英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)
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外伝~英雄乱舞~
エリーズ街道の戦い。メンフィル大使館がそう遠くない場所にある影響か、リベール各地に散っているはずの結社の戦力は数倍おり、その為戦いはメンフィル兵達がいるとはいえ、数はそれほど多くない為、戦いは拮抗していた。しかしリウイ達が戦いに参戦すると、一方的な戦いになり始めた。
~エリーズ街道~
「はあっ!裂甲断!!」
「ウギャアッ!?」
戦場に到着した早々カシウスはクラフトを放って、数名の猟兵達を吹き飛ばした!
「じゅ、准将!?どうしてこちらに……………!」
カシウスに気づいた王国軍士官は驚いて尋ねた。
「何。ちょっとロレントに心配事があってな。念の為に来ただけだ。……それで戦況はどうなっている。」
「ハッ!………敵の数は圧倒的に多く、メンフィル軍の援護があるとはいえ、彼らは我等と比べると数が少ない為、戦いは拮抗しており、援軍を要請する事も思慮に入れておりました!」
カシウスに尋ねられた士官は敬礼をして答えた。
「そうか………やはりメンフィル大使館が近くにある影響か、”彼ら”を警戒していたのかもしれんな…………」
「フン。この程度の数で俺達を抑えられる等、舐められたものだな。」
士官の報告を聞いて難しい表情をしているカシウスの所に不愉快そうな表情になっているリウイが近づいて来た。
「ハハ、結社は”貴方達”の強さがわかっていないのでしょう。………報告ご苦労。ここからは俺達が援護しよう。お前は持ち場に戻れ。」
「ハッ!失礼します!」
カシウスの指示に頷いた士官は持ち場に戻った。
「さ~てと。”剣聖”、殺しは勿論してもオッケーよね♪」
「……できるだけ捕縛の方向でお願いします。女王陛下は無暗に人の命を奪う事をよしとしていませんので。」
カーリアンに尋ねられたカシウスは静かに答えた。
「何よ~……つまんないわね~。」
「フン。”その程度”の事もできないの、貴女は?」
「なんですって~?」
「あ、あのお2人とも……今は言い争う場合ではないのでは……。」
口喧嘩を始めたカーリアンとファーミシルスを見たペテレーネは慌てた様子で仲裁し始めた。
「フフ……………お二人の仲は相変わらずですね、あなた。」
「……………少しは変わってほしいものなのだがな。仲裁をする俺達の事を少しでも考えてほしいものだ。…………マーリオン!」
イリーナに微笑まれたリウイは溜息を吐いて答えた後、マーリオンの名を呼んだ。
「マーリオン、ペテレーネと共にイリーナの補佐を頼むぞ。」
「了解しました………イリーナ様、よろしくお願いします………」
「ええ、お願いね。」
リウイの指示に頷いたマーリオンは喜んでいる様子でイリーナを見つめ、イリーナは笑顔で頷いた。
「まったく…………どうしてリベールとは関係がなく、領主の貴方が戦うのよ、ウィル。」
一方エリザスレインは呆れた表情で溜息を吐き、ウィルに尋ねた。
「ハハ、エリザスレインの言っている事が正しいかもしれないね。………でも危機に陥っていたユイドラに援軍を送ってくれたきっかけになったエステルの国が危機を訪れているんだ。今度は俺達が恩返しをする番だろう?」
「フフ、そうですね。………それにリベールはメンフィルと同盟関係になっていると聞きます。導力技術も高いリベールにはメンフィルを通じていずれお世話になるかもしれないのですから、印象を良くしてもいいのではないですか?」
ウィルの言葉に微笑んだセラウィはエリザスレインを見て尋ねた。
「全くもう………次から次へと私を悩ましてくれることばかり、してくれるわね、貴方は。本当に憎いひと。………今回の件が片付いたら、お詫びとして私にも貴方の子供を授けてもらうからね、ウィル?」
セラウィの言葉を聞いて溜息を吐いたエリザスレインはすぐに気を取り直し、魅惑的な笑みを浮かべてウィルを見て尋ねた。
「あ、あはは…………できればセラウィの前ではそういう事を言ってほしくないんだけど……」
「フフフ………”力天使”が人間の子供を望む等、お前ぐらいだぞ?ウィルとの子を成すために我でよければ、最高の”色欲”を伝授してやるぞ?」
「黙りなさい。私は貴女のように”堕ちる”つもりなんてないわ。そんな事するぐらいなら、ウィルの”守護天使”になった方がマシよ。」
エリザスレインの言葉を聞いたウィルは冷や汗をかいて、苦笑しながら言った。また、不気味な笑みを浮かべて言ったアスモデウスの言葉を聞いたエリザスレインはアスモデウスを睨んで言った。
「フフ、私は構いませんよ、ウィル。エリザスレイン達が貴方に好意を持っている事や、身体を重ねていた事は昔からわかっていましたし。……私の知らない所で親しくされるよりはよほどいいですよ。」
「貴女もウィルに似たお人好しな女ねえ…………嫉妬とかしないのかしら?」
セラウィの答えを聞いたエリザスレインは呆れた表情でセラウィを見て尋ねた。
「例えどれだけの女性をウィルが愛しようと、ウィルが私を愛してくれ続けるのはわかっていますし。………それにウィルの”初めて”になった事や、ウィルの最初の子供を産んだのは私なんですから。」
「フフ、正妻の余裕かしら?……まあ、いいわ。私もユイドラ近郊の種族達の代表として、お人好しな貴方達のお守をしないとね。」
「フフフ……ウィルフレド・ディオン。お前という男は本当に面白い。相反する種族を共存させ、さらには”力天使”すらも惹き付けるとは。」
セラウィの言葉に微笑んだエリザスレインは異空間より杖を出して、戦闘態勢に入った!また、アスモデウスは口元に笑みを浮かべていた。
「うん、頼むよ。………リウイ達も戦い始めたようだし、俺達も行こうか!」
「はい!」
「ええ!」
「うむ。」
そしてウィルの号令に頷いたセラウィとエリザスレイン、アスモデウスは既に戦い始めているリウイ達と共に戦い始めた!
「大いなる闇よ……ティルワンの死磔!!」
「行きなさい!光球!!」
「荒ぶる水よ……溺水…………!!」
「光よ!光燐衝撃!!」
ペテレーネ、イリーナ、マーリオン、エリザスレインが放った魔術は複数の機械人形や魔獣達を巻き込み、大ダメージを与え
「雑魚は消えろ!エクステンケニヒ!!メーテアルザ!!」
「それぇっ!これはおまけよ!北斗斬り!!」
「邪魔よ!!連接剣の恐ろしさ……味わいなさい!!」
「大地の力よ!地脈スマッシュ!!暗黒に呑まれろっ!!」
「とおうりゃあ!雷光撃!!そら!そら!そら!どりゃあっ!」
「凌いでみせよ!斬鉄爪!!色欲の接触!!」
リウイ、カーリアン、ファーミシルス、ウィル、カシウス、アスモデウスはそれぞれ次々とクラフトを放って、ペテレーネ達がダメージを与えた敵達の止めを刺して行き
「逃がしません!三連射撃!!氷垢螺の精密射撃!!」
セラウィはリウイ達が倒し損ねた敵達に止めを刺して行った!
「猛りの大地よ……我が呼びかけに答え、今こそ怒りの唸りを!ジオカタストロフ!!」
「銀の楔よ………我が敵を滅しなさい!………シルバーソーン!!」
「奈落の底へと呑まれなさい!アビス・フォール!!」
「開口、無窮に崩落する空!ロストメビウス!!」
さらに魔術を放った後、オーブメントを駆動したペテレーネ、イリーナ、エリザスレイン、そしてクラフトを放ったアスモデウスは高火力のアーツを次々と放って、猟兵を含めた新たな敵達にダメージを与え
「そこだっ!メテオフォール!!」
「オーブメント駆動♪アトラスハンマー!!」
「ハアッ!スパイラルフレア!!」
「むん!ホワイトゲヘナ!!」
さらにリウイ、カーリアン、ファーミシルス、カシウスがたたみかけるようにアーツを放って、機械人形や魔獣には止めをさし、猟兵達にはボロボロの状態にして、地面に倒れさせ、気絶させた!
「援護します……!A-クレスト!!」
「気高き銀の意志よ!我等に誇り高き魂を!ゾディアック!!」
「母なる大地よ!汝の加護にて我等を守りたまえ!ガイアシールド!!」
さらにマーリオン、セラウィ、ウィルはそれぞれ補助アーツを放って、自分達を含めた味方にさまざまな恩恵を与えるアーツをかけた!
「ハッハッハ!それにしても、相変わらずの強さですな、皆様は。お蔭で私も楽ができますよ!……そこだっ!!」
カシウスは笑いながらリウイ達の強さを賞賛しながら自分に襲い掛かって来た魔獣に棒で強烈な一撃を与えて、倒した。
「フッ。俺達とほぼ変わらぬ戦果をあげ続けているお前がよくそんな事を言えるな。…………セアッ!!まだだ!アースランス!!」
カシウスの言葉を聞いたリウイは不敵な笑みを浮かべながら、自分を攻撃した機械人形にクラフト――フェヒテンケニヒとアーツを放ち
「リウイの言う通りね♪僅か数十年しか生きていないのに、どうやってそこまで強くなったのか、ぜひ知りたいわ♪多分、そこらの”神格者”より格段に上よ♪……ふふっ♪」
カーリアンもリウイの言葉に頷きながら魔術――淫魔の魅惑を放って、猟兵達を混乱させ
「そうね。下手をしたらミラとも互角に渡り合えるのじゃないかしら?……電撃剣!!」
ファーミシルスもカーリアンの言葉に頷きながら、リウイがダメージを与えた敵にクラフトを放って、敵を破壊した!
「ハハ、いい年をした男をおだてないで下さい。………はあぁぁぁぁーっ!ふんっ!!」
リウイ達の賞賛の言葉にカシウスは苦笑した後、クラフト――麒麟功を使い、身体能力を上げ
「さぁて、そろそろ行くぞっ!おおおああぁぁぁっ!そらそらそらそらぁっ!うおりゃあぁ~っ!奥義!鳳凰烈波!!」
Sクラフト――鳳凰烈波を放って、大勢の猟兵達を一撃で戦闘不能にした!
「フフ、さすがエステルさんのお父上だけあって、普通の方とは違うわね。………戦意よ!我等に真の祝福を!アルテミスの祝福!!……ヤアッ!ヘル・ゲート!!」
「ええ、そうですね………もしかしたら既にシルフィア様達を超えているかもしれませんね。……レイ=ルーン!!……えい!ダークマター!!」
「はい……私ももっと頑張ります……水刃……!!行きます………エアリアル………!!」
カシウスの強さに感心した後、魔術を放った後、すぐにアーツを放つイリーナに続くようにペテレーネやマーリオンも同じ行動をして、次々と魔獣や機械人形達を滅していた!
「それにしても驚いたな……エステルのお父さんの強さには………三段攻撃!!……凍りつけ!!」
一方ウィルはカシウスの強さに驚きながらもクラフトを放ち、そして続けて特殊な絵札――氷乙女の絵札を使って、魔獣達に大ダメージを与えると共に凍りつかせ
「自然自身、彼に力を貸しているように感じます。………恐らく彼は”理”に至ったのでしょうね……行きます!メルカーナの制圧射撃!!そこです!ペトロブレス!!」
ウィルの言葉にセラウィは頷きながらクラフトを放って、ウィルが使った絵札によって凍りついた敵達に止めを刺した後、追撃のごとくアーツを放って、新たな敵達にダメージを与え
「まさか”理”に至った人間を目にする日が来るとはね…………永い時を生きてきたけど、”理”に至った”人間”を目にするのは初めてよ。浄化してあげる!光槍神撃!!……消えなさい!ライトニング!!」
「フフ、まさかあのような人間がいるとは……オーブメントやアーツといい、興味深い……破滅の深淵!!どうかな?エアリアル!!」
エリザスレインとアスモデウスは興味深い視線でカシウスを見た後、魔術とアーツをほぼ同時に放って、セラウィがダメージを与えた敵達を滅した!リウイ達の活躍はすざましく、大量にいた敵達が次々と数を減らして行った!
「フフ、大分敵も減って来たわね♪そろそろ終わりにしようかしら♪ファーミ、遅れるんじゃないわよ!」
「フン。誰に言っているのかしら?そちらこそ私の足を引っ張らない事ね!」
カーリアンの言葉に鼻を鳴らして答えたファーミシルスはカーリアンと共に攻撃を仕掛けた!
「ハアッ!!」
ファーミシルスは連接剣の刃を伸ばして、鞭のように振るって大勢の猟兵達を薙ぎ払い
「それぇっ!!」
カーリアンは双剣を振るってファーミシルスが薙ぎ払った猟兵達に特大の衝撃波を命中させてさらに吹き飛ばし
「行くわよ!」
「フン!」
そして2人は同時に自分達が薙ぎ払い、吹き飛ばした大勢の猟兵達の中に飛び込み、お互いを背中合わせにして技の構えをした!
「激しいの、行くわよ♪」
「消えなさい!」
「「白露の雷桜嵐!!」」
ファーミシルスとカーリアンが放った協力技は猟兵達を稲妻で紅蓮の鎧を黒焦げにすると同時に闘気の嵐によってボロボロの状態で吹き飛ばした!吹き飛ばされた猟兵達は煙をあげ、そして全身から血を出していたが、2人は手加減をしていた為、かろうじて息はしていた。
「フフ………私達もカーリアン様達に続かないとね。」
「はい!」
「…………行きます…………」
「僭越ながら私もご一緒させて下さい。」
「……フフ。力天使の真の力を見せてあげるわ。」
「ならば、ソロモンの一柱にして”七大罪”の一つ、”色欲”を司る我の真の力も見せてやろう。」
イリーナの言葉にペテレーネ、マーリオンは頷き、セラウィとエリザスレイン、アスモデウスもイリーナ達に続くようにSクラフトや大魔術を放つ構えをした!
「エルフに伝わりし奥義……見せてあげます!ハアッ!」
イリーナ達が詠唱を始めると同時にセラウィは空に魔力の矢を放った!すると魔力の矢は無数の光の矢に分散して機械人形達に襲い掛かり、矢自身に意思があるかのように無数の光の矢は一本残らず、機械人形達に命中した後、機械人形を囲むように次々と地面に刺さり始めた!
「神聖なる光よ集え!我が仇なす敵に裁きを!!」
そしてイリーナが詠唱を終えると、敵達の地面がすざましい光によって輝き始め
「我焦がれ、いざなうは焦熱への儀式!そに捧げるは、炎帝の抱擁!!」
ペテレーネが詠唱を終えると、他の敵達の周りにすざましい炎が囲み
「虚空を伝う言霊が呼び醒ます、海竜の支配者の無慈悲なる顎……!!」
マーリオンが詠唱を終えると、異空間より竜が現れ
「そは忌むべき俸命にして偽印の使徒!深遠の淵へ帰れ!招かれざる者よ!!」
エリザスレインが詠唱を終えるとセラウィとイリーナが目標にしている敵達の頭上にすざましい光が集い始め
「ソロモンの一柱たる我の力……知るがよい!
アスモデウスが両手をあげると、両手にすざましい魔力が集まり始めた!
「アスタニッシュグリッツ!!」
そしてセラウィが放ち、地面に刺さった矢は一斉に輝き出し、炎、吹雪、雷、地、暗黒、神聖の力を宿した6色の巨大な魔力の柱は天をも貫くがごとく、上がり
「神域の光柱!!」
「セラフィックローサイト!!」
イリーナが放った神聖魔術の中でも究極の威力を持つ魔術に数えられる魔術にしてSクラフト――神域の光柱とエリザスレインが放った大魔術――セラフィックローサイトはそれぞれ、敵達の頭上と足元からすざましい光の柱を発生させて、敵達を完全に消滅させた!
「イフリート・キャレス!!」
一方ペテレーネが放った大魔術の一つ――イフリート・キャレスは敵達を煉獄の炎で塵も残さず焼き尽くし
「タイダルウェイブ………!!」
マーリオンが放った異空間より海竜を召喚する魔術にして大魔術の一つ――タイダルウェイブは機械人形達を巨大な口で呑み込み、そのまま異空間に大きな水飛沫を立てて呑み込んだ敵達と共に戻った!
「波動爆砕陣!!」
アスモデウスが放ったSクラフトでもある魔術はすざましい爆発を起こしながら残りの機械人形達を呑み込んだ!アスモデウスが放ったSクラフトと機械人形の自爆機能につき、連鎖する大爆発を起こし、敵達がいた所はいくつものクレーターが出来ていた!
「いや~、女性陣の活躍はすざましいですな~。リウイ殿とウィル殿の奥方もカーリアン殿達に劣らぬ強さではないですか!」
「………………………(気のせいか………?”幻燐戦争”時より強くなっている気がするが………”神核”に近い”力”を得た影響か……?)……………」
「ハハ、元々セラウィは俺の護衛の一人で、俺達に戦う術を教えてくれる教官でもありましたからね。」
カシウスの賞賛を聞いたリウイはSクラフトを放ったイリーナを見て心の中で冷や汗をかき、それを顔に出さず黙り込み、ウィルは苦笑していた。
「さて………少しでも男の面目を保つために、残りの敵達の掃討は男の私達がしましょうか。」
「ああ。」
「勿論。」
カシウスに言われたリウイとウィルはそれぞれ武器を構えて頷いた後、3人はそれぞれ攻撃を開始した!
「オォォォォォォ……!!」
リウイはすざましい闘気と魔力を纏わせたレイピアを空へと掲げた!するとレイピアの切っ先に巨大な魔力と闘気でできた透明な球体ができた!
「我が力に呑まれろっ!!」
そしてリウイはカーリアン達のすざましい攻撃範囲外にいて、まだ無事であった残りの魔獣達にレイピアの切っ先を向けた!すると、球体は魔獣達に襲い掛かり、魔獣達は球体に閉じ込められ、そして球体は連鎖爆発を起こして敵達にダメージを与え
「そらそらそらそらぁっ!!」
そこをカシウスが棒ですざましい連打を放って、敵達にさらにダメージを与え、そしてカシウスは一端下がり
「喰らえ――――――ッ!!」
カシウスが下がると同時に魔力と闘気を槌に込めたウィルが敵達の目の前の地面に叩き付けた!すると地面からすざましい衝撃波が噴き上がり、敵達を空高くへと舞い上げた!
「フッ!」
そしてリウイは不敵な笑みを浮かべてすざましい闘気と魔力を込めたレイピアを構え
「これで!」
同じくリウイとカシウスの位置まで下がったウィルも闘気と魔力を槌に込めた後、大きく振りかぶり
「終わりだっ!!」
最後にカシウスはすざましい闘気を込めた棒で強烈な一撃の構えをし、そして3人は空より落ちてくる敵達を同時に攻撃した!その技は英雄達を導きし真の英雄達が協力して、放つことができる英雄奥義!!その技の名は………!
「「「奥義!ブレイブブラスト!!」」」
3人が放った協力技をも超える協力技――ブレイブブラストは闘気と魔力が合わさった事により、辺りを響き渡らせ、さらに地震をも起こすすざましい大爆発、そして地面からも天に届くほどのすざましい衝撃波が舞い上がり、敵達を塵も残さず滅し、さらに3人攻撃した場所は大きなクレーターになっていた!
「まっ、こんなところか…………」
「よし!」
「フッ。」
技を出し終わったリウイ達はそれぞれ、武器を構え直した!
「す、凄い………!」
「あの力が我等リベールの守護神、”剣聖”の力………!!」
「おお………!あれが我等メンフィルを……闇夜の眷属を統べる”王”の力………!!」
「そして陛下の隣にいらっしゃる方が我等メンフィルの”盟友”となるユイドラの領主、ウィルフレド殿………!」
「オオオオオオオオオッオオオオオオオッ!!!!!!!!」
リウイ達の技を見た王国軍はカシウスを尊敬の眼差しで見つめ、メンフィル軍はリウイとウィルを尊敬の眼差しで見つめ、そしてメンフィル軍はそれぞれの武器を空へ掲げ、リウイ達を称える雄たけびを上げた!
「……この様子なら少なくても、ユイドラが低く見られる事はなさそうね。」
メンフィル軍の様子を冷静な表情で見ていたエリザスレインはセラウィに話しかけた。
「ええ。……フフ、早くセティ達にもこちらの世界を見せてあげたいです。……あの娘達も異世界の話を聞いたら、3人とも目を輝かせて凄く興味がある様子でしたし……」
エリザスレインの言葉にセラウィは微笑みながら頷いた。
「………大体の性格は母親達似だけど、そういう所だけは父親に似ているわね………………」
「フフ……ウィルの子供達の成長を考えると、いずれお前が産んだ子供もそうなるかもしれないぞ?」
「………黙りなさい。」
セラウィの話を聞いたエリザスレインは溜息を吐いた。また、アスモデウスの言葉を聞いたエリザスレインはアスモデウスを睨んで冷徹な口調で言った。
「リウイ殿、ウィル殿。………今回は本当にありがとうございました。」
一方戦闘が終了し、カシウスはリウイとウィルに頭を下げて感謝した。
「何。久しぶりに身体を動かせたしな。気にするな。それにお前との共闘………中々楽しませて貰えたぞ。」
「ハハ、気にしないで下さい。俺達は恩を少し返しただけですから。」
カシウスにお礼を言われたリウイは口元に笑みを浮かべ、ウィルは笑顔で答えた。
「………それより、ここからどうするつもりだ?本来お前はレイストン要塞か王都にいないと不味いのではないか?」
「ハハ、おっしゃる通りですが、大丈夫です。エステル達のお蔭で、単身こちらに来れたのですから。」
「?どういう意味だ?」
カシウスの言葉を聞いたリウイは不思議そうな表情をして尋ねた。そしてリウイの問いに答えるかのように、カシウスは懐から銃を出して、空へと銃弾を撃った。すると空に閃光が弾けた。すると少し時間が経つと、一人の竜騎士がロレント方面から飛んできて、カシウスの元に降り立った。
「………なるほど、2人の護衛部隊に配属されている竜騎士を利用したのか。」
降り立った竜騎士を見たリウイは納得した表情で頷いた。
「ハハ、”飛竜”というのは中々早くて助かります。……何度も手間をかけて悪いが、レイストン要塞まで頼めるか?」
「ハッ!」
リウイの言葉に苦笑しながら答えたカシウスは竜騎士に尋ね、尋ねられた竜騎士は敬礼をして答えた。
「………それでは私はこれで失礼します。」
「ああ。…………まあ、”近い内”に会うだろうがな。」
「ええ。”その時”にまた”会いましょう”。」
そしてカシウスは竜騎士の背後に乗り、カシウスが乗ったのを確認した竜騎士はリウイに敬礼をした後、”飛竜”を空へと舞い上がらせ、レイストン要塞に向かって、飛び去った。
「あなた。私達も戻りましょうか。」
カシウスが去った後、イリーナはリウイに近づいて来て優しい微笑みを見せて言った。
「ああ。」
イリーナの言葉にリウイは頷いた。その後リウイ達は大使館に戻った。また、ミルヒ街道の戦闘を終えたリフィア達も意気揚々と大使館に戻った。
一方”紅蓮の塔”の上空に到着したエステル達は、エステル、ヨシュア、ジン、クローゼ、リタのメンバーで”翡翠の塔”と同じように異空間になった紅蓮の塔の探索をし、そして屋上に到達した……………
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