へと向かって機体を動かすと、やがてその言葉通りにかなり破壊されているヤンマが見えてきた。
 報告にあった通りにちょっと使い物にはなりそうもない。
 いや、無人機なんだから仕方がないとは思うんだけどな。
 まだ動けるのであれば、間違いなくこっちに攻撃してくるんだろうし。
 この辺、敵としての無人機の厄介なところだ。
 AI制御なだけに、こちらに対して降伏をするといった行為は絶対にしないからな。
 それでもムウに言った通り、大型艦は巨大な分キブツに突っ込む原材料としては文句なしに優秀だ。また、技術班がどこを調べるのかも分からない以上、残骸だろうと入手しておいた方がいいだろう。
 ニーズヘッグのコックピットから出る。
 パイロットスーツの類も着ていない完全な生身だが、混沌精霊の俺にとっては生身で宇宙に出るというのは全く危険はない。
 そのまま壊れているヤンマへと触れ、空間倉庫へと収納する。
 正直なところニヴルヘイムに収納してもいいんだが、場所を取るんだよな。
 これから地球と交渉する上で、もし戦いになるような事にでもなったりしたら邪魔以外のなにものでもない。
 であれば、俺が空間倉庫に入れておいた方が邪魔にもならないだろう。
 ……そう、ネルガルに交渉の仲介を頼んだ俺達がやっているのは、木星蜥蜴の回収だった。
 ちょっと思うところがない訳ではないが、今の俺達は待ち一辺倒である以上、特に何をする必要もない。
 地球のネットワークにアクセスするってのは、今頃エザリアやあやか、千鶴といった面々がやっているだろう。
 そんな状況で俺達に出来る事と言えば、正直殆どない。
 最初はサツキミドリ2号の壊れた場所の救助に向かおうかとも思ったんだが、それは向こうに丁重に断られたし。
 まぁ、よく考えればサツキミドリ2号が多少被害を受けたからと、全く知らない未知の勢力の手を借りたいとは思わないだろう。
 それも、木星蜥蜴と同じく虫型の無人機というのを主戦力にしている俺達に。
 戦闘中もサツキミドリ2号のオペレーターにメギロートを攻撃しないように言って、それを向こうも納得したが、それでもやっぱりサツキミドリ2号の戦力が多少なりともメギロートに攻撃をしたという報告は上がってきている。
 それが意図的なものなのか、それともいきなり虫型の無人機を見て反射的に攻撃してしまったのかは分からないが。
 また、サツキミドリ2号の受けた被害が壊滅的なものであれば、シャドウミラーを怪しみつつも救助を要請したかもしれないが、全体的に見ればサツキミドリ2号は被害を受けてはいるものの、壊滅的と言える程ではない。
 俺達の手を借りなくても、十分にどうにか出来る範囲内なのだ。

『アクセルさん!』

 不意にオウカから入ってきた通信は、喜びに満ちていた。

「どうした?」
『あの小さな戦艦……えっと、カトンボでしたっけ。そのカトンボですが、ほぼ無傷に近い状態で活動を停止しているのを見つけました。どうやら戦闘中に何か大きな衝撃を受けて、その結果活動停止したようです。あのひしゃげているところを見ると、メギロートの体当たりだと思いますが……』
「でかした」

 オウカへと返す俺の言葉にも、嬉しさが入っているのは決して間違いではないだろう。
 無人機を作り出す生産プラントがあっても、当然全ての作り出す機体を完全に出来るという訳ではない。
 その中には他の機体よりも性能が落ちる物があってもおかしくはなく、恐らくメギロートの体当たり程度で動きを止めたとなると、偶然その個体に当たった……というのが正しいのかもしれない。

「すぐにそっちに向かう。……そのカトンボが動きを停止させているとしても、無人機だけに突然動き出す可能性がないとも言えない。くれぐれも注意してくれ……ってのは、オウカに対して言うべき言葉じゃないか」

 実働班として活動してきたオウカは、その技量は非常に高い。
 それでいて冷静に物事を運ぶ事も出来るので、動きの止まっている無人機を見たとしても、油断するという事はないだろう。

『はい、分かりました』

 短く返事が返ってくるのを確認し、俺はニーズヘッグをオウカのヒュッケバインMk-Ⅱの反応がある方へと向ける。
 にしても、カトンボか。決して悪い性能じゃないんだけど、出来ればヤンマが欲しかったな。
 贅沢だと分かってはいるんだが。
 更に言えば、撃破された機体もそのままキブツに放り込めばある程度のリサイクルは可能になっている。

「さて、次は……」

 通信が来るのを待ちながら、俺もまたニーズヘッグで周囲の様子を探っていく。
 ここを探していたオウカが見逃したとか、そういうのがあるとも限らない訳で……

「って、本当にあったよ」

 映像モニタに映し出された光景を見て、思わず呟く。
 そこには、デブリに身体を挟まれて動けなくなったらしく、藻掻いているバッタの姿があった。
 まぁ、カトンボに比べればかなり小さい目標だし、位置的にデブリに隠れている感じになっていたんだから無理もないか。
 だがこの場合、俺が喜んでいるのはそのバッタがまだ動いているという事だ。
 こういうバッタは、撃破されたバッタに比べると使い勝手が多い。
 技術班に喜ばれるのは間違いないだろう。
 もっとも、まだ動けるという事はこちらに対して攻撃出来るという訳で……
 当然のように敵と認識されたニーズヘッグが近寄ってくるのをバッタが黙って見守っている筈がない。
 ニーズヘッグが近づいてくるのを確認したバッタは、背中からこちらに向かってミサイルを放つ。
 それでも放たれたミサイルの数が少ないのは、デブリに挟まれる前にミサイルを発射していたのか、それともデブリで押し潰された影響で発射出来なくなったのか。
 ともあれニーズヘッグの方に向かってくるミサイルに対し、T-LINKシステムを使ってジャマーを起動する。
 当然ミサイルの軌道は逸れ、あらぬ方へと向かって飛んでいく。
 で、逸れたとしてもミサイルは当然機能の全てを失っている訳ではないので、ニーズヘッグの周辺に存在するデブリへと命中して爆発を巻き起こす。
 その爆発を背にしながら、バッタへと近づくとコックピットを出て宇宙空間に生身で出る。
 ミサイルを全弾発射したのか、バッタからはミサイルの攻撃はそこで止まっていた。
 ただ、バッタにはミサイル以外にも機銃がある訳で、当然その機銃の銃口が俺の方へと向けられ……次の瞬間には弾丸の雨が俺へと向かって放たれる。
 回避しようと思えば普通に回避出来るんだが、今この状況では特に回避する必要もないとしてそのまま真っ直ぐにバッタへと向かって行く。
 当然弾丸は俺の身体へと命中するが……命中した弾丸は俺の身体を突き抜け、宇宙の彼方へと向かう。
 もっとも、弾丸が貫かれた場所はすぐに白炎と化して元に戻るのだが。
 混沌精霊である俺をどうにかするつもりなら、魔力や気といったものを使う必要がある。
 だが、当然無人機にそんな真似が出来る筈がなく……というか、このナデシコ世界に魔力や気といった要素があるのかどうかも不明だしな。
 いや、俺が使えている以上存在はするんだろうが、それを使える人材がいるかどうかとなれば話は別だ。
 機銃の弾丸を受けても全く気にした様子もなく近づいてくる俺に対し、バッタは一瞬戸惑ったように動きを止めたものの再び機銃から弾丸を発射してくる。
 延々と撃ってくるその弾丸を身体に受け、貫かれながらもすぐに白炎によって回復しつつバッタとの距離を縮めていく。
 そうして距離が縮み、バッタに触れる事が出来るようになると、前足を使って俺に向けて攻撃をしてくる。
 当然その攻撃も白炎により無効化され、そのまま俺が伸ばした手がバッタへと触れ……次の瞬間、バッタの姿はデブリの間から消滅した。
 デブリ……岩塊を蹴って、ニーズヘッグのコックピットへ戻ると、そこには通信が送られてきている。

『ちょっと、アクセル。今の爆発は何? まだ木星蜥蜴がいたの?』

 映像モニタに映し出されたマリューの言葉は、こちらを心配する様子はない。

「少しくらい心配してくれてもいいんじゃないか?」
『アクセルの身に危険が迫っているのなら心配するわよ。で?』

 俺が怪我をするとは一切思っていないのだろう。いや、それは間違いない事実なんだけどな。

「デブリに挟まって動けないバッタを発見した。それを空間倉庫に収納しようとして近づいて行ったら、ミサイルや機銃を撃たれただけだよ」
『ふーん、生身で?』
「空間倉庫に収納するにはそうするしかないだろ?」
『サツキミドリ2号やナデシコの人達がそれを知ったら、どう思うかしらね。自分達の常識を信じられなくなったりしないかしら?』

 マリューの言葉は、決して大袈裟ではない。
 普通の人間の常識で考えれば、生身で宇宙空間に出るのは自殺行為以外の何ものでもないのだから。

「ま、その辺はシャドウミラーと付き合っていけばそのうち慣れるだろ」
『そんな真似が出来るのはシャドウミラーの中でもアクセルを含めて極一部だけなんだけど』

 そんな風に会話をしている間にも回収作業は進み……やがてサツキミドリ2号から通信が送られてくるのは、1時間程後の事だった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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