英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第145話
同日、17:40――――
~ガレリア要塞・右翼列車砲格納庫~
「あったあった!」
列車砲がある格納庫に到着したミリアムは列車砲を見つけて声を上げ
「こ、これが……!」
「列車砲……!」
「な、何て大きい……!」
列車砲を見たセレーネやリィン、エマは驚き
「……こんなもので大勢の人間が住む街を……」
ガイウスは真剣な表情で見つめて呟いた。するとその時列車砲の扉が開いた後テロリスト達―――”帝国解放戦線”のメンバーが現れた!
「貴様ら……!?」
「まさか……”トールズ士官学院”とやらの!?」
「ええい、近づけるな!」
リィン達に気付いたテロリスト達は驚いた後リィン達の前に立ちふさがった!
「チッ……!」
「問答は無用……!」
「一気に制圧するわよ!」
そしてリィン達はテロリスト達との戦闘を開始した。テロリスト達は決して強くなかったが、まるで執念で動いているかのようにしぶとく、完全に戦闘不能にさせるのに少々時間がかかった。
「ぐっ……」
「……無念……」
リィン達との戦闘によって戦闘不能になり、地面に倒れているテロリスト達は悔しそうな表情で意識を失った。
「ぐっ……はあはあ……」
「ハア……ハア……や、やっと眠ってくれましたね……」
戦闘を終えたユーシスとセレーネは息を切らせ
「”帝国解放戦線”……やり合ったのは始めだが……」
ラウラは戸惑いの表情で意識を失っているテロリスト達を見つめた。
「んー、強いっていうより執念で動いてるってカンジ?」
「………どうしてそこまで……」
ミリアムの推測を聞いたエマは信じられない表情をし
「話は後だ……!」
「ああ……!列車砲を止めないと!」
ガイウスの言葉に頷いたリィンは仲間達と共に列車砲に向かった。
「―――!下がりなさい!」
するとその時敵の気配を感じたサラ教官は立ち止まって警告し
「っ……!」
「……!」
警告を聞いた先頭にいるリィンとラウラが後ろに跳躍すると共にSが現れて炎を纏った法剣をリィン達がいた場所に振るった!
「くっ……!」
「”帝国解放戦線”―――幹部”S”!」
「うふふ……さすがは”紫電”。今のに気付くなんて噂通りの凄腕みたいね?」
「そりゃどうも。誉めても何も出ないわよ。貴女がここに来たということは他の幹部はあちらの格納庫かしら?」
自身を称賛するSを警戒しながらサラ教官はSに尋ねた。
「フフ、”V”が出向いているわ。そして”G(ギデオン)”は……つい先程、クロスベルの地で亡くなったみたいね。」
「なに……!?」
「あ、あの人が……」
Sの口から語られたギデオンの死にリィンは驚き、エマは信じられない表情をした。
「先程通信で連絡があってね。逃走中に待ち構えていた”六銃士”に追い詰められて自爆して死んだそうよ。」
「え…………」
Sの話を聞いたミリアムは自分が推測していた結果と違う事に呆け
「”六銃士”……!」
「以前プリネ達が話していたクロスベルの警察と警備隊の上層部か。」
「確かその中の一人はメサイア様の御父上でしたよね……?」
ラウラは驚き、ガイウスは静かな表情で呟き、セレーネは戸惑い
「フン、逃走ルートに待ち構えていたという事は、どうやら貴様らの行動は奴等に読まれていたようだな?そして追い詰められた際に自爆とは呆れた最後だな。」
(んー……予定が大幅に狂っちゃったようだけど、オジサンはどうするつもりなんだろう?)
ユーシスは鼻を鳴らして嘲笑し、ミリアムは真剣な表情で考え込んでいた。
「………………他人事みたいに話してるけど退くつもりはないわけね。その列車砲―――自動発射モードに切り替えているみたいじゃない?」
一方真剣な表情で黙り込んでいたサラ教官は一歩前に出て銃口をSに向けて問いかけた。
「………!」
「そ、そう言えばさっきから稼働音が……」
「あ……自動装填中の音!?」
サラ教官の問いかけを聞いたリィン達は血相を変えた。
「あらら、バレちゃった?ウフフ……あと10分くらいかしら。」
「貴様……」
「通してもらおうか……」
「お姉様達まで亡き者にしようなんて許しません……!」
不敵な笑みを浮かべるSをユーシスやガイウス、セレーネは怒りの表情で睨み
「気を付けなさい……この女、かなりの使い手よ。しかも……奥の手を隠してる。」
Sを警戒していたサラ教官はリィン達に警告した。
「うふふっ、またしても正解!」
サラ教官の推測を聞いたSが口元に笑みを浮かべるとSの背後に人形兵器が現れた!
「ちっ……!」
「大型人形兵器……!」
「うふふ、なかなかステキな子でしょう?一応”借り物”なんだけどとっても気に行っちゃってね♪うふふ……それでは”S(スカーレット)”より”(Gギデオン)”への手向けを送るとしましょう。罪深き巨砲で”鉄血”を葬り、煉獄への同行者とする事で―――!」
そして不敵な笑みを浮かべたS―――スカーレットは宣言した!
「世迷言を……!」
「A班、全力で行きます!来い―――リザイラ、メサイア!!」
「今こそ貴女の力を貸してください!―――ヴァレフォルさん!!」
「ええ、期待してるわよ!それとアンタにも手伝ってもらうわよ―――バルディエル!!」
そしてリィン、エマ、サラ教官はそれぞれが契約している頼もしき味方を召喚した後、それぞれのチームにわかれてスカーレット達との戦闘を開始した!
「コォォォォ……ハアッ!!」
仲間達と共に人形兵器と対峙したラウラは気功技で自身の身体能力を上昇させ
「アークス、駆動……!」
エマはオーブメントを駆動させてアーツを放つ準備をした。
「………………」
一方敵の人形兵器も高火力のアーツでラウラ達を一気に無力化する為に駆動を開始したが
「ブッ飛ばせ~、ガーちゃん!」
「―――――」
ミリアムが指示したアガートラムのクラフト―――バスターアームによって機体に衝撃を受けて駆動を妨害され
「行くわよ―――連続闇弾!!」
ヴァレフォルは両手から暗黒の魔力弾を放って追撃した!
「行きます!――――ダークマター!!」
その時オーブメントの駆動を終えたエマがアーツを発動し、エマが発動したアーツによって発生した重力で敵は身動きが取れなくなり
「―――鉄砕刃!!」
その隙を狙ったラウラが跳躍して強烈な一撃を叩きつけた!
「…………」
攻撃を受け続けた敵は標的をラウラに変えて突進したが
「ハッ!」
ラウラは間一髪後ろに跳躍して回避した。
「――――」
「グッ!?」
しかし続けて放たれたレーザーが肩に命中すると怯んで呻き声を上げ
「ラウラさん!?今、回復します!」
ダメージを受けたラウラを見たエマは魔導杖を構えて集中して治癒魔法の準備をした。
「…………………」
エマの様子を見た敵はエマにレーザーを放とうとしたが
「させないわよ!」
「!?」
ヴァレフォルが投擲した短剣が目の部分に刺さり、視界がなくなったことに混乱し始めた。
「お返しだよ、ガーちゃん!」
「――――!」
そこにミリアムの指示によってアガートラムがクラフト―――ライアットビームを敵に命中させた!
「………………」
ダメージを受け続けた敵はセンサーでエマ達の位置を探った後アーツを撃つ準備をしたが
「暗黒よ、全てを呑みこみなさい!―――ティルワンの死磔!!」
「!!??」
ヴァレフォルが放った高火力の魔術を受けて致命的なダメージを受けて怯んだ!
「息吹を―――セレネスブレス!!」
「ありがとう、委員長。―――今度はこちらの番だ!」
そしてエマの治癒魔法によって傷が回復したラウラは敵に向かって突撃し
「アルゼイド流の真髄……とくと味わえっ!奥義――――洸刃乱舞!!」
自身の奥義を敵に叩き込み、ラウラの奥義をその身に受けた敵は全身から煙を上げてよろよろとゆれ
「止めだよ、ガーちゃん!!」
「――――!!」
そこにミリアムが指示したアガートラムを球体に変形させて敵を押し潰すクラフト―――メガトンプレスを受けて破壊された!
「機は熟した……一気にかかれっ!!」
仲間達と共に人形兵器と対峙したユーシスはクラフト―――ノーブルオーダーで仲間達と自身の闘志を高め
「―――閃!!」
メサイアは電光石火の速さで敵の背後に向かうと共に斬撃を叩き込み
「煌めけ、光よ!」
続けて光の魔力を纏った魔法剣―――昇閃を叩き込んだ!
「セイッ!―――大地よ、怒れ!!」
そこに跳躍したガイウスが十字槍を地面に叩きつけて衝撃波を発生させ、ガイウスのクラフト―――サベージファングを受けた敵の態勢は崩れ
「―――そこです!ディープインパクト!!」
ガイウスと戦術リンクを結んでいたセレーネはその隙を逃さず、レイピアに力を溜めて薙ぎ払い
「舞え、翼よ!―――ライトニングバード!!」
ユーシスは電撃を纏った闘気の鳥を放って追撃した!
「……………」
「グッ!?」
「キャッ!?」
攻撃を受け続けていた敵はその場で回転して接近して自分に次々と武器を叩きつけているガイウスとセレーネを吹っ飛ばし
「――――」
間一髪後ろに跳躍して回避したメサイアにはレーザーを放った!
「!!」
放たれたレーザーを亜人族ならではの優れた肉眼で見切っていたメサイアは攻撃が命中する瞬間、ギリギリ側面へと跳躍して回避し
「跪け!―――イヤァッ!!」
「!?」
攻撃の目標が仲間達に向いている隙を狙って敵に詰め寄ったユーシスはクラフト―――プレシャスソードによる強烈な一撃を叩き込んだ!
「アークス、駆動……!風よ、俺達に癒しを!―――ブレス!!」
一方ガイウスはオーブメントで自分とセレーネの傷を回復し
「ありがとうございます、ガイウスさん!…………」
ガイウスは魔術の詠唱を開始していた。
「暗黒の魔槍よ、我が敵を貫け!―――死愛の魔槍!!」
「!?」
敵から距離を取ったメサイアは魔術によって発生した暗黒属性の槍を敵に命中させてダメージを与え
「アークス、駆動!―――スパークアロー!!」
ユーシスは駆動時間が早いアーツを発動して追撃した。
「ウオオオオ…………ハアッ!風よ、俺に力を貸してくれっ!!」
その時クラフト―――ワイルドレイジで闘気を集束したガイウスは跳躍し
「カラミティ―――ホークッ!!」
風をその身に纏って敵に向かって強襲し、強烈な一撃を叩き込んだ!ガイウスのSクラフトや今までの戦闘によって受けたダメージによって敵は身体中から小規模な爆発を起こし続けて今にも破壊されそうな状況になり
「我が魔力よ、集束し、炸裂せよ!―――マジックバースト!!」
そこに詠唱を終えたセレーネが敵の足元に魔法陣を発生させた後魔力による大爆発を起こして敵に止めを刺した!
「雷よ、あたしに力を!!」
「ハァァァァァ……セイッ!!」
スカーレットと対峙したサラ教官とリィンは気功技で自身の身体能力を上昇させ
「私の炎に悶えなさい!―――ハアッ!!」
気功技で自身の身体能力を上昇させている隙を狙ったスカーレットはクラフト―――フレイムスラッシュをリィンとサラ教官に放ったが
「下らぬ!!」
「チッ!?」
バルディエルのクラフト―――闘雷の薙ぎ払いに圧し負けて後ろへと吹っ飛ばされ
「雷の精霊よ、裁きを!―――審判の轟雷!!」
「クッ……!」
後方のリザイラが放った魔術によって発生した降り注ぐ雷を必死に回避していた。
「ヤァァァァァ……!」
「グッ!?」
そこに身体能力の強化を終えたサラ教官がクラフト―――鳴神でダメージを与え
「そこだっ!―――疾風!!」
「甘いわっ!」
サラ教官と戦術リンクを結んでいたリィンは追撃し、スカーレットは法剣でリィンの電光石火の攻撃を受け流し
「邪魔よっ!!」
「グッ!?」
続けて暗黒の闘気を纏った法剣を伸ばしてリィンにダメージを与え、スカーレットのクラフト―――ダークフェンサーを受けたリィンは呻いた。
「ハッ!」
「!!」
そしてリィンに追撃しようとしたスカーレットだったが、跳躍して上から奇襲して来たサラ教官の強化ブレードの一撃を回避し
「これはオマケよ!」
「ふふ、さすが”紫電”ね……!」
続けて放たれた雷の弾丸に対する回避行動や防御行動をしていた。
「我が槍、見切れるか?―――空裂槍連撃!!」
「グッ!?」
しかし一気に詰め寄ったバルディエルの槍による強烈な突きを回避できず、脇腹を貫かれて呻き
「―――ティアラ!!――水の精霊よ、力を貸しなさい!双子水精弾!!」
「クッ……!」
アーツでリィンの傷を回復した後、発動したリザイラの魔術による水の球体を法剣で切り裂き、3人の攻撃によってスカーレットは防御か回避行動に専念するしかなかった。
「燐の型―――紅燐剣!!」
「グッ!?士官学院生如きがやってくれるじゃない……!」
そこに闘気によって発生した風の刃をその身に受けたスカーレットはまずリィンを撃破する為に大技の構えをしたが
「フン!!」
「グッ!?か、身体が勝手に……!?」
バルディエルの威圧を込めた睨み―――威圧の眼光によって本能が恐怖を覚えた為身体の動きが封じられ
「そこよっ!ハァァァァァァァ…………!!ヤアッ!」
「アアアアアアアッ!?」
その隙を狙ったサラ教官が自身に紫電を纏って電光石火の速さで駆け抜けて次々とスカーレットに強化ブレードを叩きつけた後後ろに跳躍しながら雷の弾丸を命中させ
「受け切れるかしら?オメガ―――エクレールッ!!」
「グゥッ!?」
最後に闘気を溜め込んだ強化ブレードを地面に叩きつけt、紫電を纏った巨大な衝撃波をスカーレットに命中させて大ダメージを与えた!
「これで終わりだっ!―――リザイラ!」
「ええ!開け、浄化の扉よっ!!」
そしてリィンに視線を向けられたリザイラはスカーレットの足元に巨大な魔法陣を形成し
「奥義!」
闘気を溜め込んだリィンは電光石火の速さでスカーレットに斬撃を叩きこんだ後跳躍し
「「龍虎滅牙斬!!」」
跳躍したリィンがスカーレットの目の前で太刀を叩きつけると魔法陣から無数の闘気と魔力によって発生した龍と虎が空へ向かって昇りながらスカーレットを襲った!
「アアアアアア――――ッ!?このあたしとした事が……!」
リィンとリザイラの協力技―――龍虎滅牙斬を受けたスカーレットは唇を噛みしめて地面に跪いた!
ページ上へ戻る