英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)
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第53話
~遊撃士協会・ロレント支部~
「こんにちは~。」
「あ、お姉ちゃん!」
エステルがギルドに入るとティータ、クロ―ゼ、オリビエがいて、ティータがエステルに気付いた。
「あれ?シェラ姉達は?」
「3人は溜まった依頼を受けている最中よ。……それより、ミントはどうなったのかしら?」
エステルの疑問に答えたアイナはエステルに尋ねた。
「うん。無事に元気に”成長”したわ。」
「え………じゃあ、ミントちゃん、大人になったんですか?」
「おお……!あの可愛らしかったミント君が大人か……ムフフ、どんな女性になったのか非常に気になるよ♪」
エステルの話を聞いたクロ―ゼは驚き、オリビエは表情を緩めた。
「……あんたにだけは会わせるべきではないと思っているんだけどね……まあ、いいわ。ミント。」
「うん!」
そしてエステルに呼ばれたミントがギルドに入って来た。
「え……」
「ふえっ!?」
「何と……!」
ギルドに入って来た成長したミントを見たクロ―ゼ達は驚いた。
「みんな、心配をかけてごめんね!これからは心配をかけた分、ミントがみんなを守るね!」
「フフ……本当に大きくなったのね、ミントちゃん。」
「はう~。ミントちゃんもツーヤちゃんも美人さんで胸も大きくなっていいな~。わたしもいつか、2人みたいになれるといいんだけど………」
クロ―ゼはミントに微笑み、ティータは羨ましそうな表情でミントを見ていた。
「フフ……輝く黄金の髪に暖かく煌めく紅の瞳……ぜひ今夜、ボクと一緒に君の美しさを称えてワインを乾杯しようじゃないか。」
オリビエはミントの手を取って、ナンパを始めた。
「えっと、その……気持ちは嬉しいけど、ミント、お酒は呑めないよ。」
自分をナンパするオリビエにミントは困った顔で笑いながら答えた。
「フム、ならばこのボクが口移しで優しく呑ませて……」
「せいっ!」
ナンパをし続けるオリビエにエステルは棒を震って、オリビエを受付の机まで吹っ飛ばした!
「あ~れ~!はうっ!?」
吹っ飛ばされたオリビエはわざとらしい叫び声をあげながら、受付の机にぶつかった。
「あたしの目の黒い内はあんたみたいな奴を絶対に!近寄らせないって、言ったでしょーが!今度またミントに同じ事やったら、”聖炎”を棒に込めてあんたを燃やすと同時にブッ飛ばすからね!」
エステルはオリビエを睨んで警告した。
(エ、エステル……そんな下らない事で受け継いだ技を使ったら、あなたと同化した人が落ち込むわよ……?)
(選ばれし者だけが使える”聖炎”をそのような下らん事に使う等、前代未聞だぞ……)
(ハア……エステルにとってはそんなの関係ないんでしょうね……)
(あ、あはは……)
エステルの身体の中で話を聞いていたパズモは冷や汗をかき、サエラブやニルは呆れ、テトリは苦笑していた。
「オリビエさん?そんなに女性とお酒を呑みたいのなら、私が付き合ってあげるわよ?」
机まで吹っ飛ばされたオリビエにアイナは微笑みながら言った。
「イ、イエ…………謹んで遠慮シマス………」
アイナに微笑みかけられたオリビエは冷や汗をかき、後ずさりをして身体を震わせながら答えた。
「あ、あはは……………それにしても、凄く綺麗になりましたね、ミントちゃん。」
「フフ、ありがとう、クロ―ゼさん。……けどミント、そんなに綺麗になったのかな?」
クロ―ゼの言葉を聞いたミントは微笑んだ後、首を傾げた。
「ミ、ミントちゃん……今の自分がどれだけ美人さんか自覚していないの?」
ミントの様子を見たティータは信じられない表情で尋ねた。
「?成長してもミントはミントだもん。以前と変わらないよ?変わったのは背や胸が大きくなった事ぐらいだと思うよ。」
「背はともかく、胸は大きくなりすぎよ………ううっ………娘に女性として完全に負けて、親として落ち込むわ~………」
「エ、エステルさん……それを言ったら私なんて…………」
ミントの言葉を聞いたエステルは落ち込み、クロ―ゼもエステルに続くように落ち込んだ。
「フフ……何はともあれ、おめでとう、ミント。これからの活躍を期待しているわね。」
「はい!」
アイナの賛辞にミントは元気良く頷いた。
「うふふ………ツーヤと言い、”竜”はみんな凄く美人で胸が大きく成長するのかしら?」
その時レンがギルドに入って来た。
「あ、レンちゃん。」
ギルドに入って来たレンにティータは真っ先に反応した。
「レン。今日はどうしたの?」
「うふふ………そろそろミントが成長した頃だろうから、エステル達への用事を伝えに来たのよ。」
「あ、プリネが言っていた用ね。一体何かしら?」
レンの話を聞いたエステルは尋ねた。
「今回の件を解決した事やパパを止めてくれた件に関しての報酬をシルヴァンお兄様がぜひ、自ら渡したいって言っててね。ちょっと悪いけど本国にレンと一緒について来てくれないかしら?」
「え………!?」
「ほ、本国ってまさか………」
「わたし達、異世界に行くの!?レンちゃん!」
レンの話を聞いたエステルは驚き、クロ―ゼは信じられない表情をし、ティータは驚きながら尋ねた。
「ええ。異世界と言ってもすぐに帰ってこれるから、安心していいわよ?……まあ、今夜はパーティーがあるから、それにエステル達も参加して貰う事になるからメンフィル帝国の帝都――ミルスの王城――マルーダ城に泊まって貰う事になるでしょうけど。」
「ほう………それは光栄な話だけど、ボク達も参加していいのかな?確か話に聞く所、リウイ皇帝陛下を止めたのはエステル君だろう?」
レンの話を聞いたオリビエは驚いた表情をして尋ねた。
「うふふ………広大なレスぺレント地方の覇権を握るメンフィルがエステルだけを参加させるなんて、そんな心が狭い真似なんてしないわよ。パーティーと言ってもサフィナお姉様やプリネお姉様達――マーシルン家の身内やマーシルン家と親しい人しか参加しないから、そんな固いパーティーじゃないし、大した事ないから安心していいわよ♪」
「メ、メンフィル皇家の身内だけのパーティーってそっちの方が大した事あるわよ………」
レンの言葉を聞いたアイナは驚きながら呟いた。
「は、はわわ。どうしよう?わたし、ドレスなんか持っていないよ……」
「ミントもそうだよ。王様達が集まるパーティーに本当にミント達が参加していいの?クロ―ゼさんぐらいしか、参加できないと思うんだけど………」
パーティーに参加する事を聞いたティータは慌て、ミントは頷いた後尋ねた。
「ミントちゃん………今の私は学生服だから、いくら王女とは言えパーティーに出られませんよ………」
ミントの言葉を聞いたクロ―ゼは苦笑しながら答えた。
「服装の心配は無用よ。服装は普段通りでいいし、もしドレスみたいな正装を着たいのなら用意してあげるわ。だから安心していいわよ。」
「ふえ~………ドレスも用意してくれるんだ……ね、ねえ、レンちゃん。わたしの分もあるの?」
ティータは期待した表情でレンを見た。
「うふふ、勿論あるわよ。ティータはドレスがいいのかしら?」
「う、うん………一度着てみたかったし………」
「そう。うふふ、ドレスも選び放題だから安心していいわよ?後、パーティーで着たドレスはマーシルン家が開くパーティーに参加した記念にティータ達にあげるわ。」
「はう~、ドレスも貰っていいんだ……ね、ねえ、お姉ちゃん。参加しようよ。」
レンの話を聞いたティータは期待するような表情でエステルを見た。
「……………ねえ、アイナさん。どうしよう?」
ティータに見られたエステルはアイナに尋ねた。
「せっかくのご好意だし参加して来なさい。滅多にない機会なんだから。」
「……ありがとう、アイナさん。みんなはどうかな?」
アイナの言葉を聞いたエステルは頷いた後、仲間達を見た。
「ミントは賛成!ツーヤちゃんにも会えるもの!」
「わ、わたしは勿論賛成!」
「………正直恐れ多いですが、滅多にない機会なので参加させて頂きましょう。私も陛下のご親族の方達との顔合わせができるという機会を逃したくないですし………」
「フッ、パーティーを盛り上げる曲はぜひ、このボクが弾かせて頂こう。」
エステルに尋ねられたミント達はそれぞれ頷いた。
「そっか……うん!じゃあ、シェラ姉達が戻ってきたら一緒に行きましょ!」
その後戻って来たシェラザード達と合流したエステル達はレンの案内の元、メンフィルの帝都――ミルスの王城――マルーダ城に到着した…………
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