英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
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外伝~新たなる恋敵(ライバル)の誕生~
~バルフレイム宮・第二迎賓口~
「リィンさんっ!」
「……?殿下、どうされ――――」
自分に走って近づいてきたアルフィン皇女の呼び止める声に気付いて立ち止まったリィンが不思議そうな表情で振り向いたその時
「ん………」
なんとアルフィン皇女はリィンの頬にキスをした!
「!!!!!????」
「「なっ!!??」」
(あらあら♪)
(ふふふ、さすがご主人様ですね。)
アルフィン皇女に頬をキスされたリィンは混乱し、その様子を見たエリスとアリサは血相を変えて声を上げ、ベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべ
「ほう……」
「まあ……!」
「ア、アルフィン!?」
「ヒュ~ッ、よかったじゃないか、リィン君♪アルフィンにキスをされるなんて、エレボニア帝国中の男子が羨ましがる出来事だぞ♪う~ん、今の瞬間を是非写真に取って置きたかったよ♪」
レーグニッツ知事は興味ありげな表情をし、セレーネは目を丸くし、セドリック皇子は驚き、オリヴァルト皇子は口笛を吹いてからかいの表情になり、周囲の人物達はそれぞれ驚きの表情をしていた。
「な、ななななななななななななななっ、で、殿下、一体何を……!?」
「ふふっ、リウイ陛下達からわたくしの失態を取り消すよう、意見してくださった件とわたくしのダンスパートナーを務めて下さったのに貴族達から罵倒された件のお詫びですわ。」
混乱している様子で自分を見つめるリィンにアルフィン皇女は頬を赤らめて誰もが見惚れるような笑顔を浮かべて答えた後リィンとアリサ、セレーネを順番に見回した後最後にエリスを見つめ
「――――エリス、アリサさん、セレーネさん、ベルフェゴールさん、リザイラさん。わたくし、どれだけ不利な状況であろうと負けるつもりなんてありませんし、諦めるつもりもありませんわよ♪今のわたくしの言葉、エリゼさんにも伝えておいてくださいね、エリス♪」
「ひ、姫様っ!?」
「……………………」
頬を赤らめて可憐な笑顔を浮かべてウインクをしたアルフィン皇女の言葉にエリスは信じられない表情で声を上げ、アリサは驚きのあまり口をパクパクして絶句していた。
「ハッハッハッ!さすが我が妹。不意打ちによる先制攻撃をした後宣戦布告とはやるじゃないか♪いや~、これからどうなるか面白くなってきたよ♪」
「ア、アルフィン…………本当にリィンさんの事を…………」
「ハハ、昨日の件でも十分帝国中を騒がす事となるのに、今の瞬間を写真に取られていたら、更に騒がす事になるでしょうな。」
アルフィン皇女の宣言を聞いたオリヴァルト皇子は声を上げて笑った後感心し、セドリック皇子は呆け、レーグニッツ知事は苦笑しながら見守っていた。
「ね、ねえ……今のアルフィン殿下の発言ってどう考えても……」
「ああ……”そういう事”だろうな。」
一方その様子を信じられない表情で見守っていたエリオットの言葉に表情を冷や汗をかいて表情を引き攣らせているマキアスは頷き
「フッ、どうやら本当に瓢箪から駒になったようだな。」
「フフ、もしこの事をエレボニア貴族達が知れば全員仰天するだろうな。」
「よかったな、リィン。オレは応援しているぞ。」
「フフ、みんなで仲良くできるといいですね。」
ユーシスとラウラ、ガイウスは静かな笑みを浮かべ、セレーネは微笑み
「リィン、逆玉の輿?」
「フフ、どうなるでしょうね?」
首を傾げたフィーの言葉にエマは微笑み
「ふふっ、アルフィン皇女からとっておきの”お土産”を貰ってよかったわね♪というか、リィンの事だからアルフィン皇女の今の行動や発言に込められた真意も気付いていないんでしょうね♪」
サラ教官はからかいの表情になった口元をニヤニヤさせてリィンを見つめ
「フッ、それどころか懲りずにまだ増やし続けるのではないか?」
「レ、レーヴェ……」
「今の状況を考えると、洒落になっていませんよ……(というか、セレーネまで……ううっ、大切な妹が多くの女性に好かれている男性が好きだなんて複雑な気分……リィンさん、セレーネを泣かしたら許しませんよ……!)」
静かな笑みを浮かべて呟いたレーヴェの言葉にプリネとツーヤはそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせていた後疲れた表情で溜息を吐いた後殺気を纏ってリィンを睨み
「……!?」
(ツ、ツーヤ………)
ツーヤの殺気に気付いて背筋が寒くなったリィンは戸惑いの表情で周囲を見回し、ツーヤの様子に気付いたプリネは苦笑していた。するとエリスとアリサがリィンに話しかけて来た。
「に・い・さ・ま~~~~??」
「リ・ィ・ン~~~~??」
「だ、だから何でそこで俺を責めるんだよ!?」
膨大な威圧を纏って怒気をメラメラ燃やし続けて微笑むエリスとアリサに見つめられたリィンは慌てたが
「「全部、兄様が悪いのです(よ)!!」」
「すみません………(ううっ、理不尽だ……)」
エリスとアリサに怒鳴られ、何が原因で怒られているのか理解できていないにも関わらず、反射的に謝った。
後にアルフィン皇女がリィンにキスをした件についてエリスから知らされたエリゼは3日後にリィンに頼まれていた鍛錬をする事を名目にエリスと共に士官学院を訪問した。
~3日後・トールズ士官学院・ギナジウム~
「さてと。よろしく頼むな、エリゼ。」
ギナジウムの訓練所でエリゼと対峙したリィンは武器を構えてエリゼを見つめたが
「ええ。とくとお見せしましょう、”剣聖”直伝の八葉一刀流を……!」
「え、えっと……俺、何か怒らせるような事をしたか?」
膨大な威圧を纏って微笑みながら武器を構えるエリゼを見つめて冷や汗をかいて尋ねた。
「ご自分の胸にお聞きになったらどうですか?」
「…………」
しかしエリゼの微笑みに圧され、押し黙った。
「フフ……お二人とも頑張ってください。」
(ね、ねえ。もしかしてエリゼちゃんが怒っている理由ってアルフィン皇女の件じゃない……?)
(あ、ああ、あの件か。あの場にはエリス君がいたから、エリス君から知らされていてもおかしくないな……)
その様子を見守っていたエリスは膨大な威圧を纏って微笑み、たまたま暇で、二人の対戦を見学していたエリオットに小声で尋ねられたマキアスは冷や汗をかいてエリスを横目で見た後頷き
「―――ラウラさん、合図をお願いします。」
「うむ。―――両者、構え!―――始め!」
そしてエリゼに視線を向けられた審判役のラウラは頷いた後、号令をかけ、ラウラの号令によって二人は戦闘開始した。すると
「秘技――――裏疾風!!」
「ちょっ、いきなりかっ!?」
エリゼが電光石火の速さで先制攻撃を仕掛け、リィンは慌てた様子でエリゼの太刀を自分の太刀で受け流し
「斬!!」
「せいやっ!!」
エリゼが放った斬撃波を剣技―――孤影斬で相殺した。
「スゥゥゥゥ…………ハッ!!」
そしてエリゼはクラフト―――軽功で自身の身体能力を上昇させ
「二の型―――大雪斬!!秘技――――八葉滅殺!!ハァァァァァァ……!」
「ちょっ……!エ、エリゼ……!何をそんなに怒っているんだ……!?」
次々とリィンに攻撃を仕掛け、エリゼの連続攻撃にリィンは防戦一方になり、エリゼから一端距離を取ったリィンは冷や汗をかいて尋ねたが
「試合中に問答は無用です!二の型・改!―――雷鳴剣!!」
「うわっ!?」
エリゼはリィンの問いかけを無視して再び攻撃したが、リィンは慌てた様子で太刀で受け流した。
「フフ、さすが兄様です。ですが”本番”はここからですよ……?」
攻撃を受け流されたエリゼは膨大な威圧を纏って微笑みながらリィンを見つめながら太刀に闘気を溜め込み
(い、一体俺が何をしたって言うんだ……!?)
エリゼの様子を見たリィンは冷や汗をかいて表情を引き攣らせたが
「二の型――――洸破斬!!」
「クっ!?」
エリゼが放った衝撃波を太刀で防御したが、太刀ごしに伝わって来る衝撃で後退させられ
「フフ、防御や回避ばかりでは訓練になりませんよ?」
「…………」
膨大な威圧を纏って微笑むエリゼに微笑まれ、冷や汗をかいた。
(うふふ、見ている方は面白いわね♪)
(ふふふ、この様子ですと今夜も再び盛られてあの二人に犯されるのでしょうね。)
その様子を見守っていたベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべ
「ほう……また腕を上げたな。フフ、リィンの対戦が終わった後でする私との対戦が今から楽しみだ。」
ラウラは感心した後興味ありげな表情でエリゼを見つめた。
「き、君なあ……それしか思う事はないのか?」
「アハハ……腕を上げたというより単に八つ当たりをしているだけだと思うんだけど……」
ラウラの言葉を聞いたマキアスは呆れ、エリオットは苦笑したが
「―――何か言いましたか、マキアスさん、エリオットさん?」
「あわわわわっ……!な、何でもありませんっ!!」
「余計な事を言ってすみませんでした!」
膨大な威圧を纏って微笑むエリスに微笑まれ大量の冷や汗をかいて首を何度もブンブン横に振ってマキアスと共に慌てた様子で反射的に敬語で自分達の言葉を撤回した。
その後リィンは訳のわからないまま、怒りがピークに達しているエリゼの激しい攻撃によってほとんど防戦一方になって模擬戦の結果はリィンの敗北になったが、かろうじてエリゼが使った剣技のいくつかを習得していた…………
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