英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)
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第118話
アルセイユに戻ったエステル達はメンバー編成をし直し、エステル、ヨシュア、オリビエ、クローゼ、プリネのメンバーにした後オーブメントの調整等で博士がいる工房に向かうとそこには以外な人物がいた。
~アルセイユ・工房~
「あれ……ウィル?どうしてこっちに?」
「君達か。博士やティータちゃんからオーブメント技術について教えてもらっていたんだよ。」
「うむ。その代りにわし達は魔導技術を教わっておる。お蔭で知りたかった魔導技術の一部が知れて助かったぞ、ウィル!」
エステルの疑問にウィルは答え、博士も頷いて答えた後嬉しそうな表情でウィルを見た。
「いえ、お互いさまですよ。」
「えへへ……メンフィルに留学する日が楽しみだな~。いろんな魔導技術が見れるんだもん。」
博士の言葉にウィルは苦笑し、ティータは嬉しそうな表情をしていた。
「それでお互いの技術の話をして気づいたんだけど……俺と博士の技術で君達の武器を強化できる事に気付いたんだ。君達がよければ強化するよ。」
「え!?あたし達の武器を!?」
「それは助かるんですけど……アルセイユの修理の方はいいんですか?」
ウィルの話を聞いたエステルは驚き、ヨシュアも驚いた後尋ねた。
「そちらの作業は大方片付いた。後は飛翔機関のテストぐらいじゃが、そちらの方もそれほど時間がかからん。」
「そうなんだ……でも強化するための材料とかどうするの?」
「そちらの方も大丈夫さ。俺達の世界――ディル・リフィーナからある程度の素材を持って来ているし、リベル=アーク内でさまざまな素材を手に入れたからそれがあれば十分さ。」
「い、いつの間に……」
ウィルの話を聞いたエステルは驚き、苦笑していた。
「時間がある時にセラウィとエリザスレインに同行してもらって、素材探しをしていたんだ。それとチキさんから商品として持って来ている武器や素材もいくつか買ったし。それでどうする?ここにいる全員分でもそれほど時間がかからないよ?」
「う~ん……どうする、みんな?」
「僕は賛成。これから戦うのはレーヴェ達だ。少しでも戦力強化はした方がいい。」
「私も構いません。」
「私も。」
「……フム、ボクもぜひ頼みたい所だが、導力銃も可能なのかね?」
エステルに尋ねられたヨシュアクローゼ、プリネは頷いたが、オリビエはウィルに尋ねた。
「うむ。エステル達が探索で手に入れた”データクリスタルZ”の情報の中に武器の情報もあってな。その中には導力銃や導力砲もあるから大丈夫じゃぞ。本当なら”ゼムリアストーン”という素材が必要じゃが、ウィルの持っておる異世界の素材やこの浮遊都市内で手に入れた素材で代用できるから安心せい。」
「それに加えて、俺の技術でさらに強化や改造をしておくよ。」
「えっと………本当にできるの?凄く昔の武器に手を加えたりするんでしょ?作るだけでも大変じゃあ……?」
博士とウィルの言葉を聞いたエステルは首を傾げて尋ねた。
「エステル、俺の本来の職業を覚えているかい?」
「えっと………確か”工匠”だっけ??」
ウィルに尋ねられたエステルは考え込んだ後、確認した。
「そうだよ。『工匠に不可能はない!』それが”工匠”なんだから!」
「あ、あはは……微妙に答えになっていないんだけど………」
(クク……相変わらずだな………)
力強く答えたウィルの言葉にエステルは苦笑し、エステルの身体の中にいるサエラブは口元に笑みを浮かべていた。そしてエステル達はそれぞれの武器を渡してウィル達に強化や改造をしてもらった。
「はい。まずオリビエさんには”マスカレイドアイ”。勿論、威力も俺が手を加えたからデータ以上の威力を出せるし、”魔導”でも動くようにしてあるよ。」
「フッ、ありがとう、ウィル君♪」
ウィルに新たな自分の得物となる武器を渡されたオリビエは礼を言った。
「プリネさんにはこのレイピアで、クローゼさんにはこのレイピアを。」
「ありがとうございます。………凄いですね……魔術を少し使う私でもとてつもない魔力が籠められている事がわかります……!」
「ええ……!私に渡されたレイピアはとてつもない聖なる魔力が籠っていますし、刃も以前以上に鋭くなっています……!なんという名前の武器ですか?」
ウィルに渡されたクローゼはお礼を言った後レイピアを見て驚き、プリネは頷いた後、尋ねた。
「プリネさんが持っているのは”プリンセスエペ”。俺が名付けたんだけど、どうかな?」
「”皇女のレイピア”ですか。フフ、私にピッタリですね。」
「私のレイピアはなんという名前なんですか?」
ウィルの説明を聞いたプリネは微笑み、クローゼは尋ねた。
「クローゼさんの持っているレイピアは名付けて”エージエペ”。君達が来る前にリフィアが来て、彼女に頼まれて作った武器――”エージロッド”と同じく、”次の世代へと繋ぐ道標”という意味を込めたレイピアさ。」
「へ~。まさに今のクローゼにピッタリじゃない!」
「フフ、そうですね。ありがとうございます、ウィルさん。」
ウィルの話を聞いたエステルは頷いてクローゼを見て、見られたクローゼは微笑みながらウィルにお礼を言った。
「ヨシュアには”鳳凰剣(鳳・凰)”じゃ。」
「勿論、以前俺が作った双剣も合成してあるから以前の能力も継承しているし、俺が持ってきた素材も加えてあるからオリビエさんが持っている銃のようにデータ以上の威力があるよ。」
「ありがとうございます。」
博士とウィルの説明を聞いたヨシュアはお礼を言って博士から受け取った。
「最後に、エステルなんだけど……まず、”誓いの神剣”。これは残念だけどこれ以上手が加えようがないから、そのままだよ。改造する以前から見事な”神剣”だったし。」
「そっか。大丈夫よ、十分強いし。」
ウィルの話を聞いたエステルは特に残念そうな表情もせず、受け取った。
「その代り棒の方は”データクリスタルZ”のデータを元にさらに威力がある武器に改造できたよ。……この棒の新たな名は”鳳凰具”。勿論、以前の棒も合成してあるから能力も以前の棒――”エレメンタルロッド”の能力も継承しているよ。」
「えへへ、ヨシュアの武器の名前とお揃いね。ありがとう、ウィル!」
ウィルの説明を聞いたエステルは照れながらウィルから受け取った。
「材料はまだまだあるから、他の仲間達の分も作れるから、時間があったら彼らにも今以上に武器を強くしたかったら、遠慮なくこちらに来るように言ってくれないかな?」
「うん、いいわよ。」
ウィルの言葉にエステルは頷いた。
その後エステル達は探索を再開し、ついに浮遊都市の真ん中に位置し、とてつもなく高い塔、”中枢塔”に到着し、そして内部の探索を始めた………
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