野良猫のみた幻想郷
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野良猫と吸血鬼妹
にゃが輩は野良猫である、名前はこの先にゃい。
しかし、困ったにゃ。にゃにが困ったかってにゃ? それは、紅魔の主に拉致られたことにゃ……
「スカーレット二世もう放さないわわよ」
なんか、重いニャ……まさか、あの宴会にこいつがいるにゃんてにゃ。予想外の出来事にゃ。どうにかして逃げ出さないと。
「にゃ……」
どうにかして逃げるってどうすればいいのにゃ!?
野良猫、考え中………
無理にゃ! あれを使って逃げるかにゃ?……あれを使えばあの胡散臭い奴ゆかりに気づかれてしまうにゃ。それに使えなくなっている可能性もあるにゃ。
「ウフフ、スカーレット二世、お前は永遠に私と一緒よ?」
「にゃぁ?!」
それは絶対嫌にゃ! 自由に生きたいニャアァァ‼
だが、にゃが輩を神は見捨てていなかったみたいだにゃ。
「おぉぉぉ姉ぇぇぇ様ぁァァぁ!?」
「に゛ゃ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛?」
にゃッ!? 敵襲かニャ?!
「なによ、フラン」
「お姉さまばっかりズルい! いつもスカーレット二世を独占して、私にも貸してよ!」
「嫌よ。だって貴女、壊すでしょ?」
待つニャ! 人を物扱いするのはやめるにゃ! まぁ、人じゃないんだけどニャ。
「えぇ~? スカーレット二世は壊せなもん。一回だけ試してみたけど壊れなかったもん」
にゃんですとぉ!? とんでもにゃい事実を知ってしまったにゃ!?
にゃほん。このフランと呼ばれた小娘はレミリア・スカーレットの妹、フランドール・スカーレットだにゃ!
「はぁ……フラン。スカーレット二世に当分近づくのを禁止するわ」
「えぇ!? ひどいよ! そんなこというならスカーレット二世を……」
「ニギャアア!?」
まてまて待つにゃ! 尻尾はだめにゃあ!
「あ、フラン! スカーレット二世を返しなさい!」
「ふん! 返してほしかったら取り返してみなよ! ギュッとして……ドカーン!」
――――ボンッと爆ぜる音が部屋に響いた。
「きゃあ! あんた、よくも足を吹き飛ばしてくれたわね! 覚悟しなさいよ!」
「それじゃあね。お・姉・様・?」
「ニギャアン!?」
にゃから! 尻尾をつかむのはやめるにゃぁ!
◇ ~悪魔の妹逃走中~
フランドールの部屋
「ふんだ! お姉さまなんか大嫌いよ!」
「にゃんにゃあ」
おいおい、世界で一人しかいない姉だろ? 喧嘩はよせにゃ。
「お前もそうオモウヨネスカーレット二世」
この時の選択があんなことになるなんて今のにゃが輩には思いもしにゃかったにゃ。
「にゃーにゃん」
「そうは、思わない?」
「な!」
「アハッ」
「にゃ?」
どうしたんだ? フラン?」
「なんで?」
「にゃん……?」
「なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?」
「にゃ!?」
まさか、これは。
「アハッ……みんな、フランのことをワカってくれない。もう、全部コワレテしまえ!」
「ニャ!?」
やばいにゃ! 何がやばいかはわかんにゃいが、ここにいるのは危険だにゃ。早くここかあら逃げにゃいと死ぬニャ!
だけど相手は吸血鬼、どうやって逃げるにゃ!? どうする!
「アハッ♪アハハハ」
フランの能力は効かにゃいが普通に攻撃されたら死ぬニャ。万事休すかニャ?
「アハッ♪ 先ずはスカーレット二世、あなたからよ!」
ここまでかニャ……次生まれ変わるにゃら普通の猫に生まれたいにゃ――
「あれぇ? 目なんか瞑ってないで開けてよ、そうしないと絶望に浸った顔が見れなくなるじゃない」
「うっせーな。ぐだぐだ言ってんじゃねーよ。やるなら早くやれにゃ」
にゃ、やっちまったニャ。うっかり喋ってしまったニャ。
「アハッアハハハ。なら、望み通りコロシテあげる! 禁忌【レ―ヴァテイン】」
咄嗟に出た言葉のせいでフランを怒らせてしまったニャ……口は災いの元……かにゃ。
「アハッアハハハ」
魔剣の風を切る音がにゃが輩に近づいてくる……もうすぐ、あいつのとこ逝けるのか……まっててくれにゃ。
――ビュンと風を切る音と共に枝のような杖のような剣のような物が振り落とされた。
つづく
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