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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第五十一話 佐薙中尉!忍者は手裏剣!!その十六

「九点、勝者決定」
「俺達だ!」
「また俺達が勝ったぜ!」
 イヤッホオオオオオオウウウウウというポーズで言う二人だった。
「敗北の味が知りたいな!」
「何で俺達ってこう無敵なんだろうな」
「負けたこと一度もなし」
「こんなヒーロー滅多にいねえぜ」
 特撮でヒーローが敗れる展開も定番だ、そこから反撃がはじまる。
「常に勝つ」
「それも最高の頭脳でな」
「手裏剣も勝ったぜ」
「夏の藤井寺は暑いけれどな」
 そもそも大阪の夏自体が暑い。
「猛暑もものともせず勝った俺達凄いぜ!」
「最高だな俺達!」
「じゃあ今回もやるか」
「勝利のポーズをな」
 某ヤッターマンの様にだ、そして実際に。
 二人は今回も白波立つ岩場の中にそれぞれ腕を組んで誇らしげに立ってだ、旭日を背に高らかに宣言した。
「正義は勝つ!」
 こう宣言した、そして。
 その後でハングオンを呼んで帰ろうとする、だがそのハングオンにだ。
 藤井寺の子供達が集まってだ、蹴飛ばし噛んでいるガムをくっつけて十円傷まで付けてボンネットにはゴミまで置きはじめた。
「何だよこんな車」
「とっとと潰れちまえよ」
「えい、タイヤに画鋲付けてやる」
「十円傷どんどん付けろ」
「おいガキ共何してやがる!」
「ヒーロー様の車に傷つけるとはいい度胸してるな!」
 二人はマスクの上から青筋を立てて抗議した。
「そんなことして只で済むと思ってるのか!」
「手前等の父ちゃんか母ちゃんの浮気写真捏造するぞ!」
「俺達コラ作るのも得意なんだぞ!」
「それでそのコラ写真バラ撒くぞ!」
 いつもの如く言うのだった。
「ガキだからって容赦しねえぞ!」
「暴力は振るわないけどな!」
 流石に子供にそんなことはしない、幾らこの二人でも敵に対してすら無闇な暴力を振るう様なことはしない。ヒーローだからこそ。
「手前等の家に犬のうんこ置いていくぞ!」
「それで家から出てすぐに踏む様にしてやるぞ!」
「ああ、やれるものならやってみろよ」
「そんなことしか出来ないのかよ」
 子供達も二人に負けじと言う。
「うんこなんかどけるよ」
「そもそもコラ画像とか今時誰が信じるんだよ」
「本当に下衆なことしかしないな」
「最低なヒーローだよな」
「うるせえ、人の車に悪さしてから言うな」
「ハングオンは絶対に傷つかない仕様だけれどな」
 そうした設定である。
「謎の超合金で出来てるしな」
「タイヤも特殊タイヤだぜ」
「それこそ核ミサイルの直撃受けても平気だぜ」
「だから手前等に何か出来るかよ」
 そこまで頑丈なのだ。
「まあゴミは後で奇麗にしないといけないけれどな」
「傷は付かないぜ」
「じゃあ帰るか」
「それで星名美津紀さんの写真集とDVD観るか」
 こんなことを言ってだ、そのうえで。
 二人は子供達をしっしとどけさせてだ、車に乗り込んで。
 そのまま去る、だが二人への声援はこんなものだった。
「事故れ!」
「ヤクザのベンツと衝突しろ!」
「崖から落ちろ!」
「それで事故死しろ!」
「うっせえ、そんなことになるか!」
「次回も俺達は大活躍だ!」
 二人は車窓から運転しつつ顔と中指を突き立てた手をl出して彼等に返した。
「確かにもうすぐ連載終了だけれどな」
「それでも俺達は事故るか!」
「これでも安全運転だ!」
「ヤクザのベンツもどけてるぜ!」
「じゃあまた次回も宜しくな!」
「俺達の活躍とくと拝みやがれ!」
 こんなことを言いつつ車窓から正面に顔を戻した二人だった。そうして藤井寺を去る。
 二人の戦いは今回も終わった、だが日帝衆との戦いはもう少しだけ続く。戦えジャスティスカイザー、負けるなジャスティスカイザー!


第五十一話   完


                     2015・12・24 
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