ドリトル先生北海道に行く
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第九幕その八
「イギリス海軍の軍艦が横を通る恐竜みたいな生きものを見たから」
「ディーダラス号事件ですね」
トミーが言ってきました。
「それですね」
「そう、あの事件を見るとね」
「恐竜がいることはね」
「否定出来ないですか」
「あの謎の生きものが恐竜かというと」
「可能性がありますね」
「若しくは昔鯨類だね」
先生はこの種類の生きものの名前も出しました。
「あちらだね」
「昔鯨類ですか」
「この種類は今の鯨の祖先にあたるけれど」
それでもというのです。
「それじゃないかとも言われているんだ」
「じゃあネッシーも」
「そうも言われているよ」
「昔鯨類ですか」
「恐竜と同じだけロマンがあるよね」
「もう絶滅したと言われてるんですよね」
「それがまだいるとなるとね」
そのこと自体がというのです、先生も。
「やっぱりロマンがあるね」
「実際にそうですよね」
「そのネッシーもディーダラス号のこともね」
「そしてクッシーも」
「いて欲しいね」
クッシーもというのです。
「実際にね」
「いる可能性は低くても」
「そう考えているよ」
こう言うのでした。
「やっぱりクッシーも海から来ているのかな」
「屈斜路湖に」
「そうかもね」
「じゃあ見られたらいいですね、クッシー」
「僕もそう思っているよ」
こうしたことをお話しながらです、先生達は一路屈斜路湖を目指していました。そしてこの日の晩御飯はといいますと。
「さて、海鮮丼とお刺身だけれど」
「うわ、凄いね」
皆は王子が出してくれたその晩御飯を見て声をあげました。
「鮭のお刺身にね」
「鮭の身とイクラ、雲丹に烏賊も乗せた海鮮丼」
「これはまた凄いね」
「函館にいた時思い出したわ」
「僕も函館で食べて美味しかったからね」
王子は皆ににこりとして言いました。
「それでシェフに作ってもらったんだ」
「これは凄いわ」
ガブガブも驚きを隠せていないです。
「まさに函館の再現よ」
「数の子が入った松前漬もあるし」
チーチーはそちらも見ています。
「こちらも楽しめるね」
「お酒もあるね」
ホワイティは小樽産の白ワインを見ています。
「しかも毛蟹まであって」
「毛蟹はボイルしたものだね」
ジップは目の前のその蟹の匂いをもう嗅いでいます。
「まさに北海道の海の幸だね」
「鱈はホイル焼きだね」
鱈のそれもあります、トートーはもうその前にいます。
「これもよさそうだね」
「こうして何でもあると」
ダブダブの言葉はといいますと。
「何を最初に食べればいいのか困るよ」
「そうよね、全部食べるにしても」
ポリネシアはダブダブのその言葉に頷きます。
「どれが最初に食べるかは選びにくいわね」
「海鮮丼のお米は北海道のお米だね」
「そうね」
チープサイドの家族はお米に気付いています。
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