英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)
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外伝~英雄達の戦い~
~工匠都市ユイドラ~
「水那!早速で悪いけど、水精達には怪我をした人達の治療をしている人達の手伝いのために教会に向かわせてくれないか!」
「はい!みなさん、教会に行って、怪我をしているユイドラの人達を助けてあげて下さい!」
ウィルの指示に頷いた水那は水精達に頼んだ。頼まれた水精達は教会に向かった。
「みんな~!協力してユイドラを護ろう~!」
「お前達!久しぶりに暴れるぞっ!」
「皆の者!わらわ達の同胞達に手を出せばどうなるか………思い知らせてやれ!」
アト、ミレーヌ、狐伯蓮の号令にそれぞれの種族達は頷いた後、戦闘を開始した!
「全員、空の敵を迎撃!ユイドラを襲う邪悪なる者達に裁きの鉄槌を与えてやりなさい!」
「我も久しぶりに力を震わせてもらおう……!」
エリザスレインとガプタールは空へと舞い上がり、エリザスレインに続くように天使達も空へ舞い上がって戦闘を開始した!
「門を護っている者達に開門するように伝令!外で戦っているサエラブ達を引き入れて、共に迎撃するぞ!」
「ハッ!」
ウィルの指示に頷いた兵士は急いで門に向かった。
「クレール、私達も行くわよ!」
「うん!」
クレアンヌとクレールはそれぞれ弓矢を構えて、戦闘態勢に入った。
「やった~!これなら勝利、間違いなしね!」
「これほどの種族が集まるとは……………セラウィ、お前は凄い者と結ばれたものだな。」
援軍を見たエミリッタは喜び、フォーチュラは微笑んだ。
「天使達と共闘する日が来るなんて………エヴリーヌ、考えた事もなかったよ。」
「余もだ!まさかウィルにあれほどの種族達が集まるとは………!うむ!余の目に狂いはなかったな!」
エヴリーヌは今の自分達の状況に不思議そうな表情で呟き、リフィアはウィルの人徳を自分の喜びのように感じて、胸をはった。そしてウィル達は再び戦闘を開始した!
「せいっ!」
「くらえっ!」
「火の精霊よ!我が矢に宿れ!メルカーナの制圧射撃!!」
「えーい!」
「それぇっ!」
「うふふ………凍え死になさい!!凍結!!」
「ハァァァァァ!!」
ウィル、ユエラ、セラウィ、アト、カーリアン、レン、ロカは周囲の魔物達を次々と葬り
「一匹足り共、逃がしません!ハッ!」
「行っくよ~!気合斬り!!」
「光よ、集え!光霞!!」
セティ、シャマーラ、エリナはウィル達が撃ち漏らした魔物達を3人で協力して葬り
「はいっ!」
「それっ!」
「水よ、力を貸して………!連続水弾!!」
クレアンヌ、クレール、水那はウィル達の後方から矢や魔術を放って魔物達を葬り
「ほいっ!どりゃ!やっふー!」
ミレーヌは敵の背後に転移して一撃で葬ってはさらに転移して敵を葬るという動作を繰り返して、物凄い速さで敵を次々と葬り
「灰となれぃ!狐炎術………四焔尾!!」
狐伯蓮は魔術で大量の敵を燃やしつくした!土精達は街に入って来ようとする地上の敵をその場から動かず次々と撃退し、サエラブ達は目にも止まらぬ速さで次々と敵の喉元を噛みついたり、爪で斬り裂いて敵を滅し、歪魔達はミレーヌのように敵の背後に転移して攻撃し、次々と敵を滅していった!
ウィル達がしばらく戦っていると街の方から走って来た人物達が魔術を放った!
「失いし戦意よ、蘇れ!アルテミスの祝福!!」
「戦士達に加護を!戦闘領域の符術!!」
「降り注げ…………癒しの雨!!」
街の方から来た人物達――ペテレーネ、プリネ、マーリオンの魔術によってウィル達の身体能力があがったり、戦闘で負った傷が回復し
「空間よ、歪め!ダークマタ―!!」
「貫け!アイスニードル!!」
3人の後から来た人物達――イリーナ、ツーヤはアーツや魔術で魔物達を攻撃した!
「ペテレーネ!?それにプリネ達も!リウイに言われて、教会の手伝いに行っていたんじゃないの?」
ペテレーネ達の登場に驚いたカーリアンは尋ねた。
「………先ほど水精やエルフの方達がいらっしゃったお陰で、ハンナさんも『ここはもう大丈夫だから、領主様達を手伝って下さい』と言われましたからご好意に甘えて、援護に来ました。」
「………あの、死傷者は?レグナー達を襲った魔族がとてつもないほど強力と聞いていたけど………」
ウィルはレグナー達がどうなっているか気になり、尋ねた。
「今の所、死傷者は出ていません。話に聞く所、指揮官の方が操るゴーレムが何度も庇ってくれたお陰で急所は免れたそうです。」
「そうか…………さすがレグナーだな………」
ペテレーネの説明を聞いたウィルは安堵の溜息を吐いた。
「ウィル。安心している所悪いが、戦いはこれからだ。」
「ああ、わかっている。みんな、行くぞ!」
ユエラの忠告に頷いたウィルは号令をかけた!
「ええ!」
「ああ!」
「「「はいっ!!」」」
セラウィ、ユエラ、セティ達は力強く頷き
「お父様達が愛したユイドラを、お兄様達を……絶対に守ります!!」
「今こそ、あなたの助けになるわ、ウィル!」
「よ~し、燃えてきたぞ~!ユイドラを襲う奴らはこの僕が全部射抜いてやる!!」
水那、クレアンヌ、クレールもさらにはりきり
「フフ…………まさか、こんな面白い場面を見れる事になるとはね!お礼に久しぶりに本気を出させてもらうわよ!……奥義!桜花乱舞!!」
「リウイ様とイリーナ様が目指す世界を作るため……アーライナ様より頂いたこの力、存分に震わせてもらいます!………死愛の魔槍!!」
「ご主人様のために……行きます!……溺水……!」
カーリアン、ペテレーネ、マーリオンは技や魔術を放ってさらに敵を倒し
「”殲滅天使”の名は伊達じゃない事を、見せてあげるわ♪熱風!落雷!そ~れっ♪」
レンは凶悪な笑顔で次々と魔術を放ち、そしてクラフト――カラミティスロウを放って次々と魔物達を葬って行き
「2人とも、絶対に無茶はしないで下さいね?……フェヒテンバル!!」
「はい!………光弾!!」
「今こそ”パートナー”としての本領を発揮させて頂きます!……ラファガブリザード!!」
プリネ、イリーナ、ツーヤもカーリアン達に続くように次々と魔物達を葬っていき
「仙狐を敵にしたらどれほど恐ろしいか………業火の洗礼を受けながら後悔して逝くがよい!狐炎神術……九焔尾!!」
「一杯暴れちゃうぜっ♪どっせーい!!闇に呑まれたら?ティルワンの闇界!!」
狐伯蓮、ミレーヌはすさまじい勢いで魔物達を葬っていった!
(やれやれ……この様子だとウィルはいつ、我を呼ぶのだろうな?力が疼く………)
ウィル達の戦いを腕輪を通して見ていたアスモデウスは口元に笑みを浮かべていた。
「行っくよ~!………流星よ、落ちよ!小隕石召喚!!」
「神をも震撼させし、滅びの鐘よ!今、ここに奏でよ!!………エル=アウエラ!!」
「制圧砲撃、加速。開始。」
エミリッタ、リフィア、シェラは外の魔物達を魔術や魔導砲で大量に滅し
「キャハッ♪死ね死ね死ね死ね死ねぇー!」
エヴリーヌは凶悪な笑顔で空気を切り裂くほどの神速の動作で矢を放って、次々と魔物達の急所を狙って、絶命させ
「行くぞ!精密射撃!三連射撃!」
フォーチュラは着実に魔物達を葬っていった!ユイドラ兵や工匠達も兵器や弓矢を放って、ユイドラに入って来ようとする魔物達を撃破して行った!
「フハハハハハハ―――!屑が寄り集まった所で所詮は屑である事を思い知るがよい!レイ=ルーン!贖罪の光霞!ティルワンの闇界!」
「キャハハハッ♪エヴリーヌも負けないよ?ケール・ファセト!制圧射撃!氷結電撃!」
リフィアは高笑いをしながら次々と魔術を放ち、エヴリーヌは凶悪な笑顔で笑いながらリフィアの活躍に負けぬよう魔術や技を次々と放っては魔物達を滅して行った!
(フフ………まさか魔の者と聖なる者が共に戦う所を見れるとはな……フィーノ、セフィリア。お前達にも見せてやりたかったぞ。)
フォーチュラは戦いの手を止めて、戦場を見渡して、かつての友や教え子を思っていた。
「フォーチュラさん!ボーっとしないで戦ってよ!敵はまだまだいるんだから!………イオ=ルーン!大熱風!光燐衝撃!」
「フフ………すまないな。ハッ!風の精霊よ!………大竜巻!!」
そこにエミリッタがフォーチュラを注意し、注意されたフォーチュラは苦笑した後、魔術を放ち続けるエミリッタに続くように矢や魔術を放って魔物達を葬っていき
「新たな目標の殲滅を開始します。集中重砲撃、開始。」
シェラは表情を変えず、黙々とすざましい数の魔物達を殲滅していった!
一方、空中での戦いも援軍――エリザスレイン達によって、戦局は有利になり始めていた。
~工匠都市ユイドラ・上空~
「「超・ねこ、パ~ンチ!!」」
「滅します!」
「せいっ!」
「死ね!」
「ご覧遊ばせ♪イオ=ルーン!!」
シャルティ、ペルル、メロディアーナ、イルザーブ、ラグスムエナ、フィニリィは空中での戦いで魔物達を倒して行き
「滅せよ!」
ガプタールは自らの口から雷が籠ったブレス――サンダ-ブレスを吐いて、目の前の大量の魔物達を一気に消滅させ
「光よ!聖なる炎と共に邪悪なる者達を滅せよ!贖罪の聖炎!!」
エリザスレインは最高位神聖魔術の一つと言われる魔術を放って、大量の敵を滅し
「闇に呑まれよ!ティルワンの闇界!!」
エリザスレインの活躍に負けないがごとく、ファーミシルスは魔術で大量の魔物達を葬った!天使達は剣や槍で空の魔物達を次々と滅して行き、睡魔達も天使達の活躍に負けないがごとく、攻撃した際、魔物達の精気を吸い取って魔物達をミイラや骨にして、倒していった!
「………戦好きの飛天魔がどうしてユイドラの人間達を助けているのかしら?」
エリザスレインは厳しい表情でファーミシルスを見て、尋ねた。
「私は今、こうしているのは我が主の意向に従ったまで。特に深い意味はないわ。」
「………その主とは誰の事かしら?」
ファーミシルスの主が気になったエリザスレインは主の正体を尋ねた。
「フフ……心して聞くがいいわ。……我が名はファーミシルス!誇り高きメンフィルの”闇王”リウイ・マーシルンに仕えし将の中でも最も優秀な将よ!」
「名乗られたからにはこちらも名乗らないとね。………我が名はエリザスレイン!古の時代より人間を監視する大聖堂ミサンシェルの力天使よ!………それでどうして、北の魔族大国、メンフィルの将がこんな所にいるのかしら?それにその言い方だと、”闇王”もユイドラにいるのかしら?」
ファーミシルスが高々と名乗った後、エリザスレインも名乗り、そして尋ねた。
「フフ………貴女に答える筋合いはなくてよ?」
「あら………だったら、力づくで答えてもらうしかなさそうね………?」
ファーミシルスの嘲笑に対し、エリザスレインは冷たい微笑みで見返した。2人はお互いの顔を睨みあって、今にもぶつかりそうな雰囲気をしていた。
「お止め下さい、エリザスレイン様!我々の敵は目の前の者ではなく、ユイドラを襲う者達です!」
「大将軍さんもやめてよ~!今は味方同士、争っている時じゃないでしょ!?」
そこにメロディアーナとペルルが2人の間に入って、仲裁した。
「………そうね。ここは貴女に免じて退いてあげるけど、後で説明してもらうわよ、メロディアーナ。」
「はい。どの道、エリザスレイン様にも説明しないといけない状況をウィルが作りましたから、近い内エリザスレイン様も呼んで、さまざまな種族達と話し合おうとした所です。」
「………その様子だと、とんでもない事を考えたようね、ウィルは。やれやれ………次から次へと私を悩ましてくれる事を考えてくれるわね、あの男は。フウ………どうやらまたかつてのように、しばらくの間、傍で監視をしないといけないようね。」
メロディアーナの説明を聞いたエリザスレインは溜息を吐いた後、地上で戦っているウィルを口元に笑みを浮かべて見ていた。
「フフ………そうは言いますが、どことなく嬉しそうに見えますよ?」
「あら……言うようになったわね、メロディアーナ。………でも、そうかもしれないわね。これを機にいっそ、貴女みたいにウィルとの子供を作ろうかしら?それで産まれた子を私が教育して、私の代わりになるようにするのも悪くない考えね。」
「………本気なのですか?」
エリザスレインの口から出た予想外の言葉にメロディアーナは驚いて尋ねた。
「フフ………どうかしらね?それとも以前みたいに2人でウィルを誘惑したいのかしら?メロディアーナは?」
「な、なななななななっ………!」
エリザスレインの言葉にメロディアーナは顔を真っ赤にした。
「フフ………このぐらいで照れるなんて、まだまだね、メロディアーナ。」
「エリザスレイン様!」
エリザスレインのからかいに気付いたメロディアーナは顔を赤くしながらエリザスレインを睨んで怒鳴った。
(………私も早くリウイ様との子が欲しいわ………クッ………だが、まだ”あの方”が目覚めてない今、それは難しいわね………)
(どうしたんだろう、大将軍さん?なんか、いつもと様子が違うようだけど………)
2人のやり取りを見て、様子がおかしいファーミシルスを見たペルルは首を傾げていた。そしてエリザスレインはファーミシルスを見て、言った。
「ファーミシルスといったわね………この私の力がどれほどのものか……この戦いの活躍で飛天魔風情が力天使たるこの私の力の足元にも及ばない事を思いしりなさい!」
「フフ………この私相手に戦果を競うとはね…………いいわ!そちらこそ、誇り高く、闇夜の眷属の中でも高位たる飛天魔の力………思い知るがいいわ!」
挑戦的なエリザスレインの言葉に不敵に笑ったファーミシルスも同じように挑戦的な表情でエリザスレインを見て言った。そして2人は戦果を競うがごとく、空の敵陣へ攻撃を仕掛けた!
「存在を抹消してあげる!光槍神撃!!」
エリザスレインが持っている杖に魔力を込めて振ると、無数の光の槍が魔物達の頭上に現れ、それらが雨のように降り注ぎ、次々と魔物達を絶命させていった!
「消えなさい!強酸の暗礁壁!!……連接剣の恐ろしさ………その身で味わいなさい!」
ファーミシルスは魔術や連接剣を巧みに駆使して、エリザスレインの活躍に負けないがごとく一瞬で次々と大量の魔物達を撃破していった!そして2人は互いの背中を合わせた。
「そこそこやるようだけど…………それが貴女の本気かしら?」
「フフ………今のはただの小手調べよ。そういうそちらこそ、第5位を冠するわりには大した事、ないわね?」
2人はお互いの顔は見ず、お互いを挑発をしていた。
「フフ………その言葉、そっくりお返しするわ!」
そしてエリザスレインは魔物の大群の中心地へ飛んで行き、大きく息を吸って歌い出した!
「我が聖なる歌声に聞ける事、光栄に思いながら、浄化しなさい!♪~~~~~~~」
エリザスレインだけが歌う事ができる聖なる歌――天使の聖歌を聞いたユイドラを襲う魔物達はある者は苦しみながら絶命し、またある者は混乱して同士討ちを始めた!そしてエリザスレインと同じようにファーミシルスも敵陣の中心に突っ込み、大技を放った!
「魔の力よ!我が剣に宿り、我が仇名す者達を薙ぎ払え!暗礁回転剣武!!」
ファーミシルスは連接剣に暗黒の魔力を宿した後、連接剣を最大に伸ばして鞭のように振るって周囲の魔物達を薙ぎ払い、消滅させて行った!相容れない存在ながら2人は競うがごとく、次々と魔物達を滅して行った!
「………なに、あれ~。喧嘩しそうだったわりには結構仲が良いように見えるんだけど……」
ペルルは競うかのように連携しているようにも見えるエリザスレインとファーミシルスを呆れた表情で見ていた。
「フフ…………そうですね。あの方も昔と比べて、随分変わったものですね…………」
ペルルの呟きにメロディアーナは頷いた後、遠い目で昔を思い出していた。
「そういうメロディアーナや私だって、変わったじゃない!」
そこにシャルティがメロディアーナの所に飛んで来て言った。
「そうですね…………それも全てウィルの影響でしょうね。」
「そうだな。相容れない存在のお前達が共に戦い、共に笑い合う等遥か昔から生きて来た我も見た事がない。…………相容れない種族達を協力させる事を実現させた人間、我すらも聞いた事がない。」
「死神である私が………安らげられる所をウィルは………作ってくれた…………」
「精霊王女たるこのわたくしが初めてを奪う事を許したのですから、そのぐらいの事、できて当たり前でしてよ!」
さらにガプタールやラグスムエナも近付いて来て言い、その言葉を聞いたフィニリィは胸を張った。
「…………………………」
種族が違えど、友のように語り合っているメロディアーナ達をイルザーブは黙って見ていた。
「さて………我々も戦闘を再開しましょうか!」
「オッケー!」
「うむ。」
「ええ!」
「ウィル達の敵………全部、殺す…………!」
そしてメロディアーナ達はそれぞれの獲物へと向かって行き、次々と敵を滅して行った!また、天使達や睡魔達もそれぞれ敵を滅して行った!
一方リウイは人気のない所までセオビットを誘導した後、本格的に戦い始めた………!
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