英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
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第143話
サラ教官と共に右翼の建物に突入したリィン達A班は時折襲い掛かってくる人形兵器を蹴散らしながら外に出た。
~ガレリア要塞・クロスベル側回廊~
「ここは………」
「外の出たようですが……」
要塞から外に出たユーシスとセレーネは戸惑い
「”ガレリア峡谷”……クロスベル州との境界ですね。」
エマは周囲の地形を見回して呟いた。
「あ……!」
その時何かに気付いたリィンが声を上げてある方向を見つめると、巨大な砲口があり、巨大な戦車の姿をした線路で走って移動する事ができる戦車―――”列車砲”の格納庫が開き、右翼と左翼の”列車砲”がそれぞれ姿を現した!
「あ、あれが……!」
「”列車砲”か……!」
「……なんて大きさだ。」
「相変わらずでっかいなー。」
「そ、それより……格納庫にあった”列車砲”が現れたという事は帝国解放戦線の方達が既に到着しているのでは……!」
「チッ、起動が早すぎる……!まさか狙いもつけずにぶっ放すつもりなの……!?」
列車砲の登場に仲間達が驚いている中、ある事に気付いたセレーネは不安そうな表情をし、サラ教官は舌打ちをして厳しい表情をした。
「―――サラ教官!」
するとその時何かの気配が気付いたリィンが振りむと同時に太刀を構え、サラ教官や仲間達も続くように武器を構えると通常の人形兵器の2倍の大きさはある人形兵器が3体突如空間から姿を現した!
「人形兵器の親玉!?」
「くっ、こんなものまで実用化しているのか!?」
「ええい、この忙しい時に!あんたたち!速攻でぶっ潰すわよ!それとアンタも手伝いなさい!――――バルディエル!!」
新手の登場にミリアムとユーシスが驚いている中、表情を厳しくしたサラ教官は号令をかけた後バルディエルを召喚し
「了解!」
「制圧を開始する……!」
サラ教官の号令に頷いたリィン達は戦闘を開始した!
「ラウラ、エマ、ミリアム、ユーシスは左の奴を、リィン、セレーネ、ガイウスはあたしと共に右の奴を確固撃破で行くわよ!バルディエル、あんたは一人で残りの一体を撃破しなさい!」
「「承知!」」
「「「はい!」」」
「わかった!」
「いいだろう……!」
そしてサラ教官の指示に頷いたリィン達はそれぞれ散開して、それぞれが相手する人形兵器と対峙して戦闘を開始した。
「敵ユニットの傾向を確認……―――掴めました!地属性が弱点です!」
ラウラ達と共に敵と対峙したエマはクラフト―――ディフェクターで敵の弱点をさらけ出し
「―――――」
敵は両手を構えて回転するレーザー―――サイクロンレーザーをラウラ達に放った!
「ガーちゃん、守って!」
その時ミリアムが前に出てアガートラムにクラフト―――アルティウムバリアを展開して仲間達に襲い掛かるビームを防ぎ
「そこだっ!セイヤッ!!」
ラウラは跳躍してクラフト―――鉄砕刃を敵に叩きつけた!大剣での強烈な一撃は通常の敵なら怯むが、頑丈な機械の身体を持つ敵は怯まず、そのまま突進してラウラを吹っ飛ばした!
「グッ!?」
「ラウラさん!?今、回復します!―――息吹を!」
吹っ飛ばされたラウラを見たエマはクラフト―――セレネスブレスで回復し
「アークス、駆動!大地の槍を受けるがいい!―――アースランス!!」
オーブメントの駆動を終えたユーシスは敵の弱点属性のアーツを発動し、ユーシスが発動したアーツによって地面から大地の槍が敵に襲い掛かった!
「!?――――」
弱点属性の攻撃を受けた敵は一瞬怯んだ後標的をユーシスに変えてレーザーを放とうとしたが
「ぶっ放せ~!」
「―――――」
「!?」
ミリアムの指示によってアガートラムがクラフト―――ライアットビームを命中させて敵に衝撃を与えた!
「ハアッ!!」
その隙を逃さないかのようにラウラは遠距離から攻撃するクラフト―――地裂斬で追撃し
「怒れし地の牙よ。歯向かいし者を貫け!―――ロックブレイク!!」
エマは魔導杖に搭載されてある特殊魔法―――ロックブレイクを発動し、エマのアーツによって隆起させた岩が敵の頑丈な身体をへこませた!
「跪け!」
その時ユーシスが特殊魔法によって巨大な氷山を敵の地面から発生させて敵を氷山の中に閉じ込め
「イヤァッ!!」
そして敵に詰め寄って強烈な斬撃を叩き込んで敵を怯ませた!
「―――ラウラ!」
氷山に閉じ込め、斬撃を叩きこむクラフト―――プレシャスソードを叩き込んだユーシスはラウラに呼びかけ
「承知……!セイッ!」
「ガーちゃん、止めを!」
「――――!」
ミリアムと戦術リンクを結んでいたラウラはアガートラムと共に強烈な一撃を敵に叩き込んで敵を滅した!
「――――」
リィン達と対峙した敵はクラフト―――サイクロンレーザーを放ったが
「散りなさい!」
レーザーを放つ少し前に構えた敵の両腕の構えを見て何かして来ると判断したサラ教官の指示によってリィン達はそれぞれ散開して襲い掛かるレーザーを回避した。
「二の型―――疾風!!」
敵の攻撃を回避したリィンは電光石火の速さで斬撃を叩き込み
「ヤァァァァ……!」
サラ教官はクラフト―――鳴神を遠距離から次々と叩き込み
「セェイッ!!」
リィンとサラ教官の攻撃の後にガイウスは跳躍した後十字槍を地面に叩きつけて衝撃波を発生させるクラフト―――サベージファングを叩き込んだが、頑丈な身体を持つ敵はダメージを受けても怯まず、一番近くにいたガイウスに突撃した!
「ッ!?」
「ガイウスさん!?今回復します……!」
敵の突撃によってダメージを受けて吹っ飛ばされたガイウスを見たセレーネは魔術の詠唱を開始し
「…………………」
対する敵はアーツを放つ為に駆動を開始した。
「四の型・改―――紅蓮切りっ!!」
「!?」
しかし電光石火の速さで襲い掛かってきたリィンの魔法剣をその身に受けて駆動を止められた。
「癒しの光よ!キュア・プラムス!!アークス、駆動……!」
「ありがとう、セレーネ。セイッ!!」
セレーネの治癒魔術を受けてダメージが回復したガイウスは闘気によって発生した風を解き放って敵に叩き込み
「これでも喰らいなさい!――――ラグナヴォルテクス!!」
オーブメントの駆動を終えたサラ教官は高火力のアーツを敵に叩き込んで大ダメージを与えた!
「二の型―――洸破斬!!」
そしてリィンは神速の抜刀をして鋭い衝撃波を敵に叩き込み
「これで終わりです!クリスタルフラッド!!」
セレーネは駆動を終えたオーブメントで高火力のアーツを発動した。すると敵の地面が突如凍り付いた後敵を氷の中に閉じ込めた後砕け、ダメージに耐えきれなかった敵は消滅した!
「―――――」
バルディエルと対峙した敵はサイクロンレーザーをバルディエルに向けて解き放ったが
「下らぬ!」
バルディエルは槍を一振りして襲い掛かるレーザーを薙ぎ払い
「雷光よ、全てを粉砕せよっ!!」
続けてクラフト―――雷光砕破を敵の巨体に叩きつけた!
「!?……………」
”はぐれ魔神”の膨大な魔力も込められた衝撃波を受けて大ダメージを受けた敵はアーツの駆動を開始したが
「雷光の神槍を受けるがいい!」
「!?」
詠唱無しでバルディエルが発動した魔術―――雷天使の神槍によって身体の中心部分を貫かれて動きが鈍り
「滅せよ!」
そしてバルディエルのクラフト―――闘雷の薙ぎ払いによって身体を真っ二つにされて消滅した!
それぞれの戦闘が終了するとバルディエルはサラ教官の身体に戻り
「時間が惜しい!あたしだけでも先行する!君達は安全を確保しながら―――」
サラ教官はリィン達に指示しようとしたが何かに気付いて列車砲を見つめると、何と列車砲は起動して砲口をどんどん伸ばしてクロスベル方面に向けた!
「!?」
「”列車砲”が……」
「しまった―――」
「………よせ……」
列車砲の起動に仲間達が焦っている中、リィンの頭の中にはクロスベルに向かった様々な人物の顔が思い浮かばれ
「やめろおおおっっ!!」
列車砲を睨んで叫ぶと共に列車砲から轟音が鳴ったが何も起こらなかった!
「え―――」
「音だけ……だと?」
「もしかして故障でしょうか……?」
轟音が鳴って何も起こらなかった事にリィンとガイウスは呆け、セレーネは戸惑い
「そっか、初弾は事故防止のため空砲が入ってるんじゃ……!?」
轟音しかならなった理由に心当たりがあったミリアムは明るい表情で言った。
「なに……!?」
「そ、そういうものですか!?」
「ええ、その可能性は高いわ!そして”列車砲”は一度撃ったら次弾の装填に時間がかかるはず……!」
ミリアムの話を聞いたユーシスは驚き、エマに視線を向けられたサラ教官は頷いた。
「ならばこの隙に辿り着ければ……!」
「ああ……!絶対に食い止めるぞ!」
そしてリィン達は列車砲の次弾を撃たせない為に急行した!
リィン達が列車砲に向かって急行していたその頃、二大国のテロリスト達はそれぞれ地上へと続くジオフロントの終点の近くに到着していた。
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