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英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)

作者:sorano
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第100話

~ジェニス王立学園・中庭~



その後エステル達は先に行くクルツ達を見送っていた。

「クルツさん、アネラスさん。カルナさんにグラッツさんも。今回は本当に手伝ってくれてありがとう。」

「あはは……水臭いこと言いっこナシ!」

「ああ、これも同じ遊撃士としての務めさ。」

「フフ、やっと湖畔での借りを返せた気分だよ。」

「また何かあったらいつでも力になるからな。」

エステルにお礼を言われたアネラス達はそれぞれ笑顔を浮かべて答えた。

「ふふ、期待してるわね。」

「皆さんはこの後、どちらに向かう予定ですか?」

アネラス達の答えを聞いたシェラザードは笑顔になり、ヨシュアは尋ねた。

「クローネ峠を抜けてボース方面に向かうつもりさ。今回のような事件が起きないよう各地の見回りをしながらね。」

「そうか……」

「お疲れさまです。」

「あのあの……気を付けてくださいね。」

クルツの話を聞いたジンは頷き、リタは微笑み、ティータはおずおずと言った。

「はは、お前さんたちもな。」

「この状況が続く以上、地道にやるしかないからね。」

「ああ、せいぜいお互い気張るとしようや。」

ティータの言葉にグラッツは頷き、カルナの言葉にはアガットが力強く頷いた。

「そうだ……ねえ、エステルちゃん。」

「ん、なに?」

アネラスに言われたエステルは首を傾げた。



「今回一緒に戦っていて感じたことなんだけど……。エステルちゃんの動き、迷いがなくてのびのびしてた。まっすぐに成長してるなあって正直、感心させられちゃったよ。」

「や、やだな~。おだてても何も出ないわよ?それにアネラスさんだって凄く腕が上がってたじゃない。」

「そりゃあ実戦を繰り返せばね。でも、エステルちゃんの場合、武術の腕だけじゃなくて心の芯まで強くなった気がする。それは多分、ヨシュア君を捜す旅の過程で自分の道を見つけたからだと思う。本当に……強くなったね。」

「アネラスさん……」

「えへへ、ライバルとして私も負けてられないかな。機会があったらまた一緒に戦おうね?今度は私がエステルちゃんをビックリさせてあげるから!」

「あはは……うん!楽しみにしてるからね!」



その後、シェラザード達も一足先にルーアン支部に戻り…… 王都から来てくれたジークも再びクローゼの元に帰っていった。エステルたちは、学園のみんなに挨拶してから出発し、徒歩で数日間をかけて、ツァイスに向かい、ツァイスのギルドの通信器を使えるようにした後、エルモ村にもより、その時温泉が使えないようになっていたが

”導力”を使わず、温泉が使える方法をティータが思い付き、そしてエステル達は温泉を使えるようにするための材料をさまざまな場所を回って、集め、温泉を使えるようにした後、さらに数日間をかけてロレントに向かい、ブライト家とロレント市の分かれ道でエステルがヨシュアにせっかくブライト家の近くまで来たので、一度レナに顔を見せるべきだと提案し、先に仲間達をロレントに向かわせて、エステル、ヨシュア、ミントはブライト家に向かった。



~ブライト家~



「ただいま~。」

「たっだいま~!」

「あら……お帰りなさい、エステル、ミント。……それにヨシュアも。フフ、ようやく帰って来たのね。」

エステル達が家に入ると、居間で本を読んでいたレナが気づいて3人に近づき、ヨシュアを見て微笑んだ。

「……その………ただいま、母さん。………ずっと心配をかけて………ごめんなさい。」

「…………家を出て行った理由………あなたが過去に何をしていたか………大体の事はカシウスから聞いたわ。」

謝罪するヨシュアにレナは静かに答えた。

「そっか…………ずっと黙ってて………ごめん………」

「ヨシュア………」

「パパ…………」

レナに謝るヨシュアをエステルとミントは心配そうな表情で見つめた。

「………………………」

そしてレナはヨシュアを静かに見つめた後、黙ってヨシュアを抱き締めた。

「か、母さん………?」

抱き締められたヨシュアは戸惑った。

「本当に…………心配………したのよ…………無事に戻って来てくれて、本当によかった………!」

そしてレナは涙を安堵の表情で涙を流しながら言った。

「母さん………うん………本当にごめん……………」

「お母さん………」

「お祖母ちゃん………」

レナの言葉を聞いたヨシュアは驚いた後、レナに抱き締められた状態で静かな声で謝り、その様子をエステルとミントは微笑んで見つめていた。



「フフ……それにしてもエステル。貴女にもようやく恋人ができるなんてね。それもこんな素敵な男の子を見つけるなんてね。」

そしてレナはヨシュアから離れた後、エステルに微笑んで言った。

「も、もうお母さんったら…………」

「フフ………ママのお顔、真っ赤だよ?」

レナの言葉に照れているエステルを見たミントは微笑んで見つめていた。

「ヨシュアもよかったわね。エステルの事………ずっと好きだったものね。」

「ハハ……母さんには僕がエステルが好きだって事、わかっていたんだ。」

レナの言葉を聞いたヨシュアは苦笑しながら答えた。

「貴方を家族になってから貴方を見ていたのはエステルだけでなく、私やカシウスも”家族”として勿論見ていたから、わかるわよ。」

「フフ…………でも、一番ヨシュアをわかっているのはあたしなんだからね!」

「はいはい。勿論それはわかっているわよ。」

自慢げに言うエステルをレナは微笑みながら言った。

「さて………と。ここからはエステルとヨシュア……2人の”親”としてヨシュアに聞きたい事や言いたい事がたくさんあるわよ?」

そしてレナは凄味の笑顔をヨシュアに見せて言った。

「え、えっと……母さん?」

レナの様子を見たヨシュアは冷や汗をかいて尋ねた。

「あ、ミントもまだ言い足りない事が一杯あるんだよ!」

「当然、あたしもあるに決まっているじゃない!」

その様子を見たミントとエステルは同意した後、ヨシュアを凄味のある笑顔で見つめた。

「エ、エステル!?ミント!?」

「フフ……ゆっくりで!いいからちゃんと、私達に本当の事を話してね~?」

2人の様子を見てさらに焦ったヨシュアに止めを刺すかのようにレナは背後にすざましい何かの気を纏って凄味のある笑顔で言った。

「ハイ…………………」

3人の様子を見て逃げられないと悟ったヨシュアは諦めて、肩を落として答えた。それから数時間3人に”色々”言われたり聞かれたヨシュアは心身ともに疲れ切った状態になった。



「……………やっと解放された……………」

数時間後、ようやく3人から解放されたヨシュアは疲労感溢れる様子で溜息を吐いた。

「何よ、ヨシュアったら。男のくせに”ちょっと”怒られたぐらいで、だらしないわね~。」

「そうだよね~。」

(どこが!?)

「フフ…………」

2人の言葉を聞いて心の中で悲鳴を上げているヨシュアに気づいているのか、レナは微笑んでいた。

「それより貴女達はこれからギルドに戻るんでしょ?」

「あ、うん。シェラ姉達も待っているだろうし、そろそろ行こうか、2人と………」

レナに尋ねられたエステルが頷いて、ミントとヨシュアを促したその時!

「!エステル!ミント!」

何かに気付いたヨシュアが双剣を構えて、レナの前に立って声を上げた!

「!!」

ヨシュアの言葉に反応したエステルとミントはレナの背後に廻って、それぞれ剣を鞘から抜いて構えた!すると入口と裏口が同時に破壊され、さらにそこから剣とライフルを合体させた武器――ブレードライフルを持った猟兵が入口と裏口からそれぞれ一人ずつ現れた!

「なっ!?」

猟兵達の登場にエステルは驚いた!

「………来る!」

猟兵達の様子を見たヨシュアは警告した!



そしてエステル達はレナを庇いながらの戦闘を開始した……………!


 
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