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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
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第65話

7月21日――――



~トールズ士官学院・グラウンド~



「さて、楽しい実技テストのお時間だけど……―――その前に、リィン。見学しなくていいのね?」

「いえ、3日経って体調も完全に戻りました。むしろ調子がいいくらいです。」

サラ教官に問いかけられたリィンは問題ない事を伝えた。

「それは結構……なら先鋒を務めてもらおうかしら。メンバーを1名選びなさい。」

「了解です。」

そしてリィンは自分が選んだメンバー―――アリサと共に前に出た。



「対戦相手はラウラとフィー、君達二人が務めなさい。」

「承知……!」

「ん。」

(……アルバレアとレーグニッツの時と違い、個々の戦闘能力は高く、少なくとも”結社”の”強化猟兵”よりは上だが…………)

サラ教官の指示に驚いた二人はそれぞれ頷き、レーヴェは指名された二人を冷静な様子で見つめ

(うーん……ちょっと露骨すぎるような。)

(以前のユーシスさん達のようにはならないと思いますが……)

その様子を見守っていたエリオットとツーヤは不安そうな表情をした。

(だが、これは好カードだな。)

(純粋な戦闘力やスピードならば彼女たちはズバ抜けているが……)

(問題はお二人が連携できるかどうか、ですね。)

ユーシスの推測を聞いたガイウスとプリネはラウラとフィーの微妙な雰囲気を思い出し、真剣な表情で二人を見つめた。指名された二人はそれぞれ微妙な雰囲気を出しながらリィンのチームと対峙した。



(……どちらも強敵だが勝機はこちらにあるみたいだな。”戦術リンク”を駆使してこちらの流れに持って行くぞ!)

(ええ……!)

(うふふ、この二人なら心配いらないわね♪)

(ふふふ、そうですね。息がピッタリな強力な攻撃もできるのですから。)

(がんばれ~、アリサ~!)

リィンに視線を向けられて力強く頷くアリサの様子をベルフェゴールとリザイラは微笑ましそうに見つめ、ミルモは純粋に応援した。

「それでは双方、構え。」

サラ教官の合図によってリィン達はそれぞれの武器を構え

「―――始め!」

サラ教官の号令によって模擬戦を開始した!ラウラとフィーは強敵だったが、二人は戦術リンクを使わず個々の能力だけで戦っていた為、戦術リンクを使って協力するリィンとアリサの前によってまず体力が低いフィーが戦闘不能にされた事によって、さすがのラウラも自分と同等くらいの腕前のリィンに加えてアリサの後方からの援護攻撃には耐えきれず、戦闘不能にされた。



「そこまで!勝者―――リィンチーム!ふふ、君達もなかなかやるようになったじゃない。」

「ありがとうございます。」

「ラウラとフィーは……ま、言われなくてもわかってるか。」

「自分達の欠点が原因で実戦で”死”に結びつく者達もいる。今回の模擬戦の結果を反省し、できるだけ早く改善できるように努めておけ。」

「………………はい。」

「……………………」

サラ教官とレーヴェの指摘に重々しい様子を纏って頷いたラウラとフィーはリィン達と共に下がった。

「それじゃあ、次行くわよ。同じく2対2の模擬戦闘で組み合わせは――――」

そしてサラ教官の指示によって次の模擬戦をする者達が用意している中、エリオットはリィンに話しかけた。



「リィン、お疲れ様。…………あの二人もそろそろ、何とかしてあげたいよね。」

「ああ、どうやらお互い嫌っているわけじゃなさそうだ。きっかけさえあればと思うんだが…………」

「うーん…………そうだね。……それにしても体調はすっかり良いみたいだね?」

「ああ、完全に本調子だ。あんまり引き摺ったら妹が気に病みそうだしな。(というかあの晩の二人のアレのせいで体力自体は戻っていたんだよな……ハア…………)」

エリオットに尋ねられたリィンは数日前の出来事を思い出して溜息を吐いた。



2日前――――



~トリスタ駅~



「昨日は本当にお世話になりました。」

「……お騒がせしました。その、わざわざベッドの用意までして頂いて……」

リィン達に見送られようとしているエリゼとエリスはそれぞれ頭を下げた。

「ううん、気にしないで。ウチのメイドにかかればそのくらいは朝飯前だし。」

「ふふっ、シャロンさんですし。」

アリサの言葉にエマは苦笑し

「確かに二人が泊まるのがわかっていたような準備の良さだったな。」

「フフ、もしかしたらエリゼさんにメイドとしての優秀な能力を見せつけられたから、対抗しているのではないでしょうか?」

「はは……確かに。」

マキアスとツーヤの言葉にリィンは苦笑した。



「兄様……やっぱりまだお身体の調子が?」

「いや、ちょっと筋肉痛がするっていうだけさ。老師の修行に比べればこのくらいは軽いもんだ。」

「フフ、私もカシウス様やエクリア様に鍛えられた最初の頃は凄い筋肉痛がしましたよ……」

エリスに心配されたリィンの言葉に頷くようにエリゼは苦笑し

「で、でも……」

対するエリスは心配そうな表情でリィンを見つめた。



「――――筋肉のスジを痛めた様子も見られない。」

「2、3日あれば完全に回復できると思う。」

「そ、そうですか……でも、私があんな場所に迂闊に入ったりしなければ……」

ラウラとフィーの補足に安心したエリスだったが自分が原因である事を思い出して申し訳無さそうな表情をし

「…………あ………………」

エリスが危険な目にあった本当の理由を知っていたエマは辛そうな表情をした。



「はは、それについても元々はリィンが原因だしね。」

「ま、女心もわかっていないツケね。」

「フン、朴念仁なのも大概にしろということだな。」

「いや、そうだけどさ……何だか集中砲火を受けている気分なんだが。」

エリオットやアリサ、ユーシスの指摘に頷いたリィンは疲れた表情で呟いた。



「まあ、今回ばかりは仕方ないだろう。」

「フフ、これを教訓にせいぜい妹孝行をしなさい。」

「フッ、ハイアームズの二の舞にならないようにせいぜい気をつかってやるんだな。」

「ああもう……!わかった、わかりました!」

そしてガイウスやサラ教官、レーヴェに指摘されたリィンは疲れた表情で肩を落とした。



「「ふふっ……」」

「……やれやれ。」

「……とにかくよかった。」

リィンの様子を見たエリゼとエリスは微笑み、フィーは呆れ、ラウラは安堵の表情をした。

「そうだ、エリゼ。一つだけ頼みがあるんだけど……」

「頼み、ですか?」

「ああ…………時間のある時でいいから、お前の”八葉一刀流”を教えてくれないか?」

「え。」

「に、兄様?」

リィンの頼みにエリゼは目を丸くし、エリスは戸惑った。



「今回の件で自分の力の足りなさを思い知ったよ………だから、今度は2度とエリスやお前を危ない目に合わせない為にも俺は強くなりたいんだ。」

「兄様…………」

「は、はあ……その気持ちはわかりますが、私如きの腕前では兄様に教えられませんよ?私も修行中の身ですし……」

リィンの話を聞いたエリスは静かな表情でエリスを見つめ、エリゼは戸惑いの表情で尋ねた。

「―――”直に技を受ける事で、八葉の技を覚えろ。”老師の教えを守る事もあるけど……―――同じ八葉の教えを学んだ身同士として直に剣を合わせてみたいんだ、エリゼと。」

「兄様…………」

「フフ、その気持ちは私もわかる。」

リィンの説明を聞いたエリゼは驚き、ラウラは静かな笑みを浮かべた。



「フフ、わかりました。休暇ができた時は兄様を尋ねて、拙い剣ですが見せて差し上げましょう。”剣聖”直伝の八葉の剣を。」

「ああ…………!」

エリゼに微笑まれたリィンは頷いたが

「フム、ならばその時にリィンの後で構わぬから是非私とも手合せをして欲しい。私も剣士の一人としてエリゼと直に剣を合わせてみたかったしな。」

「ラ、ラウラ…………」

興味ありげな表情でエリゼを見つめるラウラの言葉に冷や汗をかいた。

「フフ、わかりました。その時はお手柔らかにお願いします。」

「うむ。」

「ラウラさんとエリゼさんの対戦か……凄い勝負になるでしょうね。」

「た、確かにそうですね……」

「フッ、”光の剣匠”と”剣聖”……それぞれから受け継がれし剣がぶつかるのだからどのような勝負になるのか見物(みもの)だな。」

「”剛”のラウラと”柔”のエリゼ。きっと凄い戦いになるでしょうね♪」

ラウラとエリゼが模擬戦の約束をしている様子を見守っていたプリネとツーヤは思わず二人が模擬戦している様子を思い浮かべて冷や汗をかき、レーヴェとサラ教官はそれぞれ興味ありげな表情をし

「あはは、ちょっと見てみたいかも。」

「フフ、そうだな。」

エリオットの言葉にガイウスは静かな笑みを浮かべて頷いた。

「………………」

その様子を見守っていたエリスは寂しげな表情をしていたが

「フフ、心配しなくても私がトールズ士官学院に行く時は必ずエリスを誘いに行くし、その時に貴女が知りたい事――例えば料理とかを教えてあげるわ。勿論貴女が望むなら私の剣や魔術も教えてあげるわ。」

「!姉様……!はい……!」

エリゼに微笑まれ、嬉しそうな表情で頷いた。



「それにしても……結局、あの甲冑は何だったんだ?あの巨大な赤い扉もそうだが……」

「……そうだな。」

「僕達が探索した直後に出現した”赤い扉”……そしてエリスちゃんの目の前に現れた巨大な甲冑か……」

ある事を思い出したマキアスの疑問にリィンとエリオットはそれぞれ頷いてその時の状況を思い返した。



「何か不思議な”声”が扉から聞こえてきたのよね?」

「はい……『第四拘束』『起動者』『第一の試し』……そういった断片的な言葉しか覚えていないんですが……」

「いや、あの状況でそこまで覚えているだけでも大したものだ。」

「……やっぱり”何か”があの遺跡にはあるんでしょうか。」

アリサの疑問に答えたエリスの話を聞いたラウラとエマはそれぞれ考え込んだ。



「ま、その可能性は高いわね。旧校舎だけど……今後は入らない方がいいかもね。」

「えっ……!?」

「どういう事ですか!?」

サラ教官の考えを知ったエリオットとマキアスは声を上げてリィン達と共にサラ教官を見つめた。

「あそこを君達に紹介したのはいい訓練の場になると思ったからよ。謎のエレベーターに加えて今回みたいな異常が起きたとなれば正直、担任教官としては勧められないわ。学院長も君達への調査の依頼を取り消そうと考えているみたいだし。」

「それは………………」

「……………………」

サラ教官の説明を聞いたリィンは複雑そうな表情をし、エマは目を閉じて考え込み

「……わたしは反対。」

フィーは静かな表情で反論した。



「フィー?」

「実戦のカンを維持するには最適な場所。それに、チームの連携を養うのにも向いてると思う。」

「ああ……私が言うのも何だがそれは間違いないと思う。」

「どうやら”戦術リンク”も効果的に働くようだしな……」

「ああ、そういった働きのある”風”が吹いている気はする。」

「危ないのはともかく……心残りはあるかなぁ。」

「そうね、こうなったら謎は突き止めてみたいわね。」

「……同感です。」

「ええ、逆に突き止めなければ、後々の災厄になると可能性も考えられますね。」

「……そうですね。」

「みんな……―――俺も同じです。どうか、教官達から学院長に掛け合ってもらえませんか?」

フィーの意見に次々賛同するクラスメイト達の様子にリィンは驚いた後サラ教官とレーヴェを見つめた。

「フッ……予想通りの反応だな。」

「ふふ………やれやれ。―――仕方ない。君達の好きにしなさい。学院長の方は説得しておくわ。ただし、今後何かあったらすぐにあたし達に報告すること!」

「はいっ!」

そしてサラ教官の指示にリィン達は力強く頷いた。



「―――兄様。やっぱり私、納得行きません。」

「エリス……?」

「家督を継がないことも、そのために士官学院に入学したという事も……そして、それ以上に兄様はまだ迷っている……自分の道を見失っている。――――そうではありませんか?」

「…………………………ああ…………そうだな。だが、”今回”は……自分自身を取り戻すことができた。多分、この学院に入ってから少しずつ前に進めているからだと思う。俺なりのペースで……みんなと一緒に協力しながら。」

エリスに問いかけられたリィンは静かに頷いて答えた。



「リィン……」

「……えへへ……」

「ふふっ………」

「父さんや母さん、もちろんエリゼとエリスにも納得してもらえる答えを出すつもりだ。だから……歯がゆいかもしれないけどしばらく見守っていて欲しい。不甲斐ない兄で申し訳ないけどさ。」

「「兄様…………」」

リィンの決意を知った双子の姉妹がリィンを見つめたその時

(まあ少なくとも私達と夫婦になる事が決定している兄様が家を離れる事なんて、絶対にありえませんけどね。)

「エ、エリゼ……!」

エリゼに囁かれ、焦った表情をした。するとその時放送が入った。



まもなく2番ホームに帝都行き旅客列車が到着します。ご利用の方は、連絡階段を渡ったホームにてお待ちください。



「……どうやら時間のようね……」

「あ…………」

放送を聞いたエリゼは静かに呟き、エリスは寂しそうな表情をした。するとリィンが2人に近づいて2人の頭をそれぞれ優しく撫でた。

「「に、兄様……!?」」

「―――エリスは近いんだし、すぐにまた会う機会はあるし、エリゼはエリゼで必ず会う機会はあるさ。話の続きはその時すればいい。」

「あ……わかりました。絶対ですからね……!」

「それでは兄様、どうかお身体にお気をつけて…………」

そして二人はリィン達に見送られ、列車に乗ってトリスタから去って行った。

~現在・トールズ士官学院・グラウンド~



「うーん、でもリィンってかなりのシスコンだったんだね。エリゼちゃんとエリスちゃんの方はブラコン以上って感じだったけど。」

「う”っ。」

(うふふ、何せ痺れ薬と媚薬を盛って、襲ってくるくらいだものね♪)

(ふふふ、あの一件で妹達の自分に対する恋心を思い知ったでしょうね。)

エリオットの指摘で二人に純潔を無理やり奉げられた夜を思い出したリィンは唸って冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、その様子を見ていたベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべた。



「(アハハ、さすがに自覚はあるんだ。)えっと、彼女達は15歳だっけ。貴族の人って16歳がデビューって聞いたけど。メンフィルも同じなの?」

「ああ、エリスも来年、社交界入りをするはずだ。エリゼは……リフィア殿下の専属侍女長を務めている関係で難しいだろうな。――――ただ、エリスは生半可な貴族の男性が声をかけてくるかどうかで心配だし、エリゼはエリゼでリフィア殿下の専属侍女長を務めているから、殿下は勿論殿下の専属侍女長であるエリゼに出世の為に親しくなろうとする不貞の輩が近づくかもしれないから色々と心配なんだよな……」

(アハハ、こんなに凄いシスコンは初めて見たな。)

(うー……恋敵(ライバル)が4人とか多すぎでしょ……しかも全員私と比べるとかなり有利な立場にいるし。)

(フフ…………)

自分のの疑問に答えたリィンの話を聞いたエリオットは苦笑し、二人の話を聞いて疲れた表情で肩を落とすアリサの様子をエマは微笑ましそうに見つめていた。するとその時サラ教官が手を叩いてリィン達を注目させた。



「―――実技テストは以上!それじゃあ、今週末に行ってもらう”実習地”を発表するわよ。」

「フン……来たか。」

「むむっ、今月は……」

そしてサラ教官はリィン達に”特別実習”のメンバー表を配った。





7月特別実習





A班:リィン、ラウラ、フィー、マキアス、エリオット、ツーヤ



  (実習地:帝都ヘイムダル)





B班:アリサ、エマ、ユーシス、ガイウス、プリネ



  (実習地:帝都ヘイムダル)





「これって……」

「あら、どちらの班も”帝都”が実習先なんですね。」

実習先が同じである事に気付いたリィンとエマは目を丸くした。



「ふむ、二つの班で手分けするという事だろうか?」

「まあ、ものすごく大きな街だしそうなるのが自然だけど……」

ガイウスの疑問に答えたアリサはチラリとラウラとフィーを見つめ

「「………………………」」

ラウラとフィーは黙り込み

(あたしに何か恨みでもあるんですか、サラ教官……!?何であたしがいる班ばっかり、揉めている人達がいるんですか……!)

(さ、さすがに4連続になると、どう考えてもわざとツーヤを入れているとしか思えないのよね……)

疲れた表情で溜息を吐いた後身体を震わせながら恨めしそうにサラ教官を見つめるツーヤの様子を見たプリネは冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



「班の構成はともかくまさか帝都が実習先とは……」

「僕とマキアスにとったらホームグラウンドではあるよね。でもそっか…………夏至祭の時に帝都にいられるんだ。」

マキアスの言葉に頷いたエリオットは静かな笑みを浮かべた。



「…………―――サラ教官。」

一方班のメンバーを見つめて黙り込んだリィンはジト目でサラ教官を見つめ

「何かしら、リィン君?」

(やれやれ……問題の二人はともかく、他のメンバーは変えてもよかっただろうに。)

サラ教官は笑顔で答え、その様子をレーヴェは呆れた様子で見守っていた。



「君付けはやめてください。実習先と班分けには別に不満はないんですが……先々月の班分けといい、なんかダシに使われていませんか?」

(うふふ、間違いなく使われているわよ♪)

(ふふふ、これもご主人様の”人徳”が為せるものですね。)

ジト目で尋ねるリィンの様子をベルフェゴールはからかいの表情で見つめ、リザイラは静かな笑みを浮かべて見つめた。



「確かに…………」

「フッ、先月の班分けからお前だけが移るパターンか。」

リィンの指摘にアリサは冷や汗をかいて頷き、ユーシスは静かな笑みを浮かべ

「あたしも言いたい事があります!何であたしがいる班だけ、いつもいつもあたしに任せたとでも言わんばかりのメンバーになっているんですか……!?」

「お、落ち着いて、ツーヤ。というか、ツーヤが怒っている所なんて、初めてみたわ……」

「……さすがにここまで露骨な事をされたら、温厚な性格をしているルクセンベールでも怒って当然だな。」

顔に青筋を立てて口元をピクピクさせながらサラ教官を見つめて意見するツーヤの様子を見たプリネは冷や汗をかいて戸惑いの表情でツーヤを諌め、ツーヤの様子を見たレーヴェは呆れた表情でサラ教官に視線を向け

「た、確かに言われてみればそうですよね…………?」

「ツーヤの場合、最初の実習の時からずっとだからはこれで4連続になるよね……?」

「………ツーヤもリィンと同じように期待されているという事ではないのか?」

ツーヤの話を聞いたエマとエリオットは冷や汗をかき、ガイウスは不思議そうな表情をし

「うぐっ。ツーヤに苦労をかけていた身としては大変申し訳ない気分だよ…………」

マキアスは唸った後疲れた表情で溜息を吐いた。



「~~~~~♪~~~…………」

一方リィンとツーヤに見つめられたサラ教官は二人から視線を外してわざとらしく口笛を吹いて答えを誤魔化し、その様子を見たアリサ達は冷や汗をかいて呆れ

「「―――口笛を吹いてごまかさないでください!」」

リィンとツーヤはジト目でサラ教官を見つめて指摘した。



こうして……ラウラとフィーが互いに壁を作っている状態が治らない中、ついに”特別実習日”が来た…………! 
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