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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
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第117話

~アルゼイド流・練武場~



「オオオオッ!!」

アルゼイド子爵と対峙したリィンはクラフト――――洸破斬を放ったが

「甘い!」

アルゼイド子爵は襲い掛かる衝撃波を大剣で一閃した!



「死ネッ!!」

その時リィンは一瞬でアルゼイド子爵の背後に回ってクラフト―――朧を放ったが

「フンッ!!」

「!!」

アルゼイド子爵はすぐに振り向いてリィンの奇襲を防ぎ、奇襲を防がれたリィンは後ろに跳躍して距離を取ろうとしたが

「逃しはせぬ……!」

アルゼイド子爵のクラフト―――洸閃牙によって引き寄せられ

「とぉうりゃああっ!!」

「グッ!?」

アルゼイド子爵の一閃を間一髪太刀で防いだが、アルゼイド子爵の一閃は重い一撃だった為、後ろへと吹っ飛ばされた。



「―――洸迅剣!!」

そこにアルゼイド子爵が光の刃を高速で解き放つクラフト―――洸迅剣を放って追撃し

「!!」

リィンはまるで瞬間移動をしたかのようにその場から消えてアルゼイド子爵の側面に現れ

「オォォォォ……!」

太刀に闘気によって発生した風の刃を纏わせた!



「え―――あの構えはまさか……!」

(”飛燕剣”だと!?)

一方戦いを見守り、技を放とうとするリィンの動作に見覚えがありすぎるシュリとハイシェラは驚き

「ご主人様の剣技を放つ動作に似ていないか?」

「ああ。”飛燕剣・燐の型”――――”紅燐剣”だ。」

メティサーナの疑問にセリカは静かに頷いて答えた。



「オォォォオオッ!!」

「ムンッ!!」

そしてリィンが放った剣技―――紅燐剣を大剣の一振りで無効化し

「今度はこちらから行くぞ!―――セイッ!!」

光の速さで敵に突撃する剣技―――洸閃剣で反撃したが、リィンは再びその場から目にも見えない速さで消えてアルゼイド子爵から距離を取り、そして!



「オォォォォォォオオ――――――――――ッ!!」

ある剣技の構えをした後太刀に膨大な魔の気を纏った炎を纏わせ

「ほう……?」

「なっ!?まさか”アルゼイド流”の奥義の一つ―――『洸刃乱舞』をリィンは習得していたのか!?」

自分達にとって見覚えがありすぎるリィンの太刀の構えを見たアルゼイド子爵は興味ありげな表情をし、ラウラは信じられない表情で声を上げた。



「ええっ!?リィンって、二つの流派の剣技が使えるの!?」

「いや、オレ達も見るのはあれが初めてだ。」

ラウラの言葉を聞いて驚いているミリアムにガイウスは説明し

「馬鹿な……他流派の奥義等一朝一夕で身につく物ではないぞ!?」

ユーシスは驚きの表情で声を上げた。

「何でしょう……?今のお兄様から何だかよくない気配が凄まじく感じられます……」

「………(どういう事……?他者の技を自らの糧とする能力なんて、聞いたことがないわ……)」

不安そうな表情をしているセレーネと共に真剣な表情でリィンを見つめているエマは心の中で戸惑っていた。



「シャアアアアア――――――ッ!!」

そして太刀に膨大な闘気と魔力を纏わせて炎の剣と化させたリィンはアルゼイド子爵に詰め寄って連続で斬りつけた後回転斬りと共に炎の竜巻を発生させ、炎の竜巻が消えると僅かに傷を負った様子のアルゼイド子爵がリィンの太刀を受け止めていた!



「フッ、”焔”を纏った”洸刃乱舞”か。名付けるとしたら”焔刃乱舞”と言った所だな。――だが、そこまでだ!」

リィンの太刀を受け止めていたアルゼイド子爵は静かな笑みを浮かべた後、後ろに跳躍してリィンから距離を取り

「そろそろ決めさせてもらおう……!絶――――洸凰剣!!」

膨大な闘気を纏って大剣を光の大剣と化させたアルゼイド子爵は残像を残しながら一瞬でリィンに詰め寄って絶技―――洸凰剣を叩き込んだ!しかし―――



「オォォォォォ…………ッ!!」

「何……ッ!?」

何とリィンはアルゼイド子爵の絶技を真正面から太刀で受け止めてアルゼイド子爵と鍔迫り合いをし、自身の絶技が防がれた事にアルゼイド子爵は目を見開き

「馬鹿な!?父上の絶技を正面から受け止めて防ぐだと!?」

「ふえええ~っ、”光の剣匠”の凄い一撃を防ぐなんて、リィンって、滅茶苦茶強かったんだね~。」

ラウラは驚き、ミリアムは目を丸くし

「………(おかしいわ……筋力、反射神経……身体能力の全てが他の”選ばれた人”とは比べ物にならないくらい上がっているなんて……一体どうして……?)――――!!」

クラスメイト達が驚いている中、リィンの圧倒的な身体能力に戸惑っていたエマが考え込んだその時、ある人物達との会話を思い出した。





ふふふ、それにこれはご主人様の為でもあるのですよ?私達の力を分け与えてあげる事で力を得て強くなる一番効率的な方法なのですから。



……今の話から推測すると、あの子はその身に”魔王”と”精霊王”の力を宿しているって事よね?その事によってアタシ達の”目的”に支障が出ないか心配ね…………





「(まさか……ベルフェゴールさんとリザイラさん―――”魔王”と”精霊王”の力をその身に宿した影響!?)………!!」

リザイラの話を聞いてある事を推測したセリーヌの言葉を思い出したエマが血相を変えたその時、リィンはアルゼイド子爵から距離を取った。



「オォォォォォォッ!!」

「ぬっ!?これは一体……!?」

そして距離を取ったリィンが発動したクラフト―――魔眼によって身体の動きを封じられたアルゼイド子爵は戸惑い

「あれは一体……一瞬奇妙な”風”が子爵を覆ったが……」

「―――対象者の空間を呪縛する技―――”魔眼”です!(”魔眼”まで使えるなんて、一体どうなっているの!?)」

その様子を見守っていたガイウスの疑問にエマは真剣な表情で答え

「なっ!?空間を呪縛する技だと!?」

「な、何なのその反則技~!?」

「人の身で空間を呪縛するなんて正直、信じられないです……」

エマの説明を聞いたユーシスとミリアムは驚き、セレーネは信じられない表情でリィンを見つめ

「さっきから気になっていたけど、リィン、色んな人の技を使っているよね?」

「え……?あ……!」

「確かに言われてみれば、ご主人様とヨシュア、そしてヴィクターの奥義も使っていたな……」

「―――あれが今の奴の真の力かもしれんな。」

エヴリーヌの疑問を聞いたシュリは首を傾げた後すぐに心当たりを思い出して驚き、メティサーナの話に続くようにセリカは答えた後二人を見つめた。するとその時!



「滅ビヨ……!オォォォォォ――――――――――――――ッ!!」

リィンはアルゼイド子爵が絶技を放った時と同じ構えで膨大な闘気と魔力によって太刀を巨大な焔の太刀と化させて力を溜め込み

「な――――父上の絶技まで使えるのか!?」

リィンの行動を見たラウラは驚き

「…………………」

自身の絶技を使おうとするリィンを見たアルゼイド子爵は取り乱さず、その場で集中し

「ハァァァァァァァァ―――――――ッ!!」

なんと内に溜め込んだ膨大な闘気を解放して”魔眼”による効果を解いた。しかしその時!

「シャァァァァアアアア―――――――ッ!!」

リィンが紫色の妖しげに燃える焔を纏った絶技――――鳳凰剣をアルゼイド子爵に叩き込んだ!



「クッ……!?グッ!?」

リィンの強烈な一撃を間一髪大剣で防いだアルゼイド子爵だったが、リィンの一撃は余りにも凄まじく、太刀を受け止めた瞬間勢いよく後ろへと吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられ

「滅ビヨ……!シャアアアアアア―――――ッ!!」

その隙を逃さないかのようにリィンは奥義――――漸毅狼影陣でアルゼイド子爵に襲い掛かり

「グウッ!?」

すぐに態勢を建て直して全方向から襲い掛かるリィンの一撃離脱の連続攻撃を防いでいたアルゼイド子爵だったがリィンの人間離れしすぎた動きには全て防げず、いくつかの斬撃を受けて傷つき

「オォォォォオ―――――ッ!!」

リィンは跳躍して止めの一撃である膨大な闘気の焔を解き放ち

「グアッ!?」

「父上!?」

闘気の焔による大爆発をまともに受けたアルゼイド子爵は呻いて思わず地面に膝をつき、それを見たラウラは驚いた。一方奥義を放ち終えて着地したリィンはアルゼイド子爵に詰め寄って斬撃を叩きこもうとしたが

「――――そこまでだ。」

「セリカ殿……!?」

なんといつの間にかセリカがアルゼイド子爵の前でリィンの斬撃を受け止めていた!



「シャアッ!!」

一方攻撃を妨害されたリィンは何度もセリカに連続で攻撃したが、セリカは全て回避した後牽制攻撃に魔剣『ラクスハイシェラ』を振るってリィンに距離を取らせた。

「―――下がっていろ、子爵。今の奴は”魔神”と同等と言ってもおかしくない。その傷ついた身体で相手をするのは難しいだろう。」

「お気遣いはありがたいですが、これは私達の戦い。助太刀は無用―――」

セリカの話を聞いたアルゼイド子爵は反論したが

「シュリ、子爵の治療をしてやれ。」

「は、はい!」

セリカはアルゼイド子爵の反論を無視してシュリに指示をした後、リィンと対峙した。



「死ネッ!!」

セリカを真っ先に倒すべき相手と判断したリィンは剣技―――裏疾風で強襲し

「――――そこだっ!!」

「グウッ!?」

リィンが自身に強襲する瞬間セリカは高速の一振りで無数の斬撃を叩きこむ飛燕剣の上位剣技の一つ――――沙綾身妖舞を叩き込み

「シャアッ!!」

「無駄だ!枢孔――――円舞剣!!」

「グッ!?」

斬撃波を放ったリィンに自身の周囲を一瞬で溜め込んだ膨大な闘気の刃を高速に解き放つ飛燕剣の奥義の一つ――――枢孔円舞剣で斬撃波を呑みこむと共にリィンに大ダメージを与え、そして!

「―――これで終わりだ。飛燕剣奥義、飛燕――――」

尋常ならざる力を持つリィンすらも反応できないスピードでリィンに詰め寄ると共に一瞬で魔剣を高速に振るって無数の斬撃をリィンに叩き込み

「姫神恍舞。」

リィンの背後に立って静かな表情で魔剣を一振りして呟いた。



すると闘気による大爆発がリィンを襲い

「アァァァァアァ――――――ッ!?ぐうっ………!?」

大爆発に巻き込まれたリィンは悲鳴を上げた後、重傷を負った状態で元の姿に戻って太刀を支えに地面に膝をついた…………!




 
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